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もっと怒れ 無策・搾取の末に「2000万円稼げ」の責任転嫁

2019年06月11日 | 社会・経済

  日刊ゲンダイ 2019/06/11

    10日の参院決算委員会は途中で審議が何度も止まる大紛糾だった。もちろん揉めたのは年金問題。金融庁が<夫婦が95歳まで生きるには年金だけで賄えず、2000万円の蓄えが必要>と試算したフザけた報告書について、ようやく野党が安倍首相や麻生財務相を追及する場ができたのだ。

    「100年安心」だったはずの年金制度の破綻が明らかとなったことについて謝罪の言葉でもあるのかと思いきや、安倍も麻生も「誤解を与えるものだった」「豊かな老後を送るために資産形成も大切との見方が述べられたもの」などと開き直るばかり。麻生に至っては、「報告書の全体を読んでいるわけではない」と言い放ったから許し難い。先週の会見で、「100歳まで生きるつもりなら、いまから老後のことを考えておけ」と上から目線で国民を説教していたが、報告書も読まずに、自分勝手な見解を押し付けていたわけで、あまりに腹立たしい。

   安倍も安倍で、いつもの質問をはぐらかす冗漫な答弁に野党が反発して委員会室がざわめくと、「大きな声を出すのはやめましょう」と逆ギレ。揚げ句に、「年金の運用益は民主党政権の時よりプラスになっている」と毎度の民主党批判だからア然である。

  決算委で安倍が何度も言い訳に持ち出したのが「マクロ経済スライド」だった。これは、賃金や物価の上昇率だけでなく、現役世代の減少や平均寿命の延びを加味して年金支給額を調整するもの。「将来世代のために給付と負担のバランスを取る」「マクロ経済スライドで100年安心は確保されている」と強弁したが、冗談じゃない。年金制度が立ち行かなくなったから、給付額を抑えるために窮余の策で2004年に導入が決まった“制度改悪”だ。

 マクロ経済スライドによって、今後、毎年1%ずつ年金支給額が減っていくとされる。それなのに、どうして安倍や麻生は「安心だ」とエラソーな態度を取っていられるのか。政府が「現役世代が減っているため」と長期にわたって国民を言いくるめてきたからだろう。ネットの投稿などを見ても、「少子化なのだから仕方がない」などという認識が広がっているが、あまりに物わかりが良すぎる。

   法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が「もっと国民は怒らなきゃいけない」とこう続ける。

「少子化によって若年人口が減っているのは、今の日本が子供を産み育てる環境にないからです。『子どもは3人産め』などと簡単に言う政治家がいますが、少子化は政策の失敗が原因。幼児教育の無償化など小手先ではなく抜本的な政策転換が必要です。そして国民は政府に対し、『2000万円貯められるような給料にしてくれ』と言うべきです。老後の心配をしなくていいように国が面倒を見るのが年金制度。『自己責任でよろしく』なら政府は要りません」

弱肉強食の新自由主義が間違いだった

 年金額が減ったのは、少子化もさることながら、経済政策の失敗が根本にある。長期にわたってこの国が経済成長できなかったことが原因だ。

 経済評論家の森永卓郎氏が、平成が終わるにあたってNHKインタビューで「平成は転落と格差の30年だった」と振り返ったことを今年3月、日刊ゲンダイで取り上げたが、あらためてもう一度、ここに記したい。

「日本の世界に対するGDPのシェア、日本経済が世界のどれだけの割合を占めているのかっていうのは、例えば1995年は18%だったんです。それが直近では6%まで落ちた。つまり日本経済の世界でのシェアが20年余りで3分の1に転落したんです」 

「ジワジワ来たので、みんなあんまり感じてないかもしれないんですけれども、その世界シェアっていう面で見ると、とてつもない大転落を日本経済が起こしてしまったっていうこの30年の歴史なんだと思います」 

「日本の会社が海外あるいはハゲタカのものになって、しかもそこで稼ぐお金を全部ハゲタカが持っていって労働者に分配しない。この構造の中で一気に大転落が起きて、その結果、なにが起こったかっていうと、とてつもない格差の拡大っていうのがこの平成の間に起こったんだと私は見ています」 

 過去20年のGDP伸び率の国際比較を見ると、日本だけが成長していないのは歴然だ。中国は18倍、インドは6倍、英は3倍、米と独は2倍に伸びているのに、日本は0・9倍で唯一マイナス成長なのである。

 日本人の賃金も世界からどんどん引き離されている。OECDのデータをもとに全労連が作成した「実質賃金指数」によれば、1997年を100とした場合の2016年の指数は、仏126、独116、米115と1割以上上昇しているのに、日本は89。1割以上、下がっているのである。

シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏がこう言う。

 「日本の成長率が鈍化したのは『賃金デフレ』をやってしまったからです。労働者の賃金上昇を抑えることで、イノベーションを起こせずグローバル競争から脱落する大企業を存続させてきた。日本の大卒初任給は月額20万円前後で、ここ24年変わっていません。しかし例えば、いま注目されている中国のファーウェイは本社なら初任給が月額80万円、日本法人でも40万円ですよ。いかに日本は低賃金の国かということです。加えて、日本では非正規雇用を増やし、賃金水準をさらに引き下げている。これでは若い人はお金を使えない上に、将来不安から貯蓄に励むしかない。これで経済が成長するわけがありません。現在の年金制度は現役世代が引退世代を支えるものです。人口減少社会を耐えうるためには、まずは若い人の賃金を上げなければなりませんでした」

■日本だけがGDP横ばい、賃金低下の失政

  結局、日本を成長しない国におとしめたのは小泉構造改革が最大の戦犯だ。規制緩和の名の下、市場原理主義で民営化を加速、ハゲタカに日本の富を売り払い、大企業・金持ち優遇政策を推進する一方、地方や中小企業は切り捨てられ、サラリーマンの賃金は抑えられ、正社員から非正規へのシフトを推し進めた。その結果、取り返しのつかないほどに格差が拡大し、消費は低迷。給料の少なさから結婚にも出産にも躊躇するような社会にしてしまったのである。

 安倍はその小泉政権で幹事長や官房長官を務めるなど一翼を担ってきた。そして自分の政権でも、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵東洋大教授を使って新自由主義を続けているのだから最悪だ。その竹中らが「未来投資会議」を仕切って「働き方改革だ」「定年延長だ」と「人生100年」の青写真を描き、そうした政府の方針に沿って出てきたのが、今回の金融庁の報告書なのである。

   政治の無策で国富を減らし、その穴埋めに労働者から搾取する。国民は老後が不安で死ぬまで働き続けなければならない。その末路が「2000万円貯めろ」だと。こんなバカな話があるか。

  政治評論家の森田実氏が言う。

「英国のサッチャー首相や米国のレーガン大統領の路線に乗って、日本も弱肉強食の自由主義競争を走ってましたが、そうした経済政策が間違っていたということです。米国に言われるがまま、新自由主義の下、構造改革を推し進めてきた結果、国力が低下し、むしろ経済成長を止めてしまった。新自由主義の失敗はもはや明確になったのに、いまだ官邸の奥深くには新自由主義の信奉者が巣食っている。これでは日本は潰れてしまいますよ」

 野党は予算委の集中審議を求めているが政府与党は完全無視。閣僚全員が出席した10日の決算委は、その代わりのアリバイづくりだ。「参院選前に一度くらいは言い訳しておこう」というズルい魂胆がミエミエ。「嘘」と「ペテン」と「欺瞞」にまみれた不誠実な安倍政権の極みである。

 この政権は、根っから国民を軽んじている。それなのに、国民が怒りもしないという喜劇的惨状に、さぞ安倍政権はシメシメだろう。


 余ったナスの苗を路地に植えておいたたのが、またもや食われてる。先日は上だけ食われていたのだが、今回は、地上部全部がなくなっているのが結構あった。獣除けにラジオをかけているすぐ近くだ。ネコか?


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