旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

認知症の方と1時間

2013-02-15 23:39:28 | 診療
町では認知症の方が増え、家族のみの対応には限界があり、ぼくも相談にのっています。

きょうは東京から朝帰り、新千歳空港が霧のために飛行機は青森上空で1時間旋回、1時間遅れで空港に着きました。函館空港や旭川空港に着陸したら、その後の移動がたいへんになるところでした。

1時間遅れで京極町に戻って、早速面談です。

耳は遠いのですがお話はしっかりしています。

ここ2~3年のお話をほぼ正確に話してくれます。繰り返しもごく一部です。介護認定が要支援2から介護1になったことがかなり大きくこの方の心をむしばんでしまったようです。計算能力も落ちたと自覚できています。

クリスチーヌ・ブライデンさんの3重の「私」を考えました。中心にある「スピリチュアルな自己」は生き続けます。「感情」もまだまだ豊かです。易怒性は少し大きいかもしれません。一番外側の「認知機能」がやや落ちているのです。そこを思いやって対応できるかどうかが「ケアの鍵」です。

そして、文書の読み方など観察するとメガネも合ってないようです。補聴器の調子にも配慮が必要です。

多少認知機能は落ちてもまだまだ元気に生きられる・・・そう感じた1時間でした。