菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

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やぶ睨みの意味をやぶ調べる。

2020年10月28日 00時02分01秒 | 言葉の根

全然違うところを見ているのを「やぶにらみ」という。

「やぶ」は、「藪」と書いたりする。
やぶ医者なんていうのと、同じ「やぶ」だが、他のについてるの様子もない。

やぶにらみ(藪睨み)の意味は、片一方の視線は合っているが、もう一方が合っていないような斜視のこと、見当違いの方を見ている見方のことをいう。

雑草や雑木しかない藪はぼわっと広いので、どれを見ているかわからないということなのか?

ネットで知らべたら、こんな説があった。
エジプト語の「iabt=ヤブチ」からではないかと。
これは左目を表す言葉で、東を見るという意味でもある。
古代エジプトは「北を背にして南を向いて方角を決めていたからだそうで、「左=東」になるから。
「指南」と同じ考え方。

エジプトから中国にシルクロードを通って言葉が指すように極東の日本までたどり着いたということなのだろうか。
昔の日本は左が偉かった。左大臣とかね。
左が東なら、太陽が昇る方向だからだそうで、古い中国からの由来で、皇帝は南を向いて座り、その左手(日の昇る東側)に座る方を偉いとしたためだそう。

やぶ睨みが左を見るということなら、偉い人の方を見る人ということでもあったのだろうか。
待てよ。
偉い人を見るときは、向かって右になるよね。
左を見るってことは、偉くない方を見るわけだ。
やぶ睨みとは、偉くない人の方を見てしまうということだったのかも。

さて、やぶ医者の「やぶ」はまた違うようだ。

知識の乏しい禅僧の意である、「野巫(やぶ)」から来たというが有力な説だそう。
そして、呪術(じゅじゅつ)で治療を行っていたものも指していたそう。
これに「藪」、「野夫」などの漢字を当てて、田舎医者や医術的でない医者のことを指すようになったというもの。当然、治らないことも多いので、ダメな医者の意味になったというのだ。
やぶ医者はある意味で呪術系や禅僧系の医者というジャンルを指す言葉だったともいえる。

やぶ睨みは、ここから来たのかどうか、不明だそう。

他に、『新明解国語辞典』は「『やぶ』は『やぼ』と同源で、事情に暗い、という意味ではないかともいう説を採用している。

養父という地名が語源という説もあるそうだが、文献で、「やぶ医者」は鎌倉時代から使われているが、この養父医者説は江戸時代からの説なので、語源とは言えないだろうとのこと。
「やぶ医者」という言葉がこれで広まったとということなのかもしれない。百数年の開きがあれば、言葉は変わるものね。

 

待てよ。
やぶ睨みが、やぶ医者の方を見る「やぶ医者を見る」「野巫を見る」だったらどうだろう?
呪術的医者、ダメな医者を見てしまうというような。
呪術的な方を見るなんてのは、今も医術より民間伝承(全部が頼りないわけではない)の方を見る、似非科学を信じやすいなんてのもあるように、ある意味で人間的なことでもあるけどね。
まぁ、それを教育で超えていこうとしているのだけど。

とはいえ、発達しすぎた科学は魔法と変わらないという考え方もあるのだけど。

 

 

 

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