金曜日のレストラン
声が
四方八方から飛び出す
皿やフォークを蹴散らして
テーブルの上で交錯し
ぶつかり破顔
氾濫のアルコール
意味なんかに溺れない
みんなで波乗り
楽しかった
というときは
ひとりひとりの顔が見える
もしくはひとりのひとの
肉色に輝く新しい断面
ピアス
十年の付き合いでかわっていく
それぞれの生活
十年の付き合いでわかっていく
それぞれのこと
天使が通るというときがあるように
ドラゴンが通るときもある
会話の長いうねりの拍子で
ひとりのひとの
これまで見えなかった
向こうの美しい鱗が見えてくる
瞬間にひとへの窓が大きく下へ
押し下げられて(上下開閉式)
ひとりひとりがよく見えてくる
そんな幻想わたしを酔わす
名残りの喧騒がBGM
ぐらんぐらんする人の影をくぐりぬけて
脚がじんじんして
空振りのあくびを何発も星に喰らわせて
ようやく家にたどり着いた
シャワーを浴びて
Où habitez vous?
しばし起きていて
J'habite à Tokyo.
コップに水を注ぎ
どっこいしょっと椅子に座れば
急に辞書なんかひき始める
錆びつくよりもずっとまえに
意図ほころびている外国語
思い出したようにアルファベットが色気づく
たとえばこんな夜
別れてきたばかりの顔たちが地図のように
街のネオンに混じり
ピカピカ光っている
話すこと
話す以上のこと
胸に迫ってきて
まだまだなにかと交信していたい
日本人しかいなかったのに
本棚の隅の外国語さえ
カタコトと
デジタルのグラスが傾いて
2:00という概念を
文字盤にこぼしている
ひとびとが眠ったあとの
いまはすっかりしずかな夜更けに
声が
四方八方から飛び出す
皿やフォークを蹴散らして
テーブルの上で交錯し
ぶつかり破顔
氾濫のアルコール
意味なんかに溺れない
みんなで波乗り
楽しかった
というときは
ひとりひとりの顔が見える
もしくはひとりのひとの
肉色に輝く新しい断面
ピアス
十年の付き合いでかわっていく
それぞれの生活
十年の付き合いでわかっていく
それぞれのこと
天使が通るというときがあるように
ドラゴンが通るときもある
会話の長いうねりの拍子で
ひとりのひとの
これまで見えなかった
向こうの美しい鱗が見えてくる
瞬間にひとへの窓が大きく下へ
押し下げられて(上下開閉式)
ひとりひとりがよく見えてくる
そんな幻想わたしを酔わす
名残りの喧騒がBGM
ぐらんぐらんする人の影をくぐりぬけて
脚がじんじんして
空振りのあくびを何発も星に喰らわせて
ようやく家にたどり着いた
シャワーを浴びて
Où habitez vous?
しばし起きていて
J'habite à Tokyo.
コップに水を注ぎ
どっこいしょっと椅子に座れば
急に辞書なんかひき始める
錆びつくよりもずっとまえに
意図ほころびている外国語
思い出したようにアルファベットが色気づく
たとえばこんな夜
別れてきたばかりの顔たちが地図のように
街のネオンに混じり
ピカピカ光っている
話すこと
話す以上のこと
胸に迫ってきて
まだまだなにかと交信していたい
日本人しかいなかったのに
本棚の隅の外国語さえ
カタコトと
デジタルのグラスが傾いて
2:00という概念を
文字盤にこぼしている
ひとびとが眠ったあとの
いまはすっかりしずかな夜更けに
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