サイエンス好きな男の日記

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戸建物件購入時の土地と建物の割合の決め方

2021-09-23 05:55:01 | 不動産賃貸業

物件購入時には、建物の減価償却を帳簿につけていくためにも、土地と建物の金額をそれぞれ決める必要があります。

一般的には以下の方法があるそうです。(参考:https://mansion-keiei-online.com/tax/detail/id=1017

  1. 契約書に記載の売買金額で計算する
  2. 固定資産税評価額で按分する
  3. 土地、建物の原価を基に計算する
  4. 不動産鑑定評価額で計算する

私は、主に不動産屋さんと相談して、土地・建物の金額を契約書に書いてもらっています。

ただ、不動産屋さんの中では、土地・建物を分けずに契約書を作成するところもあり、そのような場合には自分なりの方法を考えてそれぞれ算出していました。

自分なりの方法で決める場合はもちろん、不動産屋さんと相談して決めるにしても、結局はその算出根拠が必要になります。

もちろん、節税目的で購入する一棟物の物件の場合、なるべく建物割合を大きくして、それを契約書に記載してもらうこともよく行われているようですが、ある程度の妥当性のある数字が必要になるのではないか、と思います。

私の場合は、築古戸建が対象ですが、固定資産税評価額を見ると、相当建物が安いです。

築50年近いので当たり前といえば当たり前なんでしょうけれど、最近購入した物件の固定資産税評価額は以下の通りです。

固定資産税評価額での額は土地:建物=256万円:69万円です。

この比率をもとに、物件価格550万円を按分すると、土地:建物=433万円:117万円になります。

 

このリフォーム済み建物が117万円というのも実態と乖離していますし、そもそも、固定資産税評価額での建物の評価額には当然ながらリフォームなんてことは考慮されていないので、このようなリフォーム済み物件では単純に按分するのは正しくありません。

 

そこで、冒頭に示した3番目の評価方法である、「土地、建物の原価を基に計算する」に近い方法で考えてみます。

まず、土地については、公示地価を原価とします。固定資産税評価額は公示地価の70%といわれています。(参照:https://nakajitsu.com/column/48048p/

したがって、土地の固定資産税評価額256万円より、公示地価は366万円になります。

そして、建物の原価は、正しいかどうか疑問ですが、今回は 物件仕入時の建物価格+リフォーム費用から算出することにします。

この物件は175万円で仕入れたと聞いているので、固定資産税評価額での土地・建物の評価額をもとに按分すると、物件仕入時の建物価格は、175*69/(256+69) = 37万円

リフォーム費用の原価は270万円と聞いているので、結局、建物の原価は 37万円+270万円 = 307万円。(細かいですが、リフォーム費用の原価とは、工務店の利益を載せていない費用、つまり職人人件費と材料費のみの価格です。)

整理すると、土地:建物=366万円:307万円

物件購入時の価格550万円から、上記の土地・建物割合をもとに計算すると、土地:建物 = 299万円:251万円

端数を丸めると、土地:建物 = 300万円:250万円

なんとなく、それらしい金額になりました。

この評価方法で気になるのは、物件仕入時の建物価格の算出です。いくらリフォーム前とはいえ、あの外観の建物が37万円で購入できた、として計算するのは、違うような気もしますが、今のところ他によい算出方法が思いつかないです。

物件の築年数は50年ほどですが、それまで何度かリフォームなどもされてきているでしょうから、もう少し高い評価額として処理するべきかとも思いますが、難しいですね。

 

最後に、リフォーム費用の原価が270万円なのに、建物の最終評価額は250万円。建物の最終評価額がリフォーム費用よりも安いのはどう解釈するか、という点について考えてみました。

土地・建物の原価は 土地:建物=366万円:307万円 なので、土地・建物の原価の合計額は366万円+307万円=673万円です。

つまり、土地・建物の原価の合計額 673万円 > 購入金額 550万円

なぜ、このようなことになるのか。

それは、仕入れ値175万円がとても安いのです。土地の公示地価が366万円ほどなので、建物を含めた場合、仕入時の物件の価値は400万円ほどになります。

物件の仕入値にリフォーム費用や利益を乗せた結果が購入金額ですが、仕入値が非常に安いために、購入金額が原価合計額を下回ることになっています。

それでも、不動産屋さんは利益を出しています。

物件売却額550万円 ー リフォームの原価270万円 ー 仕入れ値175万円 =  105万円:不動産屋さんの利益

仕入時の物件の価値は400万円ほどですから、おそらく仕入れた物件をそのまま市場で売却したほうが利益が出るように思いますが、空き家再生がこの不動産屋さんのミッションでもあるので、多少利益が減ったとしても、リフォーム後の売却を選んだのだと思います。

そんな物件を購入できた私もラッキーでした。

 

 

 

 

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