時事解説「ディストピア」

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ベネズエラ情勢から見る安倍国葬問題2

2022-09-27 02:31:21 | リベラル原理主義

 

 

ベネズエラ情勢から考える安倍国葬問題(リベラル原理主義者たちの醜悪な態度について) - 時事解説「ディストピア」

あと、数時間後には安倍晋三の国葬が始まる。巷ではメディアも含めまるで葬儀に反対することが正義であるかのように騒がれている・・・だが、正直なところ、私は何とも言え...

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複数の欧州諸国、グアイド国会議長をベネズエラの暫定大統領として承認

フランス、英国、スペイン、スウェーデン、デンマーク、オーストリアなどの欧州諸国は4日、ベネズエラの野党指導者、フアン・グアイド国会議長を同国の暫定大統領として承...

Sputnik 日本

 

 

 

日本、ベネズエラのグアイド国会議長を暫定大統領として承認

日本政府は、暫定大統領就任を宣言したベネズエラのグアイド国会議長を支持する。19日、河野外相が東京で開かれた記者会見で発表した。

Sputnik 日本

 

 

にも関わらず、2月の上旬には
EUと日本は合衆国に追従した。

1月26日には
再選挙を行わなければ
グアイド政権を承認すると英仏独西蘭が
約束していたのである。

 

 

 

社説:分裂危機のベネズエラ 米中露は対立をあおるな | 毎日新聞

 南米の産油国ベネズエラでの現職大統領と野党指導者の対立に、米国と中国、ロシアの大国が絡み、国際社会を二分しそうな異常な事態になっている。  きっかけは先月、強権...

毎日新聞

 

 

 

社説:ベネズエラ情勢 国際社会の関与で混乱収拾を

経済の破綻で数百万人が国外に逃れ、2人の大統領が正統性を争う危機的な状況である。平和的に事態を収拾するには、国際社会の協調と建設的な関与が欠かせない。 南米の産油...

読売新聞オンライン

 

 

こうした動きに対して日本のメディアは
現在のウクライナ紛争に対するような
姿勢は全く見せなかった。

内政干渉だの侵略だの
主権の尊重だのといった綺麗事は
全て2022年2月24日以降に生まれた嘘である。

 

 

ベネズエラ 明日、ロシアから300トンの人道援助物資が調達

ベネズエラのマドゥロ大統領は、明日20日、ロシアからの人道援助物資300トンが同国に届けられることを明らかにした。マドゥロ大統領は科学者との会合でこれを明らかに...

Sputnik 日本

 

 

 

中国 ベネズエラ問題で国連憲章の原則を尊重し、内政干渉の排除を呼びかけ

15日、中国外交部のゲン・シュアン公式報道官は、国連の原則を尊重し、ベネズエラの内政に干渉しない中国の立場を表明した。

Sputnik 日本

 

 

この時期、ベネズエラは制裁によって
国営企業の銀行を凍結され、深刻な経済危機が
起きていた。

 

米国の対ベネズエラ制裁により数万名が死亡したことが報告書で明らかに(経済政 策研究センター(CEPR)プレスリリース) | ベネズエラ

 

 

経済学者ジェフリー・サックス:米国の違法な経済制裁がベネズエラを荒廃させ4万人以上を死なせた | Democracy Now!

 

 

同年5月に発表された調査書は、
制裁によって4万人のベネズエラ国民が
死亡したことを指摘している。

 

 

 

(社説)ベネズエラ 人道危機を覆い隠すな:朝日新聞デジタル

 世界最大の石油埋蔵量を抱える南米の国、ベネズエラが深刻な人道危機に陥っている。 栄養失調や医薬品不足で命を落とす子どもたち。停電が慢性化した市街地。ガソリン不...

朝日新聞デジタル

 

にも関わらず、朝日新聞は
この件には一切、非難の色を見せず、
逆にマドゥロ政権を攻撃している。

 

「武力介入の可能性も否定しない
 トランプ米政権の言動は危うい。
 一方、現政権の強権を黙認する中ロも無責任である。」

 

という言葉は4万人の死を前にして
なんと虚しく響くのだろうか。

 

 

 

ベネズエラ情報機関、グアイド派2人を拘束 自宅から武器も

ベネズエラ警察筋は、国家情報機関(SEBIN)が21日午前、暫定大統領への就任を宣言したフアン・グアイド国民議会議長を支持する2人を拘束したと明らかにした。拘束された...

Sputnik 日本

 

 

マドゥロ政権が高圧的なのは
あくまでグアイド派限定である。

過激派を全国民代表であるかのように
表現し、制裁を正当化させる。

これは香港や新疆に関わる問題でも
メディアが好んで使っている手法だが、
こうした応援によって最も得をするのは
ベネズエラ人4万人を殺害した連中である
ことは疑いようがない。

 

 

米国、ベネズエラのパートナー国を制裁で脅す

米国のベネズエラ担当特使、エリオット・エイブラムス 氏は、米国はベネズエラ当局と取引を行った第三国に対して制裁を発動する可能性を排除していないと発表した。

Sputnik 日本

 

こうした愛と正義のリベラル原理主義者達の
陰ながらの支援によって、アメリカは好きなだけ
他国を脅すことが出来るようになった。

その責任は今の所、誰も取っていない。

 

「民主主義の危機」という言葉が
 バカのように連呼されるさまを見て
 静かな怒りを感じるのは
 この時の連中の態度を
 私が覚えているからである。

 

 

 

中国 ベネズエラ問題で国連憲章の原則を尊重し、内政干渉の排除を呼びかけ

15日、中国外交部のゲン・シュアン公式報道官は、国連の原則を尊重し、ベネズエラの内政に干渉しない中国の立場を表明した。

Sputnik 日本

 

 

グアイドの米軍侵攻支持、
アメリカの制裁、EU日本の異常な速さでの
反体制派支持、これらに対する責めを一言
二言で済ませ、マドゥロを諸悪の元凶とする。

 

こうしたプロセスのもと、
アメリカの文字通りのジェノサイドは
民主的に免罪された。


皮肉にもこの蛮行を非難したのは
ロシアと中国、イランといった
独裁国家と呼ばれる国々だった。

 

中国は
国連憲章順守の立場から
アメリカを毅然とした態度で非難したが、
これは日本の人道主義者と対極的なものである。

 

(なお、中国はウクライナ紛争においても
 ウクライナに人道支援を続ける一方で
 一切の武器支援をせず、制裁に抗議し、
 協議による解決を主張している)

 

 

 

米国がベネズエラに提案 ロシア産に代わる原油供給

米国政府はベネズエラに対し、同国政府の原油販売を禁止する米国の制裁を緩和することと引き換えに、ロシア産原油の供給をベネズエラ産の輸入に切り替えることを提案した。...

Sputnik 日本

 

 

 

原油不足に苦しむ米国、対ベネズエラの制裁緩和で供給増加を目指す

米国は17日、ベネズエラ国営石油会社PDVSAのエリック・マルピカ元社長に対する個人制裁を解除した。米財務省が発表した。

Sputnik 日本

 

 

 

ベネズエラ外相、「米の覇権終焉で、新たな世界が誕生中」

ベネズエラのカルロス・ラファエル外相は、「アメリカの覇権は絶対的なものではなく、ロシアがそれを終わらせるために努力したことで、新たな世界が生まれつつある」と述べ...

Pars Today

 

 

今年になって、ロシアへの制裁によって
原油不足に陥った合衆国は
ベネズエラに対して制裁緩和と引き換えに
石油を分けてくれるよう交渉した。

 

制裁というものは科した側の都合によって
どうにでもなるのである。

当然、ベネズエラは、この要請を無視、
バイデンの試みは失敗に終わった。

 

 

 

以上、ベネズエラ情勢を簡単に
振り返ってみたが、改めてこの制裁という
最凶の破壊プロセスに対して全くもって
涼しい顔で静観していた連中が

安倍晋三が死んだぐらいで
がなりたてるのは不可解にすぎる。

 

政治的意図はないと
犯人が断言しているにも関わらず、
民主主義と無理やり絡めてテロ視するのは
我田引水にすぎるだろう。

 

安倍の死が民主主義の死であるかのように
喧伝していた人々が今ごろになって、
国葬を非難するのは矛盾している。

 

ガソリンをまいてライターを
放火魔に渡した人間が、いざ火災が起きた
途端に絶叫しだすような不可解さを感じる。

 

 

 

 

 

実のところ、こういう動きは
別の問題においても見られるものである。

ウクライナ問題においても
一つの解釈を絶対視し、異論を紙面から
締め出した結果、日本の言説空間は
どの論者も同じ見解しか言わないという
ある種の異様さを呈している。

 

矛盾を指摘されても
結論を修正することが出来ない。

同じ言葉をグルグルと繰り返して、
会話が成り立たないのである。

 

 

思考を停止したゾンビのごとく
予めセットされた言動しか取れない
陳腐なヒューマニズムこそ
民主主義崩壊の予兆と知れと言いたい。

 

本来の民主主義というものは
一人ひとりの熟慮があって初めて
成り立つものである。

誰かが言い始めたことを復唱するだけで
なんとなく自分たちが
正しいことをしているような気分に
浸るのは民主主義でも何でも無い。

強く非難するが、招待状を要人に送り、
すでにキャンセル不可能となった
直前のタイミングで国葬を批判するのは
アリバイ作り以外の何物でもない。

私自身、国葬には否定的だが、
それは安倍の神格化につながるから
であり、国葬でなく自民党主催のものなら
問題ないということにはならない。

ところが、実際に見てみると
合同葬なら良いとか党葬なら良いと
いった意見も散見されるのである。

 

 

安倍晋三の美化につながるから
反対しているわけではなく、
単に金銭が惜しいから反対している
のであれば、そんな民主主義は滅べば
良いとさえ私は思う。

 

私達が目指すべきは権威主義に抗う
民主主義であるはずだ。

 

国葬それ自体は問題だが
それ以上に大問題なのは、

相手に応じて出したり引っ込めたり
することが出来てしまう
戦後民主主義の有り様なのである。



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