旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

介護支援専門員スキルアップフォーラムin岩手

2013-02-16 23:16:29 | 学会活動
2日間のフォーラムに1200人に近い人が集まりました。1000人は岩手県の人。そのほか北海道から宮古島まで全国から集まりました。

鈴木豊氏は「岩手県の介護サービスの現状と課題」と題して、県内の地域間格差や人材難の実態を報告されました。

シンポジウムでは被災地の様子が報告されました。陸前高田市の避難所「絆の丘」の様子は参加者の多くが涙を誘われました。

ぼくは野中猛先生のピンチヒッターで「医療連携における介護支援専門員の役割」への思いを語りました。

連携のための準備のたいせつさを提案しました。

認知症の方と1時間

2013-02-15 23:39:28 | 診療
町では認知症の方が増え、家族のみの対応には限界があり、ぼくも相談にのっています。

きょうは東京から朝帰り、新千歳空港が霧のために飛行機は青森上空で1時間旋回、1時間遅れで空港に着きました。函館空港や旭川空港に着陸したら、その後の移動がたいへんになるところでした。

1時間遅れで京極町に戻って、早速面談です。

耳は遠いのですがお話はしっかりしています。

ここ2~3年のお話をほぼ正確に話してくれます。繰り返しもごく一部です。介護認定が要支援2から介護1になったことがかなり大きくこの方の心をむしばんでしまったようです。計算能力も落ちたと自覚できています。

クリスチーヌ・ブライデンさんの3重の「私」を考えました。中心にある「スピリチュアルな自己」は生き続けます。「感情」もまだまだ豊かです。易怒性は少し大きいかもしれません。一番外側の「認知機能」がやや落ちているのです。そこを思いやって対応できるかどうかが「ケアの鍵」です。

そして、文書の読み方など観察するとメガネも合ってないようです。補聴器の調子にも配慮が必要です。

多少認知機能は落ちてもまだまだ元気に生きられる・・・そう感じた1時間でした。

第7回在宅医療推進会議

2013-02-14 23:12:18 | 医療制度
在宅医療を普及させりことを目的に始められた会議です。プライマリ-ケア学会当時から参加しています。

在宅医療は少しずつ進展してきました。飛躍的な普及とは言えませんが、在宅医療専任の医師も増加していました。

千葉県の柏モデルが元気です。市と医師会が主導し、かかりつけ医数名が研修を受け、在宅医療に従事するようになったのです。自治体や郡市医師会がやる気を起こしてくれるかどうかにかかっていると辻哲夫氏は強調します。

かかりつけ医とはだれのことだという質問も出ました。来年の連携拠点事業はさらに大きな進展がみられるのでしょうか。

看護延命

2013-02-12 23:32:22 | 診療
機械やクスリによる延命が多い中、「看護延命」の大切さを教えてくれるのが、川嶋みどり著『看護の力』です。

180mlの牛乳を2時間かけて噛んで飲む。握り寿司の1個の米粒をお念仏を唱えながら数分かけて飲み込む。

これらの営みを支えたのは看護職ではなく妹さんだったというパラドックスを引用しているのですが、その原典は富沢賢『妻の死に考える 看護本来の使命とは』という本のようです。

胃ろうよりも、静脈栄養よりも、ささやかな看護で最期を送りたい人は多いのではないでしょうか。

ボーとする時間を持つ

2013-02-11 23:50:55 | 教育
19時から北大医学部同窓会の新入会員歓迎会に参加しました。

ぼくは同窓生ではありません。教員を務めたことで「会員2」という枠組みに入れていただいています。もちろん会費は払っております。現在会長は浅香名誉教授。

新入会員は今年の卒業生です。113人。この日に3日間医師国家試験が終わりました。1学年100名入学したはずなのになぜ113人かというと、ひとりも留年者がおらず、上の学年から降りてきた人が例年通りそれなりにいたということです。

さて今回はぼくにスピーチの依頼がありました。で、表記の話をしました。

残念ながら学生のときは元気だった人が研修医になると病気になります。がんばり過ぎてしまうのでしょうか。

それを防ぐ方法は「ボーとする時間を持つこと」です。

ボーとしていると働く神経回路があります。「デフォルト・モード・ネットワーク」です。伊古田俊夫先生の『脳から見た認知症』に書かれています。ボーとしているときに働く神経回路です。

自分を客観的に観ることができること。少し広く社会を観ることができること。少し先のことを考えることができること。

ときどきボーとしながら、自己客観視力、社会洞察力、先見力を身につけていけばメンタルな病気にはなりにくいでしょう。

卒業生諸君。ボーとする時間を大切にしてね。