日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

乱立する議員連盟はポスト菅の有力候補がいないためか

2021年07月03日 09時35分15秒 | 日々雑感
 今年10月に任期満了を迎える衆議院議員の総選挙は、コロナウイルス感染が一向に収まらず、東京都議会議員選挙や東京オリンピック・パラリンピックが控えていることから、パラリンピック閉幕後の9月以降になるという見方が強い。

 菅首相が次期自民党総裁に再選されるかは選挙結果次第であろうので、新型コロナウイルスの感染状況やワクチン接種の進捗、それに内閣支持率の動向などを見極めながら、最善のタイミングを探っていることだろう。自民と公明の与党で過半数を達成すれば、確実に再選されるであろうが、過半数を割った場合次期総裁を巡り大騒ぎになるかもしれない。

 前回の総裁選挙では、菅現首相、岸田前政調会長氏と石破元幹事長が争ったが、二階幹事長のすばやい動きで自民党の大半を制した菅氏が選ばれた。

 さて、菅氏が総裁の座を降りた場合のポスト菅は誰になるのだろうか。後任の総裁候補として、自民党の安倍前総理大臣がインタビューで、茂木外務大臣、加藤官房長官、下村政務調査会長、それに岸田前政調会長の4人の名前を挙げたが、国民の人気は今一だ。国民に人気がある若手代議士は、河野太郎行革相や小泉新次郎環境相であるが、時期尚早であり、最近のジェンダーフリーの波に乗り、自民党の野田幹事長代行、稲田元防衛相、そして二階幹事長と親しい小池都知事の各氏の名前が挙がるが、男性社会である政治の世界では当面無理であろう。 

 これまで何回も総裁に挑戦して失敗した石破氏が総理になるには、二階幹事長程の清濁併せ持つのも必要だし、原理主義的な傾向が強く、またモノをはっきり言いすぎて他人に敬遠される状況をつくっている点でも不利である。再度立候補しても当選は無理であろう。

 ポスト菅野本命が見当たら無いためか、自民党内では議員連盟の設立が盛んだ。議員連盟はあるテーマに絞った勉強会が建前であろうが、実態は多数工作するための仲間集めである。テーマは、「自由で開かれたインド太平洋」や「日本の半導体産業の再興」等様々であり、日本の将来に向けてしっかり議論してほしいが、内実はそれどころではないだろう。

 総裁を巡る争いの他、次期幹事長を巡る争いも熾烈のようであるが、いずれの議員連盟にも安倍前首相が名を連ねているのが異様である。自民党の国会議員の間ではいまだに安倍氏の人気が異常に高い。確かに選挙に際しては弁舌さわやかで女性に人気かもしれないが、自身は森友学園問題での赤木ファイルや選挙違反で逮捕された河井夫婦に対する1.5億円支払い等に関係しているようであるが、一向に詫びれた様子がないところは呆れるばかりだ。

 岸田前政調会長は安倍前首相と親しく、首相の座の禅譲を期待していたようであるが、見事に裏切られた。河井夫婦に自民党から1.5億円支給した責任で二階幹事長を追求したが、そこに安倍首相の名前まで出ると追求は一気に萎んでしまった。自民党の刷新を目指して徹底した追及が次期総裁を呼び寄せると思うが、その迫力はない。

 ポスト菅の有力候補が見当たらないとなると、菅氏の再選か、乱立する議員連盟に名を連ねる安倍前首相の再再登板の可能性も出てくるが、それだけに自民党の人材不足が嘆かわしい。2021.07.03(犬賀 大好-716)