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俳優・勝地涼くんのこと。

『阿波DANCE』(1)

2008-11-12 21:41:46 | 阿波DANCE

2007年8月下旬公開の映画。榮倉奈々さんと勝地くんのダブル主演。ダブルとはいえ勝地くんが映画で主演を張るのはこれが初めて。
(DVD映画では主役を経験済み。『阿波DANCE』と同じアット・ムービー社製作の『SOUL TRAIN』。ちなみにプロデューサーも同じ森谷雄氏で、パンフレットによると『SOUL TRAIN』で勝地くんの演技力に惚れ込んだ森谷Pが今作にもオファーしたそうです)
日頃あまりクレジットの順番などは気にしないんですが、オープニングで榮倉さんと並んで真っ先に名前が出たときはさすがにシビれました。

この映画に関する情報の一番最初は2006年の秋ごろ、メイン出演者の一人で勝地くんと同じ事務所の北条隆博くんのブログだったように記憶しています。
まだタイトルなどは明かされないまま、勝地くんと初めて共演すること、ダンスの練習をしていることが、勝地くんとのツーショット写真付きで記されていました。

その後事務所の公式でも正式発表され、勝地くんの公式メッセージ(当時はそういうものがあったのです。今でいうブログみたいな感じ)で、
「阿波踊りは伝統のあるものなので、いい加減にはしたくない、気持ちで踊れるほど練習しようと思いました」(当時のメッセージは閲覧できないので概要)
とコメントしているのを読んで、相変わらずの真摯な姿勢に胸を打たれたものです。

「ヒップホップと阿波踊りの融合」というテーマには、「これウケるのかなあ?」とちょっと心配になったりしてたんですが、やはりヒットには結びつかなかったですね。
まさに「ザ・青春ムービー」という感じで手堅くまとめられているのですが、それだけに目新しい部分はこれといってなく、テーマである新旧二つの踊りの融合もさほどインパクトを持っていなかった。
(これは踊りの練習シーンはあっても振り付けや衣装作りなどで試行錯誤する場面がなかったのも一因かも。まあ映画の尺を思えばそこまで入れるのは無理でしょうが)
先々の展開も9割方読めてしまうので、「特に悪くはないけれど、わざわざ見るほどのこともない」作品というのが最初の印象でした。

ただ最近スカパー(「チャンネルNECO」)で放映されたものをレビューを書くために細かく見返してみてちょっと考えが変わりました。
前は見逃していた細部の伏線に気づいたせいもありますが、阿波踊りを取り上げることを通じて、「アホになる」ことの大切さを全編通して描いているのを今さら痛感したのが大きかった。

何かと頭で考えすぎて煮詰まってしまいがちな現代人に対して、もっと心で感じるままに素直に生きてもいいんじゃないかという価値観を提案している。
昨今は周囲に迷惑をかけることを恐れて小さくまとまってしまったり、時には何かと回りの足を引っ張ってしまう自分を責めて神経を痛めてしまったりしがちですが、社会で多くの人間と関わっていれば迷惑をかけたりかけられたりは当然起こること、それを避けようとすれば人との繋がりが希薄になってしまう、もっと気持ちを大きく持って相手に物事にぶつかっていこう、というのがこの映画の言いたかったことなんじゃないでしょうか。
こちらもアホになるつもりで、ご都合主義と思える場面にも深く突っ込まず、というより批判目線でない軽いツッコミをいれつつ見ていくと、基本パターン通りであるゆえに普遍的な青春ストーリーになっている。
アホな箇所は「アホだなあ~」と言いながら、キャラの内面が描かれる場面では素直に彼らの心情に気持ちを寄せて鑑賞するのがお勧めです。

そして終盤の「阿波ダンス」の場面。技術的な上手い下手はよくわかりませんが、パワーと一体感に溢れていて、こちらの気持ちも高揚するのを覚えました。
12月19日にはついにDVDが発売されるそうなので、未見の方はこの機会にぜひ。

 

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