クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ブーレーズ/ウィーン・フィルのマーラー  交響曲「大地の歌」

2011年05月30日 04時53分54秒 | 交響曲
よく降る雨です。
休日もずっと雨でした。台風の被害はありませんでしたが梅雨前線が活発で、十分すぎる量の降水でした。

さて、今日書いているのはマーラーの「大地の歌」です。
この曲はさて、交響曲に分類すべきなのか、オーケストラ付きの歌曲に分類すべきなのか・・・・。
交響曲全集でも収録しているものと、そうではないものとありますしねえ。
先日購入した河出書房の文藝別冊『マーラー』でも、渡辺和彦氏が同様のことを書いておりました。指揮者によっても、その姿勢が違うのだと。ふ~む。

で、この指揮者の全集はまだ廉価盤化されませんが、いずれ、「大地の歌」を含む全集がボックス物になって出てきそうな気がします。きっと激安で・・・・やれやれ(-_-;)

■マーラー:交響曲「大地の歌」
■演奏:ピエール・ブーレーズ指揮ウィーン・フィル
■声楽:ウルマーナ(Ms) シャーデ(T)
■録音:1999年 DG盤

シャーデの声は少し金属的な感じ。
フォルティシモの時、独特の刺すような声になって、やや耳につく感もあり。これは好みが分かれるかもしれない。迫力を感じるので、ボクは嫌いではないけれど。

メゾのウルマーナは巧い。ふくよかな声で包み込むような豊かな響きを持っている。美しいと云うより、優しく包容力のある声と云うべきか。
特にラスト「告別」では、長大な楽章にもかかわらず。最後まで見事な歌唱を聴かせる。感動的だった。

オーケストラはウィーン・フィル、フォルティシモの迫力はもちろん良いのだが、特にいいのはピアニシモ。まったくデリカシーの極み。ホンマに美しいと思う。ハッとするような美しさがある。
ニュアンスも多彩で,マーラーの描いた陰影、明暗を美しく描き出す。

オーボエなどは大変に巧いし、フルートやクラリネットなども存在感十分。木管のニヒルさは、他の演奏では聴けないかもしれない。

ブーレーズの指揮は余裕さえ感じさせ,自信に満ちている。
安定感十分。昔の先鋭さは影を潜めた。
感情的に煽るようなところもないので、しみじみと音楽を味わえた。


録音は大変素晴らしいです。
定位、奥行き、左右への広がりとも文句なしの名録音と思います。
弦楽セクションの響きが実に繊細にきこえますし、木管や金管の動きもよく捉えられていて、ダイナミックレンジも広大です。
ヴォーカルの自然さもよく、これは数ある「大地の歌」の中でも屈指の優秀録音と思われます。

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2 コメント

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ブーレーズの大地の歌 (mikotomochi58)
2011-05-30 21:43:54
こんばんはです。ブーレーズのマーラーは、拙ブログでも取り上げましたが、私もけっこう気に入っています。冷静で明晰、精緻な演奏がなかなかいいですねえ。この大地の歌もいいです。ウルマーナも現在ではこ告別を歌う白眉と思います。しかし、なんで大地の歌は、全集にはふまれないのですかね。単なる姿勢でしょうか。マーラーは交響曲と言っているので、番号はなくても交響曲でしょう。チャイコのマンフレッドであるとか、シベリウスのクレルボ、ベートーヴェンの戦争交響曲などと同じ扱いでしょうか。それとは少々違うように思います。加えて、8番なんか交響曲の範疇から完全に離れた作品も番号がついているから交響曲と扱われていることを思えば、大地の歌も交響曲の中に含めて欲しいと思います。以上、大地の歌がかなり好きなものからの意見であります。
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>mikotomochi58 様 (mozart1889)
2011-05-30 22:21:18
こんばんは。コメント感謝です。
マーラーの「大地の歌」、ボクは交響曲だと思っているんです、一応。
おっしゃるように、8番の方が全く異様で、あれはオラトリオだなぁといつも思います。実は8番はマーラーの中で最も苦手な交響曲であります。他の交響曲は大好きなのに、この8番は不得意にしています。
さて、全集箱物で「大地の歌」を一緒に収録しているのは、インバル、シノーポリ、ラトル、ベルティーニ。
テンシュテットは入っていなかったような気がします。
収録していないのは、アバド、バーンスタイン新旧、マゼール、小澤、ショルティ、ノイマン、ギーレン、シャイー、ハイティンク、タバコフ・・・・どうも収録しない指揮者の方が多いようです。
全集に大地の歌が入っていると、嬉しいのは庶民の感覚なんでしょうか・・・・・。
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