時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

雑考1(雇用の量)

2015-02-28 00:01:08 | アベノミクス批判
本記事は数週間前に執筆したものを誤字脱字訂正・清書したものである。

6月10日、当サイトは某氏が
朝日新聞のインタビューに答えたコメントについて、3点の指摘を行った。

その際、2つのテクニカル・タームを混同して記述してしまったが、
記事投稿直後に、○氏からこの点を指摘され、抗議を受けた。


誤解に基づいて中傷発言をした件については申し訳なく思う。
ここに改めて、謝意を示したい。


しかしながら、私が彼のインタビュー発言や、その他の媒体での発言を読み、
ふつふつと浮かんできた感情、それは不信感を伴うものであったが、
それ自体に関しては恥じることの無いものであったと断言できる。



(http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20150526-00046052/)
というのも、その箇所以外の言及、
①正社員の雇用者数が減少する一方で、非正規の雇用者数が増加している
②共産党は何も高齢者の支持を狙ってアベノミクスに反対しているわけではない
③金融緩和は雇用を言うほど増やさなかった

という3点の指摘自体は正しいからである。



①、②は後述するとして、
○氏の主張である「量的緩和をすれば雇用が増える」

と言う点について検証してみよう。



アメリカでは量的緩和が2008年11月~2010年6月(QE1)、
2010年11月~2011年6月(QE2)、2012年9月~2013年12月(QE3)と
3期に渡って実施された。 U.S. Bureau of Labor Statisticsを利用すると、

この間の失業率は、6.8から9.4、9.8から9.1、7.8から6.7となっている。
2008年から発して2009年10月をピークに、なだらかに下降している。

つまり、量的緩和は大して効き目が無かった。

効き目があるなら、実施されている時期に実施以前と比べて顕著な下降が見られるはず。
それが無い以上、量的緩和は雇用創出の絶対の武器ではないと言える。
(効果がある場合も存在する※1)


失業率だけを取り上げて言えば、
実施直後(6.8%)と実施終了後(6.7%)の失業率に差はないし、
むしろ実施したことで失業率が上昇し、
実施以前にまで戻すのに5年の歳月が必要になった
ことを示している。

この結果は金融緩和絶対効果あるマンたちにとっては、非常に手痛いデータだろう。


なぜ、このようになるかと言うと、
量的緩和で干渉出来るのは、銀行までの資本の流れであり、
そこから先の銀行から企業への流れは実体経済に依存しなければならないからである。
(企業が事業資金を、個人が住宅ローン等を借りなければならない)

では、2013年度における金融緩和はマネーストックを増やしたのだろうか?


日銀統計を用いると、
2013年4月から2014年3月までのベースマネーは、
149.6兆円から208.6兆円へと増加した(増加率39.4パーセント)が、

他方で、実体経済のなかで流通している通貨(マネーストック)は
この間、1486.5から1535.2、すなわち3.3パーセントしか伸びていない。



前年度の増加が3.0パーセントであることを踏まえれば、
実際に銀行から法人・個人へと渡った通貨量は
アベノミクスの前後で大差ないことがわかる。




(なお、エコノミストの野口悠紀雄氏は、この点について私と同意見だ。
目標の2年が経過した異次元金融緩和を総括する


「ひどい不況の時、金融緩和で作ったお金は、
  直接には使われず銀行にため込まれてしまう。

 だから、そのお金が世の中に回る仕組みをつくるために、
 安倍政権は旧来型の公共事業を第2の矢として実行し、それが効いた(※2)」

と○氏は述べているが、消費税実施以前の2013年第Ⅰ
4半期以後の国民経済の実質成長率を見ると、
4.5⇒4.1⇒0.9⇒0.7と劇的に減っている


これは上記のマネーストックのデータと符合するもので、
第二の矢は大して効果が無かったことが言える。



それは設備投資のデータにも通じるもので、
金融・保険業を除く全規模、全産業の設備投資は、
財務省の『法人企業統計』をもとにすると停滞している。


http://www.dbj.jp/investigate/equip/national/detail_201306.html
http://www.dbj.jp/investigate/equip/national/detail.html

日本政策投資銀行がまとめた
2012年度、2013年度の全国設備調査(大企業)をもとに、各年度の前年比を示すと、

2012年度がプラス2.9%、2013年度がプラス3.0%である。


設備投資の増減率推移を見ると、2011年ー2012年度のほうが傾きが高い

なお、2015年1月12日の「平成27年度の経済見通しと経済財政政策の基本的態度」では、
13年度の設備投資見通しがプラス4パーセント、
14年度の設備投資見通しがプラス1.2パーセントとなっている。



これはマネーストックに大した変化がないことからも裏付けられるだろう。
アベノミクス下での量的緩和が実際の設備投資に与える影響は微々たる物だった。
統計のデータを見る限りでは、そう言える。


もちろん、プラスだからえーじゃないかという話だが、
2013年度の設備投資(計画)が前年比プラス10.3パーセント、
実績が3.0パーセントだったことを考えれば、この数値は楽観視できない。



しかし、それよりももっと重要なのが、設備投資に大した変化がない一方で、
有効求人倍率がゆるやかに上昇していることである。




(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000044792.html)

さらに注視すると、実は有効求人倍率自体は
アベノミクスの前から上昇していたことがわかる。


つまり、設備投資の増減とは関係なしに有効求人倍率は上がっている

とするならば、量的緩和が雇用を増やしたという主張は、
少なくとも日本においては、実態と異なっていると言えよう。


有効求人倍率(年度ごとの平均値)
2010  2011  2012  2013  2014
0.52  0.65  0.80   0.93   1.09

    +0.13  +0.15 +0.13 +0.16

厚生労働省 一般職業紹介状況より

このように有効求人倍率の増加値は
アベノミクス前後で変化が全くない。



ダメ押しで失業率も併記する。

2010  2011  2012  2013  2014  
5.04   4.57   4.33   4.02  3.58

    -0.47 -0.24 -0.31 -0.44

IMF World Economic Outlook Databaseより


実は2013年度から2014年度までの減少値は
2010年度から2011年度までのそれより少しだけ低い。



マイナス傾向だったのがプラス傾向へと変化したとか、
微々たる増加だったのが急に大きく上昇したと言うなら話はわかる。


だが、実際には、有効求人倍率や失業率の傾向が
アベノミクスに左右されていないのは明らかである。



雇用は確かに増えたが、それは自然回復の範疇だ。
(なお、別記事で後述するように雇用の質は劣化している)


アベノミクスを最大限に褒めるのであれば、
「失業率の減少や求人倍率の上昇傾向をストップさせなかった」とでもなる。


ここで、立教大学名誉教授の小西一雄氏の論文
「異次元金融緩和の2年」『経済』2015年5月号から一文を引用する。



----------------------------------------------------
-黒田日銀総裁が、異次元の金融緩和政策を発表した2013年4月4日から、
まもなく2年になります。成功だったのか、失敗だったのか、どう見ておられますか。


マスコミの注目は、消費税増税の影響を除くと、
2%の物価上昇目標の達成は無理になった、失敗だったという点に集中しています。


そのとおりなのですが、ただ、物価上昇が自己目的ではなかったはずですので、
実体経済はどうだったのかという角度で評価してみましょう。


(中略)

2014年度の実質GDP成長予想はマイナス0.5%であると記されています。
(注:前述の「平成27年度の~基本的態度」を参考に述べている)


個人消費はマイナス2.7%、住宅投資マイナス10.7%、
設備投資見通しはプラス1.2%です。設備投資はプラスになっていますが、
13年度がプラス4%ですから、3分の1以下に落ち込んでいます。


ですから、資本市場(株式市場・為替市場など)は膨らんだが
その効果を実物史上に波及させることができず、
日本経済は軽微のスタグフレーション(インフレと不況の併存)に陥っている
これがとりあえずの結論だといえます。


ですから2年間の結果がどうだったかと問うならば、
明らかに「失敗だった」というのが答えです。


ところが、このリーマンショック後の09年度以来のマイナス成長という
現実について、甘利担当大臣の談話は、
「平成26年度の我が国経済は、緩やかな回復基調が続いているもの…」と述べています。


黒田日銀総裁も、記者会見で、
「ゆるやかな回復基調にある」という同じフレーズをくり返したのですが、
これは「詐欺」に等しいと思います。



-「ゆるやかな回復基調」なんて言えないと……

そうです。にもかかわらず、マスコミはこの点での突っ込みが弱いのです。
それは何故なのか。

1つは、マイナス成長は、
去年4月の消費税増税の影響だという見方が強いからだと思うのです。

3月までの駆け込み需要の反動で、4~6月期は反動減になる、
7~9月期は一定回復するというのが大方の見方でしたが、そうはならなかった。
消費税増税の影響が長引いているという見方が根強い。


もう1つは、求人倍率が上がった、失業率が下がったというわけです。
とにかく労働市場は改善している、という思い込みがあるわけです。


だから、マスコミは政府・日銀の「詐欺」を追及できないのです。

----------------------------------------------------

この論文を読み、私はようやく頭の中にモヤモヤとあった違和感に気づいた。


つまり、こういうことだ。

「マスコミなどでは、「景気回復の実感はない」と決まり文句のように言っていますけど、
 そんなふうにおっしゃる人はたいてい、もともと安定して、
 比較的まともな賃金の職の人なんですよね。過去20年の
 「改革」不況で最も苦しんできた層の人たちの間では、明らかに事態が動いています。
 
「実感はない」派の人たちは、景気回復がコケて安倍さんに失脚してほしいあまり、
 現実から目をそむけているのかもしれませんが、今後、景気回復を
 否定するようなことを言えば言うほど、私たちが最も依拠すべき
 こうした層の人たちを、かえって安倍さんの側に追いやる結果になるでしょう。」


まさに政府・日銀の「詐欺」を追及できないパターンではないか。
(上のコメントは有効求人倍率のグラフを参照した上での発言)


そもそも、「アベノミクスのおかげで雇用が改善されたんだ」と説明されたら、
まともな神経を持っている限り、過去20年の改革不況で
最も苦しんできた人たちは喜んで自民党を支持するだろう。


自分たちの希望に直に応えているのだから。私が失業者だったらそうする。
仕事をくれる政府をわざわざ裏切る馬鹿はいない。


○はアベノミクスの効果を否定すれば貧困者を自民党支持者へ変えるというが、
どう考えたって、アベノミクスの効果を肯定したほうが支持者は増える。



しかも、この発言は2014年5月、まさに消費税が実施された直後の話で、
知人が就職に成功しただの、派遣の賃上げもあるらしいだの、
ブラック企業の人間も今まで再就職先が見つからなかったから
やめられなかったけど、これからは安心だねといった超お気楽な…いや、いい。


…でも、言う。

「すっかり「ブラック企業」の汚名がついてしまっているワタミさんですが、
 とうとうこんなことに追い込まれているとは。
 これまで不況の間は、辞めても代わりの職が簡単には見つからないから、
 いくら過酷な職場でもしがみついているしかなかったのですね。
 それが今や事態は一変しつつあるわけです。」

ワタミの2009年4月入社社員の3年以内に離職する率は48.9だ。


アベノミクスが実施される前から、新入社員の半分はやめている。
こんな弱小ブログの素人が適当に書いたつぶやきに逐一反応する一方で、
これはないだろう、これは。日本の場合は、介護職が顕著だが、
募集があっても、労働条件が悪すぎて敬遠される場合がしばしばある。


つまり、ワーキングプアにも通じるが、
日本の雇用労働状況を改善するには、労働の質を上げるのを第1としなければいけまい。

○氏の発言からは批判的に現状を把握するというよりは、
アベノミクスのおかげで雇用アップじゃイエーイという声で満たされているのである。

(しかも、修正完全失業率で観ると、この時期は10%~12%を行き来している)

その肝心の有効求人倍率が実施前と伸び率が大して変わらないのは指摘したとおり。
こればっかりは、本人と同じデータをもとに論じているのだから間違いあるまい。


それまで下がっていたり、たいした伸び率でなかったのなら、
私だって、アベノミクス最高ヒャッホーイと騒ぎたいが、データが違う
と言っているのだから、仕様が無い。


もっと言ってしまえば、増えたところで雇用が不安定で賃金が安い非正規職
になれたぞ、ワッショーイなどとは、とてもじゃないが言えない。

言えるというなら今すぐ辞職して非正規雇用に就いてくれと言う話。

以上、③の部分を検討してきたが、基本的な統計を見るだけでも、
アベノミクスが特別、雇用改善に貢献したようには見えない。



これは言ってみれば、

「雨が止んだのは、オレが祈ったからだ!」
「いや、お前が祈ろうと祈るまいと、いつしか雨は止み、空には虹がかかるんだよ」

という話だ。


人によっては、失業率が上がるか下がるか、求人倍率が上がるか下がるかといった
AかBかでしか判断できない人もいるかもしれないが、
実際の問題、どう上がったか下がったかを論じなければならないだろう。



※1
実は、イギリスでもインフレ・ターゲットは長期的に見ると失敗している。

「アナリストの大半が2012年初めにプラス成長を確保することを見込んでいたが、
 建設支出が3年来の落ち込みを記録したことが押し下げ要因となった。
 サービス業も伸び悩んでおり、鉱工業生産も縮小した。」

「イギリスの消費者は、依然として続く不況感と、
 価格高騰によるインフレの懸念という、2重の苦しみに直面している」

 特に後者のコメントは今の日本経済に通じるものではないだろうか?


 なお、現在、ヨーロッパで行われている量的緩和は今のところ
 経済の回復に貢献しており、失業率の低下を指摘する者もいるが、
 実は、原油安の影響もあり、物価はそれほど上昇していない

 フランスのように上手くいっていないケースもある。
 これら英米仏の事情を知ると、物価上昇⇒雇用創出説は怪しく思える。


 
※2

 野口氏や小西氏が指摘するように量的緩和は効果がなかった、
 正確にはマネーストックに影響を与えなかった。

 つまり、第二の矢は効いていない。
 にも関わらず、真逆の言葉を述べるのはいかがだろうか?

○hihan

雑考2(労働の質)

2015-02-28 00:01:07 | アベノミクス批判
①アベノミクスで劇的に雇用は増えなかった。
 (有効求人倍率・失業率の伸び数、減少値は実施前後で変化なし)
②褒めるべき点といえば、倍率の上昇傾向をストップさせなかったことぐらいだ。


以上2点を、確認することが出来た。
今回は、労働の量ではなく、労働の質について考えていこうと思う。



思えば、○をはじめとするリフレ派、アベノミクスのおかげで
雇用が増えたぞヤッホーイ派は、雇用の質を度外視あるいは軽視する傾向がある。



労働政策というのは、量よりも質を追求すべきで、
賃金や労働時間、福利厚生を含めた質を高めるのを目標とすべきだと思う。


ここは社会学と経済学の差なのかもしれない。

社会学は労働実態、つまり、生の人間に接して情報を得るが、
数字で見ている人たちには伝わらない……かといえば、○とは違って、
反リフレ派の先生方も大勢いらっしゃるので、本当のところ、よくわからない。
(どうなんすかね)


さて、経済学者の関根秀明氏によると、
2002年から2011年にかけて非正規雇用の伸び率は
一貫して上昇、正規雇用は減少の傾向を辿っている。

それに併せるように平均給与も年々減ってきている。

冒頭のグラフで表示したように、
アベノミクスによって、正社員数が減る一方で、非正規社員が増えているが、
これは長年の雇用傾向に歯止めをかけることが出来なかったことを意味している。


そういう意味では、アベノミクスのせいで非正規が増えたわけではない。
この辺はハッキリと認識すべきだろう。



(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000046231.html)
若年者よりも壮年(35~45)以上が増えていることに気づく。

○をはじめ、一番苦労しているのは若者なんじゃと強調する人間がいるが、
家族を養うこと、特に養育を考えれば、この世代のほうが深刻だ。



それは不本意非正規労働者の割合からも言える。


(http://www.jil.go.jp/institute/reports/2014/0164.html)
これは2012年の話だが、

正規労働者になれず、やむを得ず非正規になった人間の割合は、
なんと壮年の男子労働者で4割に達している。

女性の非正規労働者で、未婚の壮年の場合、貧困率は50%にまで達している。
彼女らの多くは恐らく親と同居していると思われるが、
だからといって現状維持でいいという話でもなかろう。


彼らは初めから非正規労働者だったわけでない。
報告書によると、会社都合、長時間労働・業務上疾病、
理不尽な労働条件による退職がきっかけとなっている場合が多いとなっている。


つまり、労働の質が原因で正規から非正規へと降下した人間がいるということだ。
私が再三、労働の質を強調するのは、そのためだ。


非正規職が増えたことをもって雇用の増加を否定的にみるのは
けしからんと言う声もあるが、そんなものは、この現実の前でふきとんでしまう。



先述したように、非正規職の増加はアベノミクスの恩恵ではなく、
2002年から10年以上続く傾向に反映されたものであり、
その労働条件を踏まえれば、無職よりはマシだという意見が
いかに壮年非正規労働者を無視したものであるかがわかるだろう。


これが私が○に対して抱いた不信感の正体の1つでもある。

つまり、金融緩和のおかげで雇用が増えたことを正当化するために、
壮年の事情をガン無視し、比較的キャリアアップしやすい若者に
焦点を当てる。冷静に考えれば救うべき人間に年齢の差など無い。


そこでは「本来は正規のほうが良いが」といった申し訳程度のコメントを添えて、
ただ只管雇用者数が増えたことだけに焦点を当てる。それでいいのだろうか?


おまけに、この種の批判を○をはじめとする連中は、
「それは持てる者の言葉だ」と傲慢じみたものであると断定し、聞く耳を持たない。


不本意非正規労働者の前で同じ言葉を言ってみろと言いたくなる。


また、本意で就いている人もいるでしょう?と言う人間もいるが、
それはそれでかまわない意見だが、間違っても左翼だと名乗っては欲しくない。


アベノミクスがあろうとなかろうと、非正規雇用者は増えている。
しかも、壮年者は2002年~2012年で100万人も増えた。

この傾向をどうにかして食い止めなければなるまい。
失業よりは良いジャーんという問題ではないのである。


ところで、労働の質ということを考えると、介護職の労働条件は本当に深刻で、
求人率は高いのに低賃金でハードワークということで、なかなか人が足りていない。
(http://www.jil.go.jp/institute/reports/2014/0168.html)


某は建設業より福祉や介護に投資せよ(=雇用を増やせ)と安易に言っているが、
雇用を増やすには、労働需要を増やすだけでなく供給側の希望に沿わなければならない。

つまり、労働の質の向上が希求されるのだが、
この点、某らは、よほど暢気に構えているのか、これといった声を聞かない。


結局のところ、量が増えればそれでよし、金を注げば量が増えると
安易に考えてはいないか?と感じる。それが通じる産業と通じない産業がある。

介護は通じない産業であり、より抜本的な改革が求められるだろう。


以上、労働の質ということについて考えたが、最後に労働賃金について触れてみたい。


----------------------------------------------------
1日発表された3月の政府統計で、物価上昇を加味した
賃金水準を示す実質賃金指数が23カ月続けて前年割れとなりました。


家計の消費支出は過去最大の落ち込みでした。
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による物価高に
賃金の上昇が追いつかず、消費税増税が家計に打撃を与えています。


厚生労働省の毎月勤労統計調査(速報)によると、
実質賃金指数は前年同月比2・6%低下しました。


基本賃金と残業代、ボーナスなどを合計した「現金給与総額」(名目)は
0・1%増の27万4924円、基本賃金にあたる「所定内給与」は
0・3%増の23万9790円でした。


また、総務省の家計調査によると、
1世帯(2人以上)当たりの消費支出は31万7579円。

実質で前年同月比10・6%減少しました。
比較可能な2001年1月以降、最大の下落幅でした。

減少は12カ月連続。


昨年3月が消費税増税前の駆け込み需要のピークだった反動で、
幅広い品目で支出が落ち込みました。大きかったのは家具・家事用品
39・6%減、自動車を含む交通・通信16・1%減、
住居16・0%減、被服・履物14・9%減など。食料も5・7%減りました。



勤労者世帯の実収入は44万9243円。
名目2・5%増加しましたが、実質で0・3%減。

物価上昇で実収入が目減りしています。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-02/2015050201_02_1.html
----------------------------------------------------

実質賃金の低下を非正規雇用の増加が原因と述べる輩もいるが、
上のように、名目賃金自体は増えているのである。


名目賃金の上昇を超えた物価上昇が実質賃金の低下の原因だ。
このことは深く認識しなければなるまい。
○hihan

雑考3(現場の声)

2015-02-28 00:01:06 | アベノミクス批判
無職よりは派遣がええやろと言っている人間には、
下のような記事を見ても何とも思わないのだろうなと思う。


注目集まる春闘 どうなる“非正規”の待遇改善

非正規労働者が2千万人を突破!ネットには「こりゃ結婚できないわ」と嘆きの声

「契約打ち切り」不安抱え教壇に 非正規雇用の教員、私学で増加


彼らのおかしな点は、勝手にワーキング・プアや不安定な雇用状態にある人間を
無職のそれより「幸福」だということにしてしまうことだ。

そこには、どちらも大変だという発想はない。
逆に「非正規だって大変でしょう?」という意見を「持てる者の傲慢」と見るのはいかがだろう?


それは、結局のところ、金を増やせば雇用が増えて幸せになるという
自分の主張を正当化させるために失業者を利用しているだけに見えてならないのである。




-----------------------------------------------------
全国私立学校教職員組合連合によると、
13年度の全国の私学における非正規雇用は全体の約40%。

県内でも非正規雇用の教員が全体の約38%を占める。

経営難や急な教員の欠員などを背景に、
私学では非正規雇用に頼らざるを得ない実態がある。


しかし教員の非正規雇用の増加は教育の質を低下させる
という悪循環も見込まれるため、雇用形態の改善を模索する学校もある。

(http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/06/12/10.html)
------------------------------------------------------

教職は毎年、一定の若年労働者が参入する分野だが、
そこでさえ、経営上、すでに過酷な環境へとなっている。

(また、非正規雇用の比率は全体の傾向と合致している)


この記事で紹介される女性教師は32歳だが、
授業がない日は飲食店等でダブル・ワークをしていた。



「雇用が大事なんだ!若者が大事なんだ!」と語る人たちは
 量的緩和で若者の雇用が改善されたとアピールするために、
 具体的な問題から目をそむけてはいないか?


と問われると「いーえ!考えていますよ!」と答えるだろう。


しかし、彼らの普段の言葉を読む限りでは、
雇用が増えました、量的緩和のおかげです、アベノミクスのおかげですと
提灯記事ばっかりで、こちらから話題を振られない限り労働の質の話はしない。


というより、質の話、つまり非正規だけ増えて正社員が減っていると問われると、
人口論を持ち出して自然現象の範疇だと語ったり、失業者を持ち出して、
「失業者が救われたんだ!非正規が悪いというのは持てる者の言葉だ!」
と言って、見ようとすらしない。


上記の教師に対して、私はあなたの味方ですよと神仏に誓えるのだろうか。
○hihan

雑考4(生活の負担)

2015-02-28 00:00:05 | アベノミクス批判
これまでの雑考で、アベノミクス型量的緩和(※)では、
①有効求人倍率や失業率の上昇・下降傾向に特に影響を与えていない
②正社員が減少し、非正規社員が増えている傾向が止まらない

の2点を確認した。

また雑考3では、私立高校の非正規社員の増加など、
現場の非正規社員の苦境、現場の声について紹介した。


もちろん、それは現場全体の声ではないと喝破することも出来よう。
実際、記事に取り上げられるのはとりわけ厳しい人の姿だと思われる。

だが、少なくとも最もダメージを受けた側に立つと意気揚々と語る人間が、
低賃金労働に苦しむ人間を「それは一部だけだろプゲラ」と笑うことは許されないだろう。

(※量的緩和は絶対の特効薬ではないが、成功した事例も過去に存在する。
 問題は、過去に効いたものが今、効くかどうか確認することだ)


さて、量的緩和は雇用には特に影響を及ぼさなかったが、
その一方で、家庭や中小企業の経済には大きな負担をかけた。




(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-24/2014112403_02_0.html)

2014年11月の時点で、
実質賃金は2013年6月をピークにマイナス値を示している。


注目すべきは、実質賃金の低下が消費税8%実施以前から起きているということだ。

どこぞの学者は何でもかんでも消費税のせいにしたがっているが、
中小企業を含む労働者たちの生活は量的緩和によって確実に負担がかかった。


賃金が下がったのは非正規が増えたせいなんじゃー!という声もあるが、
安倍が説明しているように、名目賃金自体は上がっている。

消費者物価上昇率>名目賃金の上昇率であるゆえに起きている現象であり、
実質賃金の連続低下は物価上昇以外に原因がない。


実は、物価上昇に伴う家計への負担は、リフレ派も認めていることである。
さる学者は、家計への負担を指摘され「食料品だけ消費税を非課税にしては」と
適当なことを言っていたが、これは実のところ、数年前、
菅直人首相(当時)が消費税の増税を提案したときに述べられた言葉だ


菅の場合は、食料品以外も含む生活必需品を非課税対象にしようとしたが、
さる学者の場合、食料品だけの非課税になっており、菅よりも家庭に冷たい。


生活必需品もさることながら、人間には娯楽も必要だし、
自動車を有する家庭は車検やガソリンの費用なども要るし、
子どもがいるなら、塾や家庭教師や参考書の費用がかかるものだろう。


そもそも、問題の学者は消費税が諸悪の根源論を語っているのだから、
5%に引き下げろと本来なら言うべきなのだ。それを言わないあたり、
菅と同じ物価を上げるのが前提の付け焼刃的救済案だと思われても仕方がない。



------------------------------------------
雇用はどうか。


「雇用は100万人以上増え、高校生の就職内定率は13%アップ」(首相、21日)
「有効求人倍率は1・09とこの20年間でもっとも高い数字」(茂木氏、22日)

などとばら色であるかのように描いています。



しかし、増えたのはすべて非正規労働者です。
総務省の労働力調査(7~9月期平均)によると、
2012年と比べて非正規雇用で123万人増加。正規雇用は22万人減っています。


有効求人倍率が1・09倍(9月)と“22年ぶりの高水準”といいますが、
正社員は0・67倍。正規雇用の求人は1倍を切る厳しい状況が続いています。

高校生の就職内定率が54・4%(9月)で2012年比13%改善としていますが、
内定が決まったのは半分程度しかなく依然、厳しいままです。



中小企業は、「増税不況」と、円安による資材高騰で苦しんでいます。


ところが、「中小企業の景況感も22年ぶりにプラス」(茂木氏)
「倒産件数は24年ぶりの低水準」(自民党ビラ)などと自慢しています。


実態は、「アベノミクス」が中小企業の経営を直撃。
帝国データバンクによると、円安の影響を受けて倒産した企業は
前年に比べ2・8倍に増加。

輸入原材料や燃料費の高騰が経営を圧迫し、
さらに、多くの倒産を生むとの観測も示されています。

(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-24/2014112403_02_0.html)
----------------------------------------------------

リフレ派の卑怯なところは、正規と非正規が交代している現実を指摘すると
「失業よりはマシ」と語る一方で、非正規職の苦境、特に派遣の規制緩和を
問題視されると「オレも反対じゃあああ!!!」と語る点につきる。


一体、どちらなのだろうか?雑考2で指摘したが、今起きているのは
壮年期を主として、正規雇用から非正規雇用へのキャリアダウン現象であり

これは歴史的に見ても雇用量の増加に連動して起きているものだ

実のところ、「正規と非正規の交代」と派遣の規制緩和は
同じことを言っているのだが、前者は「雇用が増えたからいいだろ!」で
後者は「規制緩和は絶対反対です!」というわけで、何がなにやらだ。




中小企業の負担は大企業に課税することで緩和できると語る人間もいる。


ここで『2012年国民春闘白書』を見てみると、1989年度から2011年度において、
法人税は累計221兆円減収している一方で、消費税は累計238兆円増大している。


つまり、消費税の増税は法人税の減税と一対になっている。
もちろん、消費税が8%に増加された時にも法人税は引き下げられた。


法人税を下げるための増税になっている以上、
これでは、大企業への課税など実現できるはずが無い。



よく、共産党を「反対のための反対」と揶揄する人間を見るが、
私に言わせれば、彼らこそ「賛成のための反対」をしているのであって、
根本的な部分、この件に関すれば物価上昇のために申し訳程度の反対をしている。


彼らは真実の弱者のために戦っているのだと言うが、
どう見たって安倍晋三の太鼓をドンドコ鳴らしている。

○hihan

雑考5(農業と円安)

2015-02-28 00:00:04 | アベノミクス批判
円安はトヨタをはじめとする輸出産業に莫大な利益をもたらしたが、
他方、農業にはどのような影響を与えたのだろうか?


「一方で円高の時、低価格の輸入品と競合していた農家などは
 円安のおかげで助かっている。だから再び円高に戻す必要はない」


と言う声もあるが……


----------------------------------------
円安加速に農家が泣いている。


畜産農家は飼料の多くを輸入に依存しているため、
円安は大きなコスト上昇要因だ。


酪農の場合、飼料代が乳代の半分以上を占める。


また、国際競争力をつけるため
規模拡大した農家ほど、飼料の輸入依存度が大きい。



つまり、政府が育てたい
大規模なメガファームほど、
円安で経営危機に直面している。



アベノミクスの大矛盾である。

http://money.minkabu.jp/39765(2013年6月24日)




政府の「アベノミクス」圧力に反発を強めているのは、
既得権限の消失や既存組織の混乱などを嫌うJA全中だけでない。


一部の国内農家は日銀による異次元緩和などが
引き金となった円安で輸入飼料価格が高騰し、収益低下の厳しい局面に立たされている。


「アベノミクスという、いわゆる国策が生み出した円安で、
 トヨタ自動車のような大企業はもうけやすくなったが、
 その裏返しが私達、酪農家だ」と愛知県豊田市で酪農を営む杉浦弘泰氏は話す。


同県の酪農農業協同組合長も務める同氏は、
飼料代が経営コストの8割にも達する今は「非常時」とし、
「安倍首相には国策の裏側もみてほしい。農業の役割を考え、
 国として支えるべきは支えてほしいと全酪農家が思っている」と訴える。


日本の農業関係者に広がるアベノミクスへの反発は、
すでに大きなうねりとなって安倍政権に跳ね返りつつある。

今年1月の佐賀県知事選では、県農政協議会や漁協の推薦を
受けた元総務官僚の山口祥義氏が、自民・公明の推薦を受けた
樋渡啓祐氏を破って初当選。これまで選挙で自民党を支えてきた農政協は、
今回山口氏側につき、徹底的な組織戦を展開、4万票という大差での勝利を実現した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/i
dJPKBN0LA05U20150206?pageNumber=2&virtua
lBrandChannel=0(2015年2月6日)


農産物価格高騰 円安・資材費高に注視を  (2015/5/23)


農産物価格がバブル期以来の高値水準を記録している。
消費税増税や円安によるアベノミクス効果と歓迎したいところだが、
同時に資材価格も高騰し、利益は帳消しとなっている。


中には、米価のようにバブル期の半値水準に落ち込んでいる作物もある。
アベノミクスの行方を注視しなければならない。


バブル景気は1991年を境に崩壊した。
以来25年間、農産物価格はバブル期を抜くことはなかった。

ところが今年に入って、再来を思わせる価格が登場している。
代表格が和牛の枝肉相場。昨年末から東京食肉市場で
A4クラスは1キロ2200円とバブル期水準に乗せた。


A5クラスの2800円台にはまだ及ばぬものの、ほぼバブル時代に近い価格だ。
野菜や果実は、作柄の影響が最も大きいが、輸入量の動向も左右する。


アベノミクスは景気回復のため、輸出力を高める円安を誘導してきた。
2012年秋まで1ドル80円だった外国為替は、2年半で120円に進んだ。

輸入農産物は、為替だけで5割高となった。
牛肉の場合、現地相場高も加わって
輸入単価は1キロ420円から770円に8割アップした。

これに景気回復と国内の生産減が加わって、バブル期の再来価格となった。
輸入かんきつも、2年半で単価は8割ほど上げている。


一方、生産資材は飼料や肥料の他、子牛価格も過去最高を塗り替え続けている。
10年を100とした農水省の農業物価指数によると、
今年3月の飼料は127、肥料109、資材全体で111。

25年前は肥料70、飼料80前後だった。
資材の高騰は海外での原料高もあるが、円安と昨年4月の消費税増税が大きい。


農産物高に対し、食品メーカーや外食業界は値上げで転嫁している。

消費者物価指数は10年を100としたもので、
この25年間で100を大きく超えることはほとんどなかったが、
今年3月は、菓子106、調理食品108、
外食105と前年同月比で4~6ポイントアップした。

4月以降も外食を中心に値上げラッシュは続いている。


こうした価格上昇の中で、消費者は
加工品や外食にはお金を使うが、農産物に使うお金は増やさない。



計調査によると、外食、調理食品、菓子、飲料のこの1年の支出は、
10年間で最も多いが、野菜や果物、魚などの農林水産物は、肉類を除くと回復が弱い。



アベノミクスはデフレ脱却のため円安を誘導し、物価上昇を目指してきた。


輸出企業は円安で業績を伸ばし、
原料が高くなった食品メーカーや外食業界は製品値上げで乗り切る。



これに対し農業関係は、食肉など農産物価格はアップしたが、
同時に生産資材も値上がりし、厳しさは変わらない。

中には米のようにバブル期の半値にまで落ち込んだ農産物もある。


安倍首相が打ち上げる農業・農村所得倍増は程遠いのが現実だ。

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33422
----------------------------------------

……という次第である。

最後の記事は日本農業新聞のもの。信頼性はピカ一だ。

「一部の話だろ」といって耳を傾けない自称左翼もいるかもしれない。


しかし、円安で助かる人より助かっていない人の味方になるのが
本来の左翼というものだ。リベラルというものだ。


「リベラル」という曖昧な言葉で自分の立ち位置をごまかす輩が多いが、
 彼らに人間としての心があるなら、前述の酪農農家の言葉、
「国策の裏側も見て欲しい」という言葉を真剣に受け止めるべきだ。




農業「など」が助かっているだろうという声もあるかもしれない。
だが、少なくとも円安で助かっている代表格として農業を挙げたのは事実。


不本意でやったのなら用語の用法を間違えた私と同じく勉強不足だし、
意図的にやったのなら、とんでもない情報操作だ。


こんな言葉を載せた新聞Aには大きな社会的責任がある。


私に言わせれば、これは池上と同じ合法詐欺だ。
710万の部数を誇る媒体で、実にいい加減な言葉が囁かれている。
○hihan

雑考6(まとめ)

2015-02-28 00:00:03 | アベノミクス批判
以上の雑考をまとめると、次のようになる。

①量的緩和は雇用情勢に影響を与えていない。

②非正規社員が正規社員と交代する現象は歯止めがかからず。

③以上の雇用劣化をリフレ派は無視。

④物価上昇が中小企業の経営、家庭の生活に高負担が。

⑤もちろん、リフレ派は上の現実を無視(※)

 
※ 特に円安が農業にかける負担が高い中、
  農家が円安で助かっていると逆の内容を吹聴する人間も。
 


こうしてみると、都合の悪いデータを
ことごとくリフレ派が無視していることがわかる。




というより、ほぼ神話だ。


①を無視して、有効求人倍率が上がったのは量的緩和のおかげなのだと妄信し、
労働の質の低下、生活に負担増、中小企業の経営負担増を受け入れよと畳み掛ける。


雇用は増えただろ!失業者をどうする!アベノミクス続行!と脅しをかけている。
だが、何度も言っていることだが、雇用情勢に量的緩和は影響を与えていない


「アベノミクスのおかげで雇用が増えた」という命題が偽なのに、
 それを盾に生活や経営の負担の受忍を要求する。これは実に右翼的な論法だ(※)。


※右翼的……歴史問題が顕著だが、ウソ・デタラメ(日本の戦争は正しかった)を
      根拠に被害者に泣き寝入りを強いる態度および言説。




小西一雄氏も指摘するように、彼らは
①景気が悪化したのは消費税のせいだ!②でも雇用は改善された!
という二つの教条を信仰することで現実が見えなくなっている。


ただ、私はそれでも別にいいと思っている。
というのも、右翼が右翼的な行動を取るのは別に不思議ではないからだ。



私がおかしいと思うのは、左翼やリベラルを称する人間が、
きわめて右翼的な発言を進んで行っていることである。


「もし消費税増税がなければ、もともと景気拡大の勢いには
 底堅いものがあったと言えます。今後、追加的な財政、
 金融の拡大政策がとられることで、来年一年間かけて、
 それなりに好況が実感されるところまでいくのではないかと思います。
 
 これは、「楽観」で言っているのではなくて、
 改憲に向けた安倍スケジュールが着実に進むことを警告して
 言っているのだということを間違えないようにお願いします。」


「それゆえ安易な「アベノミクス失敗」論はやめてほしいし、
 そもそも何度も言いますが、「アベノミクス」という言葉を
 反対側の陣営が口にするのはやめて下さい。
 
 2016年に好況の熱狂の中で、安倍応援アイドルが
 「アベノミクス!アベノミクス!」と叫んで踊り回ったらどうする!」




上の言葉を読む限り、彼はアベノミクスが完全に失敗したと
断言できる日が来るまで、批判をするな
と主張しているように受け取れる。


現実には既に低所得者に負担がかかっているのに?
アベノミクスの批判者は労組などの労働者本人たちも含まれる。



彼らの意見を封殺する○が誰の味方なのかは一目瞭然だ。


(ここで重要なのが、どのアベノミクス失敗論が「安易」かそうでないかは
 教祖様ご本人の判断次第であるということ。事実上の自粛強要である)


「来年、好況になったとき、それまでアベノミクスを批判していた
 連中の信用が失われて改憲への道が開かれるであろう」と警告する教祖様。


しかし、アベノミクス(商的緩和)がいつまで続くかなんて誰にもわからないわけで、
もしかすると2018年まで行われるかもしれない。

とすると、最悪の場合、上記の論法を使えば、
我々が文句を言えるのは、2019年ぐらいまで待たなくてはならなくなる。

それまで待てというのだろうか?


そもそも、去年も一昨年も今年も着実に軍拡は進んでいる。
憲法さえ守ればそれでいいという話でもない。

秘密保護法が成立し、靖国参拝が実現した2013年12月、
アベノミクス大成功キャンペーンを流していたのはどこのどいつだろう?


そこにはリフレ派を中心とした経済学者も含まれていたのではないだろうか?


等々を考えると、もうこれは
左翼のお面を被った右翼だと見てもいいんじゃないだろうか?


私は日本の右傾化は左翼の右傾化だと再三申し上げてきた。
これは、まさにその典型というわけだ。
○hihan

雑考7(おまけ)

2015-02-28 00:00:02 | アベノミクス批判
共産党がアベノミクスや量的緩和に反対しているのは、
まさにこの経済政策が人間の生活を圧迫しているからだ。



これさえなければ実質賃金が低下することなく雇用が増えただろう。
(雇用量の増加自体は量的緩和と無関係に起きているので)


ところで、量的緩和がヨーロッパ経済にマイナス要素をもたらすと危惧しているのは
共産党の専売特許ではない。例えば、アルジャジーラに掲載された次の記事がある。


Quantitative easing won't cure Europe's economic woes

(邦題「量的緩和がヨーロッパ経済の悲しみを癒すことはないだろう」)


量的緩和はバブルを生みはするが、実体経済に歪みも生じさせる。
本当に必要なのは実体経済の成長と雇用創出が可能となる金融政策だと結論づけられている。

人によっては、EUでは量的緩和に好意的なのに日本の共産党ときたらと
ネガティブに評価することもあるが、量的緩和については雑考1で述べたように、
イギリスやアメリカでは成功しなかった事例もあり、無批判に受け入れるわけにはいかない。


冷静に考えれば、EUの労働者が必ず正しいという保障はない。
短期的なバブル経済で雇用が潤うことはあっても、
長期的には実体経済を成長させるかは定かではない。
それでもやるだけやればいいじゃんという意見ならわかるが、
日本は遅れていると語るだけでは、どこか歪んだ西洋中心主義を感じてしまう。


以上、あれこれと説明をしてきたが、○自身についての感想を言わせてもらえば、

量的緩和のおかげで雇用量が増えたという神話を口実に
中小企業の関係者に経営や生活の負担を強要する。
そういう人物に見える。


一応、救済策は提言しているが、それは向こうに尋ねられて初めて話したことであり、
しかも非現実的な内容だ。○本人が救済策の受け入れを政府に呼びかけている素振りもない。


さらに言えば、アベノミクスや量的緩和で利益を上げたのは
輸出産業を主とする大企業なのだから、○が本当に立っているのは向こう側ではないか?


本当にあるかどうか本人すら知らない未来の好況を理由に
現実に起きているアベノミクスの弊害への非難を自粛せよなんて無茶苦茶だ。


2年間を通して実体経済が改善されなかったのは事実。
酪農をはじめとして円安が経営に負担をかけたのも事実。
我々生活者、それも普通に生きている人間の暮らしに負担をかけているのも事実。
低所得者の生活における負担は、なおさらだというのも純然たる事実。


そうある以上、少なくとも、この2年の期間においては失敗したと言うのは当然の反応だ。
そういう自然な反応を否定的に捉えるのは、およそ右翼的な態度ではないだろうか。

彼の論法に対しては以前から、おかしさを漠然と感じていた。
そのおかしさは今回の炎上ではっきりとわかった。

彼は非正規の増加などのネガティブな現実は半ば認めているのだが、
いざそれを指摘されると、失業者などを持ち出して、彼らを盾に反論を封殺しようとする。

だが、それは雑考3や雑考5で述べたように非常勤講師や酪農農家などの
非正規増加あるいは量的緩和で苦しんでいる人々の声を完全に無視するもので、
これはいわば、ある被害者の窮状を別の被害者をもって隠蔽しているのである。

(しかも、その被害者が救われた背景にアベノミクスはほとんど寄与しない)

ところが、また別の場所では雇用規制の緩和に反対だと話している。

しかし、冷静に考えれば、雇用規制の緩和の結果は、
非正規社員の増加なのだから、結局は同じ話である。


つまり、ある場所では非正規の増加を失業よりはマシと語る一方で、
返す刃で規制緩和には反対だと真逆の姿勢を見せている。ここに私は矛盾を感じたのだ。


非正規増加の現状を全体的に高評価するための部分的な低評価に見える。
実際、○は別の箇所で非正規増加は少子化社会の自然現象の範疇であるかのように語っている。


こういう反対のフリをする左翼がマジョリティになったら、
本当に日本の政治は右翼と仮面左翼が連合した事実上の独裁制になるだろう。
(表面的には両者が対決している風を装う)


本来なら通常の批判記事同様、本名で書くべきところだが、
何者かは不明だが、炎上攻撃という名の言論テロを受けたので
対策として、よほど○を知っている彼の信者が読みでもしない限り、
彼を批判しているとは気づかないような構成にした。


そのため、引用文も出典は明記していない。
この文章だけでは、○自身に直接の何かしらの影響はないと断言できる。
(間接的にはリフレ派の評価が下がるのかもしれないが)


炎上を誰が仕組んだのかはわからないが、
仮に○の手によるものだったとすれば、これは相当に性質が悪いのではないだろうか?


それはないとしても、○の支持者か同胞に目をつけられたと言ったところか……


炎上を目論んだのがアベノミクス支持派の右翼ならば、
別に文句はない。だが、これを自称左翼がやったとするならば、
問題は深刻だろう。もはや今の左翼は安倍の尖兵となって動いていることになるのだから。



雑考1で言うとおり、用語の混同、それをもとにした非難は済まなかったと思うが、
それをレッドヘリングにして、根本的な論点をずらされたのは遺憾だ。


確かに、最初に書いた記事は読み返すと説明不足で、自分でも駄文に感じる。
よって、より詳しく、体系的に現状が把握できるように加筆・修正を行った。

結果的には、より鋭い批判の文になったと自負している。



・追記

炎上なんて、記事を消して謝罪文を書けば、2日もあれば、
別の敵を求めて教徒は消えてくれるものだが…と書いていたら、
本当にそうなっているので何ともいえない気持ちになった。まぁ、深くは言うまい。


○hihan

アメリカの貧困者数、1960年代のレベルに戻る

2015-02-27 00:34:45 | 国際政治
5000万(識者によっては4500万)のアメリカ人が貧困状態に陥っている。

これは、1960年代のアメリカの貧困者数と同値であり、
よその国を人権侵害の独裁国家と大口を叩くアメリカそのものが、
独裁国家の総人口よりも多くの人間の生存権を脅かしていることが最近の調査でわかってきた。


-----------------------------------------------------------
フランスの研究機関が、
アメリカは先進国の中で、貧困者の数が最も多い国だとしました。

この研究機関は、2011年、アメリカは貧困者の割合が17.1%で、
先進国の中でワースト1、ギリシャがワースト2だったという調査結果を発表しました。



世界最大の経済大国であり、多くの富豪が暮らすアメリカの貧困者の数の発表は、
常にアメリカ政府にとって不名誉の源となっています。


ジョンソン政権が貧困に対する戦いを開始した1960年代から現在まで、
アメリカ社会の貧困を撲滅するための数多くの努力が行われてきました。

こうした中、公式統計が示しているように、
2009年アメリカの貧困者の数は1960年代のレベルに戻り、
半世紀の努力がほぼ無駄に終わったことを示しました。



アメリカの貧困ラインは4人家族で年収2万3850ドル(約360万)となっています。

アメリカ人の多くが25歳から75歳までの間で、数年間貧困の辛い時期を経験するといわれています。


この貧困は、有色人種や子ども、
片親の家庭において特に深刻です。



2011年には1600万人のアメリカ人の子どもが政府や福祉機関による食糧支援を受けて生活していました。


ユニセフも、2013年、アメリカは先進国の中で
二番目に貧困の子どもを多く抱える国だと発表しています。



アメリカにおける貧困拡大には、様々な理由があります。

まず、アメリカの資本主義体制において、
不平等が広がっており、社会進化論によれば、貧困者などの弱者は死を宣告されています。


こうした中、政府は貧困撲滅に向け十分な資金を有してもいなければ、
富裕層はその税金を貧困者に当てようともしていません。




このため毎年、様々な形でアメリカの富豪の税金の免除率が拡大され、
政府は福祉計画のために十分な資金源を確保できずにでいます。


アメリカの貧困拡大のこの他の要因は、同国の政府が、
国内外の治安・軍事計画に莫大な予算を当てていることです。



この15年だけで、アメリカ政府は
1兆ドルの資金をアフガニスタンやイラクの戦争に費やしています。



もしこの半分の額を財政支援や新たな雇用の創出に投じていたら、
数十万人の市民が貧困ライン以下の生活を抜け出していたでしょう。



この80年で最大の金融危機が発生するという2007年に、
財政管理を誤ったため、アメリカの貧困問題は拡大しました。


この危機は大規模な失業と住宅の差し押さえを引き起こした一方で、
福祉計画を継続するための政府の財政を失わせました。


この2年、政府の財政問題により、失業保険の受給期間が減らされただけでなく、
食料クーポンを受けることのできる人も減少しました。


最終的に、一部の福祉計画の規範のない実行は、アメリカ市民の一部を怠けさせ、
失業者や麻薬中毒者、ホームレス、社会的責任の欠如した人々の間で貧困を広めました。


いずれにせよ、世界の経済の指導者をうたい、複数の富豪が暮らすアメリカにとって、
4500万人の貧困者は不名誉の源であり、貧困者と富裕層の格差が加速すれば、
アメリカの社会的な危機は拡大することになると予想されています。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/52035
-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%B2%A7%E5%9B%B0

--------------------------------------------------------------

アメリカは福祉費を各自治体が自力で調達しなくてはいけないので、
ニューヨークのように財源がある自治体以外では、必然的にNPOの活動に依存するしかない。


レーニンは「国家とは階級支配の機関なのだ」というテーゼを掲げたが、
まったくその通りで、大多数の市民を犠牲にすることで富裕層を保護するシステムになっている。



これだけ非道い有様のアメリカでイタリアやフランスのような暴動が起きないのは、
半世紀異常前から、赤狩りなどで共産的な勢力を排除していることと、
人種主義と民主主義を基軸にし、不満のガス抜きが容易であることが挙げられる。


例えば、イランや中国などの特定のイデオロギーを保護し、
それに反する思想を「政府によって」排除する国家では不満がたまりやすい。

また、敵国から人権侵害と攻撃される要因にもなっている。


だが、アメリカの場合、不満や抗議はいくらでも出来るようになっているので、
暴動よりもネットや書籍、雑誌での言論活動、あるいはデモで怒りが表現されやすいのである。


もっとも、この自由はあくまでアメリカの国家体制が揺らがないレベルの許容であり、
実際、1960年代に黒人の人権復帰運動においては多くの活動家が殺害された。


だが、このような活動家も、多くは「市民によって」殺害されている。

つまり、アメリカは弾圧の姿勢を取らず、
社会の悪感情を利用し保守的な人間を培養することで、民主的に敵を排除している。



その際、歴史的に利用されたイデオロギーが人種主義だった。


つまり、人種主義を表現の自由のもとに放任し、
体制側に都合のよい右翼思想を大衆に植え付けることで、
民主的に各々が政府とは無関係に運動家を攻撃するように仕向けているのだ。


また、自由というイデオロギーを絶対視させることで、
社会全体の権利より個人の権利を追求させ、互いに対立させるようにもしている。
(アメリカは世界でも有数の司法社会で有名だ)


英領植民地の恒久化と社会運動家の弾圧に執念を燃やしたチャーチルは
「民主主義は最悪の政治だ。民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」と述べた。


日本ではチャーチルは善人扱いされているので、この言葉も好意的に解釈されているが、
アメリカの様子を見れば、これは政府ではなく国民自らが弾圧の担い手となる点において
最悪の人権侵害システムだが、為政者にとっては、これほどお手軽で楽な支配制度はない
という意味で最適な政治システムであると言っているのだと再釈する必要があるだろう。
(デモクラシーのさらに上をいくシステムを模索しなければならないということだ)

デトロイト市(アメリカ)の子供たちの59%以上が貧困状態に

2015-02-27 00:25:02 | 国際政治
アメリカの子供たちが貧困状態に陥っていることは前々から騒がれていたが、
まさかデトロイトというアメリカ有数の工業都市で6割もの子供が貧困になっているとは知らなかった。


-----------------------------------------
アメリカ・イシガン州のデトロイドが、
アメリカの50の大都市の中で、貧しい子供の数が最も多い都市となっています。


ニュースサイト、デトロイトニュースが、21日土曜、報じたところによりますと、
ミシガン州の当局は、デトロイト市の子供たちの59%以上が
2014年末まで貧困状態で暮らしていたとしました。


この報道によりますと、デトロイトの貧しい子供たちの数は
2006年以来、34%増加しているということです。



アメリカのKids Countプロジェクトの関係者であるJane Zehnder-Merrel氏は、
ミシガンの公共政策協会で、「貧困による悪影響は、
景気低迷の時期に行われた社会的なサービスの減少により、深刻になる」と語りました。

この悪影響の例として、2008年から2012年までの
デトロイトにおける児童虐待件数が、77%増加したことが挙げられています。


アメリカ政府は、最近、議会に提示した報告の中で、
賃金が上昇しないためにアメリカの中流階級は圧力を受けているとし、
賃金の停滞により中流階級は被害を被りやすくなっていると警告を発しました。


この報告によりますと、およそ5000万人に当たる
アメリカの人口の15%近くが現在、貧困状態で暮らしているということです。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/52357
-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%A7%E3%8
3%87%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%88%E3%81%8C%E
8%B2%A7%E3%81%97%E3%81%84%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%8
C%E6%9C%80%E3%82%82%E5%A4%9A%E3%81%84%E9%83%BD%E5%B8%82

-----------------------------------------

近年の欧米の貧困の特徴として、
政府の福祉費の削減に伴う公的サービスの劣化と
規制大緩和・企業主体の経済政策による必然的な経済格差が挙げられる。


要するに貧困は人災であり、なるべくしてなったのだ。

2000万人のイギリス人、5000万のアメリカ人が貧困者に

2015-02-26 23:16:57 | 国際政治
イタリア、ポルトガル、スペイン、ギリシャ、アイルランド、
ルーマニア、キプロスの7カ国で、4人に1人が貧困状態にある。



過去5年間に、経済状況の悪化により、イタリアの貧困者の数が2倍に増加してる。
EUやIMFが緊縮政策を強いるため、失業者や低賃金労働者が激増しているのである。



これはイギリスやアメリカのような侵略国も例外ではない。


-------------------------------------------------------
イギリスで、2000万人が貧困状態



イギリスで、2000万人が貧困状態にあることが明らかになりました。


プレスTVによりますと、9日月曜に発表された、イギリスでのある調査の結果から、
同国の貧困者は1983年以来現在までに倍増し、今後5年間でさらに悪化することが見込まれています。


この調査によりますと、イギリスでは現在2000万人が貧困状態にあるということです。

また、イギリスでは子ども5人に1人がホームレスであり、
さらに子ども10人に1人は保温に適した十分な衣服にも事欠く状態だといわれています。


さらに、イギリスの人々の21%は負債を抱えており、彼らの3分の1は貯蓄能力がないということです。


イギリス政府は、2010年から赤字予算の削減と経済発展の加速を目指すため、
緊縮財政政策をとっていますが、このことは人々の抗議の高まりを引き起こしています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/
item/52027-%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82
%B9%E3%81%A7%E3%80%812000%E4%B8%87%E4%BA%BA%
E3%81%8C%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E7%8A%B6%E6%85%8B



公式統計によれば、イギリスは、若者たちの失業について、過去数十年で最悪の危機に直面しています。


イギリスの新聞ガーディアンは、イギリスの若者たちの失業は懸念すべき状況であるとし、
「統計によれば、イギリスの若者の失業率は、他の階層のほぼ3倍になっている」と報じました。


これによれば、イギリスの16歳から24歳までの若者のうち、仕事にも就かず、
学校にも行っていない人の数は、昨年の第4四半期に増加し、およそ50万人だということです。


イギリス労働党のレイチェル・リーヴス氏は、
イギリスの若者の失業率の高さは、この国の根本的な問題だとしました。


http://japanese.irib.ir/news/
%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/
item/52379-%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%8B%A5
%E8%80%85%E3%81%AE%E5%A4%B1%E6%A5%AD

------------------------------------------------------

イギリスの総人口は2013年の時点で、6410万。
2000万が貧困状態にあるということは、3~4人に1人は貧困だということだ。




イギリスもまた格差社会なので、
まさに少数の金持ちのために多数の人間が犠牲に合っていると言えるだろう。


イギリスも相当に非道い状況だが、アメリカも負けず劣らず非道い有様だ。


-----------------------------------------------------
アメリカ人5000万人が貧困


アメリカ政府は、アメリカの人口の15%にあたる
5000万人が現在、貧困の中で暮らしていると発表しました。



中国・新華社通信によりますと、アメリカ政府は議会への最近の報告で、
収入が増えないことから同国の中産階級に圧力がかかっているとしました。



アメリカ政府はこの報告の中で、同国の賃金の低迷により、
アメリカの中産階級が打撃を受けていると警告を発しました。

この報告では、アメリカの金融危機後のアメリカの経済状況の改善にもかかわらず、
アメリカで収入が増加しないことは、同国の中産階級に打撃を与えているとされています。


アメリカ大統領の経済チームによって作成されたこの報告は、
同国の賃金の全体的な上昇に向けた議会の合意のための次のステップとなっているようです。


オバマ政権は何度となく、アメリカ全土で賃金を上昇させるために
議会を説得しようとしていますが、共和党議員だけでなく、一部の民主党議員もそれに反対しています。


この報告によりますと、アメリカの低所得層や貧困層は現在、
金融危機の前よりもさらに悪化した状態にあるということです。


フランスの研究所も最近、アメリカは先進国で最多の貧困者を抱える国だと報告しています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/52318
-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E4%BA%BA5000%
E4%B8%87%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%B2%A7%E5%9B%B0

----------------------------------------------------

北朝鮮の総人口は2490万。キューバは1127万。

悪の枢軸と名指しされた両国の人口を足してもアメリカの貧困にあえぐ人々の数には遠く及ばない。