日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルス隠れ保菌者の実態調査は必須

2020年05月20日 09時06分48秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言を完全解除するためには、日本人のどの位の割合が感染しているかを知り、その時間的な経過より将来を予測することが重要になる。そこでの統計的な処理より、ある適度な社会的規制下で新規感染者数を100名以下に抑えることが可能と判断できれば、現在の医療体制で十分対処できるとの話であるので、これを判断基準にすることが出来る訳である。

 日本のPCR検査数の少なさは先進国の中でも群を抜いており、これを反省してか厚労省は今月8日夜、PCR検査の新たな受診資格を体温に関する表記等を取りやめ、息苦しさや高熱などの症状があればすぐに相談出来るように方針変更をした。

 これまでPCR検査数が少なかった原因は、今までの目安が厳しかったことも一因であったかも知れないが、窓口となる保健所の人員不足や、検査機関における人材不足の方が影響が大きかったように思われる。また、政府は、3月始めには保険適用して保健所の了解がなくても医師の判断で民間の医療機関を使えるようにし、検査能力を拡大すると述べていた筈だが、検査数が格段に増大した話は聞こえてこない。従ってこの厚労省の目安変更により検査数が飛躍的に増加するようには到底思えない。

 今週14日の専門家会議で、緊急事態宣言を解除するための条件として感染状況、医療提供体制、検査体制の三つを重視する方針が示された。新規感染者数が10万人当たり0.5人/週以下が数値で示された条件であるが、隠れ感染者に関しては何も触れられなかった。

 しかし、ごく最近、新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる「抗体検査」や感染をPCR検査より短時間で調べられる「抗原検査」も実施すると政府は言う。そこで、厚労省は抗体検査について、15日、6月にも1万人規模の調査を実施すると発表した。これまでのように言い放しで終わらないように願うばかりである。

 抗体検査は過去に感染したかの検査であるが、PCR検査と抗原・抗体検査をうまく組み合わせ、全国的な規模でサンプリング調査等が実施出来れば、隠れ保菌者の実態も明らかになり、解除の目安を明確にすることが出来る。

 さて、先述の検査キットの性能評価のために4月下旬に東京都と東北地方で計1千検体の調査を行ったところ5検体が陽性と分かったとのことだ。調査条件が不明であり、検査キットの信頼性が十分でない等の為、信頼性に疑問が残るが0.5%の隠れ保菌者の存在の可能性が示されたそうだ。

 東京1千万人とすれば、5万人程度が推定陽性者となり、現在東京の累積感染者数が約5千人であるので、10倍の数の陽性者の可能性があることになる。

 更に、東京大学が都内一般医療機関で5月1日または2日に採取された500検体で抗体検査をしたところ3例が陽性であったと、15日発表した。陽性率0.6%で同じような値である。

 また、慶応義塾大学病院は、コロナ以外の病気で来院した患者67人にPCR検査を行ったところ、4人が陽性者だったと先日公表した。約6%の割合であり、先述の割合とは大きな開きがあるが、何れにしても膨大な数の陽性者が予想される。毎日感染者の数が公表されるが相変わらず感染経路不明の人が多いことも隠れ保菌者が多いことを暗示している。2020.05.20(犬賀 大好-601)