終末から月曜日まで。 『２０１２』

　 で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８９回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『２０１２』 ローランド・エメリッヒの映画が好きだ。 巨大な舞台を扱う映画、スペクタクルだからじゃない。 彼の物語の主人公は迷いなく邁進する。 もちろん、まったくじゃない。 せいぜい躊躇するぐらいだけど。 そうせざるを得 . . . 本文を読む

伊独仏風味の映画鍋。最後は米を入れて雑炊で。『イングロリアス・バスターズ』

で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８８回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『イングロリアス・バスターズ』 　 タランティーノの映画は、どうしても引用元が取りざたされる。 でもね、この映画は、観る人によって違う可能性すらある。 なんというか、この映画、人によって違う映画の記憶をくすぐられる、という . . . 本文を読む

今と、今まで。

先日の『さんまのからくりテレビ』で気になった言葉。 それは、ご老人が、以前にテレビに出たことで、遠い親戚から連絡があった、ということに対して、その感想の言葉。 「生きててよかったんだなぁ」 よく「生きててよかった」とかいうけど、コレって実は、今日までの人生はそうでもなかったけど、今、生きてることを肯定できた、って意味になると思う。 でも、この「生きててよかったんだなぁ」は、いま . . . 本文を読む

他人という自分を知る。 『脳内ニューヨーク』

　 で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８７回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『脳内ニューヨーク』 　 「人生は舞台」、逆に「舞台は人生」なんてことをよく言われる。 それを映画化したかのような、もしくは、記憶の肉体化とでもいうような得体の知れない映画。 　 目の前で理性的に自分と世界が . . . 本文を読む

彼女が呪いにかかったら。 『スペル』

　 で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８６回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『スペル』 サム・ライミがホラーに帰ってきた。 しかも、呪いで、悪霊モノという原点回帰なネタで。 老婆との肉弾ファイトもあるが、呪いという見えない力を存分に映像化している。 見えないけど見えるという不思議な映像の数々 . . . 本文を読む

未来の扉を引け！ 『PUSH／光と闇の能力者』

　 で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８５回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『PUSH／光と闇の能力者』 『ギャングスター・ナンバー1』、『ラッキーナンバー７』のポール・マクギガンは凝った割りに納得しづらいサスペンスを作る作家。 それは雰囲気サスペンスとでも言おうか。 どうやら、ウォン・カー . . . 本文を読む

されど、ただ、時は過ぎ去るだけなのさ。 台湾旅行記その４

　 帰国の朝。 他のメンバーは、新幹線に乗って高雄に行くので、朝早く出る。 弟のときとは逆に、おいらがみなを見送って、空港に行く時間まで、昼間のホテル近辺を散策する。 １時間半ほど歩きまわり、台湾の出勤風景などを見て回る。 台湾はとにかくスクーターが多い。 一回の信号待ちの間に、軽く100台は止まってしまうほどに。 妙に写真心がうずき、バイクの群れが走る風景を２０分ほど粘って撮影する . . . 本文を読む

色眼鏡をかければ、眼鏡を失くす。 台湾旅行記その３

台湾旅行記その３ 二日目の朝。 ホテルでの朝食を終え、帰国する弟を見送る。 なんと、ロビーには、次男が新しい親戚である我が弟を空港に送るために、来ていた。 義理堅い。 でも、きっと明日変えるおいらには誰も来てくれない。 そういうものだ。 　 さて、観光である。 ツアーとは、日本語では楽しむために詰め込まれた旅の意味になる。 だから、恐ろしいまでの過密スケジュールを味わう。 ９時か . . . 本文を読む

その音は、肉の中から聞こえてくる。 台湾旅行記その２

台湾旅行記その２ まだ宴には時間があるので、三男のお店に行くことに。 三男は整体の偉い先生で、国立の整体研究所のメンバー。 義妹の弟、つまり、おいらの義弟は、そこで２年修行して、現在整体の学校に通っている。 台湾では、整体師は医者に近いのだ。 せっかくなので、おいらの実弟と共に、先生の整体を受けることに。 台湾と言えば、マッサージ。 今回の旅の楽しみの一つだった。 その最初が名 . . . 本文を読む

海の上を飛んで、挨拶しに行こう。 台湾旅行記その１

先日まで、東映の教育映像部のお仕事をしていました。 その準備中に、実は、台湾に旅行へ。 以下、その旅行記。 来週から、撮影。 その忙しさの中、台湾。 それは、７～９日、２泊３日の旅。 撮影６日前の出発でした。 仕事を受ける条件が、この旅行に行くことだったので。 旅行の目的はいくつかあったけど、メインは弟のお嫁さんの親戚への挨拶。 結婚式が日本だったので、あちらにご報告 . . . 本文を読む

針は深く深く刺さる、心まで届くかのように。 『母なる証明』

で、ロードショーでは、どうでしょう？　第８４回。 「なんか最近面白い映画観た？」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『母なる証明』 　 『母なる証明』は、開巻２シーンで、すでに名作の香りがしている。 そして、恐ろしい。 なんつっても、音が、映像が、空気が恐ろしい。 ２シーン目の草を切る音が怖い。 すれ違う男の顔が怖い。 少女の立ち居振る . . . 本文を読む

幕の内弁当はお好きですか？

最近、一本の映画に何でもかんでも詰め込んでしまい、結局、軸が見えないというか、焦点があってないというのかな、そういう作品が多い気がします。 　 そう、なんでも少しずつ入っている幕の内弁当というか。 ソレはソレは、楽しいし、ちょっとずつは日本人の好みに合うのだろうね。 でも、本当に幕の内弁当って、お好きですか？ あれは、選ばないときに選ぶものな気がする。 あ、コレは、物語を弁当に例えての . . . 本文を読む

それでも踊りたい 『タンゴ』

【俺は好きなんだよ】第１８５回   『タンゴ(1992)原題も『TANGO』。愛に傷つき女性を信じられなくなった三人の純粋な男が繰り広げる妻殺害計画を、ユーモラスかつシニカルに描いたラブ・ロマンス。　スタッフ。監督：パトリス・ルコント 製作：アンリ・ブリシェッティ 脚本：パトリス・ルコント 撮影：エドゥアルド・セラ 音楽：アンジェリーク・ナション／ジャン＝クロード・ナション出演。リシ . . . 本文を読む

誤字熟語シリーズ その３

　 　 ダイドー小異 　 解説： 元は“大同小異”という四字熟語。 　 大きくは同じだが、小さくは異なっている、という意味。 似たりよったり。大差のないこと。 「大同」はだいたい同じであること。 「小異」はごくわずかな違い。 で、こちらの、ダイドーは飲料品メーカーのダイドー。 ダイドーといえば、ブレンドコーヒー、復刻堂なんてのもありますね。 他にどんな飲み物が浮かびます . . . 本文を読む

ペースト 『ビースト 獣の日』

【死ぬまでに観れるか？】第２４回は、『ビースト　獣の日』(1995) 原題は、『EL DIA DE LA BESTIA』。 ビデオ題は『ビースト／悪魔の黙示録』。 スタッフ。監督：アレックス・デ・ラ・イグレシア 製作：アンドレス・ビセンテ・ゴメス 脚本：アレックス・デ・ラ・イグレシア／ホルヘ・ゲリカエチェバァリア 撮影：フラビオ・マルティネス・ラビアーノ 音楽：バティスタ・レーナ . . . 本文を読む