原書名 :Horse soldiers
副書名 :米特殊騎馬隊、アフガンの死闘
著者名 :ダグ・スタントン/著 , 伏見威蕃/訳
出版者 :早川書房
2001年9月11日の同時多発テロ事件直後、密かにアメリカ陸軍特殊部隊チームが召集された。
任務はアフガニスタンに潜入し、地元勢力の北部同盟軍と合流して、ターリバーンを掃討すること。
米陸軍特殊部隊の騎馬隊(ホース・ソルジャーズ)は空軍と連携して、ターリバーンの秘密拠点への精密爆撃を敢行。
アフガニスタン戦の重大な転機を圧倒的なディテイルと克明な人間ドラマで描く、傑作戦争ノンフィクション。
最新のハイテク兵器と馬の組み合わせがアフガニスタン流。
過酷な自然と地形が機動兵器を寄せ付けないのです。
アメリカ陸軍の特殊部隊は海軍のSEALや陸軍のデルタ・フォースに比べると、あまり有名でありませんが、これはその組織自体が秘密にされてるためなのです。
そのわりに...
ガーミン・エトレックスのGPSをフェデックスで送ったりとか
量販店にいって乾電池を買いしめるとか
REI(登山洋品店)にいって靴下やテントをかったりとか...
けっこう普通...
現実はハリウッド映画とは違うようです。
しかし
実戦の描写は壮絶のひとこと...
ろくな準備期間も情報もなく、アフガニスタンに送り込まれる特殊部隊の方々。
わずか数十人で数万のタリバンと戦うなんて、まるで映画300のようです。
味方の北部同盟軍も士気は高いものの、寄せ集め的な感じで、装備も貧弱...
アメリカ軍の空爆が唯一のアドバンテージですが、どこに爆弾を落とすかを戦場の真っ只中にいる兵隊さんがパイロットに教えなくてはなりません。
しかし遠距離からの位置の測定では精度が低くて爆弾落としても当たりません。
だから...
陸軍特殊部隊の人が爆弾落とすところまでAK47や迫撃砲の攻撃をかいくぐりながら近づいて、その場所でGPSの記録をするという、まさに命がけの作戦!
攻撃目標に近づくため、ちょっと位置間違うと、味方の爆弾が自分のところに落ちてきたりもします!
このような体を張った戦いにより、北部同盟軍や現地の市民とも良好な関係を築くことができ、タリバンとの初戦を勝利したのです。
準備と情報が不足していたため、現場に意思決定の権限が与えられ...
まさに ”踊る走査線” のように "戦いは現場で起こっているんだ!” となったのかも。
なので...
その後 ”会議室のお偉いさん達” が指揮をとりだすと、タリバンが盛り返してきて泥沼化してしまったのかもしれません...
そもそも米軍上層部は特殊部隊を鬼っ子と見なして嫌う傾向が強く...
正規軍としての面子もありアフガニスタンでの特殊部隊の成功が、その後のイラクで活かされることはなかったようです。
この戦いで活躍した特殊部隊は、その後 既に泥沼化してたイラクに派遣され...
多くの方が亡くなりました。
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