時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

悲しみのウクライナ(第5回)

2014-04-14 21:46:03 | リビア・ウクライナ・南米・中東
ロシアの国営ラジオ局「ロシアの声」のサイト記事より

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ロシアのチュルキン国連大使は、ウクライナ東部の一連の都市では、
治安機関職員が抗議運動側に移ったと述べた。


チュルキン国連大使は14日、国連安全保障理事会で、
「ウクライナ最高会議によって大統領代行に任命されたトゥルチノフ氏は、
 ウクライナ国家安全保障国防会議が軍と共に大規模な対テロ作戦を
 開始すること決めた
と発表した。
 だが、デモの参加者たちは、マイダンの人々とは異なり
 テロで脅したり、ブルドーザーで治安機関職員を轢こうとしたり、
 石や火炎瓶を治安職員に投げつけたりはしていない。
 そのような人は誰もいない。

 一連の都市で治安機関職員が抗議運動側に移ったのは偶然ではない」と語った。

http://japanese.ruvr.ru/news/2014_04_14/271165207/
-------------------------------------------------------(引用終わり)


三日前の時事通信社の記事ではこのように書かれていました。


ウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相は
11日、親ロシア派デモ隊が州政府庁舎を占拠しているドネツク市を訪問、
行政・治安当局者と協議した。同首相はこの中で、
デモ隊が要求する地方自治権拡大を目指す住民投票を容認、歩み寄る姿勢を示した


しかしデモ隊は、11日の退去期限後も建物の占拠を続けており、
事態打開につながるかどうかは不透明だ。

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140411X012.html



ドネツク市に到着したヤツェニク首相(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-140411X012.html


このテリー伊藤がさらにヤバくなったような方が
現ウクライナ暫定政権の首相。


・・・歩み寄る姿勢を示した?
その数日後に大規模な「対テロ作戦」を開始することを
決定したことを知った今となっては、何とこの言葉のうすら寒いことか。


私がテレビでこのニュースを見た時にも同じように
「ウクライナ暫定政権は歩み寄る姿勢を見せた」と
 肯定的に表現されていました。それがどうです?
 一週間も経たないうちに掃討作戦を開始すると宣言したではありませんか。



メディアは、どうにかウクライナ暫定政権に正当性を付与しようとして、
クリミア自治共和国の動きをロシアに軍事占領されたための
やむを得ない行動とみなしていましたが、とうとうクリミア以外の
ロシア軍に「占領」されていないはずの地域で反対運動が激化してきました。


内戦というものは、双方、過激な行動をするもので、
どちらが正しいか間違いかはっきりしないものですが、
少なくとも今回は、ネオナチが参加し、かつ外国勢の支援を受けて
起こしたクーデターが発端であり、正当性が現暫定政権にはないのは明らかです。
次の記事を読んでみてください。


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ウクライナのコレスニチェンコ地域党議員は、
同国で起こっている出来事について、
「外国のスパイ」から資金援助を受けていると述べた。

コレスニチェンコ氏は、「キエフの状況は1年以上かけて準備された。
外国のスパイたちは、クーデターを起こすために、最近数年間で
100億ドル以上の資金を提供した。スパイたちは、
非政府組織を装って最高会議で活動している
」と述べた。


コレスニチェンコ氏はこれより先、ウクライナで起こっている出来事は、
欧州と米国が計画したクーデターだ」と述べている。

http://japanese.ruvr.ru/2014_02_23/129063937/
------------------------------------------------------(引用終わり)

グルジアやウクライナなどの最近の民衆運動の先導者は、
アメリカが派遣した役人や人権団体の指導・訓練を受けていました。


コレスニチェンコ氏の言葉は、さもありなんといったところです。

こういう傀儡政権が、IMFの「勧告」に従い、
国内の社会保障を脆弱化させてまで、先進諸国に都合の良い
途上国へと改造しようとしている。これこそが今回の内乱の
根本の原因です。今、ウクライナで戦っている人たちは、
何も前の政権の支持者だというわけではなく、もっと単純に
現暫定政権を信用できないから行動を起こしています。

こういう事情を知らせないままで、この問題を語ることは
現実を無視した結論へ到達してしまうのではないでしょうか?


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