クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ジュリーニ/ロスPOのベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調「田園」

2011年06月01日 04時57分06秒 | 交響曲
6月になりました。
更衣であります。クールビズであります。
昨日は、四国はとても爽やかな天気、日中は気温が上昇しましたが、実に気持ちの良い初夏の陽気でありました。
こういう気候が続くと毎日が過ごしやすいのに・・・・と贅沢なことを云っておりました。

さて、今日もアナログ盤。LPを聴きながら、初夏の田舎生活、田園風景を楽しんでおりました。
(カエルの合唱が、相当うるさい季節にもなっているんですが・・・(^^ゞ)

■ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調[田園」
■演奏:カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロサンゼルス・フィル
■録音:1979年11月  DG盤

第1楽章は、ジュリーニらしいゆったりとしたテンポで始まる。
冒頭の遅さは、ヨッフム/LSO、アバド/VPOに近い遅さ。
(遅さで云えば、フルトヴェングラーなのだろうけれど・・・・)
ボクは、遅い方が(つまり、ゆったりと始まってくれる方が)好きなので、この冒頭は歓迎。たとえば、カラヤンなどは速すぎるなぁといつも思うのであります。

田舎についてウキウキというより、ホッとして心落ち着くといった感じのテンポ設定と云うべきか。郷愁を誘うような音楽になっている。
ロスPOの弦楽セクションがイイ。素晴らしい。まるでヨーロッパの楽団のように、しっとりと渋い響きで聴き手を包み込んでくる。ジュリーニの棒に見事に応えて、頑張っているなぁと思う。

そういえば、このレコードが発売されたころ、雑誌『週刊FM』の記事だったろうか、「ロスはジュリーニの街になった!」という見出しを覚えている。ジュリーニの音楽監督就任は1978年。この録音はその1年後だった。
ズービン・メータ時代の明るくマッチョなサウンド(これはDECCAの録音の傾向ではあったのだろうけれど)から、ジュリーニのふくよかで落ち着いたヨーロッパ・トーンへ。
そういう時代だったのだろう。

当時、ビッグ・ファイブと称されたアメリカの名門オケに続く、若いオーケストラとしてまだまだ発展途上と思われていたロスPOの、この「田園」は貴重なレコーディングと思われる。
(ビッグ・ファイブ・・・NYP、BSO、CSO、クリーヴランド管、フィラデルフィア管でありましたね・・・懐かしいですねえ)

第2楽章もジュリーニのテンポ。しかし、後年、ミラノ・スカラ座管と録音した演奏のように重くならず、リズムは実に軽やか。幸福な気分になれる。

第3楽章スケルツォの克明さ。
第4楽章の嵐の迫力。しかし、力尽くではない、品の良さあり。
フィナーレは敬虔な想いが伝わる名演。
ジュリーニの神への感謝は、聴き手に涙を誘う・・・。

録音状態は良好です。
30年以上も昔の録音としては上々と思います。
アナログLPの末期、録音の技術も大変高かった時代の、懐かしいふくよかな響きであります。
アナログってエエですね。DGの音は、ああ、こうでありました。
懐かしいです。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジュリーニ 3種類 (HABABI)
2011-06-01 20:53:42
mozart1889さん、こんばんは

「田園」は大好きな曲。ジュリーニの演奏録音も、ロスPOとのLPの他、ニューフィルハーモニアとのLPとスカラ座とのCDを持っています。ジュリーニの演奏は、弦の各声部がそれぞれによく歌っていて、面白く聴けますね。

ロスPOとの録音は、録音会場の空気を感じさせるほど、とても良く録れていると思います。
久し振りにこのLPを引っ張り出して来て聴きましたが、お蔭でとてもいい時間を持てました。HABABI
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>HABABI 様 (mozart1889)
2011-06-02 05:04:39
おはようございます。コメント感謝です。
HABABIさん同様、ボクもジュリーニの「田園」が好きで、ミラノ・スカラ座との演奏も気に入っています。歌がイイです。おっしゃるように、弦の声部がエエですよね。
ニュー・フィルハーモニア管はそれ以前の録音ですよね。これは聴いたことがないんです。どこかで入手したいものです。
LPで聴くのも、また、懐古趣味とはいえ、その響きはとても暖かく心地よいものですね。
有り難うございました。
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