時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

イラク・シリア空爆について

2014-09-25 23:07:36 | リビア・ウクライナ・南米・中東
湾岸戦争から数えると、20年以上にかけてイラクに武力干渉をしているアメリカ。

アメリカだけではない。イギリスやフランスなどの
旧列強、現NATOの元植民地への爆撃が止まらない。


メディアは「なぜか」深く説明してはくれないが、
空爆は個人ではなく地域に対して行うものである。



当然、巻き添えになって死ぬ市民もいる。


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「米軍は11年前に『対テロ』戦争の一環としてイラク侵略を強行しました。
 その結果、テロや過激派の行動は収束に向かったでしょうか。
 現在、イスラム国が、わがもの顔でばっこしているように、
 事態はさらに悪化しているのが現実です。
 米政府は何度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょうか」


民間シンクタンク・「イラク戦略研究グループ」の
ワフィク・ハシミ代表は本紙の取材に、こう話しました。


オバマ米大統領は10日の演説で、
「われわれはイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる」と述べ、
イラクとシリアで「体系的な空爆」を実施すると表明しました。


ハシミ氏はこの米国の姿勢の問題点について、
イスラム国を壊滅するとなれば、市街地をも空爆しなければなりません。
 なぜならば、イスラム国はイラク領土の約3割を支配し、
(イラク第2の人口を擁する)北部モスルをはじめ都市部も掌握しているからです。
 そこへの空爆が多数の民間人の犠牲をもたらすことは明らかで、
 それは米に対する憎しみを増幅させるだけです」と力説しました。


イラクの首都、バグダッド大学のカゼム・ミクダディ教授も同様の点を指摘しつつ、
「軍事的手段によってテロ組織を壊滅することは不可能であり、それが歴史の教訓です。
 空爆をシリアにまで拡大すれば、地域全体の緊張を激化させ、
 過激派の思想と行動を拡散させることにつながります」と断言しました。


イスラム国はイスラムの教えをゆがめて住民に押し付け、
異教徒や女性をはじめ民間人を迫害しており、イラクやシリアの
国民の多くが同組織の排除を望んでいることは事実です。
しかし、それが外国の軍事介入によっては達成されないことも、
「対テロ」戦争を体験してきた人々はよく知っています。


それでは、軍事介入によらないイスラム国対策とは何なのか。

ミクダディ教授は、
「イスラム国がイラクで台頭した要因は、
 米国の戦争・占領政策がもたらした
 宗派対立による混乱と、旧イラク軍の解体でした」と指摘。


「この教訓を踏まえれば、いまこそすべての宗派や民族が参加する
 “救国政府”をつくりあげ、国をあげてイスラム国と対峙することが必要です。
 さらに政治腐敗や貧困を克服し、過激思想がはびこる土壌を
 なくしていくことも欠かせません」と強調しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-13/2014091307_01_1.html

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9月13日の記事だが、まさに正鵠を射た解説だろう。


イラク戦争の後、同国はアメリカの傀儡政権が治める国となり、
自然、シーア派に反感を覚えるスンニ派を中心とした抵抗運動が生まれた。

結果的に、フセイン政権時よりも事態は悪化したような印象を受ける。

米軍は8月8日以降、
190回にも及ぶ空爆を行った。


これに対し、EUや国連は一応、
たしなめる発言をしながらも、結果的には空爆を容認している。


「やりすぎるなよー」と言いながら
 イジメを見て見ぬフリをする教師に似ている。



正直、一言、二言の抗議だけして空爆を認める行為はアメリカ以上に卑劣だと思う。
特にフランス。何だかんだ言いながら、やっぱり空爆に参加している。


かつて、北アフリカはフランスとイギリスの植民地であったが、
旧列強としての侵略気質は、いまだに払拭されていないようだ。


テレビや新聞では、もちろん、アメリカや日本政府の見解に沿った
形での報道がされているが、赤旗は意外にも反対の姿勢を取っていた。

ロシアや中国が絡んでいないからだろうか。

メディアはいつもどおり、赤旗が一番マシで他が屑だったわけだが、
我が国の中東研究者、特に岩波を中心にご活躍されている先生方は
はたして、今回の事態に関して、まともな意見が言えるのだろうか?

私はそうは思わない。メディアと一緒になって、
いかにイスラム国が悪のテロ集団であるかを熱心に解説して、
結果的に空爆を支援するようなことをするのではないかと思う。
これまでのパターンを見る限り。

池上彰のウソつき解説 慰安婦編

2014-09-23 00:18:00 | マスコミ批判
池上彰の朝日叩きへの非難は、
はっきり言って、お前が言うなである。


今まで慰安婦にしてもなんにしても、
散々、右翼勢力を支援する解説を行ってきたのに対して、
いざ右翼が勢いづくと、急いで火消しに走るのはどう見てもおかしい。


そこで、過去に池上氏が行ったすさまじい出鱈目を批判したいが、
まず初めに次の資料を読んでもらいたい。

~~~~
資料1

乞食でもない現在の私たちを、日本政府は勝手に民間の金で解決しようと
するのは、責任知らずです。私は区役所の命令で徴用され仕方なしに赴任したもの。
自分から欲して行ったのではない。だから日本政府がその責任を取るべきであり、
そこに私たちの面子と自尊心があるのです。更に、当時の私たちも海外から
国内へ仕送りをして、日本政府の銀行に貯金しているのに、何故、民間基金で
その責任を取らせて償わせるのですか?

これは当然日本政府が責任を取ることであり、私たちは絶対そう要求します。
万が一生きている間に貰えなくても、私の子供たちがそれを貰う権利があります。

体が衰弱して先も長くないのに、日本政府は何時まで私たちを待たせるのですか?

(台湾籍慰安婦の言葉)

~~~~
資料2

日本政府が現在推進している「国民基金」は、元日本軍「慰安婦」の私たちを
お金で惑わそうとするものです。歴史の真実をお金で売り飛ばそうとするものです。

過去、日本のあなたたちが犯した犯罪は、夢にも忘れることができないひどいものです。
けれども日本は日本軍「慰安婦」問題を初めとするあらゆる問題に社愛と真相究明を
しないまま、正当な賠償もせずに幕を引こうとしています。

再度、日本の責任ある首相に要求いたします。かつての受難の歴史を回復する
ことができるように、国際法に基づいた謝罪と賠償をし、私たちの名誉回復を
はかることを求めます。すでに、韓国の私たちハルモニは日本に対して、
民間基金を一円も受けないと拒絶しました。こうして状況にもかかわらず、
なおかつ脅迫的に「国民基金」を強行するならば、日本は再び私たちの人権を
蹂躙することになるのであり、国際社会で道義的な責任を免れることはできないでしょう。

私たちは死ぬまでこの問題に対して闘いつづけるつもりです。
また、勝利することを信じて疑いません。日本がこれ以上、恥をさらさないうちに
謝罪と賠償を行うことを要求します。

姜徳景
~~~~~

かつて、日本政府はアジア女性基金という仮面NGOを設立して、
民間団体によって慰安婦への補償を行うことをもくろんだ。


だが、結果的には、これは韓国はもちろんのこと、
フィリピンやインドネシア、台湾などほとんどの慰安婦から
「金ではなく政府の法的責任を認めさせることが目的である」と拒絶され、
一部にのみ支給という形であえなく頓挫した。


この点は書き始めるとかなり長いので今回は割愛する。


ともかく、アジア女性基金は多くの慰安婦本人によって
拒絶されているし、実際、今日、慰安婦問題に対して
もっとも強く日本を非難しているのは慰安婦本人である。


このことを念頭に入れて、次の動画を見ると、
池上彰というのが以下にウソ・でたらめの達人かよくわかると思う。

http://www.youtube.com/watch?v=aTeI75k0cUU


全部のウソを羅列するとキリがない(けど出来るが限り指摘するつもり)が、
後半部分のアジア女性基金の下りは大ウソであるのだけ今回は取り上げたい。


まず、アジア女性基金自体が対象国を限定したものであり、
たとえば、中国の慰安婦には全く触れていない。



中国にも当然ながら慰安婦は存在し、しかも三光作戦が当たり前であった
当時は、文字通りの強制連行によって慰安婦が連れてこられた。

http://j.people.com.cn/n/2014/0812/c94475-8768508.html


慰安婦問題とは、アジアと日本の問題であり、日韓問題ではない。
韓国との間の問題であるかのように伝えるのは明らかにおかしい。


次に、前掲の資料で述べたように、
慰安婦問題で最も怒りをもって
抗議しているのは、ほかならぬ慰安婦本人である。


これは韓国に限った話ではない。
最近では、フィリピン人の慰安婦が日本政府に対して抗議をした。

http://j.people.com.cn/n/2014/0626/c94658-8747155.html


最後に、女性基金の活動のなかで渡したお詫びの手紙は、

①軍の関与を認めて謝罪し、この問題に道義的責任を痛感し、
②過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えることを約束する

という内容だったが、
これを現在の日本政府およびが守っていないことに言及していない。

それどころか、たびたび橋下や石原、安倍が発言した
慰安婦否定発言を、さも事実を述べただけであるかのように話し、
悪いのは大げさに捉える韓国や外国なのだと説明している。


問題の動画は2013年のものだったが、安倍自身、10年ほど前にNHKの番組に
圧力をかけて慰安婦の事実をもみ消そうとした人間であり、この時期には
愛知県の河村市長や大阪の橋下市長など、歴史を改ざんしようとした人間が
行政のトップに立っていたという凄い有様なのに、これを池上は伝えない。


逆に、彼らの言い分は出鱈目なのに、
さも真実であるかのように紹介し、これが日本の言い分なのだと説明している。

嘘、嘘、嘘。
ここまで来ると逆に清々しい。



また改めて時間が空いたときに整理して書くが、
ここまで嘘八百をならえべて置いて、いざ問題化すると
今度は、自分が良識派であるかのように偽装工作をする。

間違いなく池上彰は日本でもトップレベルの詐欺師であり、
ジャーナリストを志す者にとっては見習ってはいけない人間だろう。

池上氏、朝日叩きを批判!(自分は棚上げ)

2014-09-22 22:43:31 | マスコミ批判
池上彰氏のコラムについて、筆者は
氏の歴史的知識が不正確であることを指摘
し、次のように総括した。


今に始まったことではないが、池上氏のこの一見、批判しているようで
実は、毒にも薬にもならない言葉を並べて大勢に味方している姿勢は問題がある。


その後、朝日叩きをするメディアに対して「やりすぎ」とたしなめ始めたようである。


<池上彰が朝日叩きに走る新聞、週刊誌を批判! 他紙での掲載拒否も告白!>
http://lite-ra.com/2014/09/post-482.html


簡単に言うと、他のメディアでも自社を非難するような記事は掲載を拒否された、
だから朝日だけを叩くのはおかしいといった内容らしい。

しかし、冷静に考えれば、
一連の朝日叩きに便乗したのは他ならぬ池上氏である。

まさか「俺は例外」というわけではあるまい。
(ありそうなのがこの人の恐ろしいところなのだが…)


過剰な朝日バッシングに不満があるのならば、
なぜ初めのコラムで書かなかったのか?



なぜ今さらフォローをしだしたのか?
その答えは上記記事の後半部分にある。

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一連の批判記事の中には本誌を筆頭に『売国』という文字まで登場しました。
これには驚きました。

『売国』とは日中戦争から太平洋戦争にかけて、
政府の方針に批判的な人物に対して使われた言葉。

問答無用の言論封殺の一環です。

少なくとも言論報道機関の一員として、
こんな用語を使わないようにするのが、せめてもの矜持ではないでしょうか

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おまえは何を言ってんだ?

というツッコミは後で述べるとして、氏は一連の朝日叩きによって
極右勢力の勢いが増し始めたので危機感を覚えたのだろう。


有田芳生、辛淑玉、加藤哲郎
とまったく同じパターン!



私は、この手の人間を「戦車売り」と呼んでいる。

普段は戦車を売ることで利益を得ている連中が、
いざ戦争が始まると反戦を訴える様子によく似ているからだ。


池上彰という人物は
靖国参拝を批判するのは中国と韓国だけで、
これは日本の宗教観を理解できないからだと公言した男
である。


(証拠映像)

http://www.youtube.com/watch?v=YPOoRwkVD_c

この発言は去年の安倍の参拝以前に発せられたものだが、その後、
靖国参拝について、中韓どころか、フィリピン、シンガポール、インドネシア、
ロシア、EU、アメリカ、国連と世界中で非難されたのは言うに及ばずだ。


そもそも、靖国神社というのは、天皇を絶対正義として描く神社であり、
ゆえに太平洋戦争も正しい戦争(聖戦)として訴えている施設だ。


靖国参拝というのは、言わば、
ナチスやヒトラーを礼賛する施設に行って、
ナチ兵の健闘を称える行為である。


宗教観とか、そういうレベルで説明できるものではない。


しかも、番組内で池上は、少しでも日本の神道の思想を理解してもらうよう
努力することがこれから私たちがすべきことといった発言に対して、
それをたしなめるどころか、同調しているわけだから、どうしようもない。


そういう自分がこれまで行ってきた結果として、
日本の極右の台頭があるわけだが、氏はこの点を隠しつつ、
右翼勢力の過熱したバッシングを今更ながら批判している。


農薬を大量散布したところ、虫どころか人間にまで
害が及ぶ猛毒だとわかったので、使用を控え始めた。

こんなところである。



ちっともえらくない。
むしろ卑劣。卑怯。合法詐欺。



そういうわけだから、次のような文章を書いたって、
産経や文芸春秋のような右翼メディアは絶対に納得しないと思う。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
池上氏は冒頭で「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、
まず、この女に石を投げなさい」という聖書の一節を引いた上で、こんな体験を語る。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いや、池上も石を投げてただろ?
なんで俺らだけ悪者なんだよ。


そう思うはずだ。
あんたが焚きつけておきながら、いざ俺らが本気になると手のひら返しなんて
ひどいじゃないですかー池上さんよーと。そう思っているのでは?


結局、右翼にも左翼にも良い顔をしたいというのが
この人の本音
なのだろう。実際、この記事を書いたリテラという
サイトは、池上氏を過剰なまでにベタ褒めしている。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新聞社名を伏せるなど、池上サンらしい配慮とバランスを見せていることには
ちょっと不満が残るが、おっしゃっていることはすべて正論。

正直、この人がここまできちんとした言論の自由への意識、
ジャーナリストとしての倫理観をもっているとは思っていなかった。

こんな人物がポピュラリティをもって
メディアで活躍できていることを素直に喜びたいと思う。


だが、同時に暗澹とさせられるのが、
この国のメディアでこうした意見をはっきりと口にしたのが、
今のところ、池上サンただ1人しかいないという事実だ。

新聞もテレビも雑誌もそんなことはおくびにもださず、
安倍政権と世の中の空気に乗っかって朝日叩きに血道をあげているだけだ。

http://lite-ra.com/2014/09/post-482_2.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

何度も言うが、池上サン(笑)が右翼勢に迎合して、
いい加減な発言をした結果、連中が勢いづいたのであって、その逆ではない。


ついでに言うが、朝日バッシングに不満を持つぐらいの芸当は、
多少、左翼的な人物なら誰でもやっているし、メディアでいえば
赤旗がハッキリと批判している。


それも、池上サン流の単なるメディアの問題にとどめるのではなく、
日本政府の歴史認識の問題、極右勢力の歴史改竄の動きの問題として語っている。

肝心の慰安婦問題を「事実です」の一言で済ませて話そうとしない池上氏と、
近年の動きまで含めて、その詳細を継続的に報道している赤旗。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-07/2014040714_01_1.html

どちらが良心的なジャーナリズムかは言うまでもない。

リテラは池上サン美化新聞になるのではなく、
赤旗をはじめとした市民の発信する情報にこそ注目し、紹介すべきだろう。

自民党とネオナチは仲良しこよし (極右議員を全力でフォローする朝日新聞の愚行)

2014-09-15 22:03:43 | 日本政治
いそがしいので、短文コメントのみで。
(とか言いながら、いつもどおりの分量になってしまった。反省。)

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高市早苗総務相は12日の記者会見で、
極右の「ネオナチ」政治団体「国家社会主義日本労働者党」
の山田一成代表との記念撮影に応じていた問題について問われ、
「ご迷惑がかかったとしたら、大変申し訳ない」と述べました。

迷惑の中身を明示していませんが、
山田氏とのツーショット写真がネオナチとの関係を示すものとして
海外メディアに相次いで取り上げられたことを受け、
政治不信を招いたことに反省の姿勢を示し批判を逃れようとしたもの。


山田氏の所属団体や思想・信条を知っていたわけではないとして、
写真に撮られたことは「率直に言って不可抗力であった」と正当化しました。


会見で高市氏は、同様に山田氏との記念撮影に応じた
自民党の稲田朋美政調会長や西田昌司参院議員の事務所と協力して調べたところ、
撮影を受けた時期に共通して『撃論』という雑誌のインタビュー取材を
受けていたことが判明したと述べました。

取材の同行者に山田氏が含まれていた可能性には、
「その(山田氏との)写真を見ても、それが誰か分からなかった」と述べ、
山田氏だという認識はなかったかのように説明。

インタビュアーを務めるライターや
識者以外のスタッフとは「名刺も交換していない」として、
山田氏の所属団体や思想・信条について一切知らなかった、
「分かっていたら決してお会いしなかった」との説明を繰り返しました。


インタビューが掲載されている『撃論』2011年10月号で、
高市氏は日の丸・君が代の教育現場への押し付けは当然と主張し、
稲田氏は人権擁護法案は在日韓国・朝鮮人の人権に重きを置くものだと主張しています。


こうした取材を受け、
自らの政治的立場を表明する機会を得ながら、
相手がどのような立場の人間であるかを確かめないということは、
政治家として通常あり得ないことです。



相手が誰か知らなかったという説明で、疑問は深まるばかりです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-14/2014091402_03_1.html

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知らないわけないだろう


右翼雑誌の取材の場で一緒に写真を撮っておきながら、
相手がだれか知らないなんて、ありえない話だ。

しかも、この山田というネオナチは自民党と関係が深い人物でもある



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ネオナチ団体「国家社会主義日本労働者党」の代表、山田一成氏は、
自民党とかつてから深い関係のある人物です。


2000年6月に行われた総選挙では、日本共産党へのデマ攻撃を目的とした、
1億枚を超す反共謀略ビラが自民、公明勢力によって、全国的に配布されました。


この反共謀略ビラのために大量出版された単行本
『誰も知らない日本共産党のホンネ』の出版社、
「雷韻出版」(東京都目黒区)の社長が山田氏でした。


当時、自民党本部はこの本を大量に買い取り、
選挙に活用するよう同党広報本部長名で、
都道府県連合会や衆院選挙事務所、
参院選挙区比例区事務所に通知していました。



本紙が2000年6月21日付で報じていました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-11/2014091101_04_1.html

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では、高市や稲田は、どういう人物かというと、
靖国参拝賛成、慰安婦否定、歴史改ざん派、大日本帝国信者という
すがすがしいまでの極右である。


戦時にはナチスと大日本帝国は盟友だったのだから、
さもありなんといった事件だと思う。どのみち、いくら知らないといっても、
肝心のネオナチに支持されるのが
今の自民党なのだという
どうしようもない事実は覆しようがない。



ネオナチに好かれるのが合法詐欺師どもであり、
ネオナチに嫌われているのが詐欺師どもに対決姿勢を取っている共産党という事実。


これを踏まえれば、どちらの政策が
ネオナチにとって都合がよいのかは明白だ。



ところで、この事件を日本のメディアはどう報じたか?

結論から言うと、今現在でもウェイトは非常に低い。
詳細は次のページに上手くまとめられている。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20140911/1410394420


読売や産経がいつもの調子なのは当り前として、やはり気になるのが朝日。

>それまでは、たとえば朝日新聞特別編集委員の星浩が、
>高市早苗を含む5人の女性官僚が任命されたのを歓迎するような
>間の抜けた発言をテレビでするていたらくだった。

この報道には私も高市のような極右の馬鹿が要職に就いた意味を
本当に朝日はわかっているのかと激しく憤っていた記憶がある。


ネオナチ報道についても、むしろ弁護する記事を載せている。

>高市総務相は「国会議員の仕事をしていると、知らない方から
>写真撮影を求められることは、毎日のようにある。
>お断りしたことは一度もなかった」とし、
>「今回の件は率直に申し上げて不可抗力」と話した。
>その上で「写真を見ても、だれか分からなかった。
>インタビュー取材は4、5人で来られる。
>その中の1人から、写真を撮ってくれと頼まれて、断る理由はない。
>今回の報道で本当にびっくりした」と釈明した。

と、まるで高市の弁護士のような態度だ。


通常なら、赤旗が言うように、政治家が相手の素性も知らずに
写真を撮るなどありえないと強く非難するところだろう。

ちなみに、赤旗は次のようにも書いている。


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>ツーショット写真はどちらも背後に日の丸を掲げ
山田氏と並んだ高市、稲田両氏が撮影されていました。



>ホームページによると、団体の綱領には
「日本民族の優秀性を確認し血の純血を保持し
全世界の指導国家として世界の自由に貢献する」と明記。
基本理念には「民族浄化の推進」などを掲げています。

>英紙ガーディアン9日付(電子版)は
2人の政治家が山田のネオナチ思想を
共有しているという証拠はないが、
両氏を任命したことにたいし、
安倍が政権をさらに右傾化させている
との非難が強まっている

と指摘し、両氏が
「A級戦犯14人を含む日本の戦死者をたたえる靖国神社を参拝してきた」
ことを紹介しています。豪紙オーストラリアン9日付(電子版)も報じています。

またフランス通信(AFP)は8日、
この写真は、安倍首相が、日本政界の右翼的人物で
ますます周辺を固めているとの見方を強めることになるだろう

と指摘。

AFP電は、フランスのほか、
フィリピン、シンガポール、タイ、香港など、
アジア諸国の新聞などで掲載されました。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-11/2014091101_04_1.html
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要するに、ネオナチ報道は、
安倍政権の支配下にある日本が
右傾化を通り越して極右化していることに対する
国際社会の不安を書き綴ったものである。



「本人は知らなかったよ!」なんてゴミ報道よりもまず、
 稲田や西田が在日コリアンに対する過剰な排斥・差別運動を行う
 在特会と懇意の仲であり、民族浄化を掲げる団体が、同じく
 日本の中にある少数民族を差別・迫害している人間に共感したという
 この決定的な事実をさらすべきではないか?

朝日の報道では、まるで高市や稲田のしりぬぐいをしているようだ。
この両名が属する極右派閥に朝日は現在進行形で攻撃されているではないか?

なぜ、カウンターをせず、フォローしてしまうのか?


これだけ右翼に媚びたって身を滅ぼすだけと知っていながら、
なお応援してしまうあたり、朝日は完全に終わってしまったなと思えてならない。


厳しい表現だが、
中途半端なノーは、明確なイエスよりもなお、イエスだ。

最高の支持は暗黙の了解という形をもって行われる。
朝日の無言のエールは、まさにそれで非常にたちが悪い。

猛省しないかぎり、利益も社会的信頼も失われ続けるだろう。

たかじんは在日コリアンだった?(ある意味納得の事実)

2014-09-10 00:29:11 | 浅学なる道(コラム)
右翼番組で有名な故やしきたかじん氏が、
実は在日コリアンだったのではという疑惑が生じている。

被差別出身者である角岡伸彦氏のノンフィクションについて

http://roodevil.blog.shinobi.jp/Date/20140909/


実際、在日コリアンや被差別の人間のほうが、
自分たちをより執拗に徹底的に攻撃することがある。


ネットの右翼系まとめサイトが好例だが、
毎日のようにチョンとかとか言われて差別されていれば、
よほど自分たちの出自に確かな知識を持たない限りは自信喪失してしまうだろう。


自分は日本人らしくないから差別されるのだと思う人間もいるのである。
こういう人たちがその後、辿る道は二つに一つ。


ひとつは、日本人にペコペコしても差別は解消されないことに気づき、
再び対決姿勢をとるようになるケース。

ふたつは、自分さえよければと死ぬまで自民族を攻撃し続けるケース。


右翼の論客は後者にえてしてなりがちだと思う。


それにしても、極右の論客を割りと高評価しているのが、
被差別出身者というのは、結構すごいものである。


この角岡伸彦という方は、現代の被差別の経済状況は
以前よりも格段に上昇し、もはや差別的とは言えなくなったということを
述べたことで、左派も含めた論壇で評価され、ジャーナリストとなったのだが、
私は、あの文春新書に著書を出した時点で、警戒していた。


予感的中といったところか。


結局、在日コリアンの辺真一氏の在日特権論と同じで、
自分たち民族の経済状況は豊かになっているという歪んだプライドを
振りかざしているうちに、いつのまにか右翼の手下となったわけだ。


彼に対しては、前記のページでかなり納得のいく批判がされている。


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上記記事はたかじんの事を「カリスマ」扱いして
「こんなにたかじんさんは苦労した」みたいな書き方をしているが、
この著者の角岡伸彦とやらは何を言っているのか? 

はっきり言わせてもらうが、
たかじんが同胞だというのがもし事実だとすれば、
筆者はなおさらたかじんという男を絶対に許せない。

この男の極右番組では「従軍慰安婦は捏造」と主張していたのではなかったのか?

朝鮮高校無償化問題でも筆舌に尽くし難い酷い事を
さんざん垂れ流してきたのではなかったか? 

北朝鮮問題でも石丸次郎や高英起らのゴロツキどもを呼んでは
「北朝鮮の脅威」を煽り立てていたではないか? 

自分の出自を徹底的に隠した上で「日本人として」
同胞に危害を加えるような事を言いまくったのだから、
これほど卑劣な奴はいない。

(中略)


同胞に不利益をもたらすような言動を平然と行って、
それで自分の私利私欲ばかりを追求し、社会に害悪を垂れ流す。

「それ(出自)をバネにして彼は歌手として頑張った」
 などと角岡は言うが、笑わせてはいけない。

この男は後にヒットが出ず歌手として完全に行き詰まり、
結局は日本人に媚びへつらい、同胞を売って食い物にする道へ進んだだけの事だ。

(全文は以下のページで)
http://roodevil.blog.shinobi.jp/Date/20140909/
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まさにそのとおりなのだが、解放運動の従事者にも
一定の評価を受けていた人間が、極右の広告塔を讃美する本を
出してしまうというのは、マイノリティ問題の複雑さを物語っている。

イラク空爆を続けるアメリカ

2014-09-10 00:13:57 | 国際政治
ウクライナに関しては内政干渉を非難するアメリカだが、
自分たちは思いっきりよその国に爆弾を落としまくっていたりする。


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米軍は7日、イラク政府の要請を受け、西部アンバル州のハディサ・ダム周辺で、
イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」への空爆を行ったと発表しました。

米軍は8月初旬からイラクでイスラム国に対する空爆を継続。
今回、北部に限定していた空爆対象を西部に拡大しました。


ハディサ・ダムは現在のところイラク治安部隊の管理下にありますが、
米軍はイスラム国の攻勢からダムを防衛するためとして空爆を実施。

米CNNによれば、爆撃機による4回の空爆で
ISの軍事車両や検問所、塹壕(ざんごう)を破壊し、
ダム付近の町バルワナを奪還しました。


同ダムはユーフラテス川沿いにある同国第2の水がめで、
イラク西部と南部の数百万人に水を提供しています。
イスラム国がダムを破壊して洪水を引き起こせば、
下流域の首都バグダッドなどで多大な被害が起きる可能性もあります。

米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は7日の声明で、
「ダムが破壊されたり放水が行われたりすれば、バグダッド国際空港を含め、
(下流域に)壊滅的な脅威を与える可能性がある」として、空爆拡大を正当化しました。


米軍は6日までの約1カ月間に北部で計133回の空爆を実施。
8月中旬には、イラク北部モスルにある同国最大のダムを
10回以上の空爆の末、イスラム国から奪還しました。

ただ米国内では過激派組織の掃討を目指して
空爆範囲が拡大していくことに懸念の声も上がっています。

米国はイラクへの地上部隊の派遣を一貫して否定しています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-09/2014090907_01_1.html
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奪還と言えば聞こえはいいが、
要するに空爆で破壊された街を占領したにすぎない。



そもそも、ダムという重要なインフラ設備を破壊から守るために、
爆弾を落とすというのは、かなり矛盾したアクションであり、
実際には、ダムを破壊しようとしているのはアメリカなのではと勘ぐっている。


ロシアには証拠もないのにロシア軍がウクライナ領地に潜入しているかのように
非難し、経済制裁すらとっているのに対して、イラク空爆に対しては、
日本でもヨーロッパでもあまりにも軽視されている。


今月の『世界』(岩波の月刊総合誌)でも、ウクライナ問題の言及に、
同地のネオナチ運動やテロ掃討の美名のもとに行われる住民虐殺に
まったく触れていなかった。いつしか『世界』は立ち読みや
図書館での閲覧で済ませるようになってしまったが、内容の劣化は否めないと思う。

共産党による小保方事件の解説は正しい

2014-09-09 23:45:40 | 浅学なる道(コラム)
ウクライナ内戦や北朝鮮外交、領土問題などで異なる……というより、
問題のある意見を持ちながら、なお、共産党を支持するのは、
同党の内政に対する政策に共感しているからだと思う。


一番大事なのは内政であり、生活である。
生活よりも軍事や歴史改ざんに力を入れるような政治家は要らない。


安倍・麻生の右翼コンビがこの1年でやったことと言えば、
軍拡とそれに伴う歴史改ざん、靖国参拝、財界優先の経済政策、
物価(特に輸入品価格)の上昇、酪農家の廃業(輸入していた飼料が高くなったため)、
消費税増税と法人税減税(大企業に減税する分を全国民に負担させる)、
集団的自衛権の容認、東京カジノ化計画等々…生活の向上に直結するものが何一つない。

これに比べて、共産党は生活レベルの問題から物事を考えているので、
読んでいても、首肯できる部分が多いのである。


今月の「経済」(共産党が発行している政治・経済雑誌)に、
偶然、前記事で扱った若手研究者へ対する現状に言及する論文があった。


言いたいことをほぼ言ってくれた……と正直、ちょっと感動してもいる。

特に、小保方論文の問題化の背景には、結果のみを追求する大学側の姿勢と
ポスドク問題(人文・社会・理系基礎などの研究者の就労問題)があることを
明快に論じてみせた功績は大きいと思う。


大げさに言ったが、要するに小保方問題については私と意見を同じくしている。
恐らくだが、実際に院生の状況をきちんと調べた上で書いているのだろう。
(池上彰に見習わせてやりたいぐらいだ)


ここ数年で肌で感じるほど、状況は悪化したと思う。
人員はいっそう減らす一方で、院生への負担は大きい。


正直に告白すると、学部生への卒論の指導などを
院生が教授の代わりに行っているところもある。

理系のほうが非道いらしいが、院生は学費を払いながら下働きをしている。
それでも、なんとかその後の面倒を見てもらえるならいいが、
実際には、わりと無責任で、基本的に自分で努力しなければならない。


要するに、院生への要求(教授レベルの論文、学部生の面倒、論文雑誌の編集)
が高いわりには、リターンが極端に少ないのである。



それでも、今まではハイリスク・ハイリターンだったのだが、
だんだんとハイリスク・ローリターンへと変化していき、
今ではハイリスク・ノーリターンじゃないかと思うレベルにすらなっている。


こういう状況に対して院生はあまりにも無力なので、
大学の姿勢が自発的に改善されない以上、政治の力に頼るしかない。

そういう意味でも、共産党を支持するのは自分の生活に直接
影響の及ぼす分野を働く人間の目線で考えてくれるからに他ならない。


これは、逆を言えば外交には弱いことの表れなのだが、
それでもなお、支持するに値するだろう。
他の政党が事実上の自民党の衛星国家あるいは保護国になっている以上は。

学会の論文投稿システムの問題点と小保方事件、古市氏について

2014-09-09 00:16:17 | 浅学なる道(コラム)
論文の内容はそのままでタイトルを変えたら査読を通った。
あるいは、書かれている文章の順番を変えたら査読を通った。


ありえない話だと思うかもしれないが実際にあったことである。



私自身は、まだまだ新米なので査読など夢のまた夢の話なのだが、
自分自身の経験と照らしてみても、本当に論文を読んだのか?
と言いたくなるコメントを返されることは多い。

上の二例は、その代表的なもので、
審査員の中にはタイトルや初めの部分だけを読んで、
その印象で採用の有無を決めてしまう人がいるような気がする。

もちろん、確かな学会では複数の人間に頼んでいるのだが、
時たま、どの先生も適当に読んでいないかと思うこともあるにはある。


常識的に考えて、論文の内容が掲載するに値するならば、
タイトルだけ変えてくれという話になるはずなのだが、そういうケースは稀で、
実際には、論文の内容には頷けるが、タイトルが悪いので不採用となっている。


そんな馬鹿な!という話なのだが……

(私がよく読んでいないんじゃないかと思うのも、
 タイトル信仰など、存在するわけないと思いたいからでもある。)


順番を変えたら通ったというのも、すごい話で、
研究動向の紹介や、その問題点の指摘を本論で行っているのに、
「先行研究の紹介・論文執筆の意義が記されていない!」という
 ありえない総評を返されたことがある。

「いやいや、書いてるだろう!?」と思ったのだが、
 よくよく考えると、序論には書いていなかった。

ということは、序論(最初の2ページ)だけ読んだのか?という疑念が消えない。



このように、論文の採用には、どうも純粋な内容よりも、テクニック
(適切なタイトルか、文章に誤りがないか、論理構成が妥当か)が重視されているようである。


書いていて本当に嫌になるが、
内容はそのままなのに、書き方を変えるだけで通ることがあるのだ。


その一方で、学会の論文には、編集部からオファーが来る場合もある。

つまり、必死に執筆して送ってもタイトルや序論だけチョロっと読まれて
判断されてしまう一方で、向こうから頼まれて書くこともあるのだ。


そして、実はこのオファー、コネクションが重要だったりする

もちろん、最低限度の実力があるから頼まれるのだが、
正直、研究者の間にそこまで明確な実力の差があるわけではない。


そういうわけだから、自殺した師匠に面倒をみてもらうまで、
小保方氏の学説が箸にも棒にも引っかからなかったのは凄く納得がいく。


そういうコネクションやネームバリューに左右されたり、
不真面目な審査を行っているから、
小保方氏のようなケースが発生するのだ。



私は文系なので、理系とは違うのだが、恐らく事情は同じだと思う。

本当、こういう嫌~~なシステムの中、末端の人間はひたすら論文を執筆し、
送らなければならないというのは非常につらいものではあるが、
まぁ、そうしないと結果的に実績を積めないので仕方ない。


とはいえ、俳優や歌手、作家などにも言えることだが、
向こうは生活手段を約束してくれないので、
こういう若手には厳格な制度では、逆に、右翼陣に仲間入りして、
いい加減な言説を流して小遣いをもらう人間だって出てくるのではないだろうか?

実際に、古市氏などは好例だが、若手の有名研究者は、
研究内容よりも、政治的な立ち位置を評価されている者が多い。

まぁ、断言はできないのだが、少なくとも論壇ではそうだ。

もちろん、若手でも正真正銘の真面目な青年研究者はいるのだが、
あまり目立たない上に、ほんの一部分であり、やはり多数の若手は、
相当、厳しい条件で戦っていると思う(教授たちのように学校側からの
金銭の支援を受けることなく、自腹で研究活動を行っている)


そういう若者に冷たい封建的な業界だから、
逆に小保方氏や古市氏のような事例が出てこざるを得ないのでは?
と私は思えてならない。

正しいようで間違っている池上彰氏の慰安婦の説明

2014-09-09 00:15:14 | マスコミ批判
池上彰氏の朝日の慰安婦検証への批判については、前の記事で述べたが、
氏の説明の中には、重大な誤りがあり、本記事ではその点を詳説しようと思う。



問題の個所は次の部分でもある。
(他にも色々あるが、特に気になったのはこの部分)


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検証記事は、「慰安婦」と「挺身隊(ていしんたい)」との混同についても書いています。
「女子挺身隊」は、戦時下で女性を労働力として動員するためのもの。

慰安婦とは別物です。


91年の朝日新聞記事は、女子挺身隊と慰安婦を混同して報じたものだと認めました。


これについて「読者のみなさまへ」というコーナーでは
「当時は、慰安婦問題に関する研究が進んでおらず、
記者が参考にした資料などにも慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、
誤用しました」と書いています。


ところが、検証記事の本文では
「朝日新聞は93年以降、両者を混同しないよう努めてきた」とも書いています。

ということは、93年時点で混同に気づいていたということです。
その時点で、どうして訂正を出さなかったのか。それについての検証もありません。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11332230.html
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結論から述べると、
最近の研究では、「慰安婦」と「挺身隊」は
明確に区分されていたものではないことが判明している。



挺身とは「身を捧げる」という意味で、強制連行の一種なのだが、
日本とは違い、朝鮮半島では必ずしも慰安婦と別のものではなく、
実際には挺身隊の一環として動員された事例も見られる。

また、当の慰安婦本人や連行した軍人が、挺身隊として
被害者を連れて行かれた・連れて行ったと認識しており、
挺身隊は女性動員の代名詞として使用されていた点も見逃せない。


簡単に説明すると、国語普及挺身隊、報道挺身隊、仁術挺身隊など、
多くの強制的な動員の総称および通称が挺身隊であり、慰安婦も含まれるわけだ。


例えれば、日本人の全てが神奈川県民ではないが、神奈川県民は日本人であるように
挺身隊すべてが慰安婦ではないが、慰安婦は挺身隊の一種として数えられる。

この点については、論創社から『日本軍の性奴隷制』という学術書が出版されており、
その中で詳しく説明されている。関心がある方は図書館なり書店なりで読んでもらいたい。



さて、池上氏のコラムを読むと、挺身隊は女子を労働力として動員するものであり、
慰安婦とは別物と明記されている。これは明らかな間違いだ。



本来は、
「最新の研究では、慰安婦と挺身隊は必ずしも明確に区分されていた制度ではなく、
 しばしば混同が見られている。朝日は、検証と言いながら基本資料すら読んでいない。
 歴史問題をめぐって日韓関係が荒れる状況で、無責任な言及は控えるべきだ」


とでも書くべきだったのだが、逆に朝日がちょっとズレている反省をしたこと
を利用して、ネトウヨと一緒に朝日はもっと謝るべきと主張している。


過ちは潔く認め、謝罪する。これは国と国との関係であっても、
 新聞記者のモラルとしても、同じこと
」とまで述べているが、
 どうも自分は間違いを指摘されていないので謝罪しなくてもよいようだ。


また、肝心な点だが、問題の吉田清治氏の証言に信憑性がないことを理由に、
済州島で慰安婦が強制連行されていないとは言えない。

実際、歴史学者は吉田氏の意見をあまり重要視しないで、
その上でなお、強制連行の事実があったことを認めている。

以前は、就業詐欺の事例のほうが多いと言われていたのだが、
先述の挺身隊のように、最近では事実上あるいは正真正銘の
強制連行もかなり多いことが確認されており
、一概にどちらが多いとも言えない。

また、村長に女性を提供させたり、拉致して連れてくる事例も
中国や東南アジアを中心に多く見られており、慰安婦=韓国という
認識を改める必要も出てきている
(私自身はアジア女性全体が被害者だと思う)。

http://wam-peace.org/ianfu-mondai/qa/


これも池上氏が言及しなかった点である。


以上、池上氏のコラムを読むと、氏があまり勉強をしないで、
この問題について、とりあえず朝日を批判してやろうと考えていることがわかる。


もちろん、朝日の反省の仕方および内容がおかしいのがそもそもの間違いなのだが、
それを考慮しても、いくら夕刊のコラム記事とはいえ、
間違った印象を読者に与えてしまうのではないだろうか?


今に始まったことではないが、池上氏のこの一見、批判しているようで
実は、毒にも薬にもならない言葉を並べて大勢に味方している姿勢は問題があるだろう。


確かに、看板役者だからといって安易に彼を起用してしまう朝日はおかしい。
田母神批判の記事で五十歩百歩の秦郁彦氏に話を聞いてしまうのが今の朝日だ。

正直言って、今回のは内ゲバだったと思う。
だが、それにも関らず、私はやはり公共の場でいい加減な文章を書き、
それによって生計を立てている池上氏の責任は朝日以上に重いと思う。

結局、池上彰と手を切れず、ズルズル関係を引きずる朝日新聞

2014-09-05 00:20:26 | マスコミ批判
とっとと手を切ったほうがいい。

朝日新聞とではなく、池上彰と。

この似非ジャーナリストとつるんだところで、朝日新聞に得はない。

もともと朝日も池上と一緒に良心派ぶって、実は思いっきり体制側の
報道をしてきたわけだが、ここに来て池上はトバッチリはごめんとばかりの
批判(笑)記事を書いてきたわけなのだから、もうここらで潮時だろう。

ネットの中には池上のやり方を賞賛(というか崇拝)している人間もいるが、
これは単に朝日バッシングの流行に乗っただけで、特に偉いことをしたわけではない。


それどころか、肝心の慰安婦という史実に関しては、
池上は「もちろん、事実だ」の一言で済ませ、
もともと朝日のミスは90年代には既に指摘されており、
研究者も吉田氏の証言は除外して立証している

という肝心の点を述べていないのだから、
保守層の今さらな発狂を鎮静させるどころか火に油を注ぐだろう。

つまり、朝日の誤報を口実に、慰安婦研究自体の信ぴょう性を低下させよう
という歴史隠ぺい工作に対して、池上の発言はそれを食い止めるどころか、
逆に支持しているような気がするのである。結果としては。


細かい説明は別記事で述べるが、
池上自身、慰安婦について
間違った知識をコラムで披露している。


氏が近年の研究成果まで調べた上で書いていないことがよくわかる。

「新聞記者は、事実の前で謙虚になるべきです。」とか
「過ちは潔く認め、謝罪する」と書いている割には、
 本人はコマネチがルーマニアの独裁者の息子に愛人にされかけたという
 正真正銘の嘘(コマネチ本人が否定している)をテレビで述べているのだが、
 たぶん、新聞記者じゃなくてNHKの職員だからOKという理屈なんだろう。


ふざけんなと思うこともなくもない。


問題を考える上で肝心な情報を提示しない。大勢に迎合した報道しかできない。

結局は、いつもの池上氏だったわけだが、こんなのに手を焼かされる朝日新聞は、
もう開き直って、左翼のふりをした右翼新聞であることを
カミングアウトしたほうが良いのではないだろうか?

あるいは、これを契機に足をあらう、すなわち、
池上のような状況次第で自分たちを裏切る卑怯者とは手を切って、
秦郁彦や中島岳志などの偽左翼とも距離を置いたまっとうな新聞として
生まれ変わったほうが良いと思う。こちらは難しいと思うので強要はしないが。

後日、池上彰が意図的に伏せていることを記事にしようと思う。

同氏が読者に嘘八百を述べても謝らないのは、それが嘘だとわからないからなのか?
だとしたら、学生以下の情報収集力だし、意図的にサボっているのなら職務怠慢だ。

まさか事実の前では謙虚にーなどと言っている方が、
意図的にデマを流して大衆に迎合しようとは思ってはいまい(皮肉です)。

結果的にそうなっているだけなんだろうと信じたい(棒読み)