day3
今山行ではテン場から水場が遠い(往復30分以上!)なところが多かったですが、茶臼小屋は水場が小屋の脇にあって便利 ♪
キャメルバックに2Lちょいの水を入れて5時過ぎに北に向かって出発。
この日の予定はコースタイム約10時間先の「百間洞山の家」
気になる天気はドンヨリでけっこうガスってます。
でも最初は雨は降ってませんでした。
しかし歩き始めて1時間ほどで雨がポツポツきだして...
収まる気配が無いためカッパ上下とザックカバーを装着します。
200名山の上河内岳(2803m)で森林限界を越える辺りでは風もビュービューからゴーゴーにパワーアップ。
3時間ほど歩いて百名山 聖岳(3013m)の上り口あたりに着く頃には、もう下界だったら警報がでる感じの風雨。
ここのすぐ近くにある聖平小屋に行くことも考えましたが聖岳に登頂し、降りてくる方々がおられたので情報を聞いてなんとかいけるかもと出発。
聖岳は2回目だったのも背を押したのかも。
登りだしはまだ森の中なので木で風がマイルド化され、まぁ普通に歩ける感じでしたが...
聖岳は3000m峰ですので上に行くと、そこはもう下界とは別世界なワイルドゾーン...
荒れ狂う3000m峰のすごさはもう想像できないレベルです。
そんななかを長く急勾配で、かつ歩きにくい砂礫の大斜面をジグザグ進み、少しずつ高度を上げていきます。
ここの登りは晴れててもかなりきついところ...
少ないですが頂から降りてくる人がまだいるのが心の支え。
登りなのに体温が上がるどころか、風で体温を奪われ どんどん寒くなってきます。
難所等で立ち止まると体がガタガタと震えているのがわかります。
あとで気がついたのですが途中でカッパ内部の防水フィlルムの一部が破れたようで、それも状況をきつくしてくれてたようです。
前に南アルプス北部の北岳で同じようにきつい風雨にやられ北岳山荘に避難したものの、体が冷え切ってて翌日小屋で寝込んでた思い出がよぎりました。
「トムラウシ遭難ってこんな感じだったんだろうな」 とも思いました。
聖岳は北海道ではないので、まだマイルドだったんでしょうけど。
なんとか聖岳の頂上につきましたが、当然のようにだれもいません...
写真を撮ってる場合でもなかったので、速攻で下ります。
1秒でも早くこのエリアから逃げたい...
風雨が収まる気配が微塵もないので予定を変更して、「百間洞山の家」の2時間半ほど手前にある 「兎岳避難小屋」 に逃げ込むことに決定。
前に来たとき ここは廃墟と化してて誰も利用してませんでしたが2009年に補修されたと地図には載ってます。
どんな状況か分かりませんでしたけど、たぶんテントよりはましなはず。
すると こんな中でも 登ってくる人がいましたので避難小屋のことを聞いてみました。
「私も避難小屋を利用しようと探したんですけど改修前のしか見つけられませんでした。でも絶対あるはずですので探してみてください。」
...
不安が募ります...
しかし
「二人組みの女の人達も探してましたが、であいましたか? 出会ってなければその方々は利用されているかも。」
...
なんか力がみなぎってきました。
「その女の人達は何歳くらいでしたか?」 と聞くのをこらえるのがたいへんでした。
...
目を皿のようにして兎岳避難小屋への分岐を探してましたら、「ここは避難小屋」と書いてある立派な標柱がありました。
獣道っぽい細い道を辿ると...
なんか みるからに廃墟っぽいコンクリ製の建造物がありました。
これが先の人が言ってた改修前の小屋か?
と 思って ひん曲がったドアを開けると...
中はけっこうきれい ♪
先に聞いた人はここが改修後の小屋だとは思わなかったようですね。
たしかに外見からは廃墟にしか見えませんでした。
つまり
改修って 外側をいじらずに 中の壁と床と天井をやりかえただけのシンプルなリニューアルだったようです。
嵐のなか 何人かが中で着替えたり、レストしたりしたみたいで、床はビショビショでしたが...
すでに14時過ぎで、これ以上 先に進むのは危険でしたので
着てるもの全部脱いで
乾いた服に着替えて
シュラフにもぐりこみました。
もう
夕食を食べる気力もなく
翌日の天候の回復を祈りつつ意識を失うのでした。
ちなみに...
女性2人組みの方は いませんでした...
(年配の方が2名おられました。)
あと
カメラも動かなくなりました...
防水袋にいれてたのに...