書名 :スロー・ラーナー
シリーズ :Thomas Pynchon Complete Collection 1959-64
著者名 :トマス・ピンチョン/著 , 佐藤良明/訳
内容注記 :内容: スモール・レイン , ロウ・ランド , エントロピー , アンダー・ザ
・ローズ , シークレット・インテグレーション , 解説
原書名 :Slow learner./の翻訳
要旨(BOOK):華氏37度で変わらぬ外気、階下では終わらぬパーティ。温室のような部屋で ひそやかに暮らす男と女は終末の予感のなかで―鮮烈な結末と強靱な知性がアメリカ文学界に衝撃を与えた名篇「エントロピー」。“革命”を夢見る少年たちの秋を描く、詩情溢れる「シークレット・インテグレーション」、年間最優秀短篇として『O・ヘンリー賞作品集』に収録され、デビュー長篇『V.』の一章へと発展してゆくスパイ小説「アンダー・ザ・ローズ」など、眩いほどの才能に満ちた全五篇、著者唯一の短篇集を新訳。ダメキャラに熱力学、ゴミに機械に帝国主義、スパイ、神話、ポップ・カルチャー…。のちのピンチョン作品の萌芽を見るもよし、一篇たりとも読み逃せない作品群に加え、作家本人による仰天のこき下ろし自作解説、訳者による目から鱗の解説・訳註を収録。
著者紹介(NS):【ピンチョン】現代世界文学の最高峰に君臨し続ける謎の天才作家。1963年「V.」でデビュー、フォークナー賞受賞。「競売ナンバー49の叫び」でローゼンタール基金賞受賞。「重力の虹」で全米図書賞を受賞するが、本人が授賞式に現れず物議を醸す。ノーベル文学賞候補の常連。
トマス・ピンチョン様の初期短編集です。
最近 新訳のコンプリート・コレクションで作品が矢継ぎ早に出版されてます ♪
いままで絶版になってた作品も多く、うれしい限りです ♪
今のところまだ2作品しか読めてませんが...
絶対に全て読みます !
なんですけど...
ピンチョン様はなかなか手強いです。
(この作品は ピンチョン様が若いころの秀作っぽいので、まだ マイルドですが...)
一見読みやすいので、気が付かずにスルーしそうになるけど、文章の書き込み密度がすごい...
(漫画に例えると、全てのコマの背景にミケランジェロの天地創造が細密に描かれているとか...)
深い深い迷宮に引きずり込まれ迷子になるようなストーリーの展開...
古今東西のありとあらゆる文学、歴史、化学式、事件、変人の伝記などなど...からの引用やパロディがテンコ盛りで暗喩読解にかなりの労力必要...だけど楽しい ♪
キャラが立ってる^10 くらいの濃厚で理解不能で変体な登場人物たち...
特に女性キャラのファムファタル的な艶かしさは...もう ♪
ナバコフ様のドロレスちゃん やハドリー・チェイス様のイブ姉さん 級...が集団で襲い掛かってきます ♪
読んだ夜には壮絶なピンク色の夢が見れます ♪
この本の中では 天才理系少年とAAA(アル中匿名更生会)にかよう少年と現役アル中おじさんの一夜をあまりに美しく、かつ変体的に描いた ”シークレット・インテグレーション” が好き ♪
書名 :逆光
シリーズ :Thomas Pynchon Complete Collection 2006
著者名 :トマス・ピンチョン/著 , 木原善彦/訳
原書名 :Against the day./の翻訳
要旨(BOOK):フロンティア消滅直後の19世紀末アメリカ。飛び立つは謎の飛行船“不都号”。文学史にそびえる金字塔『重力の虹』を嗣ぐ著者最大最長の長篇、空想科学冒険少年スパイ超能力探偵SM陰謀ミステリ歴史。歪み始める時間と空間、儚き者たちの恋と運命。“不都号”の面々は自分たちの任務に疑問を抱き始める。トラヴァース家の長兄リーフは賭博師として流浪を続け、次兄フランクはメキシコ革命に身を投じた。末っ子キットはヴァイブ家の元を去り大西洋を渡る。そして唯一の娘「嵐の子」レイクは…。膨大に登場する、愚かしくも滑稽な人物の数々。その愛しさと哀しさ。もつれ合う彼らの生は、やがて訪れる驚愕の一瞬を目撃すべく、急速に収斂してゆく―。歴史小説にしてSF、恋愛小説にしてポルノ、テロ小説にして大河家族小説。綿密な史実の積み重ねが現代を照射し、荒唐無稽な挿話が涙を誘う。文学の垣根を超える貪欲さと自由さが(改めて)世界中の絶賛と茫然を呼んだ空前絶後の巨篇、世界への祈り。
1962の長編1作目 ”V” から40年以上経つ2006年に発表された長編第6作
YAYAの初ピンチョン ♪
ジュールベルヌ様の海底2万里的な不都合号の冒険 × ジェフリーディーヴァ様のリンカーンライム的なドンパチ × コーマック・マッカーシー様の国境3部作 = 的なストーリーを、ピンチョン鍋にぶちこんで1週間くらいコトコトと煮込んだような作品です。
あまりに濃密で変体な内容に、魂の根源まで毒されていくような心地よさを味わえます ♪
連続爆弾魔のお父さんを持つトラバース家の兄弟たちをはじめ、異常にクセあるたくさんのキャラが登場しますが
YAYA的には
謎の数学教団のロンドン支部長 で オリエントな美少女 ヤシュ様 が好き ♪
最初は可憐で清楚な感じの女の子がだんだんと艶かしくなっていく様が...
実にすばらしい ♪
本当はもっとDEEPでなぞめいた作品なのですが
YAYAの読解力では その深遠さえを理解するのはたいへん...
でも
女の子キャラを追っかけるだけでも十分 堪能できます。
100回くらい読んで、やっと理解のヒントがつかめるくらい。
上下で9千円する値段じゃなければ買うのに...
文庫本ででないかしら