クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

レオニード・コーガンのブラームス ヴァイオリン協奏曲

2005年10月17日 06時21分49秒 | 協奏曲
西条祭はボクの廻りでは無事に終了しました。
この「無事に」というのが大切なことであります。
怪我・喧嘩・急性アルコール中毒・・・・危険が一杯ありますので、お祭りはコワイんです。
後半は天気も回復、良いお祭りでありました。
肩や背中の痛みは、数日続きますが・・・・・。


さて、今日はブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77。レオニード・コーガンのヴァイオリン独奏、キリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルの伴奏によるもの。1967年、モスクワ録音のメロディア盤らしい。
日本ビクターの名曲全集からの1枚。これも古本屋で入手したもの。

レオニード・コーガンは、1982年に亡くなっている(当時58歳、まだ若くして心臓麻痺で亡くなったから話題になったはず)。ボクはクラシック音楽を聴き始めた頃で、コーガンの名前しか知らない存在だった。最近、古本屋で偶然見つけて初めて聴いた次第。
指揮も、今は亡きキリル・コンドラシン。

驚くべき技術の高さ、そしてクールな感覚の演奏。

第1楽章のアレグロ・ノン・トロッポ。コンドラシン/モスクワ・フィルの管弦楽が大変力強い。豪快で迫力満点。しかも速い。グイグイ進んでゆく。
冒頭の部分は、厳かな始まり方をするのだが、それ以後は、短調ではあるが悲愴な感じはなく、どちらかというと楽天的な性格のオーケストラ。オーボエなどアッケラカンとして、あまり思い入れなどはない。録音のせいか、少し弦楽の高音が乾いた感じがするのは残念。

ソロが始まると、空気が一変。まさに「一閃」とでも言うべきか。
コーガンのソロの切れ味が抜群で、研ぎ澄まされた鋭利な刃物が閃くようなヴァイオリン。

鋭い。

耳につく・耳に痛いという意味ではなく、演奏の技術・精度が高く、大編成のオケと堂々と渡り合う力量を誇示しつつ、オケの面々を睥睨するようなヴァイオリン・・・・という意味(巧く書けないのだが(^^ゞ)。
仕上げは端正で流麗、ヴァイオリンの音色も非常に美しい。
音色は至ってクールで、透明感がある。やや細身のヴァイオリンだと思うが、一貫して、細身であって、曲想によって太くなったり細くなったりしない。常に細身の音色で最後まで貫いている潔さを感じる。

野球で言うと、バットの真っ芯で捉えたライナーがそのまま糸を引いて真っ直ぐにスタンドに向かって伸びてゆくホームラン・・・・・・(表現が悪いが)。フワッと弧を描くようなものではなく、一直線の当たり。

コーガンのヴァイオリンは、筋がピンと通っている。それが、姿勢の良さ、端正な仕上げ、演奏の潔癖さとして聴き手に伝わってくるのだと思う。男性的な演奏だ。

第2楽章は、オーボエのソロが美しい。オーボエがかなりのオンマイク。よく歌うが、少し明るすぎるかなと思った(そう感じたのは、こちらの体調のせいかもしれないが)。
ソロ・ヴァイオリンは、ここでも第1楽章と同じように、筋の通った演奏。高音の持続音が、特に美しい。細身で、冴え冴えとして、輝かしい音色。どこまでも伸びてゆく高音から、キラキラと燦めきがこぼれ落ちてくる感じ。ため息が出るほど綺麗。

第3楽章は、独奏とオーケストラが一体となった熱い演奏。コーガンはクールに独奏を続けているのだが、コンドラシン/モスクワ・フィルは熱い。このアンバランスがまた面白い。最後までコーガンはコーガンなのだ。筋を通すオトコなのだ。


レオニード・コーガン。名演奏家を紹介した雑誌や書籍でよく耳にした名前であったんですが、聴くのは初めてでありました。
素晴らしいヴァイオリニストを、また一人見つけた思いでありました。

嬉しいものです。
僕の愛するヴァイオリニストがまた一人増えました。
こういう幸福感、エエもんです。




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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-03-06 06:14:04
全く同感です。コーガンの調子のよい時 技術的にややハイフェッツを凌ぎます。
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