時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

解説・辺野古基地軍事的不要論(JSF氏の見解にも触れながら)

2023-09-07 19:29:26 | 軍拡

 

 

 

「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」:東京新聞 TOKYO Web

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、軟弱地盤の対策に伴う訴訟で最高裁は4日、県の上告を退ける決定をした...

東京新聞 TOKYO Web

 

先日、東京新聞は
辺野古への基地移転の是非を問う記事を掲載した。

以下、本文を抜粋したいと思う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

県の敗訴確定で、
難航が予想される地盤改良は動き出す可能性が出てきたが、
工事には2022年度末時点で4000億円以上が投入されている。

防衛省が当初見積もった総工費3500億円を上回りながら、
埋め立ての進捗しんちょく率は14%に過ぎない。

辺野古予算は底無しの様相を帯びてきた。(中沢誠)

 

〜中略〜

難易度が高く、かなりの費用がかかると
見込まれる軟弱地盤の工事が始まってもいない時点で、
すでに総工費の半分近くを使い切ったことになる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

記事の前半部では
工事にかかる費用が膨大であること、ならびに
遅々として進まないことが指摘されている。

 

簡潔に述べれば、基地建設は高額の予算がかかる上に
何年後に完成するかの目処も立たない状況だ。

 

中国に対する抑止力として基地を設定しても、
完成前に攻めて来ない保証はないし、
米軍も普天間基地の運用を前提に活動している。

 

 

「普天間返還」どころか「固定化」に手貸す/宜野湾市長時代 大規模改修工事を容認

 

 

ここで辺野古移設への流れをおさらいすると、
普天間飛行場という施設が街の中央部にあり、

頻繁に問題が発生することから
土地の返還と施設の移転が望まれるようになった。

その候補地として挙がったのが
キャンプ・シュワブに隣接する辺野古だった
という訳だ。

この辺野古への移転が計画されたのが2006年、
17年経過した現在まで県と中央政府との間で
舌戦が展開されている。

(普天間の返還合意は1996年)

 

政治家や官僚が明かす「辺野古」を選んだ理由

 

実のところ、移転先の候補が辺野古であるのに
軍事的な理由は存在しない。

以下、過去の発言を列挙する。

 

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ジョセフ・ナイ元国防次官補
(2015.4.2 琉球新報インタビュー発言)

「沖縄基地は中国に距離が近すぎるため、
 対中国では地理的優位性はなく、むしろ脆弱だ。

 沖縄の人々の支持が得られないなら、
 米政府は辺野古移設を再検討すべきだ。」

 

リチャード・アーミテージ元国務副長官
(2015.4.13 時事通信・インタビュー発言)

「日本政府が別のアイデアを持ってくれば、
 私たちは間違いなく耳を傾ける。」

 

 

柳沢協二・元内閣官房副長官補
(2015.5.10 産経新聞(討論)
 『在沖海兵隊は抑止力か否か』における発言)

「沖縄は中国のミサイル射程内に
 軍事拠点が集中しており非常に脆弱だ。
 ピンポイントで沖縄でなくてはならない軍事的合理性はない。」

 

 

ウォルター・モンデール元駐日大使
(2015.11.8 琉球新報・インタビュー発言)

「我々は沖縄とは言っていない。
 日本政府が別の場所に配置すると決めれば、
 私たちの政府はそれを受け入れるだろう。」

ウィリアム・ペリー元国防長官
(2017.11.18 NHK・ETV特集
 「ペリーの告白~元米国防長官・沖縄への旅~」
  インタビュー発言)


「移転先を決めるのは日本政府。
 我々の視点から言えば、日本のどこであっても良かった。
 

 日本側は沖縄県外の移設にとても消極的だった。
 これは政治的経済的問題であり、
 主に日本人や、日本の政府にとっての問題です。」

 


久間元防衛大臣
(2018.2.8 琉球新報・インタビュー発言)

「イージス・アショアでミサイル攻撃を防ぐとか、
 あんな風になると沖縄の辺野古でも
 普天間でもそういうところに基地がいるのか。
 いらないのか。そういう議論をしなくても
 安保は昔と違ってきている。
 ・・・あんな広い飛行場もいらない。」

 


米国務長官首席補佐官
ローレンス・ウィルカーソン
(2019.5.6 沖縄タイムス 同紙取材に対する発言)

「海兵隊は、自衛隊との共同訓練もできる
 日本本土での訓練を好んでおり、
 移転先としても望んでいた。」

「日本政府はまったく耳を傾けなかった。
 配備先を決めるのは日本政府である以上、
 それが政治的現実だった。」

 


防衛省
(2020.6.18 沖縄等米軍基地問題議員懇談会
 野党議員ヒアリングにおける
 屋良朝博衆議院議員の質問に対する回答)

「防衛白書に『沖縄の地理的優位性とは
 米本国、ハワイ、グアムと比較し
 東アジアに距離が近いこと』とあるが、
 その比較なら日本列島どこでも同じでは?」

 防衛省「他県も同じ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

まとめると、軍事的不要論の肝となるのは


①中国に近すぎる
 (ミサイルの射程圏内にある)

②海兵隊の拠点は本土のほうが適している

③県内移設は政治的事情による

 

の3点になる。

根拠①を説く場合、他の在沖軍事移設も
射程圏にあることから普天間だけでなく
沖縄の基地そのものが不要だという立場だと
理解しても良いだろう。

こうした見解は専門家からも寄せられている。
国際政治学教授にして安全保障を専攻とする
植村秀樹氏の説明を紹介しよう。


 

 

トピックス「沖縄に米軍基地は必要か? 辺野古新基地建設の合理性はない 「抑止力」の具体的な検証を」

情報労連リポート2016.11月号「トピックス」記事です。

 

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ここからは在沖海兵隊の抑止力について考えたいと思います。

 

米海兵隊は、米国東海岸、西海岸および沖縄に
三つの部隊を配置しています。

沖縄の部隊は唯一国外に配置された部隊で、
最前線の部隊というイメージがありますが、
まったくの誤りです。

沖縄の海兵隊基地には、戦車もありませんし、
兵士を運ぶ船もありません。その船は佐世保にあります。

佐世保に配置された強襲揚陸艦は、
1万8000人いるといわれている在沖海兵隊のうち
2000人しか乗せられません。

この部隊の任務も、朝鮮半島有事の際に
非戦闘員を避難させることであり、戦闘部隊ではありません。

有事の際には、沖縄の海兵隊が
まっさきに駆けつけて戦闘するというのは、
まったくの誤りなのです。


にもかかわらず、
沖縄の海兵隊が抑止力として語られるのはなぜでしょうか。


元防衛官僚の柳澤協二さんは、抑止力に関して
「一種の宗教なんかじゃないかと思うくらい、
 つまり抑止力という『ご本尊さま』に
 疑いを差し挟むことがけしからん」

「そういうことを議論すること自体が
 けしからんという雰囲気」があると吐露しています。


つまり、役に立つか、立たないかわからない
「お守り」と同じで効果の検証が行われないまま、
なんとなく使い続けている。

在沖米軍基地の約75%は海兵隊です。

海兵隊の抑止力をきちんと検証すれば、
大幅な整理縮小が可能になるでしょう。


辺野古の豊かな自然を破壊して、
1兆円規模と言われる予算を投じて、
新しい基地を建設する合理性などどこにもないのです

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

実は在沖米軍の必要性は検証されていない。

重要な指摘であるが、この点もまた
軍事的不要論の根拠になっている。

先述の東京新聞記事の後半部を抜粋する。

 

 

 

「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」:東京新聞 TOKYO Web

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、軟弱地盤の対策に伴う訴訟で最高裁は4日、県の上告を退ける決定をした...

東京新聞 TOKYO Web

 

 

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前泊博盛・沖縄国際大教授「事業の再点検を」

 
 「(辺野古新基地は)何のために造っているのか。
  ドローンの時代には使えない不要な基地だ
 
今年3月、新基地建設の視察に訪れた
米軍幹部が、周囲に漏らしたという。
 

 

この「辺野古不要」発言を在沖縄米軍関係者から聞いた
前泊博盛・沖縄国際大教授(安全保障論)は、
 
軍事的合理性の観点から
「司法判断の前に、四半世紀前に計画された
 新基地建設は防衛政策上、今も有効なのか再検証は必要」
と説く。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

論文の基本的作法を述べると、
章や節などのタイトルには「主張」を書く。

この場合、事業の再点検が節の主張であり、
読み進めていくと、これは軍事的合理性の検証である
ことがわかるようになっている。

 

主張→例(専門家の引用、住民の証言など)

これ(↑)は文章作法の基本中の基本であり、
換言すれば、このルールを念頭において文章を
読むのが、読解のコツだと言える。

 

 

 

米軍の対中戦略が激変、辺野古移設が「絶対に必要」ではなくなった軍事的理由 海兵隊は「接近阻止戦略」に転換、戦略環境の変化を認識していない日本政府 | JBpress (ジェイビープレス)

 アメリカ軍普天間飛行場の辺野古移設に反対している玉木デニー氏が沖縄県知事に再選された。日本政府は「日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わ...

JBpress(日本ビジネスプレス)

 

 

 

米元外交官が語った「辺野古移設は、既に好ましくない解決策」(立岩陽一郎) - エキスパート - Yahoo!ニュース

沖縄県の名護市長選で辺野古移設を黙認した現職が勝利したことで安堵している政府だが、実はアメリカ側の雲行きが怪しくなっているようだ。この問題に精通しているアメリカ...

Yahoo!ニュース

 

普天間合意から27年経過した今、
「普天間」への移設は合理的かどうか。

その是非が問われているのは
言い逃れない出来ない事実だ。

アメリカの元外交官と、同件について
話し合った立岩陽一郎氏の言葉を引用しよう。

 

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唯一の解決策だった・・・(返還が決まった)1995年当時は。
 しかし今は違う。辺野古は『唯一の解決策』どころか、
 好ましくない解決策だ

 

私は、驚いて「好ましくない解決策?」ときき返した。
すると、彼は頷いて次の様に言った。

 

当時と現在では中国の軍事力が全く違う。
 今の中国の軍事力をもってすると、
 米軍基地を沖縄一か所に集中させることはマイナスだ

 

沖縄には海兵隊の部隊、航空基地に加えて、
極東最大と言われる嘉手納空軍基地や
原子力潜水艦が寄港する軍港、そして補給基地と、
米軍のあらゆる機能が集中している。

それが逆に米軍にとって
アキレス腱になっているという認識だった。

それは普天間基地の県内移設が
決まった95年当時とは明らかに異なる
中国軍の軍事力がもたらした変化だという。

 

彼は「あくまで個人の見解だ」とした。

 

しかし、普天間基地の問題に長く携わり
現在も安全保障問題に関りを持つ「関係者」の発言だけに
単なる私見と片付けることはできない。

 

しかも、彼は
辺野古移設を推進してきたアメリカ側の人間だ。

 

実は、彼の発言は唐突なものではない。
そうした指摘は日米の専門家から出されている。

 

1つは2016年2月に日米の安全保障の専門家からなる
「日米同盟の将来に関する日米安全保障研究会」がまとめた
The U.S.-Japan Alliance to 2030: Power and Principle(邦訳「パワーの原則:2030年までの日米同盟」)」だ。以下がその抜粋だ。

 

長期的には、日米両国は沖縄に集中する負担を軽減し、
 日本全体で米軍を受け入れる責任を共有するという
 前向きな方向に向かうよう努力しなければならない。

 

 そこには、基地の日米の共同利用の拡大、
 米軍部隊の移設、オスプレイなどの
 沖縄配備航空機の沖縄以外の基地への
 ローテーション展開や二国間の共同訓練の増加などが
 含まれるべきである(筆者訳)。

(in the long-term, the two countries must work hard to reduce the concentrated burden on Okinawa and move towards a more positive concept of sharing responsibility for hosting U.S. forces throughout Japan; policies should include increased joint use of bases, colocation of units, rotational deployment of Okinawa-based aircraft such as MV-22s to bases outside Okinawa, and increased bilateral training opportunities)」

 

とりまとめにあたったアメリカ側の中心人物は
海兵隊出身で日米の安全保障問題に長く携わってきた
リチャード・アーミテージ元国務副長官だ。

この提言では辺野古移設に直接触れていないが、
事実上、辺野古移設を否定する内容だ。

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辺野古「別の選択肢」示唆 元駐日米大使特別補佐官

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】駐日米大使特別補佐官として米軍普天間飛行場の移設問題に関わり、日本と東アジア情勢に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題...

琉球新報デジタル

 

 

軍事的にも辺野古に移す理由は根拠に乏しい。
これは日本全国から米軍を撤退する意味ではない。

軍事的にも沖縄以外の土地に展開したほうが
好ましいということである。

元在日米大使特別補佐官のホプキンス氏もまた
政治的理由で辺野古以外の道の選択は難しいと
しながらも

返還合意した19年前とは
 戦力状況が少し変わっている。
 もっと弾力的に軍事力に関する立案ができるはずだ

とコメントしている。

日本を属国扱いしているようなニュアンスも
感じられるが、少なくとも軍事的には改良の余地が
あるというのが総合的な見解である。

これは集団的自衛権の確立にむけて
安倍政権に圧力をかけたアーミテージも同様である
ことからも納得がいくだろう。

日本を仮想の戦場とおいて、どこに基地をおくべきか。
この点からも辺野古におく意味はないということだ。

 

最後に公平を期するために、
軍事的不要論に対する反対意見を紹介したい。

軍事ジャーナリストのJSF氏は
軍事的不要論について、以下のように述べている。

 

「ドローンの時代に不要」とか的外れすぎて駄目。

 ドローンが登場しようと
 古臭い塹壕が強力に機能している。

 

本記事の記述を読めばおわかりだが、
ドローンがあるから移転は不要とは

誰も言っていない。

要約すれば、25年前とは状況が違う、
中国のミサイルの射程範囲内にある、
本土に移設したほうが米軍にとって都合が良い

の3点に絞られるが、読解力のある人間なら
当然「ミサイルは迎撃可能だ」などの反論をする
だろうし、それ以外の反応はないと思う。

 

ドローンがあるから基地は不要だと
ミサイルの的になるから不要だでは大きく違う。

その後もJSF氏はドローンが登場して
何か不要になった軍事アセットの例がありますか?
無いでしょう?つまり「ドローンの時代に不要」
という主張そのものに根拠が全く無い。

という誰も発言していない主張に対して
反論している。

 

氏の論理に則れば
地雷原の中に基地を立てる計画さえ
合理的と言うことが出来るだろう。

 

重要なのはどこに建てるかであり
この点において変化した状況に応じて
検証・修正せよというのが不要論である。

よって、県外移設という鳥瞰すれば
結局、日本が捨て石になっている構図のまま
である選択肢もまた米外交官、米軍人をはじめ
不要論者は述べることもあるし、辺野古不要論が
そのまま日米同盟の否定につながるわけでもない。

また、先述した通り、中国の攻撃から防衛する
システムを構築すれば移転もまた可になる訳であり
この点から反撃すれば十分、不要論は切り捨てられる。

 

にも関わらず、この点から反論しないどころか
記事の中に書かれている軍事的根拠を知らない
ように振る舞うことから、

JSF氏が実は記事を読んでいないことが
確実に指摘することが出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめると、氏の中では
不要論の根拠はドローンで代用可という
ことになっているらしく、それは誤読だと
幾度指摘されても「ドローンの時代には使えない」
と書かれているから「言い逃れは不可能」なのらしい。

 

言うまでもなく、ナイやアーミテージは
中国にミサイルを撃たれたらどうするのだ
という話をしている訳であり、JSF氏の主張は
この点を完全に無視している。

 

また「再検証がどうのも意味不明」という箇所からも
他に適した場所があるのではないかという一連の動きに
全くもって無知であるばかりか、そう思うなら何故
最初にそれを指摘しないのだという疑問が生じる。

結局、ドローンがあるから不要だという
誰も発言していない根拠に対して激怒する一方で
現代に応じて計画を修正すべきという本来の主張には
「意味不明」の一言で対処している。

 

 

 

 

基地分散でも沖縄に拠点、なぜ必要 米軍事専門家の見方:朝日新聞デジタル

 沖縄の米軍基地について考えるとき、普天間合意があった25年前と大きく異なるのが、中国の軍事的台頭という安全保障環境の変化です。中国軍の海洋進出に詳しいトシ・ヨシ...

朝日新聞デジタル

 

 

参考までにJSF氏の一連の主張を
貼り付けたが、本来の軍事的不要論を
知らない・・・というか読んでも理解できて
いないことは一目瞭然だと思われる。

(前泊氏や立岩氏などの主張を紹介された上で
 上記のような反応を示しているので)

 

本記事で引用した
東京新聞の記事や立岩氏の文章を読んでもなお
上のような返しをするあたり、本当に理解できて
いないのだと思う。

 

私事で恐縮だが、たまに勤め先に全く
無関係の人間がクレーム電話をかけてくることがある。

その件についてはノータッチだ、
問題の企業に問い合わせてくれ
と答えても「お前たちのせいで苦しんでいるのに」
と、こちらの指摘を全く聞こうとしない。

JSFにはそれと同じ匂いがする。

こうした振る舞いは逆に軍事的不要論を
権威付けはしないだろうか。

そういう意味では、基地移転に反対のポーズを
取りながらもその実、積極的に政府を支持する
朝日新聞は実に見事である。

軍事的不要論に言及しながらも
それを「デメリット」と表現し、返す刀で
基地を置くメリットもあると力説している。

 

 

最近、特に思うのが
こちらの文章を理解しないまま
意見してくる人間が多いということである。

深く追及すると揉めそう
(というか粘着されそう)だったので
大人の対応をしたが、科学という言葉を
濫用して、実際には非科学的な言説を
押し付けているのではないかという主張に
対して、上のようなやりとりをした際には

それ、最初から
言っているんだよな

と内心、感じたものである。

Twitter(X)が短文しか書けないという
ツール的制限があるのも理由にあるだろうし、
私の文章の拙さも原因になっているだろうが、

文章というのは全体で一つにつながっており、
各文はたった一つの主張を裏付けるための
例でしかない。

科学うんぬんの例についても
ある言葉を権威に相手の意見を封じ込める
態度を非難しているという全体の主旨が理解
できれば、容易に伝わるのではないだろうか。

 

先述したように主張→例は
文章作法の基本中の基本であり、それに不慣れ
というのは、要するに読書量が圧倒的に足りないか
論理的思考力が欠けているか、その両方かである。

 

3回ぐらい読み直してから書いてくれ
というのが正直な気持ちであり、それゆえに
あまりTwitterを通じてのやり取りには意味がない
と感じている。

時代遅れであろうが、やはり重要な事を思考する際には
ブログのような長文によるメディアを主軸にするべき
ではないだろうか?

Twitterは情報収集には便利だが、
思考の武器としては役立たずだと思えてならない。


映画評『高江―森が泣いている』

2016-10-20 23:42:01 | 軍拡
沖縄の東村高江で起きた警察の民衆弾圧を活写したドキュメンタリー映画『高江―森が泣いている』が
先週の土曜から東京のポレポレ東中野というシアターで上映されている。

映画だけでなく来週の月曜までは、トークイベントも開催されており、
監督や現地の反対運動家、9条の会などの市民運動家の話も聞くことが出来る。


朝鮮新報でも試写会に参加した記者が次のレポートを載せていた。


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すさまじい暴圧の現場/映画「高江ー森が泣いている」藤本幸久・影山あさ子共同監督



警察・機動隊、海上保安庁を前面に立てて、
反対する人たちを力ずくで抑え込みながら、辺野古の米軍新基地工事を推し進める日本政府。

その暴挙は止まることなく、今夏、沖縄本島北部の東村高江のヤンバルの森でヘリパッド建設を再開した。
この作品は高江の住民たちの不屈の抵抗の記録である。


辺野古の海が珊瑚とジュゴンが生息する美しい海ならば、
高江の森は天然記念物のノグチゲラやヤンバルクイナも棲む自然の宝庫。

その森に米軍の北部訓練場がある。高江の人口は140人。
ここに、6ヵ所のヘリパッド建設が07年に始まったが、住民たちは座り込みで抵抗。
4ヵ所はまだ作られていない。


新たなヘリパッドは、海兵隊の新型輸送機・オスプレイのためのもので、
従来のヘリコプターよりも騒音も墜落の危険も上回る。


この小さな集落に日本政府は東京、神奈川、愛知、福岡など
全国の機動隊、警察、防衛局職員ら1000人と警察車両を大動員し、
工事に反対する住民たちを暴力的に排除、住民たちのテントまで破壊した。

現場はまるで戒厳令下の様相を呈する。

この映画には、圧倒的な警察権力で人々を押さえ込もうとするシーンが随所に映し出されている。
怒号と悲鳴。真夜中から明け方にも及ぶ警察の制圧作戦と住民たちの抵抗。

警察の暴力で、傷つき、倒れる住民たち。
それでも、救急車を呼ぼうとしない機動隊の非人間性が浮き彫りにされていく。

「記録なくして事実なし」という監督の執念が人々の闘いを熱く支え続ける。

それにしても、自国民をこれほどまで徹底的に痛めつける「警備」がありえるのか。
憲法が保障する集会の自由も基本的人権も表現の自由もここには存在しない。

まるで戦争前夜のような、反対派への牙をむき出しにした弾圧が
容赦なく襲いかかる無法地帯、それが高江なのだ。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/10/1012ib/
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問題の映画を見て、ウクライナ南東部で起きている政府軍の住民弾圧を思いだした。


ウクライナの首都キエフでクーデターが発生し、ネオナチも中心となって暴力的に新政権が誕生したことを
きっかけに、クリミア自治共和国やドネツク・ルガンスク州で分離運動が活発化した。

どちらも住民投票を実施し、極めて民主的なプロセスを経て独立を宣言したわけだが、
ロシア軍が存在しないドネツク・ルガンスク州に対し政府はテロ討伐を名目に空爆を開始、
学校・病院・教会・民家、ありとあらゆる建造物を破壊し、大量の死傷者と難民を発生させた。



住民投票が行われた当日、ウクライナ兵が投票所を占拠、
これに抗議した住民に発砲、死者が生じた事件は未だに覚えている。



高江で起きていることは、かつてドネツク・ルガンスクで起きた暴力そのものだ。


座り込み運動をしている村民を警察車で撥ねた警官が、顔色ひとつ変えずに知らんぷりを決め込む。
それを当たり前に受け入れる無数の警官。無抵抗の市民をかつぎ上げ、強引に排除する機動隊。


2016年7月22日に起きた弾圧事件は、「沖縄の基地負担を軽減する」
という政府の言葉が大嘘であることを白日の下にさらしてくれた。



先日、抗議者を「土人」と機動隊員が呼んだことがニュースになったが、
機動隊に表象される日本政府は高江村民を同じ人間だとは思っていない。

トークイベントでは、この映画が撮られた後のことについても語られた。
その話によると、数日前に警察に逮捕された人間が出てきたらしい。

つまり、この映画で語られた国家の暴圧は始まったばかりだということだ。

安倍晋三は先日の所信表明演説で、
高江のヘリパッド建設を終わらせる、先送りは許さないと熱弁をふるった。


今後はウクライナのポロシェンコ同様に、
自国の抗議者を「親中派」とか「反日」といったレッテルを貼って
ありとあらゆる直接的・間接的攻撃を加えていくのではないだろうか。


こういう事態をテレビ局や新聞社がもっと強く訴えるべきなのだが、
実際に彼らがやっていることと言えば、事件の隠ぺいである。伝えないことで隠す。

数年前、民主党政権が誕生した直後、新聞社もテレビ局も
「沖縄の声を聞けー!!」と言わんばかりに鳩山首相(当時)を責めていたが、
何のことはない、自民党政権になった途端にパタリと抗議の声をやめてしまった。


結局、彼らにとって大事なのは鳩山由紀夫の辞任であり、
沖縄がどうなろうが知ったこっちゃない、より正確に言えば、
日米軍事同盟の維持・強化のために移設は容認されても仕方がないとさえ言いだした。


そういう風潮にある今、本作が制作された意義は大変高いものだろう。
映画は28日まで上映されている。もし時間に余裕のある方がいるならば、ぜひ視聴してほしい。

オバマ平和外交の裏で起きていること

2016-05-28 00:02:33 | 軍拡
オバマの広島訪問は、案の定、右も左も大絶賛、平和のための第一歩として記念された。


しかし、本当にオバマ(アメリカ合衆国)は平和の使者なのだろうか?

前から伝わっていたように合衆国は謝罪は行わないことに固執しているし、、
それ以上に伊勢志摩サミットでは中国とロシアを排除したG7が手前勝手な言葉を投げかけ、
核軍縮を語った舌の根が乾かぬうちに南シナ海への軍事介入を正当化している。


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外交部、米軍艦の横行の自由は国際法違反


【記者】米国のラッセル国務次官補は10日、航行の自由作戦は小国にとって重要だと表明。

「もし世界で最も強大な海軍も
 国際法の認める海域で航行できないのなら、小国の軍艦はどうだろうか?」

「もし米軍も国際法上の権利を行使できないのなら、
 漁船や貨物船はどうして大国の阻止を免れようか?」と述べた。

これについてコメントは。

【陸慷報道官】

われわれは米側が国連海洋法条約を早急に批准し、これに加盟することを希望する。
そうすれば、国際法について次回語る際にもっと説得力のあるものとなる。

米高官は「航行の自由は小国にとって重要だ」と表明したが、
商業航行の自由と軍艦の横行の自由との違いをまた忘れているようだ。

小国は大国と同様、当然国際法に合致する商業航行の自由の確保を希望している。
米側のように国際法に違反する軍艦の横行の自由を主張する国はない


http://j.people.com.cn/n3/2016/0512/c94474-9056681.html

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アメリカの原子力潜水艦の数が増加



アメリカ国防長官が、同国の原子力潜水艦隊の数の増加を伝えました。

ロシアのスプートニクによりますと、カーター国防長官は、
24日火曜、米コネチカット州グロトン地区の潜水艦基地を視察し、

アメリカの原子力潜水艦の数を増加する必要性について、

「潜水艦はアメリカの優位と力の主な源である。
 それ故、今年の予算編成の中で、原子力潜水艦の数の増加が考慮された」と述べました。

カーター国防長官はまた、
アメリカは自国の原子力潜水艦を、
 世界で最も強力な艦船として維持するべきであり、
 年間の軍事予算の中で、最高の予算をこの艦船に割り当てるべきだ
」と語りました。

専門家は弾道ミサイルを搭載可能なオハイオ級潜水艦のアメリカの潜水艦12隻とを、
交替させる計画の潜在的な価値は、600億ドルだとしています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i9115
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米海軍 世界最大級の駆逐艦配備へ



米国海軍は、世界最大級のステルス駆逐艦「ズムウォルト(Zumwal)」
(少なくとも44億ドル)を、その管轄下に入れる。


ABCテレビの報道では、駆逐艦の全長は、ほぼ190メートルで、普通とは違った「鋭角」状の船体を持つ。
そうした形態のおかげで、レーダーに発見されにくいとの事だ。

記者情報では、艦上には、海上及び地上、空中の標的を
攻撃可能な最新鋭ミサイル発射装置が備え付けられている。
またこの駆逐艦は、110キロ以上前方の標的を攻撃できる大砲システムを備えている。


http://jp.sputniknews.com/us/20160517/2149137.html

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ポーランドで対ミサイル防衛基地建設始まる


ポーランド北部のレジコヴォ村で、米国の対ミサイル防衛(MD)基地の建設が始まる。

13日、建設現場オープンに際しては、ポーランドのドゥダ大統領、
マチェレヴィチ国防相、米国防総省のウォーク次官及びNATOの複数の代表者が式典に出席した。
建設終了は、2018年の計画だ。

セレモニー出席者は皆、新しい基地がロシアに対し向けられたものではないと強調することとを、
自らの義務だとみなしていたようだ。例えば、米国のウォーカー国防次官は
「対ミサイル防衛用の欧州における盾は、欧州及び北大西洋空間を、
 特にイランから飛んでくる長距離ミサイルの脅威から守るためのものだ」と述べた。

これに対し、プーチン大統領は
欧州に米国の対ミサイル防衛システムが配備されることは、
 盾などではなく、核潜在力の拡大である

と指摘し

こうした米国の行為は、
 中距離及び短距離ミサイルに関する条約に明らかに違反する

と批判した。


http://jp.sputniknews.com/world/20160514/2138546.html
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ルーマニアでのミサイル防衛運用開始



アメリカとNATO北大西洋条約機構のミサイル防衛システムが、
12日木曜、ブカレストの南西180キロのところにあるデベゼル基地で、
NATO事務局長などのNATO関係者、
ルーマニア、アメリカの政府関係者の立会いのもと、運用を開始しました。



ルーマニアのヨハニス大統領は、12日木曜夕方、
NATOのストルテンベルグ事務局長と会談した後、
「ルーマニア西部のNATOのミサイル配備はどの国を狙ったものでもない」とし、
「ルーマニアは黒海におけるNATOの恒久的な駐留を求めている」としました。


さらに、NATOの加盟国に対し、更なる協力を求めました。


ルーマニアは現在、東ヨーロッパと黒海においてNATOのさらなる駐留に向け、
必要な下地を整えようとしているようです。このようなアプローチは、ロシアの不満を招いています。


実際、ルーマニアはNATOの駐留強化に向け、2つの効果的な措置をとっています。
一つはルーマニアにおけるミサイル防衛システムの配備に関するアメリカ、NATOとの合意であり、
これは2016年5月に実施されました。

ロシアは、このミサイルの配備は、
1987年の中距離核戦力全廃条約に違反するものだとしています。



この条約ではロシアとアメリカによるヨーロッパでの中距離核ミサイルの配備が禁じられています。
ロシアの関係者によれば、
ルーマニアにおけるアメリカのミサイルシステムは、巡航ミサイルを発射することもでき
このため、この基地の運用開始は、1987年の条約への違反に相当するということです。

同時にNATOは、東ヨーロッパにおける軍事駐留の強化の枠内で、
現在、黒海の駐留強化に向け、真剣な措置を開始しています。

この方向で、ルーマニア政府は、黒海にこの組織の艦隊を創設するため、
NATOと協議を行っています。ルーマニアは、2004年にNATOに加盟した
東ヨーロッパの新たなメンバーであり、アメリカ、ドイツ、イタリア、トルコの海軍が
黒海に駐留するNATOの艦隊に参加することを求めています。

この艦隊は、軍事的な組織の点で、
2年前から黒海に駐留しているNATOの一時的な艦隊に類似しています。
この艦隊の構成は、ブルガリア、トルコ、ルーマニアに最終決定権があります。

ルーマニアにおけるNATO駐留強化の問題は、
とくに東ヨーロッパでの最近の情勢、ウクライナ問題とその拡大後、注目を集めています。

ルーマニアは、ウクライナの近隣諸国であると共に、
黒海の長い海岸線を接しており、この海域において重要な国と見なされています。


とはいえ、ウクライナ問題の発生後、

ルーマニアはNATO、
特にアメリカと協力の拡大に向け大規模な努力を行い、
NATOとの複数の演習の実施は、こうした協力の重要な例と見なされます。



NATOは特にウクライナ危機の拡大後、東ヨーロッパの国々に軍事予算を増加させ、
これらの国におけるNATO軍の駐留構造を変え、再編することで、
その国の軍隊、さらにNATO軍の強化を図ろうとしています。

こうした中、こうしたNATOのアプローチはロシアの否定的な反応に直面しています。
実際、お互いを悪く見ていることから、
ロシアとNATOの対立とNATOによる挑発行為の継続は、ロシアとNATOの対立を高め、
この問題はヨーロッパの安全保障の展望を暗く、曖昧なものにしているのです。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8221
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韓国人専門家、
米国のいう「北朝鮮の脅威」は
東ジアでのMD展開を正当化するため


北朝鮮が大量破壊兵器を拡散している脅威はアジア地域全体に対する主たる脅威だ。
ケリー米国務長官は先日ホーチミン市を訪問した中でこうした声明を表した。


これについて、国際安全保障問題で著名な韓国人専門家(匿名を希望)は
スプートニク通信からのインタビューに対し、長官の声明は
米国の対中、対露戦略を反映しているとの見方を表している。

この韓国人専門家は米国にとって東アジア地域における主たる国益は
依然として南シナ海の南沙諸島周辺の状況および、
かつて欧州で行ったようにMDシステムを展開することであり続けていると指摘し、
「まさにこのために米国は北朝鮮に神経を尖らせている」と語っている。


韓国人専門家の見方では、
こうした行動の目的は東アジアには核兵器が使われうるという
仮想の脅威から守るというお題目で伸張する中国の軍事力を抑止し、
ロシアとの戦略バランスを自国にいいように変えるためにMDを創設する
ことにある。



韓国人専門家は
「米国務長官がベトナムでこのことを言ったということは、
 昨日(5月25日)の、中国が南沙諸島付近で軍事力を強化を図り続けているという
 オバマ大統領の声明から注意を逸らす必要性から説明がつく」と語っている。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160527/2202796.html

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アフガニスタンで、アメリカの戦争犯罪における免罪特権の行使




アメリカはアフガニスタンで戦争犯罪を行っても、免罪特権を有しています。

テヘラン発行の新聞レサーラットは、18日水曜の記事の中で、

アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の
 指揮官や兵士らは免罪特権を有しており、
 アフガニスタンの市民は祖国においてすら、
 アメリカ軍によって殺害された件についての
 公平な裁判を要請することができないでいる

と伝えています。

また、
「アメリカ軍はアフガニスタンへの爆撃によって、
 死傷させたアフガニスタンの人々の情報を、絶対に公表しないつもりでいる」
と伝えています。

また、アメリカ軍は毎月、アフガニスタンに対する空爆を報告していますが、
これらの報告では、爆撃場所・死亡者等の身元・死因について一切の情報が削除されているということです。

新聞レサーラットはまた、
アメリカ軍による戦争犯罪に対する免税特権の最小の結果は、
 罪のないアフガンの人々の殺害の責任が、アメリカにあると知られるのを防げることだ。

 この問題は、アフガニスタンのアメリカ軍の侵略・支配を継続させる手段となっており、
 アフガニスタンの人々から自らの運命を自らで決定する権利を奪っている


と伝えています。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8605

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アメリカとサウジアラビアに対するイエメンの抵抗




イエメン国内では、
日々高まるアメリカの干渉行為に対するイエメン国民の抗議行動が継続されています。



イエメン市民は13日金曜、同国の首都サヌアで抗議デモを開催し、
サウジアラビアが主導するアラブ連合軍によるイエメンへの攻撃を非難し、
どのような形であれイエメンにおけるアメリカの駐留は一切容認できない
と主張しました。


これらのイエメン人は、
アラブ連合軍の侵略行為に対抗するイエメン政府への支持を表明するとともに、
サウジアラビアとアメリカに反対するスローガンを書いたプラカードを掲げ、
地域におけるアメリカ政府の政策を非難しています。


これ以前にも、イエメンのシーア派組織フーシ派は、
同国領内へのアメリカの進駐について、サウジアラビアとその同盟国に対して警告し、
アメリカは自らの目的を達成するために、民衆の苦痛を利用している」と表明しました。

イエメン南部におけるアメリカ軍の駐留は、イエメンの人々や各勢力の怒りを引き起こしています。

イエメンの情報筋は数日前に、同国南部の空軍基地に
アメリカの攻撃用ヘリコプターが到着することを明らかにしていました。

さらに、およそ200名のアメリカの海兵隊員が先週土曜、
空母ルーズベルトやそのほかの戦艦6隻のアデン湾入りと同時に、
軍用車両や軍備を携えてイエメン南部の港湾都市に進駐しています。


こうした状況において、クウェートでの和平交渉に
イエメンの国民使節団として参加しているフーシ派の代表者は、
アメリカ国務省のシャノン政治担当次官との会談を拒否しました。

彼らは、この会談をボイコットした理由として、
イエメン南部に対するアメリカ軍の侵略と、中東地域におけるアメリカのマイナスの政策を挙げています。



イエメン情勢からは、サウジアラビアの支援を目的としたイエメンへのアメリカの直接的な干渉が、
イエメン国民に対するサウジアラビアの敗北のプロセスを食い止める助けには
なりえなかったことが見て取れ、このことはサウジアラビアの政府関係者が
フーシ派の位置づけを認める発言にも明確に現れています。

これについて、サウジアラビア外務省は、
公然と撤退する中、フーシ派をサウジアラビアの隣人であるとしました。


イエメンに対するサウジアラビアの攻撃の開始から1年2ヶ月が経過する中、
サウジアラビアのジュベイル外務大臣は13日金曜、ツイッター上で、
「フーシ派は、イエメンの社会の一部であり、サウジアラビアの隣人である」と語っています。

また、「ISISとアルカイダはテロ組織であり、
イエメンをはじめとする世界のいかなる地域にも存在してはならない」と述べました。

こうした中、サウジアラビアは
この1年以上にわたるイエメン攻撃の中で、フーシ派に打撃を与えようとしてきました。

サウジアラビアは、アメリカの支援を受けてほかの複数のアラブ諸国とともに、
イエメンのハーディ元大統領の復権を口実に、昨年の3月からイエメンを空爆し、
外国の傭兵をイエメンに派遣し、この国を全面的に包囲して、イエメンへの干渉を開始しました。

この軍事行動により、これまでに数千人のイエメン人が死傷しています。

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i8266
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要するに現在のオバマ政権は世界各国に軍を派遣し、
ミサイルを運び、武装勢力を支援し、正真正銘の戦争を行っているのだ。


北朝鮮や中国は核は保有しているが使用したことはないし、
ましてやイエメンやアフガニスタンで人々を惨殺してもいない。

よその国に基地をこしらえて周辺の女性をレイプしてもいない。


現在進行形で他国の人間に被害を与えているのは北朝鮮でも中国でもなく、
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、サウジアラビアなどの「国際社会」だ。


オバマの核廃絶を目指す殊勝な演説は
以上の情報を完全にシャットアウトすることで初めて感動することが出来る。




というよりもむしろ、オバマの広島訪問と平和にむけての意思表明は
これらのジェノサイドを完全に大衆の目から覆い隠してしまうために機能している



原爆ドーム前で在特会とオバマ氏来訪反対のデモ隊が衝突 
市民ら困惑「日本人として恥ずかしい」



しょせんは産経の記事だが、ほとんどの日本人がオバマを天使のように崇拝しているのは疑いない。
こういう偶像崇拝というのは、彼が黒人であるという点が大きく関わっているのではないだろうか?


どうも私たち日本人というのは現実で何が起きているのかをよく調べようともせず、
「核は絶対に悪いこと」「黒人を差別するのはとても悪いこと」というイメージにとらわれ、
「核に反対する人は絶対に正しい」「黒人には善人しかいない」という意識を抱いてはいないだろうか?


この件に関していえば、善良な市民よりも幾分保守的な政治家のほうが本質を見抜いている気がする。

政治家である亀井静香はオバマ訪問について次のようにコメントした。

「オバマ大統領が広島を訪問されるという予定がおありのようですが、
 私の姉が原爆で殺された、ということだけを申し上げるわけではありません。
 
 反省もされない、謝罪もされないのであれば、もう、おいでいただかないでほしい。
 
 それをされないで、おいでいただくとすれば、凶悪な、残虐な、
 そうした戦闘行為をした国の現在の代表が、我々の前に見世物として姿を現すのか。

 私はオバマ大統領はある部分で評価をしております。
 評価しておりますが、もし謝罪をされない、そういうことであれば、
 おいでいただくのはおやめになったほうがいいと、このように思います。

 もし、見物においでになるんであれば、大統領をおやめになられた後、おいでください。
 私も歓迎いたします。」

(http://jp.sputniknews.com/opinion/20160519/2164111.html)




実際、世界各国で武力威嚇と経済制裁を行い、中東や中央アジアで
無辜な市民を死傷させているアメリカ軍の振る舞いに沈黙しているのは
一部の右翼や自民党支持者などではなく、ほとんどの善良な日本人だ。



ほんの数日前にあった元海兵隊隊員のレイプ殺人事件のことなど
完全に忘れてしまっている彼らを見ていると、まもなく行われる参院選が非常に心配になってくる。


今回のオバマ外交については、当のアメリカ人のほうが積極的に批判を行っている。
いわゆるリベラルな学者や活動家はオバマに謝罪を求めているし、
ワシントン・ポストなどの主要メディアもアメリカの戦争犯罪について取り上げている。


これに対して我が国のメディアや知識人は、何か強力な抗議を行っただろうか?

アメリカの著名な社会運動家ノーム・チョムスキーは
国家による組織的宣伝は、
それが教育ある人々に支持されて、反論しがたくなったら非常に大きな効果を生む
と述べた。

(『メディア・コントロール』集英社、2003年)

こういう時だからこそあえて空気を読まず、文句をぶちまける。
そういう気概の有る人物は必ず存在するのだが、哀しいかな、彼らがメディアに露出する権利はない。

平和の使者オバマ、ベトナムとの友好の証として武器輸出を決める

2016-05-24 00:38:49 | 軍拡
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オバマ米大統領は、米当局がベトナムへの殺傷兵器禁輸措置の解除を決めたと発表した。


オバマ大統領は、ベトナムの首都ハノイで行われたクアン国家主席との共同記者会見で、
「私も、約50年にわたって効力を持っていたベトナムへの武器売却禁止を
 米国が完全に解除したことを発表することができる」と述べた。

米国は1965年から1973年までベトナム戦争に積極的に参加した。
同戦争は米国が支援する南ベトナムの惨敗で1975年に終結した。

近年、米国とベトナムの関係は安定した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20160523/2181667.html

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新宿でオバマ来日に反対するデモが開かれたらしい。


謝罪を行わない、要求しない日本政府および広島市の姿勢は、
オバマの形式的な反省は日米軍事同盟強化のネタでしかないことを如実に示すものだ。

その裏側で何をしているのかといえば、
友好の証としてベトナム軍に兵器を売ってやろうというもの。
もちろん、これは南シナ海や東シナ海周辺において中国をけん制するために使われる。


ベトナムではいまだに地雷が撤去しきれず、その犠牲者は絶えることがないわけだが、
彼らの声を圧殺して簡単に軍事的友好関係を築いてしまうあたり、何ともはや凄い国である。


上の記事が述べている通り、ベトナム戦争時、アメリカは南ベトナムを爆撃し、
無辜な村民を虐殺していたわけだが、これに加担していたのは他ならぬ南ベトナムの政府だった。


ベトナム戦争後、同国はベトナム共産党が統治する国家へと生まれ変わったが、
それでも当時、アメリカに追従し、同族を迫害していた連中が全て罰せらることはなかった。

言うなれば、親米という派閥がしぶとく残っており、
彼らが冷戦後、息を吹き返して覇権を握りつつあるのが今のベトナムではないだろうか。


そう思うぐらい、今のベトナムは過去の敵と簡単に結託して中国に対抗しようとしている。
中国の脅威を口実に軍拡へと邁進する。かつての敵国に謝罪を求めず傀儡に成り下がる。

あたかもベトナム政府は日本政府の双子の兄弟のようだ。


フィリピンでも、アメリカとの軍事同盟を国の裏切りとして糾弾する声があるが、
これまたフィリピン政府に黙殺され、まるでそんな声がなかったかのようにされている。


韓国でもまたしかり。沖縄もまた。


これらから感じるのは、アメリカの事実上の旧植民地(日本、フィリピン、韓国、ベトナム)が
冷戦終結後、再び傀儡国家として、つまり事実上の属国として働かされているという事実だ。


アメリカは建前では所有する植民地はフィリピンのみとしていたが、実際には
ハワイをはじめとする太平洋の島々やベトナム、韓国、日本などの諸国家を間接的に統治していた。


現地の有力者を懐柔し、彼らと友好的な関係を結ぶことで自らの存在を増していく。
ゆえに、沖縄の基地問題をみればわかるように、本来なら共に団結して基地駐屯に反対すべき
自国の政治家や評論家がアメリカの権力者と結託して、同族を非難、攻撃するような事態が生まれている。


これに対抗するには、各国の反権力者たちが国の枠を超えて一致団結することが
必要になってくると思うのだが、残念ながら言葉の問題もあり、なかなか上手くいかない。


というより、沖縄の反対運動を見ていると、
沖縄の問題はフィリピンやベトナムの問題でもあり、アジアの人間が団結してアメリカや日本、
各国の権力者と戦っていかなくてはいけないといった決意や気概といったものを全く感じない。


こういうナショナリズム的な運動がどこまで友好的なのかすこぶる疑問に思うのは私だけだろうか。

米軍男性、20代女性を暴行、死体遺棄の容疑で逮捕

2016-05-20 00:10:44 | 軍拡

「沖縄県で20歳の女性が行方不明になっている事件で、
 日本の警察は32歳の米軍関係者の男を逮捕した。NHKが伝えた。
 NHKによると、男は行方不明になっていた20歳の女性の遺体を遺棄した疑いで逮捕された。」

(http://jp.sputniknews.com/japan/20160519/2161777.html)



琉球新報によれば、この容疑者は海兵隊に所属していたらしい。
(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-282111.html)


正直、海兵隊所属と聞いて「ああ、やっぱりな」と思ってしまった。
というのも、海兵隊はベトナム戦争の時代から沖縄の女性を暴行していたからだ。


アメリカ軍の性暴力は有名な話で、
それは現地の女性だけでなく、女性兵士や男性兵士に対しても向けられている。

2003年に実施した調査では、
女性兵士のうち、3人に1人がレイプされたことが判明している。

これはアメリカで女性が暴行を受ける割合のほぼ2倍だ。
軍にいる期間が平均で2~6年であることを踏まえれば、この数字は異常である。



アフガン・イラク戦争では女性兵士も多く活動に参加したが、
彼女たちは敵兵に殺されるよりも味方の兵士に暴行を受けることのほうが多かった。

その犠牲者数は2012年の統計によれば7万人。
それも事件の多くは基地内部で起きたのである。


割合でいえば女性よりはるかに低いが、人数だけを言えば男性の被害者のほうが多い。
軍は暴力と退廃の温床となっており、米軍基地は言ってみれば、爆弾のようなものだ。



そういうわけなので、私は中国や北朝鮮の来ないとわかっているミサイルや軍隊よりも、
現在進行形で沖縄を主とした日本全国に駐屯している米軍のほうが遥かに脅威だと思っている。




http://hosyusokuhou.jp/archives/47592266.html



日本の右翼は、このような危険集団の駐留を「北朝鮮や中国が攻めて来たらどうする!」
「日本の安全保障を守るための必要!」と言った言葉をもって正当化し、
基地駐屯に反対する一部県民や社会運動家を売国奴・左翼と罵ってきたわけだが、
いざ事件が起きると自分たちの責任をきれいさっぱり忘れてしまうようだ。


上の保守速報は、容疑者をさんざんに罵倒しているが、
米兵による沖縄人女性のレイプはこれが初めてではないし、
一部県民は一貫して、このことを取り上げ、基地駐屯に反対してきた。


付け加えれば、こういう米軍を戦後70年にわたってお招きしているのが
自民党であり、大阪維新の会であり、諸々の右翼政治家なのは言うまでもない。



沖縄の反基地運動に対して

ネトウヨ「あれは本土の左翼による工作!日米同盟は必要!
     沖縄人は反日親中!サヨクがぁあああああああああ‼‼」




暴行事件に対して

ネトウヨ「許せねぇな。この犯人を死刑にしろ」






いやいや、こいつらを日本に呼んでいるのは自民党であり、
ネトウヨいわく誇り高き日本の政治家なんだけど・・・・・・


そいつらに投票したり、絶賛している自分たちの浅はかさに対して何も思わないのかと。


言ってみれば、ヤクザを招待する政治家を素晴らしい愛国者だと称えて
彼の政敵を売国奴と決めつけて執拗にバッシングしてきた連中が、
いざ事件が起きると他人面をしているわけで。本当に無責任な連中だと思う。


これに限らず、舛添知事に対しても同じ右翼であろうに、
擁護せずに叩いているのを見ると「その舛添を支持してきたのはどこの誰だよ」と言いたくなる。


自民党を支持する右翼に総じて言えるのが、問題のある人物や政党を支持し、
結果的に事件の発生に協力している事実に対してあまりにも無自覚なことだろう。


今回の事件をきっかけに、在日米軍基地に反対する声が全国化すれば良いが、
実際には、この事件は数週間しないうちに風化してしまうのだと思う。

オバマ広島訪問の真の狙い

2016-05-12 22:05:37 | 軍拡
オバマ大統領の広島訪問が新聞、テレビでもてはやされている。
前回のオバマ来日の際も、まるで王様が来たかのような歓待を受けていたが、
その裏側で日米の軍事協力体制が更に強化されたことにも目を向けなければなるまい。

メディアでは平和のための第一歩だという評価がされている。

[毎日新聞] 米大統領広島へ 訪問の英断を評価する (2016年05月11日)

[朝日新聞] オバマ氏広島へ 安全な未来への一歩に (2016年05月11日)


[読売新聞] オバマ氏広島へ 犠牲者を日米で追悼する機に (2016年05月12日)

[東京新聞] オバマ氏広島へ 核なき世界へ道筋を (2016年05月12日)



実際には、今回のオバマ訪問は日米間の更なる軍事協力を確実にするために行われるものだ。
この点を、産経新聞の青木記者は素直に認め、以下のような記事を載せている。

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日米関係の深化を求めるメッセージと素直に受け止めよ 
最後の訪日、用意周到に「歴史問題」解消狙うオバマ氏



今回、踏み切った背景には主に、2つの思いと狙いがある。

1つは2009年、プラハ演説で打ち出した「核兵器なき世界」への執着だ。
北東アジアが深刻な北朝鮮の核開発問題を抱える状況下で、
「最初に核兵器の犠牲になった広島」(アーネスト大統領報道官)を訪れ、
オバマ氏の信念を再表明することは、道半ばの核軍縮と核不拡散を後押しするうえで意義が大きい。


もう1つは、「大統領として日本を訪問する最後の機会に、
日米関係がさらに良くなる努力」として、広島訪問を位置づけている。 

戦後70年以上が経過してもなお、米国の広島、長崎への原爆投下は、
日米間のいわば「歴史問題」として、トゲのように突き刺さったままだ。

オバマ氏は、米国内に根強くある原爆投下への正当論などに留意し、
用意周到に「謝罪の旅」と受け取られることを避けつつ、
原爆死没者を慰霊し世界の恒久平和を祈念することで、日米のトゲを少しでも引き抜こうとしている。

これはアジアにおいて、日米同盟が、平和と安定の基軸であると
認識していることの証左だといえよう。日本は訪問を、日米関係の深化を求める
オバマ氏のメッセージとして、素直に受け止めるべきだ。(ワシントン 青木伸行)


http://www.sankei.com/world/news/160510/wor1605100049-n1.html

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アメリカの核実験の継続

アメリカの放射能被害による犠牲者は、戦死者の数倍


そもそも、世界で最も多く核兵器の実験を行っているのはアメリカだ。
その回数は1000を超え、これまでに世界中で行われた核実験の半数を占めている。

この実験によって、第5福竜丸の船員をはじめとして多くの人間が犠牲となっているが、
これに対してもアメリカはこれまで責任を持とうとしてこなかった。今後もしないだろう。


それだけでなく、アメリカはブッシュ政権以降、積極的に核開発を進めてきたし、
それは単なる新兵器の開発ではなく、北朝鮮などの敵国を先制攻撃の対象とするものであった。


このスタンスは今も変わっていない。
次の記事は半年前の2015年11月に書かれたスプートニク紙の記事である。


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米国、核実験を実施

米国は核爆弾B61-12の実験の3度目の、最終ラウンドを実施。
これは核弾頭の寿命延長計画プログラム(Life Extension Program, LEP)にのっとって行われたもの。

米国家核安全管理局の広報部は17日、記者団に対し、実験はネバダ州トノパフ射撃場で行われ、
その枠内で米空軍機F-15Eがネリス基地から発進し、射撃場の領内に爆弾を投下したことを明らかにした。

~中略~


B61-12は米国の戦略核軍備の主要な熱核兵器。

この爆弾は超音速機をはじめとする航空機での輸送用に作られており、平均重量はおよそ320キロ。
2013年、米国防総省は議会に対しこの爆弾の刷新に110億ドルを要請していた。
だが当時議会はこうした巨額の支出に断固として反対。
議会がこれを承認すれば、プログラムの完全遂行は2021年にとなる見込み。

ロシアの戦略景気センターのイヴァン・コノヴァロフ所長は、
米国の新たな核爆弾の実験から、米国は核兵器の開発を続行する構えであることが裏付けられたとして、
米国はこの爆弾の刷新を12回行っている。これはこの兵器を退けるつもりはない証拠」と語っている。

退役陸軍大佐で軍事専門家のヴィクトル・リトフキン氏も、
米軍の核実験は必要性から行われているとして、次のように語っている。


「核爆弾は博物館に展示するために作られているのではない。必要とならばこれは使用されるのだ。
 米国防総省は2020年までに米国ではこうした兵器の大量生産が始まるという声明を既に表しており、
 B62-12は今イタリア、ベルギー、オランダ、トルコ、ドイツにあるより古い爆弾を交換される。

 この核兵器を用いることがでくるのはNATO諸国の航空機もそうで、米国にとどまらない。

 これはすべて核不拡散条約に大きく違反した行為だ。

http://jp.sputniknews.com/us/20151118/1187018.html
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今回のオバマ訪問は、このような核戦略の上にあるものだ。

アメリカはイランや北朝鮮のような敵国には経済制裁をしてまで核兵器を廃棄しようとするが、
自国や同盟国、イギリスやフランスの核保有に対しては全くといっていいほどノーリアクションだ。

なお、イランに対しては持っている「かもしれない」というだけで経済制裁が下された

今年4月のG7外相会議の席でも、ケリー国務長官は
核兵器は禁止されなければならないが、
 それは抑止力を低下させることで世界がより危険になるようなやり方ではなく、
 より安全になると認めうる形で進められなければならない
」と言明している。


単刀直入に言えば、アメリカは敵国の核兵器は廃絶したいが、自国の核開発をやめるつもりはない。


それゆえに、今回のオバマ大統領の行動はアメリカ国内からも欺瞞だと非難されている。


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アメリカ・シカゴのラジオパーソナリティで作家のスティーブン・レンドマン氏が、
「オバマ大統領が核兵器の反対者を自称していることは、
 恥ずべき嘘以外の何ものでもない」

としました。

世界最大の核兵器庫を保有している
アメリカの国家安全保障政策は、
核兵器によるいわゆる先制攻撃の許可を出しています。


レンドマン氏は10日火曜、プレスTVのインタビューで、
「これはブッシュ政権時代の政策だった。
 オバマ大統領の国家安全保障政策は、ブッシュ氏がとったまさにその政策に基づいている
と語りました。

さらに、
「オバマ大統領が広島を訪問し、アメリカの平和と安定の責務を示すという構想は、
 合衆国の政策とは真逆のものだ」としました。

アメリカ政府は、9日月曜、「オバマ大統領は、
G7・先進7カ国の首脳会議に出席するために日本を訪れる中で、
5月27日、広島を訪問し、原爆ドームを視察する」としました。

アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官が、
アメリカ大統領の広島訪問は原爆投下の謝罪を意味しない」としました。

アーネスト報道官は、10日火曜、
「オバマ大統領は、1945年の核攻撃は正当な理由で行われたと考えている」と述べました。

さらに、「オバマ統領は、トルーマン大統領が正当な理由で原爆の使用を決定した。
それは恐ろしい戦争を終わらせるためだったと考えている
」と述べました。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8110
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前述したように、アメリカの核先制攻撃の対象にされているのが他ならぬ北朝鮮だ。

北朝鮮は、このことを強く非難している。北朝鮮の核開発には猿のように発狂する一方で、
そもそもの原因を作ったアメリカの核兵器には一切、非難の声を挙げず、
それどころかアメリカの原爆投下を事実上、免罪しようとする日本の態度は異常である。


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官房長官「歴史的機会に」 オバマ氏の広島訪問

菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、オバマ米大統領の広島訪問が決まったことについて
「核兵器のない世界をめざす国際的機運を盛り上げる上で、
 極めて重要な歴史的機会になる。政府として心から歓迎する」と述べた。

「被爆者の方々の強い思いは、惨禍を二度と繰り返さないことにあると考えている」とも語り、
オバマ氏に原爆投下への謝罪を求める考えはないとした。

長崎を訪問しないことに関しては
「広島訪問は被爆の犠牲者を追悼し、被爆の惨禍を繰り返さないとのメッセージを発信するためだ。
 長崎で被爆に遭った皆さんにも通じると考えている」と語った。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H0K_R10C16A5MM0000/
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要するに、謝罪しなくても良いからという日本政府の言葉を受けて、訪問が決まったに過ぎない。

これは原爆投下に対してアメリカが法的責任を負わないこと、すなわち、
原爆投下は日本の自業自得であり、これに対してアメリカが責任を感じる必要はないという
アメリカ側の解釈を「仰る通りでございます」と了解したことを意味する

これのどのへんがグッドニュースなのか、さっぱりわからない。


歴史研究の結果、広島原爆投下は単純に莫大な予算をかけて開発した原子爆弾の成果を確認する、
つまり単なる実験のために行われたこと、加えてソ連をけん制するために投下したことが指摘されている。


14万もの人間がモルモットのような感覚で殺されたわけだが、
これに対して「謝罪する必要はない」「責任はない」と考える米政府のどこが偉いのだろう?



加えて、このような「平和主義」と並行して、
アメリカ軍が今、世界で何をしているのかについても考えなくてはなるまい。




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アメリカが、シリアで活動するテロリストに化学兵器を供与

メリカの政治専門家ジェイムズ・ジュトラス氏が、
アメリカとその同盟国は、シリアで活動するテロリストたちに化学兵器を供与しているとしました。

ジュトラス氏はプレスTVのインタビューで、
化学兵器禁止機関がテロ組織ISISの化学兵器製造に真剣に対処しない理由は、
一部の大国が自分の利益を危険に晒さないためにこの機関に影響力を及ぼしていることにある」と語りました。


ジュトラス氏はまた、
「化学兵器はISISだけでなく、シリアの他のテログループの手にも渡されている」と強調し、
「西側諸国は、化学兵器不拡散に向けた対策において、好ましい行動をとっていない」と述べました。


2013年、アメリカのオバマ大統領
シリア政府に対し化学兵器兵器の使用という偽りの疑惑を提示することで、同国を軍事攻撃しようとしました。



http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i7819
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イラン革命防衛隊 ペルシャ湾における米海軍のプレゼンスは「絶対悪」

イラン革命防衛隊は、国の入り口付近に米国艦船がしばしば出没することに関連して、
不安感を表明し、米艦船の存在について「絶対悪」であると呼んだ。


これはイラン革命防衛隊の海軍兵団を指揮するアリ・ファダヴィ提督が、
テレビIRINNの夜の番組に出演したさい述べたものだ。

ファダヴィ提督は、次のような見方を示した-

米国は、自分の同盟国と共に、ペルシャ湾水域に存在している。
 それ故、この水域の軍事状況は、平穏で自然なものとは程遠い


 現在水域には、60隻を超える軍艦が存在しているが、
 その大部分は、米国、フランスそして英国のものだ。



http://jp.sputniknews.com/world/20160511/2114817.html
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南シナ海への米艦の侵入に、中国が抗議

中国が、南シナ海へのアメリカ艦船の侵入に強く抗議しました。

中国・新華社通信によりますと、中国外務省の陸慷(りく・こう)報道官は10日火曜、
「アメリカの艦船が中国政府の許可なしに、
 南シナ海の南沙諸島の近海を航行したことは違法行為である」と語っています。

同報道官によりますと、アメリカのこの行動は
中国の領土保全や安全を脅かし、地域の平和と安全を損ねるものだということです。

陸慷報道官はまた、
「中国は、自国の領土保全と安全の維持の枠組みでの努力を継続する」と強調しました。

アメリカ国防総省のアーバン報道官は10日、
「南シナ海で、アメリカのイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスによる
 航行の自由作戦が実施され、この駆逐艦は中国が主権を主張する人工島から12海里内にまで接近した」
と語りました。

中国は、これまでに繰り返し、南シナ海での「航行の自由」作戦への反対を表明しています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i8095

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~北朝鮮の核開発&オバマの広島訪問について~

日本のメディア右翼&左翼

「金正恩は核挑発をやめろぉおおお!!!!
 オバマは平和の使者ぁああああああ!!!!」





~アメリカの核実験&テログループへの化学兵器供与&シリア侵攻未遂について~


 完全に黙認無視





このように核以外に目を向ければ、今回のオバマの訪問は非常に政治的・軍事的なもので、
先の慰安婦問題における日韓の形ばかりの妥結と同じく、今後の戦争を円滑に進めるためのものでしかない。


慰安婦合意の裏で「均衡外交」の代わりに韓米日同盟強化
[社説]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために
[記者手帳]「平和の広島」に向けたオバマ大統領と安倍首相の歩み

韓国には、慰安婦合意のような妥結の真意は軍事同盟の強化だと看破する声があり、
彼らの中には今回の広島訪問も同じ文脈で行われるものだと認識する者も多い。

それに対して、日本ではオバマの広島訪問に対して平和のための第一歩だとして、
それなりの数の平和主義者が浮かれ騒いでいる。この違いは一体何なのだろうか。


中途半端な平和主義者ほどファシストに都合の良い敵はいない。


こうした団体や運動家の中には、反核=正義、反反核=絶対悪という
単純な世界観を抱いている人間が少なくなく、彼らは支配者層の目論見通りに
核兵器を維持し続ける敵国(ロシアや北朝鮮、中国)を非難・攻撃する先兵になっている。


(他方で同盟国であるイギリスやフランスの核保有、テロ支援に対する非難はまれだ)


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日本は正しくない 世界を脅かすのは原爆にあらず、世界制覇を狙うマニヤックだ


国連総会は核兵器廃絶を呼びかける日本発案の決議を採択した。
だが世界が実際に核兵器を廃棄した場合、より安全になるのだろうか?


~中略~

米国はロシアとの境界線にますます新型の兵器を配備している

それ以外にも米国は、ロシアの大陸弾道ミサイル発射装置、
軍事施設、産業の中心地に対する、巡航ミサイルによる電光非核集中攻撃コンセプトを採択した

それからさらに米国はロシアと国境を接する諸国で、
民主主義を推し進めるという旗印のもとにその秩序かく乱を行ない、
ロシアが米国の標準に即し、米国の助言や直接的な指令を遂行しようとしないとして、
これに対する制裁を発動している。


米国は、ロシア領内をも含めて、
そこにイスラム帝国復興を標榜するダーイシュ(IS,イスラム国)などのテロ組織を
自国の連合国のうち数カ国が、例えばトルコやカタールなどが支持することには少なくとも目をつぶっている。


そうしておきながら米国は、ロシアが勝手にテロリストと戦おうとしているといってはこれを非難し、
ロシアが共に力をあわせて戦おうという呼びかけても、これを退けている。


オバマ大統領は、米国こそが地球で唯一のリーダーであり続けねばならないと主張し続けており、
米国の首位に疑念を持つもの全ては人類の敵と見なしている。

そうでありながら、おわかりだろうが、米国も原爆を手放す気はないのだ。

日本よ、世界に対し、核兵器廃絶を訴えるかわりに連合国、米国に向かって
世界の排他的リーダーシップを要求することをやめるよう呼びかけたほうが、より現実的ではないだろうか?


http://jp.sputniknews.com/opinion/20151208/1288606.html 
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客観的に見れば、アメリカに先導される国際社会は
表面的には非核をうたってはいるが、実際には敵国への更なる軍事干渉を計画しているわけで、
大国の代表者の広島訪問は、軍事協力を強化するためのものでしかない。


現状、日米を主とする大国の反核運動は、
自国のイメージをアップし、敵国のイメージをダウンさせるプロパガンダとして機能しており、
同時に自国の軍拡、挑発行為、軍需産業の維持、テロ組織への支援をごまかすための隠れ蓑となっている。




このパフォーマンスは、それなりの効果を発揮していると言えよう。

ほとんどの日本人は、先制攻撃を行わない・非核化にむけて努力すると語る
北朝鮮や中国は国際平和に挑戦する悪しき帝国であり、彼らの言葉を信じてはならないと考えているし、
他方で、これらの国々に武力挑発を日常的に行い、先制攻撃のための核開発に勤しんでいる
アメリカの政治パフォーマンスに対しては「平和にむけての前進」と大絶賛している。


こうして「平和国家日本」という現実とはかけ離れたイメージが作られていく中、
アメリカや日本に逆らう国は絶対悪なのだという独善的な考えが当たり前のものになり、
彼らが自国を攻めてくるという妄想が日本の軍国化を強力にアシストしている。

被災地で敢行される日米合同演習

2016-04-19 23:53:30 | 軍拡
熊本の余震が止まらない。今日、再び震度5弱の揺れが八代市を襲った。
小さなものも含めれば、すでに400回を超える地震が熊本で発生していると言える。

都市部がそれほど被害がない一方で、地方では壊滅する村も存在した。
耐震工事を行うための予算がある個人や企業が所有する建設物がさほどダメージがない一方で、
それだけの予算がない、特に農村部で生活する高齢者は建物を失い、最悪の場合、死傷してしまっている。

本当に今の日本は命の格差まで出来てしまっているのだなと愕然とする。


さて、このような早急に対策を練るべき状況において、
日本政府はどのような対応をとっているのだろうか?次の記事を薦めたい。


熊本地震でオスプレイ投入の一方、
輸送能力がより高い自衛隊のヘリが棚ざらしに! 安倍-中谷が米軍と裏取引



以前から安全性が疑問視されている米軍のオスプレイ機が使われる一方で、
より輸送能力の高い木更津の陸上自衛隊第1ヘリコプター団のCH-47Jの稼働は要請されなかった。

その理由は次のようなものだとリテラは推測している。


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「官邸内で中谷元防衛相から安倍首相にアメリカの強い意向を伝えられたようだ。
実際、米国国防総省のデービス報道部長は
『長年の日米同盟があるからこそ迅速な支援ができる』などと
米軍側が申し入れたことを事実上認めているからね。実は、

 今回のオスプレイ投入劇は、中谷防衛相と米軍との“取引”だったという指摘もある。
 今月24日、鹿児島県鹿屋市にある海上自衛隊鹿屋基地で行う予定だった
 航空イベントに沖縄の米軍普天間飛行場所属のオスプレイが飛来し、公開する予定だったんだ。

 大地震の影響で取りやめになってしまい、
 米軍はせっかく日本にオスプレイを売り込むチャンスを逃してしまった。
 それに代わる苦肉の策が、今回の輸送劇だったのではという話だ」
 

安倍政権がオスプレイのパフォーマンスを受け入れたのはもうひとつ理由がある。
今度は防衛省クラブ記者の話。

「陸上自衛隊がオスプレイ17機の導入を打ち出していて、
 2019年度から佐賀空港に順次配備する計画をもとに地元と3年越しの交渉を続けているのですが、
 いまだに同意を得られていません。今回、自然災害にも役に立つ輸送機だと宣伝できれば、
 同じ九州である佐賀の住民にも受け入れられるのではないかとの思惑があります」

いずれにしても、今回のオスプレイ投入劇は、
被災地救済などでなく、安倍政権によるパフォーマンスだったのだ。


実際、オスプレイの“勇姿”を是が非でも国民に見せつけようと
大手マスコミを使う政府の手口はあまりに露骨だった。

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実は、このような震災に乗じて、
裏で米軍と日本軍がコソコソと不要な訓練を行うのは今回が初めてではない。



以下の文章は、赤旗の記事から抜粋したものだ。


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陸自、米艦で「災害派遣」
被災地まで9日も
3・11直後 北海道から 民間船なら1日前後



2011年3月の東日本大震災で「人命救助」が最優先されるべき初動の時期に、
陸上自衛隊と米海軍の揚陸艦による史上初の戦闘部隊の「移動作戦」が
「9日間」をかけて実施されていたことが12日、本紙の取材でわかりました。


災害派遣活動の一環として行われた「作戦」ですが、
軍事作戦的色合いが強く、移動日数もかかりました。



~中略~

同震災での自衛隊の災害派遣活動を指揮し、国内の災害派遣では
初の統合任務部隊指揮官だった東北方面総監の「東日本震災対処(概況説明)」では、
震災発生の11日から19日を「人命救助」としています。


ところが米揚陸艦での戦闘部隊移動は同時期に9日間もかけたのです。

苫小牧や近隣の函館港から民間フェリーを使えば
「1日前後で被災地入りでき、被災者救助ができたはず」と関係者は悔しがります。


 

~中略~

本紙が入手した陸自北部方面隊広報紙「あかしや」は、
「米海軍揚陸艦による部隊移動 陸上自衛隊史上初」と絶賛しました。(2013年4月1日号)

関係者は指摘します。

「陸からの“敵”の攻撃を回避するため沖合で陸揚げするなど、
 いずれも戦場を想定したもので、上級幹部は
 ミーティングで『日米共同の検証訓練だ』と口にしていた」



自衛隊は、国内の災害派遣では初の「日米調整所」を
「日米ガイドライン(軍事指針)に準じて」設置し、「共同作戦」を実施。

防衛省は、こうした「日米共同作戦」を「将来の各種の事態への対応に係るモデルとなりうる」
(「東日本大震災への対応に関する教訓事項」)としています。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-13/2016041315_01_1.html
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まさに、この時期に敢行されたオスプレイ機の派遣は政治的なものであり、
日米両軍の将来の共同作戦遂行のための演習であった。


はるか上空を飛ぶ航空機から下を見下ろすと、町がミニチュアのように見える時がある。
日米両政府の関係者は、まさしく崩壊した村や寝床を求め彷徨う人々はジオラマのパーツだった。

非常事態における日米共同作戦のテストのために、被災者がないがしろにされた。


この問題を考える上で重要なのは、沖縄や南シナ海における日米両軍の動きを抑えることである。
スプートニク紙の徳山あすか氏のオピニオンならびにパルストゥデイの記事を下に引用する。


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小さな集落をオスプレイが取り囲む恐怖…ヘリパッド建設問題、沖縄の決断は?


沖縄本島北部の国頭村(くにがみそん)・東村(ひがしそん)にまたがって
位置している米軍の北部訓練場をめぐり、政府・沖縄県・地域住民の思惑が交錯している。


北部訓練場は総面積が7800ヘクタールにものぼり、ジャングル戦闘訓練センターとも呼ばれている。
この一帯は「やんばるの森」として有名な森林地帯となっており、
国の天然記念物、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの希少種が生息している。

北部訓練場は、ベトナム戦争時には米軍にとってゲリラ戦のための格好の訓練場となった。
当時、訓練のため猛毒・ダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に持ち込まれ、
そのために健康被害を受けたと複数の米兵が証言している。

ジャパン・タイムズ紙が米退役軍人省から入手した資料によれば、
96年から2010年にかけて健康被害を訴えた米兵の数は132人にものぼるということだ。
しかし米政府は、枯れ葉剤を沖縄に持ち込み、訓練に使用したことは否定している。
日本政府も、この問題を突き詰めて調査することはなく、現在まで曖昧になったままだ。


この北部訓練場は、1996年のSACO合意に基づき、過半(約3987ヘクタール)を返還することになっている。
しかしその交換条件として、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を
返還されない区域に6カ所建設しなければならない。6カ所中、2カ所は既に建設済みだ。

北部訓練場の部分返還は当初2002年度末を目処としていたが、
ヘリパッド建設問題が解決されないため、延びに延びている。
しかし国はこの問題に決着をつけるべく、年内の部分返還を目指すと明らかにした。

沖縄県は難しい立場に置かれている。

新しいヘリパッドが完成すれば、新型輸送機オスプレイが配備されるだろうことは明らかだ。
このためオスプレイの配備撤回を掲げる県は、
ヘリパッド建設に反対する住民たちの運動を直接排除することはしていない。

しかし沖縄における米軍専用施設の面積を減らしたいという点では、皆の思いは一致している。
翁長知事は今のところ、返還計画の賛否に関して「交通整理が必要」だとし、態度を明らかにしていない。


ヘリパッドが全て完成すると、
東村の高江の集落(人口約150人)は、
ヘリパッドに囲まれるような形になってしまう。
高谷の集落の住民としては、当然建設に反対だ。


反対運動関係者は
「東村としてはヘリパッド建設を認めています。
 基地を提供すれば交付金が出て、村の財政になりますから。
 沖縄本島最北部の国頭村の方は返還される部分が多いですが、
 東村はほとんど返還されずに訓練場が残ってしまいます。
 国頭村と東村の足並みが揃っておらず、そこに国がつけこんでいるのです」と話す。

工事現場周辺では、「ヘリパッドいらない住民の会」と、
「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」のメンバーが座り込みで反対運動を行っている。

メンバーの一人は、
政府としては我々の反対運動のために工事ができなくなっているので、
 これを排除することを沖縄県に依頼しています。

 この行政指導の求めに対し県がどのように対応するかが、目下の我々の問題です。」と話している。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160413/1954138.html
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南シナ海での中国の軍事演習



アメリカが中国の抑制政策を続ける中、中国が南シナ海での軍事演習を開始しました。

ヴァガーリー解説員

中国の軍事関係者は、南シナ海での中国の大規模な軍事演習の開始に触れ、
「中国軍はこの演習で、仮想敵国との新たな戦闘方法を試す」と語りました。

また、この演習の目的は、海軍の力の増強と防衛方法の訓練だとしました。

中国は、ベトナム、マレーシア、
ブルネイ、台湾、フィリピンと、南シナ海の領有権を巡って対立しています。

この対立を政治的に解消するための中国の努力にも拘わらず、
フィリピン、ベトナム、タイは、中国との対立を国際的な問題にしようとしています。

フィリピン政府は、この問題を巡って国際仲裁裁判所に提訴しました。
こうした中、フィリピン、ベトナム、タイは、中国に対して自分たちの軍事的な立場を高めるため、
アメリカとの軍事・防衛協力を拡大しており、アメリカを南シナ海周辺に進出させています。


中国は、これによって地域の治安が脅かされたと考えています。

中国と領土問題を抱える東南アジアの一部の国が、アメリカと軍事演習を行っているため、
中国政府は、地域における軍事的な立場を強化しようとしています。

この中で、中国は日本とも、東シナ海の領有権を巡って対立しています。

日本政府は、この機会を利用して軍事化を図ろうとしています。
アメリカ政府も、自衛隊の強化により、日本を中国に対抗させようとしています。


さらに、北朝鮮の核・ミサイル問題も、
中国がこれまで以上にアメリカから地域的、国際的な圧力をかけられる原因になっています。
中国政府は、アメリカが、北朝鮮の核・ミサイル問題を口実に、
弾道ミサイルシステムの設置など、韓国での軍事駐留を強化しようとしていることをよく知っています。


アジアでの軍事・治安情勢から、中国は、アメリカが、南シナ海や東シナ海での中国の対立を利用して、
この国を軍事的に封じ込めようとしているという結論に達しています。

アメリカの東アジア重視の政策とこの地域での軍事駐留の拡大に関する
オバマ大統領によるアメリカの戦略政策の発表は、アメリカ政府が、
中国の軍事力と経済力の拡大を恐れ、将来、中国がアメリカのライバルとなり、
この国の力が縮小すると考えていることを示しています。

そのため、アメリカ政府は、南シナ海や東シナ海の軍事化により、
武器競争を煽り、この地域の国々との防衛・軍事協力を強化することで、
中国を封じ込めようとしている
のです。

こうしたことから、中国政府は、地域諸国との対立解消に向けた外交を続けることを強調すると共に、
アメリカによる封じ込めの陰謀を退け、南シナ海での演習の実施により、
アメリカの覇権主義的な政策に対し、自分たちの軍事力を誇示しようとしているのです。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6376
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東アジアにおける宗主国アメリカの戦略というものが沖縄の米軍駐留を強要し、
その存在意義をアピールし、かつ非常時の訓練を行うために非効率的な災害救助が行われる。




アジアの米軍駐留は、アメリカの国益のために行われているものだ。
当然、アメリカは善意で日本人を助けようとはしてくれない。


アメリカのために行われる救助は、必ずしも日本人のために最善の策になるとは限らない。
日米関係を優先して、現地の人間など目もくれようとしない。蟻か何かを見るような感覚。

そういう意識が中国にも向けられているとするならば、
私たちがすべきなのは、中国の脅威という幻影に怯えて本当の脅威に唯々諾々と従うのではなく、
アメリカの脅威によって被害を受けるであろうアジアの人々と団結して抗うことなのだろう。

アジア・太平洋を徘徊する海上自衛隊

2016-04-16 00:06:49 | 軍拡
イランラジオ改め、ParsTodayの記事より。


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日本の潜水艦が、オーストラリアに初寄港



日本海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦「はくりゅう」が、
第二次世界大戦後初めて、オーストラリアに入港しました。

ABCニュースのインターネットサイトによりますと、
潜水艦「はくりゅう」は、15日金曜、オーストラリアとの共同訓練のため、シドニーの港に入港しました。

この演習は、オーストラリアの海軍・空軍と合同で行われます。
この報告によりますと、この潜水艦には、3隻の艦船が同行しました。

オーストラリア国防省は、声明の中で、
「2009年以来、両国の参加によって行われてきたこの演習は、
 日本とオーストラリアにとって、軍事協力のレベルを高めるための機会になる」と発表しました。

この演習は、両国の海軍の調整レベルを向上させる目的で実施されます。

http://parstoday.com/ja/news/japan-i6178
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オーストラリア軍は、地理的にかなり遠い南シナ海に軍艦を派遣、中国を挑発している。
それだけではない。この国は去年の9月からシリアでも空爆を開始し、多くの市民を死傷させている。

ゆくゆくはオーストラリアと協力しながら、よその国に喧嘩を仕掛ける日が来るかもしれない。


オーストラリアに限らず、最近の日本は積極的に海外に自衛隊・護衛艦を派遣している。
フィリピンしかり、ベトナムしかり。


スプートニク紙のリュドミラ・サーキャン記者のオピニオンを以下に紹介しよう。

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中国外務省は、広島での会合後に発表された共同コミュニケでG7外相らが
南および東シナ海における中国の一方的な現状変更行動に懸念を表明したことに怒りを表明した。

コミュニケで中国の名が言及されているわけではないが、
すべての未解決の問題の平和的解決に対する呼びかけは明らかに中国に対するものである。


南シナ海をめぐっては、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシアが中国と紛争を行っており、
東シナ海に関しては、尖閣諸島(魚釣島)をめぐり、
日本と中国の間の領土紛争が沈静化したり悪化したりを繰り返している。

声明の中で外務省報道官ルー・カン氏は、
経済問題に集中し、地域の対立を加熱させないようG7諸国に呼びかけた。

「世界経済の回復が弱いなか、G7は海上紛争を煽り、それに介入し、
 地域紛争を誘発するよりもむしろ世界的な経済的、政治的協力に焦点を当てるべきだ」。


先に中国の王外相は、南シナ海の島々への中国の権利に挑戦しないよう、近隣諸国に呼びかけた。


「何らの紛争地域も存在しない。全ての島は、合法的に中国に属している。
 国際仲裁を誘致しようとする試みは、直接的な挑発であり、
 内政干渉であるとして、中国側に受け止められる」


この舌戦は、
日本、フィリピン、ベトナムの関係が
大々的に成長していることを背景に繰り広げられている。



日本は両国に巡視船を供給し、その船員を養成する。
最近ベトナムのカムランの海軍基地に初めて日本のミサイル駆逐艦2隻が入港した。

訪問の目的は合同演習だ。それに先立ち同様の演習が、
しかも日本の潜水艦まで参加して、フィリピンで行われている。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160414/1963651.html
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あわせて、ParsTodayのガッファーリー解説員の論説にも触れておきたい。


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日本の駆逐艦2隻と潜水艦1隻のフィリピンの海域への派遣により、
軍事協力の強化が事実上、両国の政策に据えられました。


ガッファーリー解説員

フランス通信によりますと、フィリピン海軍司令部の報道官は、
日本の艦艇のスービック湾への派遣を明らかにしました。

スービック湾はマニラから200キロのところにあり、現在アメリカ軍が駐留しています。
スービック湾に加えて、アメリカ軍はルソン島のクラーク空軍基地にも駐留しています。
この2つの基地は、冷戦時代の前後からずっとフィリピン政府によって維持されてきました。


それから15年、日本の艦艇のフィリピン派遣は、東アジアや東南アジアでの
アメリカの同盟国が意識的に中国との代理戦争に入っていることを示しています。
とはいえ真の戦争が始まるかどうかは、周囲の状況やアプローチの種類によります。

フィリピンは、
日本との軍事協力は地域の平和や安定の向上や両国間の海上協力の強化を目的に行われている
と述べています。


日本は、国内世論の説得し、地域や世界の世論を違った方向に誘導しようと、

「このような措置は平和を追求したものだ」と述べていますが、
 アメリカによるアジア各地における大規模な軍事設備の配備や
 アメリカとフィリピンの合同軍事演習と共に、日本とフィリピンの軍事協力は別の意味を帯びています。

日本の艦艇がスービック湾に寄港した中、
東シナ海や南シナ海の領有権を巡り、中国とフィリピン、日本の間で緊張が高まっています。

アジアにおけるアメリカの2つの同盟国の軍事協力は新たな軍事的結びつきの強化を物語っています。
なぜなら日本はそれをフィリピンへのさらなる軍事支援に向けた下地と解釈しているからです。

日本は、航空機5機と一部の軍備をフィリピンに供与すると約束しました。
これは、南シナ海の領有権を巡る中国との対立に関して、国際裁判所の判決が出る前に、
地域での自国の立場を際立たせようとするフィリピンの措置を表しています。

現在、中国は、このような措置を単なる軍事訓練とはとらえていません。
中国は、日本とフィリピンは軍事協力によって中国にメッセージを伝えようとしていると見ています。
政治アナリストもフィリピンと日本の軍事行動と軍事協力の拡大を中国をけん制するものと見ています。


2016年3月、日本とフィリピンの間で軍事合意が締結され、
日本はフィリピンの軍事的なニーズを満たし、後方支援を行うことになりました。


このため、日本とフィリピンの軍事関係者の協力の表明は単に通常の軍事訓練とは見なされないでしょう。

日本はあらゆる種類の軍需品を第三国などの仲介なくフィリピンに供与することを約束しています。

まさにそれが、一部の政治評論家が日本とフィリピンの軍事協定の締結を
中国に対する東南アジア最大の軍事協定と見ている理由です。

日本はここ数日、アジアでのアメリカの扇動行為から利益を得ており、
フィリピンへの最新鋭の兵器の売却は、こうした方向で分析することができます。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/63413-
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先のG7の外相サミットでは、日本政府は反核を力強く叫んだわけだが、
その裏側では、これまでにない軍拡が進んでいる。



宜野湾市長選、本当に大敗したのか?

2016-01-26 00:54:45 | 軍拡
沖縄の宜野湾市長選は、県内移設派の現職市長がそのまま続投になる形で終わった。
これを新聞社は「大敗した」とか「大差をつけて」という風に表現するのだが、それはどうだろう?


票数を比較すると(100の位で四捨五入)、今回の選挙では
2万8000票と2万2000票、つまり6000票の差となるが、沖縄県知事選では
26万票と36万1000票、すなわち10万1000票の差をつけて翁長市が勝利した。 

票差だけを言えば、知事選のほうが圧勝だったと言える。
もちろん、これは単純な数字の比較なので全投票数の何割が現職派だったのかなど、
多角的に分析する必要があるが、そういうことすらせずに「大敗」と書かれると釈然としない。

沖縄の占拠は、ここ数年、県外移設派の人間が軒並み当選し、
自民派の人間はことごとく落選している。その中の現職続投なので新聞社もホッとしたのだろうか。

沖縄問題にかけては琉球新報社などの県内のメディアと
県外のメディアとの間には大きな隔たりがあると指摘されている。

県内移設をそれとなく支持する全国紙にとって今回の勝利は喜ばしいのか、
早速、「今後の翁長氏は苦戦を強いられる」とか「オール沖縄はまやかし」といった主張を
それとなく行っていて、ずいぶん大げさな言葉で攻撃するものだなと呆れている。

忘れてもらいたくないのが、宜野湾市の市内に普天間基地があるということだ。
宜野湾市からすれば、自分たちの町から消えてくれるならどこでもいいわけで、
今回、市長に投票した人物も、決して自分たちの町にそのまま基地があっても良いと
考えていたわけではない。むしろ、一刻も早く移転してほしいからこそ妥協したとも言える。

こういう点を忘れて、あたかも沖縄県には基地を抱えてもよいと思っている人間が
大勢いるのだとでも言いたげに今回の結果を評価するのは合法詐欺以外の何者でもないだろう。

とはいえ、2年前の名護市長選では県外移設派の稲嶺氏が当選したが、その差は4000票だった。
衆院選でも案外、県外移設派と県内移設派の票数はそれほど差がなかったと記憶している。

とすると、オール沖縄といっても、実際にはギリギリのラインで勝利していたと言えなくもない。
慢心していたとは言わないが、県外派の今後のいっそうの努力と反省が求められるだろう。

その上で、これから、あえて彼らの考えについて1つだけ批判を行いたいと思う。

県外移設派の中には、国外移設を目指す人間と国内移設を目指す人間の二種類が存在するが、
そのうち、最近、大勢となっているのが後者であり、彼らは本土への移設を主張している。

大変申し訳ないのだが、本土移設派の連中は国際政治のことが全然わかっていないと思う。



日本の仮想敵国である北朝鮮と中国は、在日・在韓米軍基地にグルリと囲まれている。
つまり、東京なり北海道なりに移設したところで、両国が日米韓から受ける脅威に変わりはない。

北朝鮮は公式に、仮に米朝で戦争が起きた場合に、日韓にある米軍基地を攻撃すると言っている。
とすると、仮に本土移設が可能となったとしても、
その場合、ミサイルが来る場所が沖縄から沖縄以外のどこかになるだけで、
本質的な部分を思えば、県内移設だろうと本土移設だろうと大した違いはない。

要するに、沖縄基地問題とは、安保条約および在日米軍の是非、周辺諸国との関係改善、
さらにはアジア一帯からの米軍撤退や不戦地域の創設など、もっと大きな視点から問う必要がある。


一言で言えば、
アジアにおけるアメリカの脅威をどうするか
という問題である。


このことを考えている人間というのは案外、少ないのではないだろうか?

アジアからアメリカ軍を追い出す一環として沖縄基地問題を考えているのであれば、
当然ながら、在韓米軍基地の問題にも関心が高いはずであるし、
米韓政府による北朝鮮に対する武力威嚇に対して毅然とNoの意識を示すはずである。

ところが、実際には右翼と一緒になって北朝鮮のほうが悪いと非難している。

これは、私に言わせれば、かなり矛盾した行為だ。

前々から言っているが、日本政府は中国や北朝鮮の脅威を口実に
米軍基地を確保しようとしている
し、米韓両軍は核弾頭が搭載可能の
戦闘機や原子力潜水艦を多数従えて、北朝鮮を先制攻撃する訓練を毎年、行っている

北朝鮮は、この行為をやめさえすれば、核開発を中断すると宣言してもいるし、常にアメリカとの
平和条約の締結を提言してもいる
これらを一切無視して、米韓は制裁や威嚇を行っている。

客観的に見れば、相手を攻撃したがっているのは米韓である。

彼らが自分たちの軍拡や威嚇行為を正当化する際に利用しているのが
「中国の脅威」「北朝鮮の脅威」なのだから、当然、左翼は
「中国や北朝鮮はアメリカが言うほど危険な国ではない」ことを説明しなければならない。

ところが、日本国内では北朝鮮や中国の政府は悪で、現地の民衆のためにも
この国を「民主化」しなければならないという意見を右翼も左翼も共有している。


一方では「北朝鮮は危険だ!中国は危険だ!」と語る左翼が
他方では「米軍基地反対!9条遵守!」と叫んでいる様子を見て右翼が
「なぜ自国を守る行為を邪魔するのか」と憤るのは当たり前ではないだろうか?

「対話による解決を」と語る左翼もいるが、ほとんどの右翼は
「それでは甘い」と考えているわけで、代案になりそうもない。反対意見としては弱すぎる。

こういう矛盾を抱えながら運動しているわけだから、
究極の部分で基地容認派や改憲派の意見を否定しきれていない弱さを持っている。

ズルズルと日本が軍拡に向かっているのは、多くの要因があるはずだが、
少なくともその1つとして、左翼の意見に納得できない中立派の市民がいることが挙げられよう。

彼らを説得するには、やはり「北朝鮮や中国は危険ではない」「だから基地は必要ない」
「不戦条約の締結と経済支援で双方の安全は保障できる」と説明しなければならない。

その作業を経ずして、
護憲派や基地反対派の言動に強力な説得力を持たせるのは難しいのではないだろうか?と思う。

過去最大の軍事費-とまらない軍拡の裏で (62→7000)

2015-12-22 23:35:57 | 軍拡
来年度の日本の軍事費が前年度より740億円増え、5兆500億円に達する見込みだとわかった。
http://jp.sputniknews.com/japan/20151222/1356060.html#ixzz3v3ryLrEf

この軍拡の裏で同時進行しているのが思いやり予算の増加である。
そもそも、思いやり予算は1978年に基地で勤務する従業員の給与支払いを一部負担する形で始まった。
その後、対象は住宅費、光熱費、水道費、滑走路等の建設費と拡大の一途を辿った。

結果、90年代後半には3000億近くまで膨張し、現在、7000億を越えている

62→7000億

物価の上昇を考慮に入れても、凄まじい勢いで負担が増えていることがわかるだろう。
赤旗の山田秀明記者は次のように述べている。

「9月19日に安倍政権・与党が強行した戦争法の成立で、
“日本の軍事分担が増したので、せめて『思いやり予算』を減額させてほしい”―。
 これが財政審の卑屈な要求でした。ところが、この要求ですら米側に突っぱねられて屈服
 減額どころか、今後5年間にわたり増額を受け入れてしまったのです。

 米国の同盟国でこれだけの財政支援をしている国は日本以外にありません。
 これでは、日本本土や沖縄への米軍駐留の戦略的な意義が失われても、
「日本がカネを負担してくれる」というそれだけの理由で米軍は居座り続けるでしょう。」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-17/2015121702_02_1.html

2009年、沖縄米軍基地問題について鳩山由紀夫首相(当時)が
どれだけコンタクトを取ろうと奔走しても、頑として応じようとしなかったことを思い出す。

対話をしようとすらせず、ひたすら無視し続け、移設を進めようとする態度を見て、
私は、これまで自分が抱いていたオバマ像が完全に間違いだったことに気がついた。

どれだけ親米的態度を取って尽くしても、
思いやり予算をどれだけ増やしても、
アメリカ合衆国は日本政府を金づる程度にしか受け止めていない。


他方で、思いやり予算の増額はアメリカが直接に要求したものではない。

思いやり予算の拡大は、日米軍事同盟、
より正確に言えば米日主従同盟の共同軍事演習と連動して不可避に生じる現象である。


イランラジオのヴァガーリー解説員の説明を以下に抜粋する。

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アメリカと日本の共同演習

アメリカと日本の共同演習が、伊丹駐屯地で始まりました。
この演習は日本とアメリカの軍隊6500人が参加しています。

軍事関係者は、この演習の実施の目的を、
サイバー攻撃への対策と一部の地域諸国のミサイルからの防衛だとしました。
日本の中谷防衛大臣とアメリカのケネディ駐日大使は、この共同演習を視察しました。

ケネディ大使は、日米の軍事・安全保障協力を非常に重要なものだとし、
その重要性を説明する中で、オーストラリアなどいくつかの国際オブザーバーが
この演習を監視すると強調しました。

この演習の実施は、軍事・安全保障協力の拡大に向けた両国の努力を物語っています。

安倍総理大臣は、最近のアメリカのオバマ大統領との会談で、
「日本はアメリカと更なる協力を行うだろう。軍事分野での協力がその最も重要な協力だ
としました。

これに関して、日本はカリフォルニア州での銃撃事件後、
テロ対策におけるアメリカとの協力に向けた用意を表明しました。
アメリカの国防安全保障協力局もまた、最近の報告の中で、日本にアメリカ軍が
広く利用している無人偵察機グローバルホーク3機を売却することを明らかにしました。

日本によるこの偵察機の購入は、国外での自衛隊の駐留を認める安保関連法の可決後、
自衛隊の建て直しに向けた日本の計画の枠内で行われています。

アメリカはおよそ4ヶ月前にも、
オスプレイ5機を売却する総額3億3300万ドルの契約を締結しました。


日本の防衛省は、以前、オスプレイと先進型ホークアイの購入を考えていると表明していました。
アメリカと日本の軍事協力の拡大の一方で、日本の防衛大臣は最近、
「日本はアメリカによる弾道ミサイル防衛システムの配備を検討している」と述べました。

西側の同盟国との軍事協力の拡大にむけた日本政府の努力と時を同じくして、
日本の政府筋は、2016年の同国の防衛予算を5兆円に拡大する決定を明らかにしています。

この報告によれば、日本の来年度の予算には、
沖縄の普天間基地移設に関する予算も含まれるということです。
2012年12月の安倍政権誕生から4年連続で軍事予算は増加しています。

(http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/60566)
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「共同」軍事演習ではあるが、決して「対等」軍事演習ではない。

軍事演習の拡大と強化が続く限り、その費用の多くは日本が負担するものになる。
加えて、日本の軍備もアメリカ製品を買わされるようになってくる。

大手学習塾で「オリジナルテキスト」を買わされることに似ている。
無論、オスプレイが好例だが、その戦闘機の性能や安全性は二の次にされてしまう。


「防衛費」は「軍事費」ではない。これは国を守るためのお金では決してない。
 特定の国の政府や企業の喉を潤すために貢がれるものだ。

ここで、周辺諸国の対米関係に目を移してみよう。以下の記事は半年前に書かれたものだが、
未だに、というよりも日本の軍拡が止まらない今だからこそ一読の価値があると思われる。


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台湾という名の「てこ」、米国にとっては未だ活用効果あり

台湾の野党、民主進歩党の蔡 英文(さい えいぶん)主席が米国で手厚い歓迎を受けたことは、
米国は台湾問題を利用して中国へ作用を及ぼす「てこ」をキープしようとしていることを示している。

ここ最近、米国と台湾の間ではこうした軍事面での積極的なコンタクトが図られているが、
これは米国には台湾の安全の保証人としての役割を捨てる気はないことを示している。

蔡 英文氏は、台湾の大統領候補としては
史上初めて、米国務省の建物内で直接に米外交官らと会談を行った。


しかも、この会談を直々に執り行ったのは、
ジョン・ケリー国務長官に次ぐナンバー2の人物であるトニー・ブリンケン国務副長官だった。

中国が、来年1月に予定されている台湾大統領選挙で中国国民党への
支持に傾いていることを考慮すると、野党、民主進歩党の蔡 英文氏の受け入れが
これ見よがしに高いレベルで実施されたのは、米国側からの政治的歩みだと捉えることができる。

というのも、蔡 英文氏が主席を務める民主進歩党は
中国との余計な急接近には反対する立場をとっていることから、
米国は台湾と中国の国益が固く一致することにはあまり関心を抱いていない。

米国は、台湾問題を長期にわたって未解決に維持する現状維持をよしとしている

米国側にとってはこれは、
近い将来、米国は台湾の安全の保証人の立場を演じ続けることを意味する。

中国抑止の可能性が低まったことに関連し、
米国は台湾の軍事的要求を満たしている自らの役割を強調しようとしている。
まさにこの要因から米台湾の軍人らの間の軍事コンタクトの拡大が図られているのだ。

2014年末に米国のペリー級フリゲート艦4隻、3億7千ドルの米国への供給が承認された。

2015年は米台湾の合同演習、合同トレーニングがいくつか予定されており、
この中には台湾で「心理作戦および情報戦争」に取り組む
米軍部隊のラインでも同様の演習、トレーニングが行われる。

双方の関係にとってはかなり稀有なアプローチとなったのは、
ハリー・ハリス海軍大将が米軍太平洋司令官に就任するセレモニーの席に、
台湾の 厳徳友(ヤン・ゼフ)参謀本部長が参列していたことだ。

それまでは米国マスコミ報道にもあったように、台湾の軍人の代表は
ハワイでの海軍パラシュート作戦を記念したシンポジウムに参加したことはあった。

シンポジウムは太平洋司令部によって行われていたが、
今までは台湾の代表がこうした類の行事に参加したことは吹聴されてはこなかった。

仮に台湾向けの米国の軍事供給量が
以前より少なくなるとしても、やはり重要な象徴的な意味は持ち続ける。

こうした努力を受け取るのは中国や台湾のみならず、この地域における米国の連合国も同じだ。
南シナ海の状況が緊張化することを背景に、
米国は台湾関係においては路線維持にますます大きなアクセントを置いており、
まさにこれによってアジア太平洋地域における米国の連合国らに重要なシグナルが送られている。

米国の地域安全保障を維持する能力に対して疑問が高まるなかで、
連合国らには米国が「自分たちを捨てることはない」との確信を抱かせねばならない。
こうした場面で台湾は長年にわたる米国との軍事関係もあって目立った例として使うには好都合なのである。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150618/467327.html#ixzz3v42W0eau

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安部晋三をはじめ、多くの右翼は「中国の脅威」を叫ぶが、何のことはない。
実際には「アメリカにとっての中国の脅威」なのである。


相手国の安全などこれっぽっちも考えていないことは、
韓国の米軍基地において、密かに細菌兵器が開発されていたことからもわかるだろう。


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今年5月、烏山(オサン)基地で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの実験が
「初めて行われた」という米軍が表した声明は、韓国の世論をすっかり混乱させた。

これを物語るのは17日(木曜)に米韓軍間合同検査委員会が表した結果だった。

合同委員会の委員長を務めるチャン・ギョンス少将の声明によれば、
コロナウィルスおよび腺ペストの非活性サンプルは危険な細菌を発見し、
特定するという人員訓練のために用いられたもので、こうした訓練が行われるのは
烏山基地ではすでに16回目で、それまではソウル中心部の龍山(ヨンサン)基地で行われていた。


両国の軍部は韓国に持ち込まれたバクテリアは
「人体にいかなる害も一切与えなかった」という声明を表したが、
ロシア人軍事専門家のウラジーミル・エヴセーエフ氏は、こうした完全な機密状況で
このような演習を行うという事実自体が危惧感を招かないわけにはいかないとして、
次のように語っている。


米国防省はかなり前から世界中を実験室にして、
 マスコミの注意を惹かずに、どこであろうとも細菌兵器の実験を行ってきている。


 このため韓国で行われた『演習』はありうる細菌の脅威に対抗するというよりも、
 北朝鮮に対して使用しうる細菌兵器の製造のためという可能性は十分にある。

 もしそうであるならば、米国はこの分野で効力を持つ条約に歴然と違反している。
 国の領域の外で細菌兵器を製造しようという米国の計画は、最も入念な分析を必要としている。
 
 米国は、ロシアが同様の兵器を開発しているとして、これをしょっちゅう非難しているが、
 実はこの開発を行っているのは米国のほうであることを確証する事実が
 ますます露呈するようになってきた。」

米国が韓国にコロナウィールスを送りつけたことが発覚すると、北朝鮮の国連大使は今年夏、
これは朝鮮半島で戦争が勃発した際に北朝鮮に対して生物兵器を使う目的があるのだろうとして
米国を非難する声明を表している。こうした開発がまずは細菌が領内に存在する韓国にとって
明らかな危険を伴う
にもかかわらず、このテーマには未だに十分な注意がむけられていない。

現在米国は、近いうちにも韓国領内の米軍配備についての合意に変更が加えられ、
そこに危険な細菌物質の運搬、その扱い、安全な無害化についての通知プロセスの
明確な記載がなされるようになるとして韓国をなだめようとしている。だが不測の事態の保証はない。

また「北の脅威」が去った後、
細菌兵器の分野での米軍の実験結果がどう使われるのかについても、誰も何も言っていないのだ。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20151222/1354460.html#ixzz3v49ZNkFj
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こうしてみると、日本・韓国・台湾、そして今回紹介しなかったフィリピンは、
アメリカと言う王将を守るために捨て駒にされる歩や金のようなものだ。

日本と韓国の小競り合いなど、しょせんは、どちらが飛車か銀かの争いにすぎず、
両国がアメリカの指示に従い、団結して棒銀戦法を忠実に実行する点では変わりはない。


以上、国際関係から日本の軍拡と思いやり予算の拡大について論じたが、まとめると、

①日本の軍拡はアメリカとの共同軍事演習の増加・強化と連動している。
②その負担およびアメリカ製の軍備購入の半強制が軍事費拡大の要因である。
③そのため、日本にとって、その演習や平気が本当に必要かどうかは二の次にされる。
④他国も同様に、その国の軍拡は防衛上の必然性ではなくアメリカの戦略に基づいたものである。

その解決策としては

①反基地運動を多国的なものに変化させなければならない。
 現在の運動は、どれも自国の基地に限定されており、他国の反基地運動に参加したりはしない。
 
 アメリカのアジア外交における戦略そのものが変わらない限り、
 基地に関する問題は解消されない。

②日米同盟における両国関係の非対称性を強調し、中道右派を転向させることが必要。
 具体的には、沖縄の翁長県知事のような人間を反対派に変化させ、味方を増やすべきだ。

 つまるところ、民主主義とは如何に反対派を裏切らせるかを競うゲームなのだから。

③アジアだけでなくヨーロッパや中東・アフリカにおける問題と一括して考える。
 例えば、ウクライナのキエフ政権に対する経済援助と軍事支援と結び付けて考察する。
 
 こうして、アメリカの国際戦略そのもの、あるいはアメリカに留まらず、
 フランスやイギリスを含めた旧宗主国の旧植民地国の干渉に対して抗う姿勢を見につける。

 つまり、特定の国や人物を個人攻撃するような卑小な運動に終わらせず、
 帝国主義や植民地主義そのものへの否定と廃絶を目指す大きな運動へと展開させる。

 あまり風呂敷を広げるのも問題だが、少なくとも視野を広げ、
 世界史の視点から沖縄の基地や日本の軍拡について考えなくてはならないだろう。
 そのためには、非欧米圏の逆サイドから焦点を当てた記事を読むことが要されるはずだ。