COCOON PRODUCTION 2021+大人計画「パ・ラパパンパン」 シアターコクーン 2021.11.10 18:00~&11.21 13:00~
なかなか面白そうな舞台で。。。松尾スズキさんに松たか子さん。。。
これは絶対にチケットを取るぞ!と。がんばって2公演ゲットしました。
公式のあらすじより。。。
「鳴かず飛ばずのティーン向け小説家(松たか子)は困っていた。つい雰囲気に流されて、書き方も分からない「本格ミステリーを書く!」と宣言してしまったのだ。
担当編集者(神木隆之介)は呆れながらも構想を尋ねると、どれも見事にアガサ・クリスティーの超有名なミステリーのパクリや犯人が一瞬で分かる設定。あれこれ修正すると作家は逆ギレする始末。
仕方なく編集者は構想を手伝うことにする。作家は壮大なイメージだけは描いており、世間はクリスマスシーズンという思い付きから「クリスマス・キャロル」の世界を舞台にし、そこに登場する極悪非道の貸金業者・スクルージ(小日向文世)が殺されるというミステリーを考え始める。 やっと書き終えたと安心して寝ようとした瞬間、「彼は犯人じゃない!!!」と気づいてしまう。書き直しをしようと慌てて編集者に連絡を取ろうとしたその時、現実でも事件が起きる――。」
見終わって、すごくホッコリして、すごく清々しい気持ちになったんですけどね。
ちょっと系統は違うけど「ベイジルタウン~」を見終わったときと同じような感覚でした。
で、ふと思った。これって、、、松尾スズキさんの作品だよね?
え?笑いはあったけど、毒がない!
ハタ!と気づいた。
そっか、演出は松尾さんだけど、脚本は藤本有紀さんなんだ!
藤本有紀さんといえば、「ラブレボ」に「ギャルサー」「平清盛」と直人に近い脚本家さん。
「花より男子」もそうでしたよね。
さて、簡単なあらすじですが
松たか子さん演じるてまりは、ティーン向け小説家なのだが、小説家としても技量は今一つで、伸び悩んでした。が、「次はミステリーを書く!」と豪語。しかし、何も浮かんでこないてまりに、神木隆之介くん演じる、担当編集者の浅見鏡太郎はあきれ顔状態。
編集長からは、もう書かなくていいから引導を渡してこいと言われるが、何とか彼女にミステリーを書かせようとする。
てまりはクリスマスシーズンだからと「クリスマスキャロル殺人事件」を書くとぶち上げる。
子どもの頃、クリスマスのプレゼント交換で、自分は呪いの手紙だった。となりの子あネックレスだったのに。1つ隣に座ってたら・・・という思い出があったてまり。
嫌われ者のスクルージを殺してしまう話にすればよいと・・・
ここからてまりの書く「クリスマスキャロル殺人事件」が始まり、
舞台上では、小説の中の登場人物が動き出すことになる・・・(てまりの筆の進みに合わせるように)
守銭奴のスクルージが主人公。彼はおいのフレッドにクリスマスパーティに誘われるが断る。
が、妹の名前を出されて、しぶしぶと慈善パーティにやってくる。
パーティの主催はウィルキンスさんの財団。
そこには、自分の雇人のクラチット家族や、フレッドと婚約者、また街の人が集まっていた。
また、ホームレスの姿もあった。
ウィルキンス夫人の演奏で、クリスマスのプレゼント交換会をするが、スクルージには
白いひなげしの花のリースが当たる。
白いひなげしは不吉だからと周りは心配するが、スクルージはそのまま帰ってしまう。
翌朝、フレッドがスクルージを訪ねると、、、スクルージは死んでいた。
捜査する刑事。それになぜかホームレスの姿。ホームレスは実は探偵だった。
刑事が昨日のパーティに参加した人に、アリバイなどをたずねていく。
誰もちゃんとしたアリバイのある人はいない。
そして、刑事は適当な推理を組み立てる。
ホームレスの証言で(スクルージの家の近くで寝ていた)、昨夜に3回人が訪ねてきたことがわかる。
それから、フレッドがいつもと違うコートを着ていることから、前のコートが赤ワインのシミが
ついたままゴミ捨て場に捨てられていたことなどがわかり。。。
すると、突然フレッドが自白して、逮捕され。。。そこでてまりは終了させてしまう。。。
フレッドはスクルージの妹(自分の実の母親)の書いた絵を見たいと言い、断られ、さらに財産も
渡さないと言われ、逆上して、ワインで毒殺したとのこと・・・
「クリスマスキャロル殺人事件」のタイトルバックが火サスのように流れて終了!!
なぜか中山忍がたくさん出てた(笑い)
終了した内容を、てまりは編集長に送る・・・それを読んでいた編集長は事故にあってしまう。
さらに、ごきげんなてまりは、編集長からもらったワインを飲んで、倒れてしまう。そして倒れる寸前
に「違う! 彼は犯人じゃない!」と急に気づいたが。。。
ここで1幕終了
2幕
意識を失ったてまりは病院のベッドにいる。犯人はフレッドではないことに気づき、
そして自分が書いている物語の中に入って、スクルージ殺害の真犯人を突き止めるため動き始める。
それをうわごとで話し、浅見はそれを録音しだす。
探偵てまりは、物語の中のホームレス探偵とともに事件を捜査しだす。
逮捕されたフレッドのところに婚約者のモンナが面会に来ているところに、突然割り込むひまり。
お見舞いに来た編集長のせいで、担当者の浅見も合流する。
もう一度、パーティに参加した人たちを調べなおすと、いろいろとわかってくる。
クリスマスの夜にスクルージをたずねたのは、3人の女性ということがわかる。
最初に訪ねたのは、モンナ。彼はフレッドに母の書いた絵を見せてあげてほしいと
頼みにきたのだった。。。が断られる。
そのときに来てたのがフレッドのコートで、そこに赤ワインをこぼしてしまったのだった。
次に訪ねてきたのは、クラチット夫人。クラチット夫妻の子供ティムは心臓や足が悪い。
ティムは心臓が止まらないが成長は止まってしまうという薬を飲み続けている。
ティムにこの薬を提供しているのが、ウィルキンスさんの財団で、提供の代わりに広告塔となって
もらっている。その薬は、スクルージの妹がいつまでも若々しく、それは緑の絵の具を飲んでいるからと
いうことをヒントに開発されたものだった。
しかし、もう薬がなくなってしまうので、スクルージなら、その絵の具を持っているのではと思い
訪ねたのだった。が絵の具はもうないと・・・
クラチット家はティムの姿が変わらないことを怪しまれることを恐れて引っ越しを
繰り返していたが、クラチットさんはそれに疲れて、そのまま自然死させることを選んだ
最後に訪ねてきたのは、ウィルキンス夫人であるエリザベス
実はエリザベスとスクルージは以前恋人だった。
体が弱かった妹に全財産を使ってしまったスクルージに、あいそをつかして
別れてしまったのだった。それがもとでスクルージは守銭奴となったのだった。
さらに、そのお金をウィルキンスさんの財団に寄付していたとか。。。ちょっとカオスだけど。
スクルージは、エリザベスを少し待たせてから、招き入れる。
そしてエリザベスが帰ったあとに、ワインを飲んでいて倒れた。。。
実は1幕で、スクルージは意識を失ったけど死んでいないということにする!と
てまりが言ってたんだけど(死んでなかったら、あとから犯人を言えるとかいう、てまりなりの保険)
これがここで生きてくるんだよね~
スクルージは倒れたけど死んでなかった!
倒れた原因は・・・
スクルージの妹が好きだった緑の顔料には、若返りの効果もあったが、毒性があり、
妹が早くなくなったのもそのせいだった。
スクルージはエリザベスが来たので、寒い部屋を暖めようと、家にあるものを暖炉にくべ、
妹の書いた絵も暖炉にくべたのだった。
その結果、顔料の毒性が出て、スクルージが意識を失ってしまったのだった。
スクルージも助かって。。。最後に「メリークリスマス!」と
クリスマスを祝う気持ちになってくれたのがうれしかったな
手まりが倒れたのも同じ。ワインを飲んだグラスは骨董屋で買ったもので、
これは実は絵筆洗いであり、緑の顔料が出て倒れたのだった。
結局、てまりも回復して・・・ハタ!と
話の内容は完成したけど、、、小説としてまだ1行も書いてないと。。。
編集者浅見に叱咤激励されながら・・・終了。
いや~楽しかった!
さて、キャストの感想
てまりの松たか子さん
本当に上手いです。歌ももちろんのこと。。。いやあ、松さんのためにあるお芝居って感じ。
しっかり大人の女性なのに、めちゃくちゃてまりはカワイイんですよ。
すごく楽しそうに演じてましたよね。
何もいうことはないです。ただただすごい女優さんだなあと・・・
東京03ネタが何度もぶっこまれるのは、やっぱり「大豆田とわ子」絡み?その都度笑っちゃうけど。
浅見の神木くん
細かいやつだ!!でもよい編集者さんなんだろうな。
てまりに、それはその時代にはなかったとか、突っ込むんだけど、後ろにある知識が半端ない。
これって、セリフ覚えるのも大変だったろうな~
途中、何人かで声色を変えるシーン。声優さんみたいだったというか、声優さんできます!
神木くんってすごいなと思ったのが、舞台上でも普通に神木くんなんですよ。
なんというか、人物を作ったり、特に芝居がかったりさせなくても、そのままその芝居上の
人物になってしまうところが、すごい!
神木隆之介のすごさを実感した芝居でした。あ!太鼓の達人も上手かった
スクルージの小日向さん
コヒさんはどんな役でも演じちゃいますからね~
守銭奴の憎らしいスクルージも、若いころの優しいスクルージも。。。
そうそう、途中で松さんと一緒に側転したのには、あっけ!でした。
フレッドの大東くん
久しぶりに大東くんの芝居見ましたが、彼も自然体だったですよね~
モンナの早見あかりちゃんとの息もぴったり。バカップル最高!
モンナの早見あかりちゃん
お芝居、初めてみましたが。。。堂々としててさすがだったなあ。
最初、早見あかりちゃんってわからなかったです。
すごく大人っぽくて。。。(こんな書き方失礼かな)
お嬢様っぽい役だったけど、ときどきヤンキーになるのもかわいかった。
エリザベスの筒井真理子さん
きれいだよね~こういう大人の女性、ぴったりです。
なんで旦那さんが猿時さん?やっぱりお金なのよね~
筒井さんが演じてたから、エリザベスは絶対この事件と絡むだろうと
思ってたら、、、やっぱりでしたね。スクルージの元恋人とは。。。
ウィルキンスさんの皆川猿時さん
大人計画の芝居よりは、全然アドリブ少ないけど、それでも、このキャストの中で
唯一自由にやってたような気がする。
途中、アドリブをぶちこんでたところでは、みんな素で笑ってましたね。
神木くんが一番笑ってた。後ろ向いちゃうから。。。大東くんもけっこう・・・
村杉さんとかは耐性があるから、平気そうだったけど。
それと、天使の羽のようなものを背負ってて、階段から降りれないとか。。。
こんなこと、、、猿時さんしかできない!!
そして、いつも思うけど、猿時さんって、出てくるだけで存在感抜群なんで・・・ずるいです。
刑事役の小松和重さん
小松さんの飄々とした感じが、いい加減な刑事さんに合ってたなあ~
あのとぼけた感じが、安定感を醸し出す・・・
「グッドバイ」を思い出す~でも、私よく小松さんの芝居見てる気がする
他のキャストの方も、本当に皆さんすばらしかった
・・・あ!坂井真紀さんが最初全然わからなかったよ~
大人計画の方は。。。安定の演技でしたね。
とにかく、ラストで誰も死なないし、謎解きもできたし、伏線も回収されて
明るくて気持ちがよいエンディングでした。
伏線回収・・・しないのかできてないのかという芝居やドラマが見受けられる中、
このくらいすっきりさせてくれると、ニコニコで帰路につけます。
そうそう、開演前の注意事項のアナウンスは、松尾スズキさんで、、、
笑かしてくれました。「猫をつれてる方」とか。。。そんなんいるか?
あと、タイトルを噛んだように「ラパパンパパパパパパン祭り……」とか(さすが松たか子さん主演)
これだけで、場がなごみますからね~さすがでした。
しかし、よく笑った。。。楽しかった
普通に芝居の中に、小ネタがたくさんあって。。。そのたびにツボにはまって、笑いっぱなしでした。
東京03ネタもそうだし、蜷川演出みたいな・・・なんてのもあったし。
某サスペンスドラマの音楽をつかったり、中山忍ネタもね・・・
これって藤本さんの脚本段階で入っていたのか、松尾さんが足したのか、ちょっと興味あります。
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