時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

オバマ平和外交の裏で起きていること

2016-05-28 00:02:33 | 軍拡
オバマの広島訪問は、案の定、右も左も大絶賛、平和のための第一歩として記念された。


しかし、本当にオバマ(アメリカ合衆国)は平和の使者なのだろうか?

前から伝わっていたように合衆国は謝罪は行わないことに固執しているし、、
それ以上に伊勢志摩サミットでは中国とロシアを排除したG7が手前勝手な言葉を投げかけ、
核軍縮を語った舌の根が乾かぬうちに南シナ海への軍事介入を正当化している。


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外交部、米軍艦の横行の自由は国際法違反


【記者】米国のラッセル国務次官補は10日、航行の自由作戦は小国にとって重要だと表明。

「もし世界で最も強大な海軍も
 国際法の認める海域で航行できないのなら、小国の軍艦はどうだろうか?」

「もし米軍も国際法上の権利を行使できないのなら、
 漁船や貨物船はどうして大国の阻止を免れようか?」と述べた。

これについてコメントは。

【陸慷報道官】

われわれは米側が国連海洋法条約を早急に批准し、これに加盟することを希望する。
そうすれば、国際法について次回語る際にもっと説得力のあるものとなる。

米高官は「航行の自由は小国にとって重要だ」と表明したが、
商業航行の自由と軍艦の横行の自由との違いをまた忘れているようだ。

小国は大国と同様、当然国際法に合致する商業航行の自由の確保を希望している。
米側のように国際法に違反する軍艦の横行の自由を主張する国はない


http://j.people.com.cn/n3/2016/0512/c94474-9056681.html

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アメリカの原子力潜水艦の数が増加



アメリカ国防長官が、同国の原子力潜水艦隊の数の増加を伝えました。

ロシアのスプートニクによりますと、カーター国防長官は、
24日火曜、米コネチカット州グロトン地区の潜水艦基地を視察し、

アメリカの原子力潜水艦の数を増加する必要性について、

「潜水艦はアメリカの優位と力の主な源である。
 それ故、今年の予算編成の中で、原子力潜水艦の数の増加が考慮された」と述べました。

カーター国防長官はまた、
アメリカは自国の原子力潜水艦を、
 世界で最も強力な艦船として維持するべきであり、
 年間の軍事予算の中で、最高の予算をこの艦船に割り当てるべきだ
」と語りました。

専門家は弾道ミサイルを搭載可能なオハイオ級潜水艦のアメリカの潜水艦12隻とを、
交替させる計画の潜在的な価値は、600億ドルだとしています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i9115
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米海軍 世界最大級の駆逐艦配備へ



米国海軍は、世界最大級のステルス駆逐艦「ズムウォルト(Zumwal)」
(少なくとも44億ドル)を、その管轄下に入れる。


ABCテレビの報道では、駆逐艦の全長は、ほぼ190メートルで、普通とは違った「鋭角」状の船体を持つ。
そうした形態のおかげで、レーダーに発見されにくいとの事だ。

記者情報では、艦上には、海上及び地上、空中の標的を
攻撃可能な最新鋭ミサイル発射装置が備え付けられている。
またこの駆逐艦は、110キロ以上前方の標的を攻撃できる大砲システムを備えている。


http://jp.sputniknews.com/us/20160517/2149137.html

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ポーランドで対ミサイル防衛基地建設始まる


ポーランド北部のレジコヴォ村で、米国の対ミサイル防衛(MD)基地の建設が始まる。

13日、建設現場オープンに際しては、ポーランドのドゥダ大統領、
マチェレヴィチ国防相、米国防総省のウォーク次官及びNATOの複数の代表者が式典に出席した。
建設終了は、2018年の計画だ。

セレモニー出席者は皆、新しい基地がロシアに対し向けられたものではないと強調することとを、
自らの義務だとみなしていたようだ。例えば、米国のウォーカー国防次官は
「対ミサイル防衛用の欧州における盾は、欧州及び北大西洋空間を、
 特にイランから飛んでくる長距離ミサイルの脅威から守るためのものだ」と述べた。

これに対し、プーチン大統領は
欧州に米国の対ミサイル防衛システムが配備されることは、
 盾などではなく、核潜在力の拡大である

と指摘し

こうした米国の行為は、
 中距離及び短距離ミサイルに関する条約に明らかに違反する

と批判した。


http://jp.sputniknews.com/world/20160514/2138546.html
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ルーマニアでのミサイル防衛運用開始



アメリカとNATO北大西洋条約機構のミサイル防衛システムが、
12日木曜、ブカレストの南西180キロのところにあるデベゼル基地で、
NATO事務局長などのNATO関係者、
ルーマニア、アメリカの政府関係者の立会いのもと、運用を開始しました。



ルーマニアのヨハニス大統領は、12日木曜夕方、
NATOのストルテンベルグ事務局長と会談した後、
「ルーマニア西部のNATOのミサイル配備はどの国を狙ったものでもない」とし、
「ルーマニアは黒海におけるNATOの恒久的な駐留を求めている」としました。


さらに、NATOの加盟国に対し、更なる協力を求めました。


ルーマニアは現在、東ヨーロッパと黒海においてNATOのさらなる駐留に向け、
必要な下地を整えようとしているようです。このようなアプローチは、ロシアの不満を招いています。


実際、ルーマニアはNATOの駐留強化に向け、2つの効果的な措置をとっています。
一つはルーマニアにおけるミサイル防衛システムの配備に関するアメリカ、NATOとの合意であり、
これは2016年5月に実施されました。

ロシアは、このミサイルの配備は、
1987年の中距離核戦力全廃条約に違反するものだとしています。



この条約ではロシアとアメリカによるヨーロッパでの中距離核ミサイルの配備が禁じられています。
ロシアの関係者によれば、
ルーマニアにおけるアメリカのミサイルシステムは、巡航ミサイルを発射することもでき
このため、この基地の運用開始は、1987年の条約への違反に相当するということです。

同時にNATOは、東ヨーロッパにおける軍事駐留の強化の枠内で、
現在、黒海の駐留強化に向け、真剣な措置を開始しています。

この方向で、ルーマニア政府は、黒海にこの組織の艦隊を創設するため、
NATOと協議を行っています。ルーマニアは、2004年にNATOに加盟した
東ヨーロッパの新たなメンバーであり、アメリカ、ドイツ、イタリア、トルコの海軍が
黒海に駐留するNATOの艦隊に参加することを求めています。

この艦隊は、軍事的な組織の点で、
2年前から黒海に駐留しているNATOの一時的な艦隊に類似しています。
この艦隊の構成は、ブルガリア、トルコ、ルーマニアに最終決定権があります。

ルーマニアにおけるNATO駐留強化の問題は、
とくに東ヨーロッパでの最近の情勢、ウクライナ問題とその拡大後、注目を集めています。

ルーマニアは、ウクライナの近隣諸国であると共に、
黒海の長い海岸線を接しており、この海域において重要な国と見なされています。


とはいえ、ウクライナ問題の発生後、

ルーマニアはNATO、
特にアメリカと協力の拡大に向け大規模な努力を行い、
NATOとの複数の演習の実施は、こうした協力の重要な例と見なされます。



NATOは特にウクライナ危機の拡大後、東ヨーロッパの国々に軍事予算を増加させ、
これらの国におけるNATO軍の駐留構造を変え、再編することで、
その国の軍隊、さらにNATO軍の強化を図ろうとしています。

こうした中、こうしたNATOのアプローチはロシアの否定的な反応に直面しています。
実際、お互いを悪く見ていることから、
ロシアとNATOの対立とNATOによる挑発行為の継続は、ロシアとNATOの対立を高め、
この問題はヨーロッパの安全保障の展望を暗く、曖昧なものにしているのです。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8221
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韓国人専門家、
米国のいう「北朝鮮の脅威」は
東ジアでのMD展開を正当化するため


北朝鮮が大量破壊兵器を拡散している脅威はアジア地域全体に対する主たる脅威だ。
ケリー米国務長官は先日ホーチミン市を訪問した中でこうした声明を表した。


これについて、国際安全保障問題で著名な韓国人専門家(匿名を希望)は
スプートニク通信からのインタビューに対し、長官の声明は
米国の対中、対露戦略を反映しているとの見方を表している。

この韓国人専門家は米国にとって東アジア地域における主たる国益は
依然として南シナ海の南沙諸島周辺の状況および、
かつて欧州で行ったようにMDシステムを展開することであり続けていると指摘し、
「まさにこのために米国は北朝鮮に神経を尖らせている」と語っている。


韓国人専門家の見方では、
こうした行動の目的は東アジアには核兵器が使われうるという
仮想の脅威から守るというお題目で伸張する中国の軍事力を抑止し、
ロシアとの戦略バランスを自国にいいように変えるためにMDを創設する
ことにある。



韓国人専門家は
「米国務長官がベトナムでこのことを言ったということは、
 昨日(5月25日)の、中国が南沙諸島付近で軍事力を強化を図り続けているという
 オバマ大統領の声明から注意を逸らす必要性から説明がつく」と語っている。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160527/2202796.html

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アフガニスタンで、アメリカの戦争犯罪における免罪特権の行使




アメリカはアフガニスタンで戦争犯罪を行っても、免罪特権を有しています。

テヘラン発行の新聞レサーラットは、18日水曜の記事の中で、

アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の
 指揮官や兵士らは免罪特権を有しており、
 アフガニスタンの市民は祖国においてすら、
 アメリカ軍によって殺害された件についての
 公平な裁判を要請することができないでいる

と伝えています。

また、
「アメリカ軍はアフガニスタンへの爆撃によって、
 死傷させたアフガニスタンの人々の情報を、絶対に公表しないつもりでいる」
と伝えています。

また、アメリカ軍は毎月、アフガニスタンに対する空爆を報告していますが、
これらの報告では、爆撃場所・死亡者等の身元・死因について一切の情報が削除されているということです。

新聞レサーラットはまた、
アメリカ軍による戦争犯罪に対する免税特権の最小の結果は、
 罪のないアフガンの人々の殺害の責任が、アメリカにあると知られるのを防げることだ。

 この問題は、アフガニスタンのアメリカ軍の侵略・支配を継続させる手段となっており、
 アフガニスタンの人々から自らの運命を自らで決定する権利を奪っている


と伝えています。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8605

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アメリカとサウジアラビアに対するイエメンの抵抗




イエメン国内では、
日々高まるアメリカの干渉行為に対するイエメン国民の抗議行動が継続されています。



イエメン市民は13日金曜、同国の首都サヌアで抗議デモを開催し、
サウジアラビアが主導するアラブ連合軍によるイエメンへの攻撃を非難し、
どのような形であれイエメンにおけるアメリカの駐留は一切容認できない
と主張しました。


これらのイエメン人は、
アラブ連合軍の侵略行為に対抗するイエメン政府への支持を表明するとともに、
サウジアラビアとアメリカに反対するスローガンを書いたプラカードを掲げ、
地域におけるアメリカ政府の政策を非難しています。


これ以前にも、イエメンのシーア派組織フーシ派は、
同国領内へのアメリカの進駐について、サウジアラビアとその同盟国に対して警告し、
アメリカは自らの目的を達成するために、民衆の苦痛を利用している」と表明しました。

イエメン南部におけるアメリカ軍の駐留は、イエメンの人々や各勢力の怒りを引き起こしています。

イエメンの情報筋は数日前に、同国南部の空軍基地に
アメリカの攻撃用ヘリコプターが到着することを明らかにしていました。

さらに、およそ200名のアメリカの海兵隊員が先週土曜、
空母ルーズベルトやそのほかの戦艦6隻のアデン湾入りと同時に、
軍用車両や軍備を携えてイエメン南部の港湾都市に進駐しています。


こうした状況において、クウェートでの和平交渉に
イエメンの国民使節団として参加しているフーシ派の代表者は、
アメリカ国務省のシャノン政治担当次官との会談を拒否しました。

彼らは、この会談をボイコットした理由として、
イエメン南部に対するアメリカ軍の侵略と、中東地域におけるアメリカのマイナスの政策を挙げています。



イエメン情勢からは、サウジアラビアの支援を目的としたイエメンへのアメリカの直接的な干渉が、
イエメン国民に対するサウジアラビアの敗北のプロセスを食い止める助けには
なりえなかったことが見て取れ、このことはサウジアラビアの政府関係者が
フーシ派の位置づけを認める発言にも明確に現れています。

これについて、サウジアラビア外務省は、
公然と撤退する中、フーシ派をサウジアラビアの隣人であるとしました。


イエメンに対するサウジアラビアの攻撃の開始から1年2ヶ月が経過する中、
サウジアラビアのジュベイル外務大臣は13日金曜、ツイッター上で、
「フーシ派は、イエメンの社会の一部であり、サウジアラビアの隣人である」と語っています。

また、「ISISとアルカイダはテロ組織であり、
イエメンをはじめとする世界のいかなる地域にも存在してはならない」と述べました。

こうした中、サウジアラビアは
この1年以上にわたるイエメン攻撃の中で、フーシ派に打撃を与えようとしてきました。

サウジアラビアは、アメリカの支援を受けてほかの複数のアラブ諸国とともに、
イエメンのハーディ元大統領の復権を口実に、昨年の3月からイエメンを空爆し、
外国の傭兵をイエメンに派遣し、この国を全面的に包囲して、イエメンへの干渉を開始しました。

この軍事行動により、これまでに数千人のイエメン人が死傷しています。

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i8266
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要するに現在のオバマ政権は世界各国に軍を派遣し、
ミサイルを運び、武装勢力を支援し、正真正銘の戦争を行っているのだ。


北朝鮮や中国は核は保有しているが使用したことはないし、
ましてやイエメンやアフガニスタンで人々を惨殺してもいない。

よその国に基地をこしらえて周辺の女性をレイプしてもいない。


現在進行形で他国の人間に被害を与えているのは北朝鮮でも中国でもなく、
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、サウジアラビアなどの「国際社会」だ。


オバマの核廃絶を目指す殊勝な演説は
以上の情報を完全にシャットアウトすることで初めて感動することが出来る。




というよりもむしろ、オバマの広島訪問と平和にむけての意思表明は
これらのジェノサイドを完全に大衆の目から覆い隠してしまうために機能している



原爆ドーム前で在特会とオバマ氏来訪反対のデモ隊が衝突 
市民ら困惑「日本人として恥ずかしい」



しょせんは産経の記事だが、ほとんどの日本人がオバマを天使のように崇拝しているのは疑いない。
こういう偶像崇拝というのは、彼が黒人であるという点が大きく関わっているのではないだろうか?


どうも私たち日本人というのは現実で何が起きているのかをよく調べようともせず、
「核は絶対に悪いこと」「黒人を差別するのはとても悪いこと」というイメージにとらわれ、
「核に反対する人は絶対に正しい」「黒人には善人しかいない」という意識を抱いてはいないだろうか?


この件に関していえば、善良な市民よりも幾分保守的な政治家のほうが本質を見抜いている気がする。

政治家である亀井静香はオバマ訪問について次のようにコメントした。

「オバマ大統領が広島を訪問されるという予定がおありのようですが、
 私の姉が原爆で殺された、ということだけを申し上げるわけではありません。
 
 反省もされない、謝罪もされないのであれば、もう、おいでいただかないでほしい。
 
 それをされないで、おいでいただくとすれば、凶悪な、残虐な、
 そうした戦闘行為をした国の現在の代表が、我々の前に見世物として姿を現すのか。

 私はオバマ大統領はある部分で評価をしております。
 評価しておりますが、もし謝罪をされない、そういうことであれば、
 おいでいただくのはおやめになったほうがいいと、このように思います。

 もし、見物においでになるんであれば、大統領をおやめになられた後、おいでください。
 私も歓迎いたします。」

(http://jp.sputniknews.com/opinion/20160519/2164111.html)




実際、世界各国で武力威嚇と経済制裁を行い、中東や中央アジアで
無辜な市民を死傷させているアメリカ軍の振る舞いに沈黙しているのは
一部の右翼や自民党支持者などではなく、ほとんどの善良な日本人だ。



ほんの数日前にあった元海兵隊隊員のレイプ殺人事件のことなど
完全に忘れてしまっている彼らを見ていると、まもなく行われる参院選が非常に心配になってくる。


今回のオバマ外交については、当のアメリカ人のほうが積極的に批判を行っている。
いわゆるリベラルな学者や活動家はオバマに謝罪を求めているし、
ワシントン・ポストなどの主要メディアもアメリカの戦争犯罪について取り上げている。


これに対して我が国のメディアや知識人は、何か強力な抗議を行っただろうか?

アメリカの著名な社会運動家ノーム・チョムスキーは
国家による組織的宣伝は、
それが教育ある人々に支持されて、反論しがたくなったら非常に大きな効果を生む
と述べた。

(『メディア・コントロール』集英社、2003年)

こういう時だからこそあえて空気を読まず、文句をぶちまける。
そういう気概の有る人物は必ず存在するのだが、哀しいかな、彼らがメディアに露出する権利はない。

平和の使者オバマ、ベトナムとの友好の証として武器輸出を決める

2016-05-24 00:38:49 | 軍拡
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オバマ米大統領は、米当局がベトナムへの殺傷兵器禁輸措置の解除を決めたと発表した。


オバマ大統領は、ベトナムの首都ハノイで行われたクアン国家主席との共同記者会見で、
「私も、約50年にわたって効力を持っていたベトナムへの武器売却禁止を
 米国が完全に解除したことを発表することができる」と述べた。

米国は1965年から1973年までベトナム戦争に積極的に参加した。
同戦争は米国が支援する南ベトナムの惨敗で1975年に終結した。

近年、米国とベトナムの関係は安定した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20160523/2181667.html

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新宿でオバマ来日に反対するデモが開かれたらしい。


謝罪を行わない、要求しない日本政府および広島市の姿勢は、
オバマの形式的な反省は日米軍事同盟強化のネタでしかないことを如実に示すものだ。

その裏側で何をしているのかといえば、
友好の証としてベトナム軍に兵器を売ってやろうというもの。
もちろん、これは南シナ海や東シナ海周辺において中国をけん制するために使われる。


ベトナムではいまだに地雷が撤去しきれず、その犠牲者は絶えることがないわけだが、
彼らの声を圧殺して簡単に軍事的友好関係を築いてしまうあたり、何ともはや凄い国である。


上の記事が述べている通り、ベトナム戦争時、アメリカは南ベトナムを爆撃し、
無辜な村民を虐殺していたわけだが、これに加担していたのは他ならぬ南ベトナムの政府だった。


ベトナム戦争後、同国はベトナム共産党が統治する国家へと生まれ変わったが、
それでも当時、アメリカに追従し、同族を迫害していた連中が全て罰せらることはなかった。

言うなれば、親米という派閥がしぶとく残っており、
彼らが冷戦後、息を吹き返して覇権を握りつつあるのが今のベトナムではないだろうか。


そう思うぐらい、今のベトナムは過去の敵と簡単に結託して中国に対抗しようとしている。
中国の脅威を口実に軍拡へと邁進する。かつての敵国に謝罪を求めず傀儡に成り下がる。

あたかもベトナム政府は日本政府の双子の兄弟のようだ。


フィリピンでも、アメリカとの軍事同盟を国の裏切りとして糾弾する声があるが、
これまたフィリピン政府に黙殺され、まるでそんな声がなかったかのようにされている。


韓国でもまたしかり。沖縄もまた。


これらから感じるのは、アメリカの事実上の旧植民地(日本、フィリピン、韓国、ベトナム)が
冷戦終結後、再び傀儡国家として、つまり事実上の属国として働かされているという事実だ。


アメリカは建前では所有する植民地はフィリピンのみとしていたが、実際には
ハワイをはじめとする太平洋の島々やベトナム、韓国、日本などの諸国家を間接的に統治していた。


現地の有力者を懐柔し、彼らと友好的な関係を結ぶことで自らの存在を増していく。
ゆえに、沖縄の基地問題をみればわかるように、本来なら共に団結して基地駐屯に反対すべき
自国の政治家や評論家がアメリカの権力者と結託して、同族を非難、攻撃するような事態が生まれている。


これに対抗するには、各国の反権力者たちが国の枠を超えて一致団結することが
必要になってくると思うのだが、残念ながら言葉の問題もあり、なかなか上手くいかない。


というより、沖縄の反対運動を見ていると、
沖縄の問題はフィリピンやベトナムの問題でもあり、アジアの人間が団結してアメリカや日本、
各国の権力者と戦っていかなくてはいけないといった決意や気概といったものを全く感じない。


こういうナショナリズム的な運動がどこまで友好的なのかすこぶる疑問に思うのは私だけだろうか。

米軍男性、20代女性を暴行、死体遺棄の容疑で逮捕

2016-05-20 00:10:44 | 軍拡

「沖縄県で20歳の女性が行方不明になっている事件で、
 日本の警察は32歳の米軍関係者の男を逮捕した。NHKが伝えた。
 NHKによると、男は行方不明になっていた20歳の女性の遺体を遺棄した疑いで逮捕された。」

(http://jp.sputniknews.com/japan/20160519/2161777.html)



琉球新報によれば、この容疑者は海兵隊に所属していたらしい。
(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-282111.html)


正直、海兵隊所属と聞いて「ああ、やっぱりな」と思ってしまった。
というのも、海兵隊はベトナム戦争の時代から沖縄の女性を暴行していたからだ。


アメリカ軍の性暴力は有名な話で、
それは現地の女性だけでなく、女性兵士や男性兵士に対しても向けられている。

2003年に実施した調査では、
女性兵士のうち、3人に1人がレイプされたことが判明している。

これはアメリカで女性が暴行を受ける割合のほぼ2倍だ。
軍にいる期間が平均で2~6年であることを踏まえれば、この数字は異常である。



アフガン・イラク戦争では女性兵士も多く活動に参加したが、
彼女たちは敵兵に殺されるよりも味方の兵士に暴行を受けることのほうが多かった。

その犠牲者数は2012年の統計によれば7万人。
それも事件の多くは基地内部で起きたのである。


割合でいえば女性よりはるかに低いが、人数だけを言えば男性の被害者のほうが多い。
軍は暴力と退廃の温床となっており、米軍基地は言ってみれば、爆弾のようなものだ。



そういうわけなので、私は中国や北朝鮮の来ないとわかっているミサイルや軍隊よりも、
現在進行形で沖縄を主とした日本全国に駐屯している米軍のほうが遥かに脅威だと思っている。




http://hosyusokuhou.jp/archives/47592266.html



日本の右翼は、このような危険集団の駐留を「北朝鮮や中国が攻めて来たらどうする!」
「日本の安全保障を守るための必要!」と言った言葉をもって正当化し、
基地駐屯に反対する一部県民や社会運動家を売国奴・左翼と罵ってきたわけだが、
いざ事件が起きると自分たちの責任をきれいさっぱり忘れてしまうようだ。


上の保守速報は、容疑者をさんざんに罵倒しているが、
米兵による沖縄人女性のレイプはこれが初めてではないし、
一部県民は一貫して、このことを取り上げ、基地駐屯に反対してきた。


付け加えれば、こういう米軍を戦後70年にわたってお招きしているのが
自民党であり、大阪維新の会であり、諸々の右翼政治家なのは言うまでもない。



沖縄の反基地運動に対して

ネトウヨ「あれは本土の左翼による工作!日米同盟は必要!
     沖縄人は反日親中!サヨクがぁあああああああああ‼‼」




暴行事件に対して

ネトウヨ「許せねぇな。この犯人を死刑にしろ」






いやいや、こいつらを日本に呼んでいるのは自民党であり、
ネトウヨいわく誇り高き日本の政治家なんだけど・・・・・・


そいつらに投票したり、絶賛している自分たちの浅はかさに対して何も思わないのかと。


言ってみれば、ヤクザを招待する政治家を素晴らしい愛国者だと称えて
彼の政敵を売国奴と決めつけて執拗にバッシングしてきた連中が、
いざ事件が起きると他人面をしているわけで。本当に無責任な連中だと思う。


これに限らず、舛添知事に対しても同じ右翼であろうに、
擁護せずに叩いているのを見ると「その舛添を支持してきたのはどこの誰だよ」と言いたくなる。


自民党を支持する右翼に総じて言えるのが、問題のある人物や政党を支持し、
結果的に事件の発生に協力している事実に対してあまりにも無自覚なことだろう。


今回の事件をきっかけに、在日米軍基地に反対する声が全国化すれば良いが、
実際には、この事件は数週間しないうちに風化してしまうのだと思う。

やっぱり生きていた李永吉1(北朝鮮の処刑事情)

2016-05-18 00:06:47 | 北朝鮮
処刑と一時報道、李永吉氏が復権 北朝鮮


「李永吉(リヨンギル)・前北朝鮮軍総参謀長が、
 9日に閉幕した朝鮮労働党大会の党幹部人事で、政治局委員候補となった。
 今月10日付の党機関紙・労働新聞(電子版)は、他の党幹部とともに李氏の顔写真を載せた。
 軍総参謀長を解任された李氏は、復権した扱いになっている。

 李氏をめぐっては2月、解任、処刑されたとの情報が流れた。
 朝日新聞は2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。

 韓国政府がこの情報を報道陣に提供していたことが明らかになっており、
 統一省報道官は11日の記者会見で、処刑については誤りだったことを事実上認めた。(ソウル)」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12356024.html?rm=150

北朝鮮に関する情報のほとんどは韓国政府や人権団体(笑)を経由したものであるが、
後に誤報とわかることが非常に多い。


例えば、金正恩の元恋人が処刑されたというニュースが以前、流されたことがあったが、
これは後に誤報であり、処刑どころか逮捕すらなかったことが明らかになっている。


他にも金正恩の髪型そっくりにしないと罰せられる、あるいは流行しているというニュースもあったが、
あの髪型をした男性が写っている写真は今のところ一枚も存在しない。
(短髪にせよという命令が誇張されたデマだと私は考えている)


これに加えて居眠りをしただけで殺されたとか亀の世話を怠ったから殺されたとか
常識的に考えてありえない話が日常的に大量発信されていて、
これらが嘘だとわかっても、これといった反省をしない。



吉田記者の慰安婦報道誤報に関して、あれだけ各メディア、政治家、知識人が
顔を真っ赤にしてギャーギャーほざいていたのに対して



北朝鮮の報道に限っては誤報だとわかっても特に気にしない。


朝日新聞は
「2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。」
と一言、添えただけで終わらせているが、これは同紙の信用に大きく関わる問題である。


というのも、朝日新聞は問題の記事でこういう文章を書いていたからだ。




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軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か


北朝鮮の李永吉(リヨンギル)・軍総参謀長が今月初め、処刑された。


複数の北朝鮮関係筋が明らかにした。


権力乱用や分派を作った容疑がかけられたという。
北朝鮮軍高官の処刑は、昨春の玄永哲(ヒョンヨンチョル)・人民武力部長(国防相)以来。
南北は軍事的に緊張しており、韓国政府も処刑が北朝鮮軍に与える影響について注視している。

李氏は金正恩(キムジョンウン)第1書記への忠誠心競争で高い評価を受けてきた。

容疑は名目的で、野戦司令官出身の李氏が
朝鮮労働党による軍の統制強化に不満を持っていたとの見方が出ている。


正恩氏は今月初めに開かれた党と軍の合同会議で
「軍はひたすら最高司令官(正恩氏)が示す方向へ進むべきだ」と演説。

李氏は会議の前後に処刑された可能性が高いという。
後任の総参謀長に、故金正日(キムジョンイル)総書記の側近で、
総参謀部作戦局長や人民保安部長を務めた李明秀(リミョンス)氏が起用されたとみられる。

正恩氏は権力を継承した2011年末以来、100人以上の高級幹部を処刑したとされる。
特に肥大化した軍の権力を警戒。軍の戦略部門の責任者である総参謀長、
補給や行政を担う人民武力部長、党の立場から軍を監視する総政治局長を次々に更迭してきた。


北朝鮮は今年、核実験や長距離弾道ミサイルの発射などを実施。
今後、国連による制裁決議や米韓合同軍事演習が予定されており、南北関係はさらに緊張する見通しだ。
李永吉氏は軍の統率力にたけ、政治的な思惑より軍事作戦を優先する原則主義者として知られ、
今回の処刑で軍内部の不満が高まるとの見方もある。

一方、韓国の専門家
「金正恩はむしろ、(南北の緊張が高まり)団結が求められる時期の方が
、処刑に対する軍の不満を抑えやすいと判断した可能性がある」と語った。

(ソウル=牧野愛博

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12204295.html?_requesturl=articles%2FDA3S12204295.html&rm=150
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通常、新聞記者は取材の際に裏を取る(情報の真偽を確認する)義務がある。


第3者が後で検証できるように、どこの誰が話した(書いた)ことなのか
データの出所を明確に示すというものが書き手のマナーの中にはあると思うのだが、
これが北朝鮮の報道となると例外扱いになる。



「複数の関係筋が明らかにした」「韓国の専門家は~と語った」とあるが、
 報道がまるっきりのデタラメであることが判明した今、同記事を書いた
 牧野愛博記者は少なくとも

 ①複数の関係筋とは誰のことか
 ②そもそも、本当に取材を行ったのか
 ③別の事件の信ぴょう性は確かなのか


以上3点について、ハッキリさせるべきだろう。

[ニュース分析]「李永吉処刑説」流布し言い逃れる大統領府と国家情報院

韓国紙ハンギョレは、この問題を重要視していて、入念になぜ誤報が流れたかについて検討している。
それによれば、この報道は韓国政府が同国の情報機関である国情院を通してメディアに伝えたものらしい。



つまり、牧野記者が複数の関係筋に直接取材せずに、
韓国政府が記者を集めて発表した内容をそのまま確かめもせずに報道した可能性は非常に高い。



複数の人間から裏を取ったかのように記述し、
専門家も事実と認めているかのように語る牧野記者のやり口は非常に悪質で、
事実を正確に伝えようとするよりも、権力側の主張や印象を流布することに執心したものになっている。


ハンギョレは次のように語る。


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李永吉処刑説をはじめ、最近になって「関連機関の情報」として内容を流す例が現れている。
中国の北朝鮮式レストラン従業員の集団脱北の時も同じだった。

こうした時、
「関連機関」とはほとんど例外なく国家情報院を指す。



~中略~

「李永吉処刑説」誤報事態は開城工業団地の閉鎖と無関係ではない。

開城工業団地閉鎖決定によりまき起こるやも知れない世論悪化を
「暴悪な北朝鮮政権の不安定性」を拡大再生産することによってぼかそうとした公算が高い。

~中略~


朴槿恵大統領の“長期に亘る”北朝鮮崩壊論の認識が
「情報失敗および不正乱用」事態の構造的原因だ
という指摘が多い。

政府部内で北朝鮮情報を扱った経験が多いある関係者は

情報機関の実務者は情報でイタズラをすることはない。
 情報失敗と言われる事例の大部分は、
 最高権力者とそれに媚びた部や室が
 国内政治目的で「北朝鮮問題」を活用しようとして招いた惨事


と指摘した。

大統領府をはじめとする朴槿恵政府は、
今回の「李永吉情報の失敗」を重大な反省の契機にしなければならないという声が強い。

元政府幹部は
「張成沢(チャンソンテク)、玄永哲(ヒョンヨンチョル)、李永吉など
 北朝鮮の軍・党高位幹部の粛清または処刑を
 金正恩政権の不安定性と崩壊の兆しだと解釈したい朴槿恵大統領の偏向した認識が問題
」として

「政府が処刑されたと事実上発表した李永吉が堂々と生きているということが確認された今回の事態は、
 朴槿恵政権の対北朝鮮政策と関連して深い省察の必要性を雄弁に語る重大な情報失敗・誤用事例
と話した。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24120.html
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情報失敗と言われる事例の大部分は、
 最高権力者とそれに媚びた部や室が
 国内政治目的で「北朝鮮問題」を活用しようとして招いた惨事



この言葉は日本のメディアや知識人にもそっくりそのまま当てはまるだろう。
ハンギョレもあまり良い新聞とは良い難いが、それでも今回の誤報の問題性、
すなわち、韓国政府に追従して北朝鮮を生贄にしようと画策するメディアの有り方を強く非難している。


対して、朝日新聞は・・・






朝日
「李氏をめぐっては2月、解任、処刑されたとの情報が流れた
 朝日新聞は2月11日付国際面に「軍総参謀長を北朝鮮が処刑 分派容疑か」の記事を掲載した。」






情報は流れたのではない。流したのである
他ならぬ朝日新聞が。



この程度の反省で済ませてしまう朝日新聞は
現在、北朝鮮関連の記事を概ね牧野記者にまかせっきりにしている



過食130キロ・「処刑してやろうか」…不安募る正恩氏


これは李永吉処刑説が流される前に書かれた記事であるが、執筆者は同じ牧野記者で、
北朝鮮の内情を知る専門家らによると、ストレスを抱えた正恩氏の振る舞いは内部を混乱させている」
という記述がある。


実は、この記事で書かれた内容(専門家らによると~混乱させている)は
他の記者や評論家も、あたかも自分が直接、専門家とコンタクトを取り、取材を行ったかのように
書いているので、李永吉処刑説と同様に、政府が流した情報をそのまま伝えている可能性が高い。


新聞記者という存在は、本来、政府側の言い分が確かかどうか検討するためにある職業だが、
現実では韓国政府経由の情報を事実確認せず、拡散する記者が野放しになっているわけで、
もっとわかりやすく言えば、素人が書いた記事を売っている

誰かの言い分をそのまま伝えるだけなら、録音機さえあれば子供でもできる


これは日本の新聞記事の信ぴょう性を大きく揺るがすものだと感じるし、
だからこそハンギョレは国内のメディアの有り方も兼ねて記事を書いている。



李永吉軍総参謀長を処刑か 今月初め「分派活動と権勢汚職」嫌疑


北朝鮮、総参謀長を処刑か…恐怖政治浮き彫りに


もっとも、読売や産経に至っては訂正記事すら書いていないので、朝日はまだ良心的なほうだ。


朝鮮新報は、今回の誤報について「処刑説で赤っ恥」という記事を載せたが、
産経や読売、朝日、加えてデイリーNKなどのメディアは誤報を流した自社の
社会的責任について深く考えないので恥すらかかない。こういうのを厚顔無恥と呼ぶ。


これは今に始まったことではなく、北朝鮮しかり中国しかり韓国しかりロシアしかり、
日本のメディアの国際ニュースはいい加減すぎるし、その問題が深く問われることもない。


嘘を書いてもOKという風潮が当たり前のようになっているのは凄まじい状況だと思うのだが、
本来なら強く批判すべき社会学や政治学、あるいは左翼団体の関係者が
これについて特に気にしていない。

あるいは気にしている人間がいても、彼らには発信する手段がない。
(発信していても、ごく少数の人間にしか読まれない)


・追記
 ついでに言えば、牧野記者は文春新書から
『北朝鮮秘録 軍・経済・世襲権力の内幕』という本を売り出している。


 朝日は左翼というイメージをネトウヨは流しているが、
 近年、朝日の記者は文春や祥伝社などの右派系出版社から本を出版しており、
 その主張も姿勢も読売や産経と大差ない。
 
 牧野記者が3流記者で偶然、記事を書いたのであれば、まだ救いの余地があるが、
 実際には、こういう記者が1流として、それなりのポジションで飯を食っている状態。


 嘘をつくことが金になるようになっている現状、
 洋書やインターネットによる外国発信の情報を得られない人間が
 国際政治について理解することは非常に難しくなっているのではないかと思われる。

オバマ広島訪問の真の狙い

2016-05-12 22:05:37 | 軍拡
オバマ大統領の広島訪問が新聞、テレビでもてはやされている。
前回のオバマ来日の際も、まるで王様が来たかのような歓待を受けていたが、
その裏側で日米の軍事協力体制が更に強化されたことにも目を向けなければなるまい。

メディアでは平和のための第一歩だという評価がされている。

[毎日新聞] 米大統領広島へ 訪問の英断を評価する (2016年05月11日)

[朝日新聞] オバマ氏広島へ 安全な未来への一歩に (2016年05月11日)


[読売新聞] オバマ氏広島へ 犠牲者を日米で追悼する機に (2016年05月12日)

[東京新聞] オバマ氏広島へ 核なき世界へ道筋を (2016年05月12日)



実際には、今回のオバマ訪問は日米間の更なる軍事協力を確実にするために行われるものだ。
この点を、産経新聞の青木記者は素直に認め、以下のような記事を載せている。

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日米関係の深化を求めるメッセージと素直に受け止めよ 
最後の訪日、用意周到に「歴史問題」解消狙うオバマ氏



今回、踏み切った背景には主に、2つの思いと狙いがある。

1つは2009年、プラハ演説で打ち出した「核兵器なき世界」への執着だ。
北東アジアが深刻な北朝鮮の核開発問題を抱える状況下で、
「最初に核兵器の犠牲になった広島」(アーネスト大統領報道官)を訪れ、
オバマ氏の信念を再表明することは、道半ばの核軍縮と核不拡散を後押しするうえで意義が大きい。


もう1つは、「大統領として日本を訪問する最後の機会に、
日米関係がさらに良くなる努力」として、広島訪問を位置づけている。 

戦後70年以上が経過してもなお、米国の広島、長崎への原爆投下は、
日米間のいわば「歴史問題」として、トゲのように突き刺さったままだ。

オバマ氏は、米国内に根強くある原爆投下への正当論などに留意し、
用意周到に「謝罪の旅」と受け取られることを避けつつ、
原爆死没者を慰霊し世界の恒久平和を祈念することで、日米のトゲを少しでも引き抜こうとしている。

これはアジアにおいて、日米同盟が、平和と安定の基軸であると
認識していることの証左だといえよう。日本は訪問を、日米関係の深化を求める
オバマ氏のメッセージとして、素直に受け止めるべきだ。(ワシントン 青木伸行)


http://www.sankei.com/world/news/160510/wor1605100049-n1.html

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アメリカの核実験の継続

アメリカの放射能被害による犠牲者は、戦死者の数倍


そもそも、世界で最も多く核兵器の実験を行っているのはアメリカだ。
その回数は1000を超え、これまでに世界中で行われた核実験の半数を占めている。

この実験によって、第5福竜丸の船員をはじめとして多くの人間が犠牲となっているが、
これに対してもアメリカはこれまで責任を持とうとしてこなかった。今後もしないだろう。


それだけでなく、アメリカはブッシュ政権以降、積極的に核開発を進めてきたし、
それは単なる新兵器の開発ではなく、北朝鮮などの敵国を先制攻撃の対象とするものであった。


このスタンスは今も変わっていない。
次の記事は半年前の2015年11月に書かれたスプートニク紙の記事である。


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米国、核実験を実施

米国は核爆弾B61-12の実験の3度目の、最終ラウンドを実施。
これは核弾頭の寿命延長計画プログラム(Life Extension Program, LEP)にのっとって行われたもの。

米国家核安全管理局の広報部は17日、記者団に対し、実験はネバダ州トノパフ射撃場で行われ、
その枠内で米空軍機F-15Eがネリス基地から発進し、射撃場の領内に爆弾を投下したことを明らかにした。

~中略~


B61-12は米国の戦略核軍備の主要な熱核兵器。

この爆弾は超音速機をはじめとする航空機での輸送用に作られており、平均重量はおよそ320キロ。
2013年、米国防総省は議会に対しこの爆弾の刷新に110億ドルを要請していた。
だが当時議会はこうした巨額の支出に断固として反対。
議会がこれを承認すれば、プログラムの完全遂行は2021年にとなる見込み。

ロシアの戦略景気センターのイヴァン・コノヴァロフ所長は、
米国の新たな核爆弾の実験から、米国は核兵器の開発を続行する構えであることが裏付けられたとして、
米国はこの爆弾の刷新を12回行っている。これはこの兵器を退けるつもりはない証拠」と語っている。

退役陸軍大佐で軍事専門家のヴィクトル・リトフキン氏も、
米軍の核実験は必要性から行われているとして、次のように語っている。


「核爆弾は博物館に展示するために作られているのではない。必要とならばこれは使用されるのだ。
 米国防総省は2020年までに米国ではこうした兵器の大量生産が始まるという声明を既に表しており、
 B62-12は今イタリア、ベルギー、オランダ、トルコ、ドイツにあるより古い爆弾を交換される。

 この核兵器を用いることがでくるのはNATO諸国の航空機もそうで、米国にとどまらない。

 これはすべて核不拡散条約に大きく違反した行為だ。

http://jp.sputniknews.com/us/20151118/1187018.html
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今回のオバマ訪問は、このような核戦略の上にあるものだ。

アメリカはイランや北朝鮮のような敵国には経済制裁をしてまで核兵器を廃棄しようとするが、
自国や同盟国、イギリスやフランスの核保有に対しては全くといっていいほどノーリアクションだ。

なお、イランに対しては持っている「かもしれない」というだけで経済制裁が下された

今年4月のG7外相会議の席でも、ケリー国務長官は
核兵器は禁止されなければならないが、
 それは抑止力を低下させることで世界がより危険になるようなやり方ではなく、
 より安全になると認めうる形で進められなければならない
」と言明している。


単刀直入に言えば、アメリカは敵国の核兵器は廃絶したいが、自国の核開発をやめるつもりはない。


それゆえに、今回のオバマ大統領の行動はアメリカ国内からも欺瞞だと非難されている。


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アメリカ・シカゴのラジオパーソナリティで作家のスティーブン・レンドマン氏が、
「オバマ大統領が核兵器の反対者を自称していることは、
 恥ずべき嘘以外の何ものでもない」

としました。

世界最大の核兵器庫を保有している
アメリカの国家安全保障政策は、
核兵器によるいわゆる先制攻撃の許可を出しています。


レンドマン氏は10日火曜、プレスTVのインタビューで、
「これはブッシュ政権時代の政策だった。
 オバマ大統領の国家安全保障政策は、ブッシュ氏がとったまさにその政策に基づいている
と語りました。

さらに、
「オバマ大統領が広島を訪問し、アメリカの平和と安定の責務を示すという構想は、
 合衆国の政策とは真逆のものだ」としました。

アメリカ政府は、9日月曜、「オバマ大統領は、
G7・先進7カ国の首脳会議に出席するために日本を訪れる中で、
5月27日、広島を訪問し、原爆ドームを視察する」としました。

アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官が、
アメリカ大統領の広島訪問は原爆投下の謝罪を意味しない」としました。

アーネスト報道官は、10日火曜、
「オバマ大統領は、1945年の核攻撃は正当な理由で行われたと考えている」と述べました。

さらに、「オバマ統領は、トルーマン大統領が正当な理由で原爆の使用を決定した。
それは恐ろしい戦争を終わらせるためだったと考えている
」と述べました。

http://parstoday.com/ja/news/world-i8110
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前述したように、アメリカの核先制攻撃の対象にされているのが他ならぬ北朝鮮だ。

北朝鮮は、このことを強く非難している。北朝鮮の核開発には猿のように発狂する一方で、
そもそもの原因を作ったアメリカの核兵器には一切、非難の声を挙げず、
それどころかアメリカの原爆投下を事実上、免罪しようとする日本の態度は異常である。


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官房長官「歴史的機会に」 オバマ氏の広島訪問

菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、オバマ米大統領の広島訪問が決まったことについて
「核兵器のない世界をめざす国際的機運を盛り上げる上で、
 極めて重要な歴史的機会になる。政府として心から歓迎する」と述べた。

「被爆者の方々の強い思いは、惨禍を二度と繰り返さないことにあると考えている」とも語り、
オバマ氏に原爆投下への謝罪を求める考えはないとした。

長崎を訪問しないことに関しては
「広島訪問は被爆の犠牲者を追悼し、被爆の惨禍を繰り返さないとのメッセージを発信するためだ。
 長崎で被爆に遭った皆さんにも通じると考えている」と語った。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H0K_R10C16A5MM0000/
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要するに、謝罪しなくても良いからという日本政府の言葉を受けて、訪問が決まったに過ぎない。

これは原爆投下に対してアメリカが法的責任を負わないこと、すなわち、
原爆投下は日本の自業自得であり、これに対してアメリカが責任を感じる必要はないという
アメリカ側の解釈を「仰る通りでございます」と了解したことを意味する

これのどのへんがグッドニュースなのか、さっぱりわからない。


歴史研究の結果、広島原爆投下は単純に莫大な予算をかけて開発した原子爆弾の成果を確認する、
つまり単なる実験のために行われたこと、加えてソ連をけん制するために投下したことが指摘されている。


14万もの人間がモルモットのような感覚で殺されたわけだが、
これに対して「謝罪する必要はない」「責任はない」と考える米政府のどこが偉いのだろう?



加えて、このような「平和主義」と並行して、
アメリカ軍が今、世界で何をしているのかについても考えなくてはなるまい。




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アメリカが、シリアで活動するテロリストに化学兵器を供与

メリカの政治専門家ジェイムズ・ジュトラス氏が、
アメリカとその同盟国は、シリアで活動するテロリストたちに化学兵器を供与しているとしました。

ジュトラス氏はプレスTVのインタビューで、
化学兵器禁止機関がテロ組織ISISの化学兵器製造に真剣に対処しない理由は、
一部の大国が自分の利益を危険に晒さないためにこの機関に影響力を及ぼしていることにある」と語りました。


ジュトラス氏はまた、
「化学兵器はISISだけでなく、シリアの他のテログループの手にも渡されている」と強調し、
「西側諸国は、化学兵器不拡散に向けた対策において、好ましい行動をとっていない」と述べました。


2013年、アメリカのオバマ大統領
シリア政府に対し化学兵器兵器の使用という偽りの疑惑を提示することで、同国を軍事攻撃しようとしました。



http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i7819
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イラン革命防衛隊 ペルシャ湾における米海軍のプレゼンスは「絶対悪」

イラン革命防衛隊は、国の入り口付近に米国艦船がしばしば出没することに関連して、
不安感を表明し、米艦船の存在について「絶対悪」であると呼んだ。


これはイラン革命防衛隊の海軍兵団を指揮するアリ・ファダヴィ提督が、
テレビIRINNの夜の番組に出演したさい述べたものだ。

ファダヴィ提督は、次のような見方を示した-

米国は、自分の同盟国と共に、ペルシャ湾水域に存在している。
 それ故、この水域の軍事状況は、平穏で自然なものとは程遠い


 現在水域には、60隻を超える軍艦が存在しているが、
 その大部分は、米国、フランスそして英国のものだ。



http://jp.sputniknews.com/world/20160511/2114817.html
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南シナ海への米艦の侵入に、中国が抗議

中国が、南シナ海へのアメリカ艦船の侵入に強く抗議しました。

中国・新華社通信によりますと、中国外務省の陸慷(りく・こう)報道官は10日火曜、
「アメリカの艦船が中国政府の許可なしに、
 南シナ海の南沙諸島の近海を航行したことは違法行為である」と語っています。

同報道官によりますと、アメリカのこの行動は
中国の領土保全や安全を脅かし、地域の平和と安全を損ねるものだということです。

陸慷報道官はまた、
「中国は、自国の領土保全と安全の維持の枠組みでの努力を継続する」と強調しました。

アメリカ国防総省のアーバン報道官は10日、
「南シナ海で、アメリカのイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスによる
 航行の自由作戦が実施され、この駆逐艦は中国が主権を主張する人工島から12海里内にまで接近した」
と語りました。

中国は、これまでに繰り返し、南シナ海での「航行の自由」作戦への反対を表明しています。


http://parstoday.com/ja/news/world-i8095

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~北朝鮮の核開発&オバマの広島訪問について~

日本のメディア右翼&左翼

「金正恩は核挑発をやめろぉおおお!!!!
 オバマは平和の使者ぁああああああ!!!!」





~アメリカの核実験&テログループへの化学兵器供与&シリア侵攻未遂について~


 完全に黙認無視





このように核以外に目を向ければ、今回のオバマの訪問は非常に政治的・軍事的なもので、
先の慰安婦問題における日韓の形ばかりの妥結と同じく、今後の戦争を円滑に進めるためのものでしかない。


慰安婦合意の裏で「均衡外交」の代わりに韓米日同盟強化
[社説]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために
[記者手帳]「平和の広島」に向けたオバマ大統領と安倍首相の歩み

韓国には、慰安婦合意のような妥結の真意は軍事同盟の強化だと看破する声があり、
彼らの中には今回の広島訪問も同じ文脈で行われるものだと認識する者も多い。

それに対して、日本ではオバマの広島訪問に対して平和のための第一歩だとして、
それなりの数の平和主義者が浮かれ騒いでいる。この違いは一体何なのだろうか。


中途半端な平和主義者ほどファシストに都合の良い敵はいない。


こうした団体や運動家の中には、反核=正義、反反核=絶対悪という
単純な世界観を抱いている人間が少なくなく、彼らは支配者層の目論見通りに
核兵器を維持し続ける敵国(ロシアや北朝鮮、中国)を非難・攻撃する先兵になっている。


(他方で同盟国であるイギリスやフランスの核保有、テロ支援に対する非難はまれだ)


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日本は正しくない 世界を脅かすのは原爆にあらず、世界制覇を狙うマニヤックだ


国連総会は核兵器廃絶を呼びかける日本発案の決議を採択した。
だが世界が実際に核兵器を廃棄した場合、より安全になるのだろうか?


~中略~

米国はロシアとの境界線にますます新型の兵器を配備している

それ以外にも米国は、ロシアの大陸弾道ミサイル発射装置、
軍事施設、産業の中心地に対する、巡航ミサイルによる電光非核集中攻撃コンセプトを採択した

それからさらに米国はロシアと国境を接する諸国で、
民主主義を推し進めるという旗印のもとにその秩序かく乱を行ない、
ロシアが米国の標準に即し、米国の助言や直接的な指令を遂行しようとしないとして、
これに対する制裁を発動している。


米国は、ロシア領内をも含めて、
そこにイスラム帝国復興を標榜するダーイシュ(IS,イスラム国)などのテロ組織を
自国の連合国のうち数カ国が、例えばトルコやカタールなどが支持することには少なくとも目をつぶっている。


そうしておきながら米国は、ロシアが勝手にテロリストと戦おうとしているといってはこれを非難し、
ロシアが共に力をあわせて戦おうという呼びかけても、これを退けている。


オバマ大統領は、米国こそが地球で唯一のリーダーであり続けねばならないと主張し続けており、
米国の首位に疑念を持つもの全ては人類の敵と見なしている。

そうでありながら、おわかりだろうが、米国も原爆を手放す気はないのだ。

日本よ、世界に対し、核兵器廃絶を訴えるかわりに連合国、米国に向かって
世界の排他的リーダーシップを要求することをやめるよう呼びかけたほうが、より現実的ではないだろうか?


http://jp.sputniknews.com/opinion/20151208/1288606.html 
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客観的に見れば、アメリカに先導される国際社会は
表面的には非核をうたってはいるが、実際には敵国への更なる軍事干渉を計画しているわけで、
大国の代表者の広島訪問は、軍事協力を強化するためのものでしかない。


現状、日米を主とする大国の反核運動は、
自国のイメージをアップし、敵国のイメージをダウンさせるプロパガンダとして機能しており、
同時に自国の軍拡、挑発行為、軍需産業の維持、テロ組織への支援をごまかすための隠れ蓑となっている。




このパフォーマンスは、それなりの効果を発揮していると言えよう。

ほとんどの日本人は、先制攻撃を行わない・非核化にむけて努力すると語る
北朝鮮や中国は国際平和に挑戦する悪しき帝国であり、彼らの言葉を信じてはならないと考えているし、
他方で、これらの国々に武力挑発を日常的に行い、先制攻撃のための核開発に勤しんでいる
アメリカの政治パフォーマンスに対しては「平和にむけての前進」と大絶賛している。


こうして「平和国家日本」という現実とはかけ離れたイメージが作られていく中、
アメリカや日本に逆らう国は絶対悪なのだという独善的な考えが当たり前のものになり、
彼らが自国を攻めてくるという妄想が日本の軍国化を強力にアシストしている。

北朝鮮党大会に関する朝日新聞のプロパガンダ記事

2016-05-09 00:12:29 | 北朝鮮
現在、北朝鮮では何十年ぶりの党大会を開催しているが、
これに伴い、国外のジャーナリストを招致し、自国のアピールに奔走している。

せっかくの訪朝のチャンスなのだが、日本のメディアは直接平壌に行こうとしない(※)。
代わりにいつも通りの韓国経由の北朝鮮バッシングに熱中している。

朝日新聞を例にすれば、文春新書から自著を出すようなバリバリの保守記者、
牧野愛博氏が「正恩氏、非核化を再び否定「責任ある核保有国」 党大会」という記事を書いているが、
もちろん、ここに書かれているのは海外メディア経由のもので、まぁ推して知るべしである。


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正恩氏が示した戦略は、個人独裁を含む従来の北朝鮮の路線を正当化し、継承することを訴えている。
核や弾道ミサイルを放棄し、武力挑発をやめるように求めてきた国際社会の反発を呼びそうだ。

正恩氏は5カ年戦略について「人民経済発展のための段階的な戦略」とし、
電力の充実や農産物の増産などを指示したが、具体的な数値目標には触れなかった。

正恩氏は外交や安全保障分野で「米国による核戦争の危険を、強力な核抑止力に依拠して終わらせる」と主張。
「責任ある核保有国」という言葉を使い、核を放棄する考えが全くないことを改めて強調した。
「実用衛星をさらに多く製造し、打ち上げるべきだ」とも訴えた。

正恩氏は、韓国に南北関係の改善を訴えると同時に、
米国に「朝鮮半島問題から手を引くべきだ」と主張した。
米韓は、北朝鮮が非核化に向けた具体的な態度を示すよう求めており、正恩氏の主張に強く反発しそうだ。

また、正恩氏は、日本に対して「朝鮮半島に対する再侵略の野望を捨て、
わが民族に犯した過去の罪悪について反省、謝罪し、朝鮮の統一を妨害してはならない」と強調した。

朝鮮労働党大会は8日も平壌で引き続き、開かれている模様だ。(ソウル=牧野愛博)

http://www.asahi.com/articles/ASJ5833W9J58UHBI008.html
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同じことをスプートニク紙やPars todayが伝えるとこうなる。


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北朝鮮の金正恩第1書記は、北朝鮮は核不拡散の義務を遂行し、
世界の核ポテンシャルの拡大に終止符を打つために努力すると発表した。

8日、ロイター通信が、朝鮮中央通信を引用して伝えた。


また金第1書記は、北朝鮮の主権が侵害された場合には核兵器を使用すると述べた。

第1書記は、次のように指摘した-

核兵器を保有する責任ある国として、我が共和国は、
 侵略的な敵対勢力が核兵器を用いて我々の主権を侵害しない限り
 核兵器を使用することはない。


http://jp.sputniknews.com/politics/20160508/2101820.html
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北朝鮮第1書記、世界の非核化と韓国との関係改善を強調



北朝鮮のキムジョンウン第1書記が、「北朝鮮は核兵器を使用しないだろう」と表明しました。

中国・新華社通信によりますと、
北朝鮮のキム第1書記は、8日火曜、朝鮮労働党大会で、世界の非核化を求めました。

キム第1書記はまた、「北朝鮮は侵略を受けた場合にのみ、核兵器を使用するだろう」と語りました。

さらに、
「北朝鮮は大量破壊兵器の拡散防止を遵守しているとともに、
 この実現に向けて、全力を注ぐことになるだろう」としました。

キム第1書記は、演説で、祖国統一は朝鮮労働党にとって特別な重要性を帯びており、
韓国との関係改善を進める必要があるとしました。

また、南北朝鮮の双方の尊重、双方の関係における新たな時代を作るための共通の努力、
祖国統一キャンペーンの支援、これらは韓国との関係改善に必要だと述べました。

さらに、韓国との全てのレベルにおける話し合いの継続を求め、
両国関係は根本的に改善されるべきだと強調しました。


韓国の政府高官は匿名で、キム第1書記の世界の非核化に関する表明はあまり重要でないととしました。

北朝鮮は6日金曜、36年ぶりに行われた朝鮮労働党大会の開会に際して、
敵対を停止するための平和条約の締結を求めました。

http://parstoday.com/ja/news/world-i7825

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一応、確認しておくと、北朝鮮は非核化にむけた具体的な態度をすでに示している。
米韓軍事演習の中止を条件とした核開発の停止、平和条約の締結だ。
この提言を米韓が毎回、難癖をつけて却下し、軍事演習に固執してきたのはすでに伝えた通り。

日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

牧野氏の報道では、事実関係が逆転している。
北朝鮮は挑発しているのではなく、警告しているに過ぎない。


Pars todayでは、金正恩が韓国との対話による解決を求めていることを率直に伝えているが、
朝日新聞の記事では「韓国に南北関係の改善を訴える」と表現し、対話を求めているという
肝心かなめの部分を削除している。


牧野記者は意図的に北朝鮮が暴力的な国家であるというイメージを拡散させるために
「北朝鮮は核兵器を使用しないだろう」と明言された点には一切触れずに
「北朝鮮は侵略を受けた場合にのみ、核兵器を使用するだろう」という部分を曲解して
「核を放棄する考えが全くないことを改めて強調した」と記述する。実に悪質な記事である。


朝日新聞の記者は前々から保守系出版社から本を書いていたし、
朝日の右傾化は10年前から昔の読者から指摘されていたことである。

とはいえ、ここまで事実を捻じ曲げて報道されると、その合法詐欺ぶりに驚きあきれてしまう。
北朝鮮を非難するのは勝手だが、そのやり口が汚すぎる。せめてフェアな態度で臨んでほしいものだ。


※追記

もっとも、すべてのメディアが訪朝していないわけではない。
テレビ局の中には直接、取材を行っているチームもある。

北朝鮮の朝鮮労働党大会

2016-05-07 00:11:21 | 北朝鮮
朝鮮労働党大会が36年ぶりに開かれた。この大会は9日まで続く模様。
金正恩政権になってから北朝鮮では次々と新しい政策が行われている。今大会もその一環なのだろう。


モスクワ国際関係大学国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イワノフ氏は
この大会が党内の保守派をけん制し、さらなる改革を行うため開催されたと指摘する。


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北朝鮮は国際的な孤立状態から急速な勢いで抜け出ようとし始めた。
こんな北朝鮮と外交関係を樹立しようという国は西側諸国のなかに出始めた。

とはいえ、当時、ジョージ・ブッシュ政権の米国がこうしたプロセスを激しく阻害したのも事実である。
というのもブッシュ大統領を取り巻く補佐官らは北朝鮮問題は交渉ではなく、
喉元を絞めあげる制裁を用いて解決すべきと考える者らばかりだったからだ。

米国側からの非難は改 革に反対する北朝鮮エリートの保守層の影響力を強めてしまい、
おそらくはこうした者らとの戦いに疲れ、金正日氏は死期を早めてしまったのだろう。
2011年12月にこの世を去った。

ところが、国内の改革反対者の抵抗、米国のあからさまな敵意、
保守が政権に返り咲いた韓国の、どう考えても利口とは言えない政策にもかかわらず、
政権を引き継いだ金正恩氏は改革に新たな弾みをつけた。

こうしたことは、スイスのエリート校で学んだこの人物からは十分期待できたことだった。

かくて北朝鮮のバラエティーショーのステージには、
以前なら『米国帝国主義』のシンボルとして禁じられていたミッキーマウスやミニー、
西側のスケールからしてもあまりにも短すぎるミニスカートをはいた少女歌手が登場しはじめる。

また北朝鮮経済には成金が出現した。この成金らは一見、『役人』の仮面を被っているが、
実際は自前の工場や企業を持つ、れっきとした経営者だ。

一言で言うならば、北朝鮮は変わりつつある。

この国は民主主義の輸出国である米国のずたずたにされた
ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタン、リビアのような悲惨な運命を繰り返さないために、
軍備に途方もない経費を費やさざるを得ないものの、それでも新たな経済を築こうとしているのだ。



この路線を揺ぎ無いものとするために金正恩氏は今、大会を必要としている。

若い指導者は西側からの多大な圧力に抗し、保守派の改革反対を克服するために
与党政権党の党員らの支持を取り付けたいと望んでいる。

この試みが吉とでるかどうか。ピョンヤンへ赴き、大会の様子を見てみようと思う。


http://jp.sputniknews.com/opinion/20160428/2042507.html
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当たり前の話だが、朝鮮労働党も組織である以上、内部には派閥が存在する。

アマ・プロ問わず日本の北朝鮮専門家は、総じて北朝鮮が独裁国家だと吹聴するが、
実際には複雑な対立構造があり、この点に注目しないと眼前の現象が理解できないと思う。


一言でいえば、
北朝鮮は日本と同じ国家であり、私たちとさして変わらないという認識が日本人専門家にはない。

日本やアメリカとは絶対的に違う国なのだという先入観がある。
そのため、次のようなレポートを書くことはないし、プロパガンダとみなして無視してしまう。

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平壌に変革の兆しがあることは「肉眼でも」明らかだ。

この4年間で平壌に新たな空港ができた。
質的にソウルの「仁川」、東京の「成田」、北京の「北京首都」空港に並ぶものだ。
また、30-40階建ての住宅が立ち並び、そのモダンなデザインで目を楽しませている。
また、学者や文化人を中心とした新たな入植者数千人も喜びの種だ。


同じ期間に平壌を走る車の数が何倍にもなり、その大半が国産モデルだ。
高級ジープなど日本車も目に付く。商店やレストランの数も増えた。

路上で人々はもはや外国人を敬遠せず、今や喜んで、
大会の取材に平壌に集まった外国人ジャーナリストのインタビューに応じている。



たとえば80歳ほどの老人が米国テレビの取材に答え、
北朝鮮人はもはや米国を敵視していないが、一方でワシントンを破壊することができる
核ミサイル兵器の開発を通じて防衛能力を向上させる朝鮮労働党の路線を熱く支持している、と語った。


一方、胸につけたバッジに金正日の肖像画が見えるこざっぱりした上着を着た若い男は、
大会後、北朝鮮はより豊かで強力になるだろうとの確信を語った。

大会後には金正恩氏のバッジもできると考えられている。多くの専門家は、
若いリーダーは大会後に地位を強化し、2人の前任指導者、彼の祖父と父と同格になり、
「金正恩時代」が宣言され、彼の誕生日は祝日と宣言されるだろう、と見ている。


今回のスローガンは「勝利者の大会」。平壌の路上にもこの言葉はよく見られる。
内容についての正確な情報はまだないが、金正恩氏のレポートのほかに、
党憲章の改正、党と政府の人員交代などが期待されている。

しかし、一番気になるのは、大会で経済改革路線が正式決定されるかどうかだ。
改革はかなり以前から行なわれており、
ますます中国やベトナムで成功をおさめた改革を思わせるものになっている。


平壌に到着したロシアの著名な専門家アレクサンドル・ジェビン氏が
スプートニク特派員に語ったところでは、北朝鮮の指導者らは、改革という言葉をあまり好んでいない。
変化に焦点を当てると、ひとつの疑問を生じさせる。

「ではこれまで労働党は国を間違ったコースに導いていたのか?」。
したがって、改革は継続され、加速されるだろうが、おそらく無用な騒ぎは起こさないだろう、
とジェビン氏。

よって、大会で取られるだろう重要な決定が公開されることはおそらくなく、
それがどのように実施されるかを見て、事後的に、
大会でどのような決定が取られたのかを知ることができるのみだという。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160506/2087017.html
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露外務省、北朝鮮銀行との関係制限法令を準備


スプートニク紙はロシアの国営メディアであるはずなのだが、
わりかし強硬な姿勢に移りつつあるロシア政府とは異なる立場を取っている。

北朝鮮への先制攻撃は正当化できない

他方で、スプートニク紙は労働党大会で
大会会場に外国人ジャーナリストが入場できなかったこともしっかり書いている。

外国人ジャーナリスト 朝鮮労働党大会が開かれている建物に入れず

総じていえば、ロシア国営のプロパガンダ機関であるはずのスプートニク紙のほうが
日本よりも公平で中立的な良い記事を多く掲載している。実に皮肉なことだと思う。


日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

2016-05-01 00:28:09 | 北朝鮮
一昨日頃から北朝鮮の弾道ミサイル発射実験に対して、日米韓各政府から非難の声が挙がっている。

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日本政府は、北朝鮮に対し、弾道ミサイル技術を使用した
あらゆる行動を禁止した国連安全保障理事会決議の遂行を求めてゆく考えだ。

金曜日、岸田外相は、中国公式訪問を前に行われた東京での記者会見で、こうした立場を明らかにした。


北朝鮮の核ミサイルプログラムに関する問題は、
岸田外相と中国指導部との交渉において重要なテーマになると見られている。

岸田外相は「北朝鮮によるミサイル発射は受け入れられない。
米韓と協力し、我々は、北朝鮮に対し、自制と国連安全保障理事会決議の遂行を求めてゆく」と述べた。

また外相は「現在日本政府は、どのような状況になっても、
それに向けた準備をしており、北朝鮮の行動に関する情報を詳しく収集し分析している」と付け加えた。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、ウォンサン港付近で、
移動型弾道ミサイル「ムスダン」2発(射程2500から4000キロと見られる)を発射したが、
打上げは失敗に終わった。ミサイルは、数秒飛行した後、レーダーから姿が消えた。

http://jp.sputniknews.com/asia/20160429/2047137.html
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一言でいえば、これは茶番以外の何物でもない。

なぜ言い切れるのか?
それを知るためには、この前後で北朝鮮が何を提言していたのかを把握する必要がある。



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北朝鮮、核実験停止の条件を示す

2016年04月24日

米国と韓国が軍事演習を停止すれば北朝鮮は核実験を停止する。
北朝鮮外相イ・スヨン氏が述べた。AP通信が土曜報じた。


朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する
」という。


国には抑止手段としての核兵器を持つ権利があり、それが制裁に左右されることはない、
と大臣は強調。核兵器の開発は米国に促されたことだ、と改めて述べた。

これは西側メディアが北朝鮮の閣僚に行った最初のインタビューであるという。


http://jp.sputniknews.com/world/20160424/2017820.html
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何のことはない。米韓合同軍事演習を中止してくれれば、
核実験を停止すると北朝鮮のほうから提案されていた
のである。一週間も前から。



では、この提案に対してアメリカと韓国はどのような態度を取ったのだろうか?
次の記事を読んでみよう。



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韓国、核実験停止に向けた北朝鮮の提案を拒否



韓国が、核実験の停止に関する北朝鮮の提案と条件を拒否しました。

北朝鮮のリ・スンヨン外務大臣は、23日土曜、アメリカ・ニューヨークで、
北朝鮮は米韓合同軍事演習の実施を停止する場合、核実験を停止する用意があるとしました。

韓国・ヨンハプ通信によりますと、韓国統一省のチョン・ジュンヒ報道官は25日月曜、
北朝鮮の核実験停止の条件は、
北朝鮮への制裁行使に向けた各国の努力を逸脱させるため提案されたとしました。

アメリカのオバマ大統領も、
アメリカ政府は北朝鮮の提案を真に受けておらず、北朝鮮の態度の改善が良作だ」と語りました。

韓国国防省の報道官も、25日、
「北朝鮮は5度目の核実験を軍の創設記念日にあわせて行う可能性がある。
 このため、韓国の全軍と政府は警戒態勢を取っている」としました。

北朝鮮は1月6日、2006年から4度目にあたる、水爆実験と称する核実験を行いました。
北朝鮮はまた、核弾頭を小型化し、それを弾道ミサイルに取り付ける技術を獲得したとしています。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6859
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北朝鮮の条件自体は10年以上前から何度も提示されているものだ。
その都度、韓国とアメリカは北朝鮮の無条件の非核化を要求し、拒絶している。


要するに、非核化に向けての協議は今すぐ始められるのに、
それを毎回、「信用ならない」と言って、話すら聞こうとせず、
軍事威嚇と経済制裁を続けているのはどこの国だということだ。


(ちなみに、信用云々を言えば、そもそもアメリカが約束通りに
 発電用の原子炉建設を認めてくれれば北朝鮮が核を持つこともなかった)


北朝鮮「朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する


韓国「制裁行使に向けた各国の努力を逸脱させようとしている」
アメリカ「北朝鮮の態度の改善が良作だ」




北朝鮮「演習を中止しないならこのまま核実験を続ける」
韓国&北朝鮮「貴様ぁあああああああっっ‼」



~その後の米韓両大統領のコメント~

朴槿恵「北朝鮮が新たな核実験を行った場合、北朝鮮には未来がない!」



オバマ
「北朝鮮は予測不可能!
 金正恩氏はかなり無責任‼」







話し合いに応じないくせに、向こうが諦めて目には目にをと応戦すると大騒ぎする。
これを茶番と言わずに何と言えば良いのだろうか?


このような米韓の武力と経済力にまかせた強硬策こそが朝鮮半島を不安定にさせている。

イランラジオ改め、ParsTodayのガッファーリー解説員の論説を以下に紹介しよう。

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北朝鮮のミサイル実験

北朝鮮が、潜水艦発射弾道ミサイルの実験は大きな成功だとしました。

ガッファーリー解説員

韓国の情報筋が認めている報告によれば、
北朝鮮は23日土曜、日本海の海上で、潜水艦発射弾道ミサイルを発射しました。

この行為は、韓国の深刻な懸念を招いています。
北朝鮮のキムジョンウン第一書記は、
「弾道ミサイル実験の成功は、北朝鮮海軍の作戦能力の強化を大幅に促すものとなる」
と語りました。

フランスとイギリスは、アメリカと共に、北朝鮮に対する制裁の強化を求めました。
フランス外務省の報道官は、声明の中で、「もし北朝鮮の行動が事実であれば、
それは国連安保理決議への違反と見なされ、同国に対してさらに厳しい制裁を行使する必要がある」
としました。

イギリスも、アメリカに遅れを取るまいと、
北朝鮮の行動を強く非難し、それを地域の情勢を不安定にするためのものだとしています。


イギリスのハモンド外務大臣はこれについて、
「イギリス政府は、国連やEUを通じて、北朝鮮に厳しい反応を示すための行動を取るだろう」
と語りました。

一部の政治アナリストは、
「北朝鮮は、潜水艦発射弾道ミサイルの実験により、
アメリカを筆頭とする世界の資本主義勢力の脅迫、警告、制裁を恐れていないことを示した」
と語っています。北朝鮮は、一連の厳しい制裁を前に、その立場を変更すると見られていました。
そしてそれは、アメリカと、アジアやヨーロッパのその同盟国にとって好ましい状況をなるはずでした。

北朝鮮は、以前に何度も、アメリカの脅迫や不当な要求が、北朝鮮の核保有を招いたと語ってきました。

現在も北朝鮮は、アメリカによるアジアでの軍事拡張主義や敵対政策が
アジアを最も危機的な地域にしていると考えています。北朝鮮の政治家によれば、アメリカは、
帝国主義の教えにより、完全にアメリカの利益、北朝鮮の損害になるような協定を結ぼうとしています。

実際、北朝鮮は、世界におけるアメリカの軍事的な覇権主義、
不当な要求、野蛮な行動を証明する必要はありません。


アメリカは、1901年から2007年までの間に、
世界の65カ国を攻撃し、自分たちを世界の警察だと考えています。

しかし、地域や世界の世論は、しばらく前から、
アメリカが博愛主義と人権擁護を口実にした干渉政策により、
他国への軍事的、非軍事的な介入を正当化している
ことを知っています。

北朝鮮の高官は、もし北朝鮮が常に脅威や敵対に晒されれば、
南北朝鮮だけでなく、世界にとって、悲劇的な結果を招くことになるとしています。

そのため、もしアメリカが、地域に平和と安定を確立しようとしているのなら、
その第一歩は、アメリカ自身が敵対政策や軍事演習をやめることです。


中立的な立場のアナリストは皆、アメリカと韓国の定例軍事演習の中止は、
緊張緩和と対話に向けた歩みになると考えています。その場合、明らかに北朝鮮も、
同じ方法によってそれに応えなければなりません。アメリカが、北朝鮮は
協議の前に核活動を停止すべきだという主張を繰り返すのなら、対立が続くことになるでしょう。

http://parstoday.com/ja/news/world-i6808
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「中立的な立場のアナリストは皆、アメリカと韓国の定例軍事演習の中止は、
 緊張緩和と対話に向けた歩みになると考えています。」

つまり、双方が危険行為を自粛することをロシア・中国・イラン・北朝鮮、
いわゆるアメリカの経済制裁や軍事力に威嚇の被害にあっている国は求めている。

これに対して、アメリカや韓国の戦争屋たちはどう反応しているのだろうか?
問うまでもない。


韓国大統領:北朝鮮が新たな核実験を行った場合、北朝鮮には「未来がない」

オバマ大統領-北朝鮮は予測不可能、金正恩氏はかなり無責任


協議の意志を一切持たず、武力による威嚇を続け、経済制裁という名の妨害工作に固執する。

別に無視するのは構わないが、話し合いに応じないくせに自分のことは棚に上げ、
「未来がない」「予測不可能」「無責任」と相手を罵倒することだけは勘弁願いたい。


重要なのは、こういう動きに侵略トリオの構成メンバーであるイギリスとフランスも同調していることだ。
この三カ国は、冷戦以降、ことごとく各地の紛争地域に直接的間接的介入を行ってきた。

特にアメリカとイギリスは、ユーゴ・アフガン・イラク・リビアと冷戦終結後、多くの国を滅ぼしてきた。

北朝鮮はアメリカやイギリスを滅ぼせないが、アメリカとイギリスにはそれが出来る。
この点を忘れてほしくはないし、北朝鮮の高官はこのことを意識している。


こういう前後の流れを一切伝えず、
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したという事実だけを報道するのはおかしいと思う。

少なくとも、対話を求めているのは北朝鮮であって、
それを無視しているのはアメリカと韓国だ
という肝心の点がうやむやになり、
逆に「国際社会は北朝鮮を説得し続けているのに北朝鮮は聞く耳を持たない」
というストーリーをお茶の間に流し、何も知らない国民を騙すのは良くないことだと思う。


戦時の日本も政府にとって都合の良い記事ばかり量産されて、
何も知らない国民は日本は勝ち続けていると勘違いしたまま敗戦を迎えた。

またしても歴史は繰り返されるのだろうか?一度目は悲劇として。二度目は喜劇として。