年末近くに、賃貸物件のキッチンシンク研磨を行ってきました。
実はこの物件は、先日、火災保険を適用した物件です。
すでに、階段蹴込修理が終わり、ハウスクリーニングを実施、あとはクロス張替の予定で進めています。
ちなみに、このハウスクリーニングを業界では”洗い"と呼ぶようです。
私は、不動産賃貸業を始めた最初の物件で、不動産屋さんが「あとは”アライ"にきれいにしてもらって、賃貸募集を始めますので。」と言われ、(新井さんですか…)と勘違いしたことを思い出します。
さて、キッチンシンクの研磨ですが、よくYoutubeでも動画が上がっていますね。私は全くの素人で過去に研磨なんて包丁を研ぐくらいのことしかやったことはなく、すごく参考にさせていただいているのですが、その完成度というかゴールのクオリティはまちまちなので、私なりに整理してみます。
まず研磨対象のシンクには、大別すると、鏡面加工となっているものとマット調になっているものの2種類があります。(以下はサンプル画像です)
なんとなくの想像ですが、飲食店や昔のキッチンは全体が鏡面加工、住宅のキッチンはあえて傷が目立たないようにマット調となっている傾向が多いように思います。
今回、使用するのは以下の通り:
- 耐水ペーパー研磨シート(#600, #2000)
- スポンジ研磨剤(#800-1000, #1200-1500)
- ピカール
グラインダーなどの機器は使わずすべて手作業です。また、素手で作業をすると、削れたステンレスで手が真っ黒になりますので、ゴム手袋を使ったほうが便利です。
手作業で行う以上、研磨をしても近づいてよく見ると細かい傷が残ってしまいます。それは鏡面加工タイプのキッチンでもマット調タイプも同じです。一見きれいに見えても、よ~く見ると細かな傷が多数ついているのがわかります。 左は鏡面加工の自宅のシンクです。 耐水ペーパー研磨剤#2000までを使って研磨し、最後にピカールで仕上げています。 上も下も全く同じシンクですが、下はキッチンの照明をつけて、あえて傷がわかるようにして撮影しています。 このように、どうしても細かな傷が残ってしまうんですよね。おそらく、グラインダーなどを使うともっときれいにできると思うのですが、手作業ではこれが限界なのでは、と思います。 これは自宅のキッチンシンクなのでいいのですが、賃貸物件ではこのレベルではちょっときついので、よほどのことがない限り鏡面加工のシンクの研磨はやりません。 |
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一方、マット調も細かな傷は残るのですが、何年も使っていくとこの程度の細かな傷は仕方がないかな、と思えるようなレベルの傷として見られる程度になります。 今回のキッチンは左にある通り、マット調であり、今回のこの写真のような目立つ傷があるのであれば、研磨をやったほうが印象がよくなると判断しました。 なお、キッチンシンク自体は設置してから2年足らずなので、傷がない箇所はまだまだきれいです。そのため、傷のある部分だけを研磨することにしました。研磨した部分としなかった部分(ほぼ新品)の違いも比較できますので。 全体の作業は、番手の小さい(荒い)研磨剤から徐々に番手を上げていき、最後はピカールで仕上げる、という流れです。 |
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ステンレス研磨作業のイメージは、円を描くように研磨して全体の凸凹を同程度にして、傷を目立たなくします。この時、力を入れないことです。力を必要以上に入れるとその部分だけ深く研磨されてしまい、その凹凸を消すことが大変です。 もし、傷が深くてなかなか研磨できないのであれば、力を入れるのではなく、番手を小さくして研磨したほうが無難です。 左の写真は#600の耐水ペーパー(6cm四方ぐらいの大きさ)2枚を使って研磨した結果です。 耐水ペーパーは、使っていくうちに研磨力が落ちていきます。なので、特に最初のうちは本当に軽くなでるぐらいの力で滑らすように研磨します。引っかかりがなくなってきたら中断し、2枚目の耐水ペーパーで同様に研磨しました。次に、研磨力がやや低下した2枚の耐水ペーパーを使ってさらに研磨を続けます。全体で30分~40分ほどかかりました。 #600の後は目が細かい研磨剤で磨いていき、#600研磨シートでついた傷を徐々に消していく作業になります。#600を使っても消えないような深い傷は、番手を上げていっても消えることはないので、しっかりと時間をかけて#600の耐水ペーパー研磨シートで研磨して、全体の凹凸を均一にすることが最終的な仕上がりをきれいにします。 当初の傷はほぼ目立たなくなりましたが、よく見ると、細かな線が多数残っているような状態です。 |
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これは、#800-#1000 のスポンジ研磨剤、その後、#1200-1500のスポンジ研磨剤で研磨した結果です。もちろん、同じ荒さの耐水ペーパー研磨シートを使用してもよいと思います。(今回は、最初に耐水ペーパー研磨シートで研磨しましたが、これも#600ぐらいのスポンジ研磨剤があればそれでもいいと思います。) 黄色いマスキングテープは傷の有無の大まかな境界です。今回、傷がないきれいな個所は研磨したくないため、境をつけました。 先ほどと比べてやや光沢が出ているのがわかります。 |
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さらに、最後に#2000の耐水ペーパーで研磨した結果です。 より一層、光沢がでて、シンク底面に反射した混合水栓などもよくわかるようになってきました。
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最後に、ピカールで研磨しました。 さらに、混合水栓が反射してはっきりと見えるようになりました。 最初に傷が多数入った状態よりもよくはなりましたが、近づいてよく見ると細かな傷が多数残っています。 写真を拡大してもその傷がはっきりと見えないのですが、印象としては、最初にはっきりと見えていた傷がなくなったものの、もう5-6年も使ってきたシンクのようになっています。特に、研磨をしていない部分と比較してみるとその違いがよくわかるのですが、残念ながら写真ではうまくその部分を伝えきれていないです。
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簡単にきれいになります、という記事が多いのですが、あまりに過度な期待は禁物です。
特に、新しいシンクでこれをやってしまうと、やらないほうがよかった、と後悔することにもなりかねません。
このままではちょっと賃貸には出せない、かといって、プロに任せると高くつくので、まずは自己責任で自分でトライしてみて、ダメなら最悪プロに依頼する、という気持ちで取り組むのが無難だと思います。
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