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俳優・勝地涼くんのこと。

『亡国のイージス』(3)

2007-01-18 23:29:50 | 亡国のイージス
「役(如月行)と勝地くん本人のギャップに惚れた」うんぬんと書いてきましたが、その実この二人、深い部分では似通ったものを持っているように思います。 

 「絶対に逃げない」という掟で自分を縛り過酷な境遇に耐え続けてきた行。
それだけ強い精神力を持ちながら同時に人一倍の繊細さも内に秘めている。そしてとても純粋。
その純粋さの故に不器用にも良心の痛みや周囲のいろんな感情と真正面から向き合って、その分だけ繊細な感受性は傷を負う。

いっそ痛みに負けて、折れて曲がって歪んでしまえば楽になれるのに、なまじ耐えられる強さがあるだけにいつまでも純粋でいつまでも傷つき続ける。
その強さと純粋さにこそ惹かれながらも、「もっと楽に生きてもいいんだよ」と言ってあげたくなるような痛々しさ――程度の差こそあれこの「痛々しさ」を勝地くん自身にも感じるのです。

もちろん悲惨な幼少年期の果てに特殊工作員となった行と違って、勝地くんは『Boys Beat』(『JUNON』別冊のムック本)や『はなまるカフェ』での話を聞くに、ごく真っ当な家庭で愛情いっぱいに伸びやかに育ったようなのですが――。

現場に入る前に役柄について思い悩むことが多いと言う彼、クランクイン前日に台本を読み返しながらお腹が痛くなることもしばしばだという彼。
おそらくは本心からの言葉として「僕にはまだ力がないので」「すべてにおいて未熟だと思いますから」と繰り返し、誉められても浮かれるより自分はその賞賛に値する事ができたか(今後できるか)を考え込んでしまう彼・・・。
その謙虚さ、神経質なまでの真剣さが彼の人として俳優としての長所だと思いはしても、いつか神経が焼き切れてしまいやしないかと心配になります。

かと思えば護衛艦で体験航海した際にお昼のカレーをお代わりして士官室で爆睡するような豪胆な一面も持っている
(このエピソード、図々しいっちゃ図々しいんですが、関係者はむしろホッとしたんじゃないかと思います。
如月役の俳優には心身とも相当なプレッシャーがかかるのは確実なだけに、ある程度図太い部分がないと務まらないと思うので)。
「悩むだけ悩んだらあとはぱっと切り替えて遊べる」とも言ってましたし。

この芯の強さ、雑駁な言い方をするならAB型の勝地くんのB型の部分が繊細なA型の部分を支えていて、それでバランスが保たれている。
だから実際に彼が精神に変調をきたすことはまずないんでしょうが、

「何かに悩んで何かを考えてないと、自分がだめになっちゃうというか、成長しないじゃないですか。(中略)だからたぶん、僕はずっと悩んでいたいです。」(『シアターガイド』2005年5月号)

と言える強さを持つ彼は、その強さ・純粋さのゆえにこの先もずっと悩んだりもがいたりし続けるんだろうなと思うと、やはり「痛々しいな」と感じてしまいます。
そんな彼だからこそ、ずっと見守っていたくなるのですけれど。
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