(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップ。その後、内容を少し改め、再アップしたものである。)
前回(7月2日)は洪水のようなアヤメの大群生に圧倒されたが、二週間後はどうなったか。
今回はほぼ予想通り、同じアヤメ科のノハナショウブ Iris ensata var. spontanea が咲き出していた。
アヤメに較べると、少し丈があり、花は紫色だった。
濃い紫の個体 ピンク色に近い個体
紫は株によって、濃淡があり、赤味の強いものもあった。
言うまでもなく園芸植物、ハナショウブの元になった植物である。
アヤメに較べると、疎らな感は否めないが、この花はこの程度の密度でも見応え十分だ。
アヤメとノハナショウブの生育場所は高原の中核エリアでは交じり合っているところもあるが、
それ以外の場所では、別々に生えている。
半月前、あれほど咲き誇っていたアヤメはどこに行ったのだろう。
ほぼ同じ場所で検証してみた。
2011/07/02 アヤメとシロアヤメの群生。
2011/07/16 上写真とほぼ同じ場所。
よく見ると、ご覧の通り、実になっていた。
アヤメの実姿 ヤマトキソウ
高原全体として、半月前に較べると、花は寂しくなった感じだが、種類は増えている。
ただし地味な花が多い。
カワラマツバ(アカネ科)
地味な花の多いヤエムグラ属としては、これでも綺麗な方。花色は白っぽいものから黄色っぽいものまで幅がある。
ウツボグサ(シソ科)。花後、真夏に枯れるのでカコソウ(夏枯草)とも言う。
ウツボグサは子供の頃、田舎の道端などでよく見かけたものだが、最近はさっぱり・・・。
しかしここには豊富にあった。
ウツボグサとホタルブクロ ムシャリンドウ
ムシャリンドウはリンドウ科ではなくシソ科。
花はウツボグサよりずっと大きく、パステル系の花色と細く硬い葉が上品な感じ。
この花、以前はうちにも鉢植え(友人から頒布)が有ったが、自然状態のものを見るのは今回が初めてだ。
数は極めて少ない。今回の公開がもとでこの高原から絶えることのないよう祈る。
自宅のムシャリンドウ。2008年6月撮影。
キリンソウはベンケイソウ科(右側の枯れ花はマルバシモツケ)。
ノアザミも咲いている。
ノハナショウブ同様、ベコが食べ残す花だと聞く。
ノハナショウブとノアザミ ノアザミ
ノアザミは明るい原っぱからシラカバ林の下まで広く分布している。
ハマナスとノアザミ
少しバラ科を続けてみる。
ノイバラ ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴは低地にも多いが、この高原にはやたらと多かった。
普通のシモツケ オニシモツケ
シモツケは遊歩道の近くにばかり多かったことから、植栽と判断した。
オニシモツケはシモツケ(低木)とは違い、草本でシモツケソウ属。やや湿った林縁などで見かけた。
今頃、エゴノキが咲いていた。
エゴノキの手前の草本はヤナギラン。
高原の女王ヤナギランが咲き出した。
ヤナギラン チダケサシ
この高原、次はどんな花風景を見せてくれるのだろう。
以上。