日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

自民党の分裂があってもよさそうであるが

2021年07月21日 09時39分07秒 | 日々雑感
 7月の毎日新聞と社会調査研究センターの全国世論調査では菅内閣の支持率が30%で、時事通信の7月の世論調査では29.3%に落ち込んだ。低空飛行が続いていた支持率だが、いよいよ危険空域とされる20%台に落ち込もうとしている。

 菅首相の不人気の原因は、新型コロナウイルス対策、五輪無観客強行、ワクチン供給停滞、等であり、いずれも新型コロナウイルス発生による前代未聞の出来事に起因するものであり気の毒な気もする。

 しかし、民主党政権時代の東日本大震災と原発事故の前代未聞の事件に比較すれば、まだ緊急性は低く、じっくり検討する時間的余裕があったのではないかと思われるが決断が遅すぎた。また、コロナ関係以外にも、安倍前首相等の不祥事の後始末は、菅首相自らの判断で出来ることであるがその動きも無く、情け無い。

 例えば、河井夫婦の選挙違反事件で、買収資金に使われた1.5億円が自民党から夫婦に払い込まれたが、これには安倍前首相と二階幹事長が関与していると幹事長自らが明らかにしている。この金は税金であり違法な使われ方であるが、それ以上の責任追及はなされていない。菅首相の自らの関与が無ければ、国民に分かるように説明せよと号令をかければよいが、その気配は無い。自らを首相に押し上げてくれた両者への心配りでしかない。

 菅首相は7月17日の読売テレビの番組で、9月末の任期切れに伴う党総裁選について”総裁として出馬するというのは、時期が来ればそれは当然のことだろう”と述べ、再選を目指して立候補する意向を表明した。

 五輪開催でコロナ感染拡大が悪化すれば支持率は更に下がり、選挙を控えた自民党議員が菅降ろしに走る可能性があるが、菅首相に代わる有力候補がおらず菅氏再選の可能性の方が大きい。

 しかし、菅首相の求心力が低下したためか、あるいはこれまで自民党が圧倒的に強く野党取るに足りないとの驕りのせいか、自民党内での争いが目立ってきた。典型例を山口3区に見ることが出来る。参議院山口選挙区選出の自民党の林芳正元文科相は、次の衆議院選挙に山口3区から立候補することを正式に表明した。山口3区では現職の自民党の河村元官房長官が立候補を予定しているため、保守分裂選挙になること必須である。

 また、8月8日に告示される横浜市長選に、現職の林文子市長が7月15日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を掲げて出馬表明した。これに先立ち自民党県連会長だった小此木八郎衆院議員が、IR誘致反対を掲げて出馬を表明したことで、自民党の分裂選挙は避けられなくなった。

 自民党の分裂選挙は全国のあちこちで見られるが、かと言って自民党が2つの分裂する兆候は無い。自民党はこれまで何回も改革を目指して分裂した。例えば新生党は1993年結成された政党であるが、いつの間にか無くなり、本家自民党が安泰だ。この歴史を見ているせいでもあろうか、分裂選挙が盛んでも自民党分裂の声は聞こえてこない。2021.07.21(犬賀 大好ー720)