うろキョロ散歩

楽しくお散歩をするのが唯一の趣味。
お散歩の徒然に観たこと感じたことなどなどを書き込んでいこうかな、

上杉鷹山 

2008年02月23日 | 亀の甲より年の功
童門冬時二著 集英社文庫刊
解説]
江戸時代、歳入の3倍にも膨れ上がった赤字を抱え、幕府への領地返上もやむなしとされ、瀕死の状態にあった米沢藩。藩主・上杉鷹山は保守派の重臣たちの激しい反発にさらされながらも、下級武士や領民とともに次々と改革を行う。

感想
日本史を取った方なら上杉鷹山を知っているでしょう。
藩政改革をした藩主で、興譲館という藩校を造ったことで有名な人です。だけど、日本で初めて民主主義政治を行ったという事実は、あまり知られていません。
上杉鷹山は九州の小さい藩から米沢藩に養子に来て、わずか17歳で藩主の地位に就きます。この本では歴史的事実を基に、人間味溢れる登場人物の会話を多用しながら、彼の生涯について触れられていきます。
鷹山は普通の藩主とは違って、すごく平等主義者だったと思います。
民衆の意見を積極的に取り入れたり、改革を始めたばかりの頃は田んぼや畑を回って農民1人1人に声を掛けたりなど、すごく慈愛に満ちたことをしました。
その一方で、旧来の封建体制を崩すまいとする米沢の重役達とは、何度も話し合ってもだめだと分かり、潔く処罰するなどいかにも藩主らしい厳しい部分も持ち合わせていました。本当に優れた藩主であり、家来に慕われた様子もこの本からよく分かります。
「人は相手が何を言ったかでなく誰が言ったかを気にする」、「人は自分の地位を高めたい時努力するのではなく周囲の人間を引きずり下ろそうとすることの努力する」。みんなこの本に書いてあった言葉です。何だか今の現代社会に通ずるものがあります。
鷹山の行った民主政治は、今の私達が見習わなければならないところがたくさんあります。私はこの本を読んでから、相手の立場を考えて話を聞いたり、辛いことも我慢しようとする姿勢が身に付きました。

もしも私のブログを読んでいる読者の中に20代・30代の方がいましたら、ぜひ一度読んで欲しい本です。
NHKから上杉鷹山に関連したDVDも発行されているようです。

人生哲学とか経営哲学などというような難しい本ではありませんし、必ずあなたのこれからの人生に役立つ本だと思います
歴史だけでなく、自らのことも知ることの出来る良書です
心に残った言葉があったら胸に留めておいて今後の人生の指針にすると、ちょっと大人になると思います