介護支援専門員の研修ばかりでなく、介護保険改定でも「医療との連携」が強く求められています。
しかし、介護側に医療との連携を強制して問題が解決できるとは思えません。医療自体がもっともっと変わらなければならないのです。
ふれあいケア3月号にも登場いただいた石飛幸三先生の生き方から、それを学び取ることができます。
自然と食欲が落ち、命が細くなっていくとき、強制的に栄養をつけてもおそらく意味がないでしょう。
養護ホームの方が、食事も水分もとらなくなったということで、少しホームで点滴してもらいましたが、よくなりません、
一緒に入所している夫と娘さんが病院にやって来て、おじいさんは「大きな病院に紹介してくれ、ちゃんと治療してもらわないと妻は死んじゃう」と90度以上も曲がってしまった腰を伸ばそうとしながら叫びます。
娘さんは「義母が胃ろうをしましたが、大変苦労をしました。胃ろうはしないでください。父はああ言いますが、点滴か、高カロリー輸液をお願いします」と言います。
「ではまあ入院して様子観ましょうか」と受け入れてみました。
ぼくは中心静脈栄養なども考えず、少しだけ輸液して、声はかけますが認知症もあって、ほぼノンバーバルコミュニケーショで笑顔で接します。
数日してよくしゃべります。よく食べてます。まさか、じいちゃんから離れたのがよかったわけではないでしょうが。なんかすこぶるわが病院の環境がこの方には合っているようです。来週は退院ですが、さて養護に戻ったらどうなるのでしょう。
まあ、ごく普通にお付き合いして、よくなるも悪くなるも寿命と受けとめようではありませんか。
大事なことは少なくとも医療がスタンスを変えることです。