起きたら隣に死体。 『見知らぬ隣人』

で、ロードショーでは、どうでしょう？　第２２３７回。

「なんか最近面白い映画観た？」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『見知らぬ隣人』

 

 

 

警察官志望で酒癖の悪い男が目を覚ますと隣に死体があるシチュエーションスリラー・コメディ。

 

主演は、『最も普通の恋愛』、『空気殺人 TOXIC』のオ・ドンミン。
共演は、『かくれんぼ』のチェ・ヒジン

監督・脚本は、ヨム・ジホ。
本作が初長編となる新鋭。

 

 

物語。

現代韓国、
32才のチャヌは、親の援助で警察官を目指し勉強する浪人生５年目。
次の試験は失敗が許されず人生崖っぷち。
試験申請日の前日、チャヌは友達に乗せられ、酒をあおり、酔い潰れる。
翌朝、彼がベッドで目を覚ますと、部屋の真ん中に血塗れの死体があった。
まさか、俺が殺したのか？

 

 

出演。

オ・ドンミン　　　（キム・チャヌ）

チェ・ヒジン　　　　（ヒョンミン　ギチョルの恋人）
イ・ジョンヒョン　　（ギチョル　隣の部屋の住人）

キム・ミニョプ　　（サンホ　チャヌの友だち）
キム・ソンホ　　　　（キチョル　チャヌの友だち）
ヨム・インソプ　　　（チャヌの友だち１）
イ・ソンヒ　　　　　（チャヌの友だち２）

キム・ソンファ　　　（大家のおばさん）
キム・デハン　　　　（独身男　下の部屋の男）

パク・チャングク　　（配達員）
チェ・スンヒョク　　（警察２）
チョン・ウソン　　　（警察３）
キム・ジフン　　　　（刑事１）
ヨ・ジュヌァン　　　（刑事２）
カク・チヒョン　　　（サイビ（似而非）１　偽（にせ）伝道師）
ハン・スビン　　　　（サイビ（似而非）２　偽（にせ）伝道師）
キム・ギョンホン　　（サイビ（似而非）３　偽（にせ）伝道師 ／ ボイスフィッシング）
オ・ギチャン　　　　（前の部屋の男）
ノ・ジェジュン　　　（ボイラーの工事業者）
キム・ギジョン　　　（チャンウの母（声だけ））

 

 

スタッフ。

ＰＤ：チェ・ヘビン
助監督：チ・ワン

撮影：パク・チェマン
照明：キム・ユンジョン
美術：ホン・ウヒョン
武術：チョ・ウォンチョル

編集：キム・ヒョンギョン、ヨム・ジホ
音楽：JAWAN（ク・ジャワン）

 

 

 

『見知らぬ隣人』を鑑賞。
現代韓国、警察官志望で酒癖の悪い男が目を覚ますと隣に死体があるシチュエーションスリラー・コメディ。
困った状況に、タイムリミットと、どんどん追い込まれていく韓国ミクスチャー。
ややトンデモ設定が積み重なっていくので、ジャンルを受け取り違えると入り込みにくくなる可能性もあります。でも、宣伝だとコメディってうたってないのよね。韓国では当然コメディと出してます。日本は、とりあえず見させるハードルが高いから、鑑後感の方では考えているものは少ない。沢山の人が見れば、中身の評価もばらけるでしょうが、ある程度は政治手であってほしいともうね。フラットで映画に行ける人とってそう多くはないから。
今作は、低予算のシチュエーションスリラー・コメディですからね。
コメディは、観客が笑いに行く能動なのか、どう笑わせてくれるのかなと受動かで、やっぱ変わりますからね。
低予算ながら、韓国映画の底力で、美術と画が強いので、つっこみながらニヤニヤできます。
監督・脚本は、デビューとなるヨム・ジホ。雑さはありますが、ミニマムな映画を制御しきってはいて、次回作が早くも楽しみ。
映画を支えるのは、『最も普通の恋愛』、『空気殺人 TOXIC』のオ・ドンミン。彼の肉体芸が映画を転がしてくれます。コメディアンの演技ではなく、普通の容姿に落しているのが、物語度を上げている。あと、そりゃあ、揺らぐよねという感じで『かくれんぼ』のチェ・ヒジンも登場して、画面を彩りますから、響きもヒジンですから。あと、イ・ジョンヒョンだけでなく、ちょこちょこ出てくる脇役の顔やキャラがいいのも見逃せません。この脇キャストの層の厚さは、韓国映画が世界で今トップと言えるでしょう。アメリカも強いけど、アジア人としての目があるのでね。
今作が日本でも作れる内容だから。いろんな国のリメイク版が見たいと思っちゃったな。
韓国は、都市での隣人との人間関係が障害になる話が多いのよね。昔の日本も多かったけど。これってその国の都市生活の社会を表している。こういうところが物語と現実を乳化させる。
これって、コメディだと特に大事よね。
だから、あのエンディングもある意味あるあるネタとも言えます。（とはいえ、あれに関しては本国でも賛否あったらしいですが）
後半は定番展開ながら、どんどんネタを入れて展開することで、飽きさせません。
あとスマホの使い方も新しさがちゃんとある。
方向性としては『ホリー・トイレット』に近いですし、あれが『ソウ』と『ハングオーバー』のリアル状況だと思ったら、すでにパロディでもあるわけです。（『ハングオーバー』はコメディですけども。ただ、酒で記憶ないは、神話時代からのネタでもあるので。酒に弱いのはヤマタノオロチ級でもいっぱいありますから。『赤ずきん』の狼も食べ物で貼ら切られても気づかないほどですから、確実に酒を入れてたと思うのよ）
警察と罪人は磁石のＳＮなんだな。（磁石のＳとＮの境目って、きっぱりＳＮに分かれているのかな？　そもそも電子レベルでＳＮになっているそうですが）
好みはあれど、店とアパートだけできちんと語り、見れるものになってますので。
酒は飲んでも飲まれるな、な床作。

 

 

 

おまけ。

原題は、『옆집사람』。
『隣りの部屋』。
英語題は『Next Door』。
『隣室』。

 

2022年の作品。

 

製作国：韓
上映時間：93分
映倫：G

配給：クロックワークス

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

韓国では、警察官のテストを受けるのも受験料がいるのね。

 

隣人の倒れ方がまんま『ソウ』。

 

ＵＳＢの挿入口に紙でパスワードを入れるのはうまいね。

 

警察官試験を受けるくらいなのに、窓枠の傷＝屋上のものにも無頓着だし、髪の毛を探したり、極小物でも指紋採取が出来るのを知らないのか拭き方とかけっこう雑。だから、落第しているともいえるが。
でも、掃除機をかけるくらいはして欲しかった。

 

ちなみに、磁石は現在は通常の方法ではN極だけＳ極だけ（磁気単極子＝モノポールという）を取り出すことは出来ない。
ちなみにちなみに、量子レベルでは磁力は打ち消し合っていて発生していないようである。