今年の夏ごろから不動産投資に興味を持ち、10月初旬に初めて区分マンションを1室購入することになりました。
購入を決めるまで本当に長かったと感じます。検討を始めたのは、7月ごろからだったのでわずか3カ月ですが、その間、いろいろと迷いました。
不動産投資は当初全く知識がない状態で、最初に知ったのは、不動産投資には区分マンション、1棟アパート、1棟マンションという大きな種類があることでした。
その後、不動産業者が主催するセミナーに参加したり、個人のブログでのコメントを読んだり、書籍も3冊くらい読みましたね。
セミナーや個別相談などで直接話をした不動産業者は、エスティライフ、ランドネット、アクロスコーポレーション、サントラスト、CFネッツ、日本グローウェル、ジャパンアスリートの7社です。どこも、たちの悪い悪質業者ではなく、みな良心的な業者でした。どこも信頼のおける業者だと思いますが、紹介してもらった物件については多少その良しあしが分かれるところがありました。
きっかけは、楽待と呼ばれる投資物件公開サイトで募集しているセミナー情報をもとに参加したり、気になった物件について直接電話で詳細を聞いたところ、一度是非個別相談で詳しく話をしませんかと言われて、ということもありました。
不動産業者はどこでも大した違いはないだろうと思っていたのですが、大きな間違いでした。各社それぞれに不動産投資に対するスタンスの違い、物件の良しあしの判断基準の違い、物件の仕入れ方法など、驚くほどまちまちでした。
不動産業者を大きく大別すると、薄利多売タイプと、少数厳選物件販売タイプ、それ以外のタイプがあるようです。
薄利多売タイプは、不動産投資物件の卸売業者のようなところで、零細な不動産業者に物件を下している一方個人にもそのような物件を販売している業者です。当然ながら、零細不動産業者から購入する場合には、その業者のマージンが乗せられてしまっていますので、卸売り業者から購入したほうが安く買えます。
少数厳選物件販売タイプとは、独自のネットワークを使って投資物件を安く調達する、あるいは独自の分析手法に基づいてお買い得と思われる物件を仕入れる、というタイプです。場合によっては、任意売却物件を扱うことも多く、当然安く購入できます。あるいは、独自の分析手法を使って、その収益性をアピールすることで、収益性を物件購入の判断基準としている投資家にはありがたいわけです。
それ以外のタイプとは、特に強みを持たない、零細不動産業者です。最初の卸売りを行っている不動産業者から物件を調達して、それにマージンを乗せて、個人に販売している業者です。投資という視点からすると、このタイプの業者から購入するのは正直難しいです。
薄利多売タイプは自分で投資判断が明確にできる人向け、少数厳選物件販売タイプは不動産投資の初心者で自分では判断が難しい人向けかと思います。
ただ、大事なのは、いい不動産業者を見つけることよりも、自分自身がきちんとした判断の指標や基準を持つことだと思います。ブログあるいは書籍には、物件を見つけるよりも良い物件を紹介してくれる不動産業者を見つけることが大事で、それが実現できれば、後は不動産屋に任せればよい、といった記載を見つけたことがあります。最初は、いい不動産屋を見つけよう!といろいろと話を聞きましたが、結局完全に信頼はできませんね。金額的にも大きい買い物ですから、そうやすやすと不動産屋の言うことを信用できません。
何年たっても不動産が購入できない人がいる、という話もあちこちで聞きましたが、たぶん私もその部類だと思います。ただ、今回3ヵ月で購入できたのは、自分なりの判断基準を確立したことだと思っています。
最初のころは、何がいい物件なのか、そもそもどういう点をチェックするべきなのか、価格の妥当性はどう判断するべきか、全額ローンで購入してローン返済しても手元に家賃収入の一部が入る、ということはどうとらえるべきか、どのタイミングで売るべきなのか、などいろいろなことが不明確でした。
しかし、不動産業者は、特に区分マンションはローリスク・ミドルリターンの投資であり、利回り的には4-6%程度となり、銀行の預金利率からすればかなり高い。悩んでいても仕方がないので、まずは1室の区分マンションを購入してみては、決して悪い話ではない、と言われたこともありました。
私も「はい、そうですね。」といって買うほどお人よしではないので、いろいろとその後調べたり、他の不動産業者から話を聞いたりもしました。
意外にも、ある不動産業者からは、「今は不動産の価格が高くなってしまったので、購入のタイミングではない。それでもどうしても購入したいというのであれば止めないが、他に投資先があるようなら、別のところに投資したほうがよい。」とアドバイスされたこともありました。
いずれにしても、最初はその不動産業者がどのようなタイプなのかを知るのは難しいですし、仮にそれが分かったとしても最終的に物件を購入するかどうかは自分自身の判断です。したがって、不動産業者から話を聞くことと並行して、自分が求める物件はどんな物件なのかを根気よく検討していくことが必要だと思います。
ということで、まとめると・・・
・不動産業者は少なくとも3-4か所は回って話を聞いたほうがよい。その時、できれば不動産投資の目的、目標とするキャッシュフローの額、現在抱えているローンの有無、他の投資先の有無、不動産投資で自分が不安に思っていることなどを事前に紙にまとめてその場で担当者に読んでもらうとよいと思います。
・不動産業者から勧められる物件について、その場でもある程度は良しあしを判断するために、自分なりの判断基準を持つことが大事です。そして、不動産業者には、その基準を伝えて、そのような物件があれば紹介してもらえるよう依頼できるとなおよいです。
ただ・・・
不動産業者も商売ですから、そんなに気長には待ってくれないです。いい物件があったら紹介してと言っても結局それっきり連絡がないですね。不動産業者は、これはいい顧客だと思ったら最初にいくつか物件を紹介してきます。しかし、何度か物件を紹介しても、条件に合わないという理由で断ると、それ以来連絡が全く来なくなりました。業者によっては、こちらからメールで物件の詳細を訊ねても返信もしてこない業者もいました。たぶん、この顧客はすぐには買わないな、と見切りをつけるのでしょう。1件でも買うと、その後の付き合いが始まりますから、いい物件が来れば連絡してくるかもしれませんが・・・。
こちらも投資ですから条件の合わないものは残念ながら断るしかないのですが、正直なかなか満足のいく物件が出てこず、結構最後のほうは不動産投資は無理かもしれない、とあきらめかけていました。
多少条件の折り合いをつけて買うことはできたとしても、後できっと後悔します。全額フルローンで行けるから元手は必要ない、利回りは4-5%ぐらいは十分可能だ、という理由で、背中を押されたこともありましたが、なんとか踏みとどまりました。それは、自分の中である程度の基準があって、それに照らし合わせて判断ができたからだと思います。
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