旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

やりたい医療のできる国に

2013-09-28 22:33:02 | 医療制度
ゆうべは玉名温泉につかって英気を養い、今晩の「保団連 第31回病院・有床診療所セミナーin熊本」に参加しました。

させていただいた記念講演のテーマは「中小病院・有床診療所に求められる役割」

日本の流れは大病院中心の医療で臓器別の専門医療が中小病院や有床診療所まで駆逐しています。それも一つのあり方ではありますが、プライマリ-ケア部分とバランスを取っていかないと日本の医療はおかしくなっていく。

プライマリ-ケア部分では
(1)個人の健康を引き出す医療
    プライマリ-ケアの根底はセルフケア
(2)病気の真因を明らかにする医療 
(3)認知症に対応できる医療 
(4)メンタルヘルスに強い医療
(5)地域を健康的にする医療
の役割を担う中小病院・有床診療所があっていい。むしろ積極的に取り組むべき。

会場からも「自分たちが患者さんたちのために本当にやってあげたい医療、しなければならない医療ができる政策を国に働きかけていこう」という意見もありました。

いまがチャンスです。

怪しいワクチン

2013-06-25 20:39:43 | 医療制度
困りましたねえ。子宮頸がんワクチン。

厚労省はまたまたワクチンメーカーからみの代議士に急がされたようです。政治力に負けた?!

それにしてもある与党幹部と「ワクチン」のメーカーの顧問弁護士が・・・というのですから、困った構図ですね。(週刊文春がスクープしたそうです)

一次予防のワクチンが安全なものになるまでは、二次予防である検診を受けやすくすることですね。イギリスでは女性看護師が検診を担当するそうです。大熊由紀子さんの「えにしメール」にありました。

ぼくも一昨年あたりは勧めてましたから勉強不足でした。怪しいものであることを見抜くのはもっともっと正確な情報を得ないとだめですね。

インフルエンザワクチンに比べて何十倍も副反応が多いということです。まだまだ時期尚早でした。

「副作用はクスリが起こすが、薬害は人が起こす」という大熊さんの言葉をかみしめましょう。

国保保険料と医療費

2013-06-11 23:14:46 | 医療制度
けさの北海道新聞トップ記事は国保の保険料を取り上げています。2010年度です。

猿払村、羅臼町が全国で1,2位をしめ、3位は秋田県大潟村に譲るものの、4,5位に利尻町、長沼町がつながっています。上位10位に北海道の町村が8町村入っているのです。

冬場の高齢者の長期入院がその原因だというのですが、果たして?

人口規模の小さい町村では一人の重症者が医療費を大きく引き上げます。おそらく住み慣れたの町や村から都市部の大病院や専門病院へ連れてゆかれるのです。競争の激しい病院では患者一人当たりの医療費が一挙に吊り上ることが多いのです。

人口の少ないところは保険料が高くなればますます住みにくくなります。

全国でもっとも安い保険料は沖縄県粟国村で31,242円。猿払村の141,650円との開きの大きいこと。何と4.5倍。

粟国村とはどんなところ? かつてこの島に住む人の受療行動を調査した先生によると「病気になっても島を出ない」のが最大の特徴だそうです。「島を出たらご先祖から離れてしまい幸せに死ねない」と考えているようなのです。

病気になったら安易に(語弊があるかもしれませんが)大都会に行く北海道島とは大違いです。

人間の幸せってなんなのでしょう?

保険料が高いことは悪いことではないんじゃないという声が聞こえてきそうですが…。


「地域を診る医師」

2013-05-22 22:52:49 | 医療制度
平成25年4月22日に出された「専門医の在り方に関する検討会 報告書」で「総合診療専門医」が取り上げられたことは画期的なことでした。総合診療の専門性を否定する傾向がこれまでの医療界には強かったからです。

総合診療専門医の位置づけについての項目の最後には
○総合診療専門医には、地域によって異なるニーズに的確に対応できる「地域を診る医師」としての視点も重要であり、他の領域別専門医や他職種と連携して、多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供することが期待される。
と書かれています。

この医師をあまり理想化すると絵に描いた餅に近くなります。実践も教育もこの辺りを一番軽視してきたからです。

「地域を診る」とはたやすいことではありません。ミクロのアプローチとマクロのアプローチがあります。一人ひとりの患者さんを丁寧に診ていくことと、地域全体の良い点、悪い点、伸ばせそうな点、かなり治療を要する点をしっかり見つめなければなりません。

日本の社会、特に産業は家族を壊し、地域を壊す方向に進んできたからです。

地域社会を健康的にするには根本的な見直しが必要でしょう。自分と自分の回りから少しずつ考えていく、地道な取り組みが基本のはずです。