著者名 :ジム・トンプスン
出版者 :扶桑社
図書館の紹介文
テキサスの田舎町のしがない保安官助手、ルー・フォード。
愚か者をよそおう彼の中には、じつは危険な殺し屋がひそんでいた。
長年抑えつけてきた殺人衝動が、ささいな事件をきっかけに目を覚ます。
彼は自分の周囲に巧緻な罠を張りめぐらせるが、事態はもつれ、からみあいながら、加速度的に転落していく…
偶然 見つけた本ですが...
これが大当たり!
巻末のスティーブン・キング様の異様に熱烈な解説に、まず驚きましたが...
本編を読んで、さらに吃驚!
1952年とだいぶ前の作品で時代的には、ちょっと前に流行ったシリアル・キラーものの先駆け。
しかし!
圧殺された良心と奇妙に分断された精神をもつ主人公 ルー・フォード のシリアルっぷりは、その後に流行してた頃のどの作品よりもすばらしい!
シリアルキラーものって殺戮の動機が一般人にどれだけ理解不能かが、大きなポイントですが...
流行ってたころに大量生産された作品では、そこらがおざなりで、ただ被害者の数が多いだけや、ただ残酷な手口であるとかの表層的な造形が多く見られました...
この本では逆に、直接的に残酷なシーンがほとんどありません。
しかし!
それでも
ルー・フォードのいっちゃってる度は、いままで読んだ幾多のシリアルものを遥かに凌駕し、ちょっと危ない領域に...
スティーブン・キング様の絶賛はだてではありません♪
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます