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旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

診療で知る生き方・死に方(1)

2018-06-27 18:18:05 | 地域協働
京極町では「地域包括ケア座談会」なるものを年に2回くらい開いてきました。2018年6月22日に5回目が開催されました。

今回のテーマは「終活」でした。話題提供で「生きるエネルギー」について話してほしいと依頼されました。でも頭の中で「終活」と「生きるエネルギー」がうまく結びつかなかったものですから、表記のように、診療で直面する死の問題について話してみることにしました。

20分という時間でしたので、話せなかったこともいくつかあります。それらもふくめて書き留めておくことにします。

冒頭はハーモニカで「遠き山に陽は落ちて」を演奏しました。ドボルザークの「新世界から」にふくまれている曲ですね。小学校6年生のときにはじめて聞きました。

「人は必ず死ぬ」人間の死亡率は100%ですが、死ぬ覚悟を決めることをむずかしいことですね。

処方箋を書く(パソコンで打つ)ことも診療の仕事のひとつです。病状や診断に応じて、必要性を判断して薬剤を選び処方箋を書きます。


クスリのことから生き方・死に方が見えてきます。

「ぼくは、クスリ屋じゃないんだけど」と言いたくなることがあります。症状を話さないで、クスリの名前だけをあげて、その数、ああ、よく軟膏などでね、「○○○○○を何本出してくれ」とか言ってくる人です。おじさんにもそういう人いますが、5枚処方箋書いてもなお足りない(処方箋1枚に5~7種類くらい書きます)おばあさんがいたりします。最近ではポリファーマシー(多種類のクスリを要求する人)と呼んだりします。

さて、この人たちの心理はどのようなものなのでしょう?



藤原副会長講演会

2017-10-01 23:46:19 | 地域協働
サポーターの会主催で医療講演会がきのう開かれました。

北海道医師会副会長藤原先生がはるばる京極に足を運ばれ、総合診療医が3人もいる町として評価をいただきました。

かかりつけ医を再認識すること
札幌の専門医がクスリを3か月出してくれたら「もう来なくていいよ」という意味だから、札幌にはいかなくていいんですよ
というお話など町民の方々よく理解していただけるとうれしいのですが。
先生は後志の余市町のご出身。この辺のことをよくご存じでした。

終了後懇親会しました。焼肉です。

先生がお帰りになってから、サポーターの会の人たちと激論かわしました。
これからどうするのか? 勉強会だけでよいのか?
クリニックと行政、議会との橋渡し役が、本当にできてきたのか?
そもそも、それに足る行政なのか、議会なのか。

藤原先生に火をつけていただいて、医療はどうあるべきか議論が盛んになることを期待します。


死の豊かさ

2017-06-29 06:16:25 | 地域協働
昨晩、札幌市在宅医療協議会(坂本仁会長)のお招きで、講演をいたしました。

「ヘルスケア新時代における在宅医療」のテーマでした。

保健活動のたくさんの無駄を減らして、ていねいな在宅看取りに力を注ぐ。

死の近づいた人が死者との交流できること、死後なお続く家族への想い・・・死を豊かにできれば
子どもたちに伝わることも変わる

北大在職時代、学生たちが在宅医療実習でお世話になった先生方との再会
何よりも、大病院の先生方も参加してくださったこと
準備不足でしたが、とてもあたたかい時間を共有できました。

藤枝市に行ってきました

2017-01-06 23:49:46 | 地域協働
町ぐるみの健康づくりに熱い場所に行ってきました。
静岡県藤枝市です。東京と名古屋のちょうど中間に位置しています。
今回は国保診療施設協議会の「地域全体で認知症の方やその家族を支える仕組みの促進・充実に関する調査研究事業」の委員として先進的取組地域ヒアリングに参加しました。

暮らしの基本を4Kにおいています。健康、教育、環境、危機管理です。

北村正平市長は3期目に入ったところでしょうか。HPで市長挨拶には次の言葉が書かれています。

元気なまち藤枝づくり
1.子どもたちが輝くまち
2.誰もが安心して暮らせるまち
3.皆で協力しあうまち
4.誇りと元気のあるまち

なんと市役所職員700名のうち、健康福祉関連の職員が170名、4人に1人ですね。
それに地域の役職ある人、たとえば自治会長、町内会長などには、全員「保健委員」の委嘱状を渡しているとか
藤枝市社会福祉協議会のほかに地区社協が10か所あるというので、どんな組織と尋ねたら、
専門職は市社協にだけいて、地区社協は地域で役職ある一般の人たちで構成されているとのことです。

さて、藤枝市の認知症施策は4つの柱からできています。
Ⅰ.防ぐ
Ⅱ.見つける
Ⅲ.知る
Ⅳ.支える

「認知症の人に優しいお店認定店」もユニーク、市民の勉強会もこの10年で372回、のべ13,206人が参加。認知症サポーター養成講座も一般市民ばかりでなく、高校生、中学生、小学生まで、ふれあい寺子屋も、警察学校も。
日本最高齢(100歳)のキャラバンメイトである大石さきさんは認知症劇の脚本を書いているとか。

ご案内いただいたのは「認知症になっても安心して暮らせるまち藤枝をめざして」奮闘しておられる藤枝市健康福祉部地域包括ケア推進課の皆さんでした。

ところで市民の皆さんのパワーの源泉はどこにあるのでしょう?