日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球温暖化対策の遅れはコロナ感染症対策の遅れより影響が大きい

2020年05月02日 09時20分24秒 | 日々雑感
 現在コロナ感染症で世界中が大騒ぎであるが、このように世界に蔓延したのは対策の遅れがあったからだと言われている。

 さてアフリカ東北部で発生したバッタの大集団が農作物を食べ尽くしながら現在中国の西部に迫りつつあるそうだが、バッタの激増の原因は普段乾燥氣味な土地に大雨が降り、植物が繁茂したためだそうだ。

 この大雨の原因はインド洋のダイポール現象の発生の為だとのことだ。すなわちインド洋熱帯域の東部と西部で海水温の差が生れる現象で、数年に1度、夏から秋にかけて発生し、今回はインド洋の海面水温が東部より西部で温かくなり、東アフリカで雨が多く、インドネシアでは雨が少なくなっているのだそうだ。

 この海水温の偏りは東アフリカでバッタを大発生させている他、オーストラリアでは異常乾燥の為に大森林火災を引き起こし、日本では暖冬騒ぎの原因となる等、世界的に影響を及ぼしているのだ。

 ダイポール現象には今回と逆の場合もあり交互に繰り返すそうだ。この現象は太平洋熱帯域におけるエルニーニョやラニーニョ現象と同じであり、このような自然のゆらぎは地球上の気候現象に元々備わっている性質であり、今に始まったことでは無いそうだ。

 昨年の日本に台風15号、19号等がもたらした近年にない大洪水は、エルニーニョが一因であったと説明される。

 さて気象庁の4月10日のエルニーニョ監視速報によると3月時点ではエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっており、今後夏にかけて両現象とも発生していない平常の状態が続く可能性が高いとのことだ。インド洋熱帯域の状況に関する速報もあるが、何れも基準値から若干高い値で推移するとの予測で極端な変化は無さそうである。そうだとすると日本のこの夏の異常気象は少なくなるのではないかと期待が高まるが、東京五輪がコロナ騒動で1年延期になったことが悔やまれる。

 インド洋や太平洋における海水温の偏在は自然のゆらぎだとしても、ゆらぎ幅が地球温暖化のため大きくなっていると主張する気象学者もいる。また近年の異常高温や異常降水の頻発は地球温暖化の影響であるとの主張があり、感覚的にはその通りの感がするが、学問的な裏付けは不十分との話だ。

 気象を左右する要因は、大気や海水の流れ、大気温度や海水温度のみならず、地形や太陽の活動状態等複雑多岐に亘り、超高速・大型計算機でも答えが出ないようだ。今回の海水温の偏りが例年になく大きく影響したのは地球温暖化の影響とすれば人間は温室効果ガスの削減等に努力するしか対処策は無いが、学問的な裏付けを待っていたのでは遅きに失する感である。

 地球温暖化は温室効果ガス排出が原因と見られるが、経済活動を優先して排出規制に後ろ向きな人が沢山いる。今世界を騒がしている新型コロナウイルス対策でも経済活動を優先させたため、対策が遅れウイルスを蔓延させてしまった国が多い。

 今回の件では失策が直ちに明らかになったが、温暖化対策の遅れでは結果がすぐには現れない。しかし、影響の大きさはコロナ感染の比ではない。2020.05.02(犬賀 大好-596)