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TSMC熊本工場に地下水汚染と健康被害リスク…数年後「想定外」マジ勘弁な

2024年03月04日 | 自然・農業・環境問題

岸田総理は化学物質PFASをご存じない? 

まぐまぐニュース!2024.02.28

    by 中島聡『週刊 Life is beautiful』

    台湾の半導体製造大手TSMCが熊本県菊陽町に建設した第1工場の開所式にビデオメッセージを寄せた岸田総理。「半導体はデジタル化や脱炭素化の実現に不可欠なキーテクノロジー」であるとして、今後建設される第2工場とあわせて1.2兆円の補助金を投入すると説明しました。これに関して、Windows95を設計した日本人として知られる中島聡さんは、「工場誘致に税金を使うこと自体は悪くない」としながらも「ちゃんとした条件交渉をできているかどうか心配」と指摘。その不安の一例として、工場周辺で危惧される化学物質「PFAS」による地下水汚染や健康被害のリスクを挙げています。(メルマガ『週刊 Life is beautiful』より)

 

岸田総理も大はしゃぎのTSMC熊本工場に「2つの懸念」

日本政府が5000億円近い補助金を提供することにより誘致に成功した、TSMCの熊本工場ですが、それに味をしめたTSMCが第二工場の建設を計画しているそうです。経済産業省は、9000億円規模の補助金による支援を検討しているそうです。

半導体工場の誘致に税金を使うことそのものは悪くないと思いますが、ちゃんとした条件交渉を国ができているかどうかがとても心配になります。日本の政治家は、しばしば「結論ありき」で物事を進めるため、「誘致すること」が前提で官僚が交渉をしたところで、良い条件が引き出せるわけがありません。

そんな中で、最近になって浮上してきたのが、地下水の問題です。

熊本は、日本の中でも珍しく綺麗な地下水が豊富な地域で、地域の住居・農場・工場に提供されている上水道の水源は、その地下水です。

半導体工場は、大量の水を使うことが知られていますが、今頃になって、これが地下水に与える影響を心配する声が聞かれるようになりました。

懸念事項は二つあります。

一つ目は、半導体工場が大量の水を使うことにより、地下水が枯れてしまうのではないか、という心配です。私のような素人から見ても、「そんなことは工場を誘致する前にちゃんと調べておけよ!」と言いたくなります。

半導体工場がどのくらい水を使うかは前もって分かっているのですから、いわゆる「環境アセスメント」の段階で、地下水が十分にあるかどうかは調べておくべきであり、今頃になって「地下水が枯れてしまうかも」と心配するのは馬鹿げた話です。

二つ目は、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれるフッ素化合物による地下水の汚染です。

PFASは、1940年ごろから普及していった化学物質で、水や油をはじき、熱に強い性質を持つため、消化剤、揮発剤、表面処理剤として、幅広く使われるようおになりました。フライパンに焦げ目がつかないようにするテフロン加工、布地が水を弾くようにするゴアテックス、などが代表的なものです。

PFASは、その性質上、自然界や体内で分解されにくく、一度環境が汚染されてしまうとなかなか消えなかったり、生物の体の中に蓄積されてしまう特徴があり、”Forever Chemicals”と呼ばれています。

その後、PFASの中でも、特にPFOSとPFOAと呼ばれる物質に、血清総コレステロールの増加、抗体反応の低下、がん、出生時体重の減少などのリスクがあることが判明し、製造元による自主規制や、規制当局による製造・使用、輸出入の禁止などが進んでいます。

TSMC熊本工場とPFAS「最悪のシナリオ」

半導体の製造過程では、さまざまなPFASがウエハー上に回路パターンを転写するためのフォトレジスト(感光材)やエッチング工程での冷媒などに使われるほか、製造装置内部の配管やバルブといった部品の表面加工など幅広い用途に利用されており、半導体工場の周辺では、河川や地下水中のPFASが安全基準を上回る濃度まで上昇してしまうケースがしばしば見られます。

半導体製造過程におけるPFASの活用は、それが「必要不可欠なもの (Essential uses)」という理由から規制対象から外されてきましたが、欧州では、2025年から規制対象になることが決まっており、それが半導体不足を悪化させる可能性があると心配されています。

熊本では、TSMCの半導体工場の稼働が始まっていないにも関わらず、地下水から基準値以上のPFASが検出されるケースが相次いでおり(原因は不明)、今後、本格的な稼働が始まった時に、地下水にどんな影響が出るかが心配されています。

熊本県は、この問題に対処すべく、PFAS調査を大幅拡充するとしていますが、そんな中途半端なものではなく、半導体工場でのPFASの使用禁止も含めた、より積極的な政策が必要だと私は思います。

本来ならば、日本政府がこのリスクをしっかりと認識した上で、第二工場に9000億円の補助金を出す条件として、「第二工場ではPFASは使わない。第一工場においても、2025年以降はPFASを使用しない」ことをTMSCに約束させることがとても大切だと思いますが、上に書いたように、政治家が「誘致ありき」の姿勢を崩さない限り、まともな交渉ができません。

最悪のシナリオは、PFASの件は曖昧なまま第二工場の建設が進み、数年後に地下水からPFASが検出された後になって、熊本の宝であった「安全な地下水が」失われ、政治家は「想定外だった」とコメントして誰も責任を取らない、というものです。

そんな事態を避けるためにも、日本政府には、「破談になっても構わない」姿勢で、ちゃんと交渉してもらいたいと思います。


本当にそうですよね!
でも、「国民の命」より「金」ですから、自公政権を潰すのが先決でしょう。