時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

基督抹殺論

2015-06-29 00:10:00 | アベノミクス批判
社会主義者の幸徳秋水は冤罪で処刑される直前、
『基督抹殺論』(キリストまっさつろん)という遺作を残した。

これはキリストが歴史上の人物ではない、神の子ではないということを
述べたもので、遠まわしに天皇制を批判したものではないかと言われている。

さて、前の記事で『悪魔の飽食』に関する言論弾圧事件について書いたが、
その際、同様のことは現代でも個人に対して行われているとも述べた。


言うなれば、その記事は私の『キリスト抹殺論』である。
森村氏に対して起きたことと全く同じパターンが繰り返された。

http://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853/s/%A1%FBhihan

攻撃が止んだ今、もう公開しても良かろう。
アベノミクスは本当に良い効果をもたらしたのか、気になる方には御一読頂きたい。

○hihan

悪魔の飽食(あるいは基督抹殺論)

2015-06-29 00:08:50 | 反共左翼
731部隊と言えば、森村誠一の『悪魔の飽食』を思い出す。

これは在野の研究家にもレベルの高い研究が出来ることを示した
素晴らしい作品だが、写真の誤用をしたことで一時期発禁を受けたことがある。


この時期の森村氏に対する右翼の攻撃は凄まじいものだった。
以下、公式ホームページの文章を紹介する。



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全作品約300点中、これほど物議を醸した作品はない。

関東軍第731部隊の戦争犯罪を告発したこの作品は、
元隊員から提供された写真の中にインチキ写真が混入されていた。


これを見分けることができず、グラビア写真に誤用したことから、
マスコミに袋叩きにされ、右筋からも攻撃を受けた。


抗議電話は鳴りつづけ、夜中、窓に投石された。
仕事場のドアに赤ペンキをぶちまけられ、連日、抗議の手紙や脅迫状が配達された。


右翼の街宣車が押しかけて来た。私は外出時、防弾チョッキを着た。
神奈川県警が常に護衛してくれて、県外にはなるべく出ないようにと警告された。


一時、絶版されたが、後に角川書店から復刊された。
このとき、角川書店では、まず角川社長の身辺警護対策を講じたという。

http://morimuraseiichi.com/?p=9111
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正しいことを言っているのに、些細なミスのために、
意見を封殺されるのは、昔からあったのだなと思う。



今の在特会がやってることの比じゃない攻撃。

今の右翼は、言論テロが主体になっている印象を受ける。


桜井某や西岡某のように保守系雑誌・書籍・講演で活動するタイプは昔からいたが、
最近では個人のHPやブログに特攻し、炎上を仕組む連中がいる。


こういう奴らが右翼だった場合、私はむしろ安心する。
右翼の手下が右翼。これは自然な現象だからだ。


むしろ最近、私が心配しているのは右翼の手下に左翼が混じっていることである。

日本の右傾化は左翼の右傾化。いつも言っていることだが、
右翼と大差ない言説を掲げ、左翼を監視・攻撃する左翼をチラホラ見かける。


こういう連中が左翼に向ける視線というのは尋常ならざる敵意に満ちていて、
ちょっと考えられない行動を取ることもややある。


本人たちは「ワイらが新しい左翼や!」といきまいているが、
どう見たって、これは右翼の用心棒というか操り人形だ。


よく共産党の意見を「反対のための反対」と揶揄する人がいるが、
彼ら反共左翼は「賛成のための反対」を行っている。


安保体制を維持させるための護憲とか、軍事協力のための日韓友好とか、
新自由主義を続行させるための小泉構造改革批判とか。要するに部分的な反対しかしていない。


こういう左翼のお面を被った右翼は、それなりに信者がいて、
最近では、吹き替え内容を捏造したことがバレた池上彰とかが顕著だが、
彼らは以前から結構、あんまりな主張をしているのだが、あまり責められることはない。


逆に彼らを批判する人間が森村氏のように、
小さな間違いをネタに、大きな正しさを否定されてしまっている。


そういうわけで、支配者層にとって、御用組合ならぬ
御用学者・知識人である彼らほど優秀な弾除けはないだろう。


植民地の歴史を紐解くと、必ず現地に協力者がいて、個人的な褒美と引き換えに、
侵略者の代わりに彼らが同族を攻撃し、時には支配さえしているが、
それと同じものを感じる。卑劣さで言えば、彼らのほうが性質が悪い。



最近の731部隊研究について

2015-06-28 23:30:50 | 日本政治
現在、加藤哲郎氏は731部隊について研究しているようで、
資料発掘に勤しんでいる

やはり、この人は特定の問題さえ絡まなければ、とても優秀な方なんだなと思う。


戦犯の免責は、戦後史では馴染みのテーマだが、
最近、戦後70年という看板のもとで喧伝されている「反省」には違和感がある。


すなわち、植民地主義の克服の歴史として描いていないのではないかということだ。

これが顕著なものの1つが、核や細菌兵器といった兵器史で、
731部隊のメンバーが朝鮮戦争の折にアメリカの細菌戦に直接関与したことが
あまりクローズ・アップされていない。

(現に、アメリカの細菌戦で使用された媒体の1つ、
 ネズミは日本で飼育・輸送された。証拠隠滅の方法等、
 具体的な手段が731部隊のそれに酷似しているのは、
 本人たちが参加しているからである)

2002年に「米軍細菌戦史実調査団」が現地調査を行って以来、
吉川なり岩波なりで、大きな本が売られただろうか?記憶には無い。


これは、植民地主義の遺産が大戦後も
新たな宗主国に継承・利用されたことを示す重大な問題なのだが。



日本の三光作戦に参加した朝鮮人が戦後、韓国軍人として
国内の民衆を全く同じ手法で虐殺している事例があるのだが、
その場合、作戦の指揮権はアメリカ軍が握っていたりする。

その後、アメリカがベトナム戦争で殺しつくし、焼き尽くし、
破壊つくしのサーチ&デストロイを行ったことは決して偶然ではないと思うが、
この点、詳しく研究すると面白くなるはず。

同様に日本の細菌戦もアメリカの戦争とリンクしているし、
それは朝鮮戦争後の戦闘にも影響を与えているはずだが、
そういう世界史的な視点で描かれないのが少々残念である。

イギリスのヘイトデモ(ナショナリズムとレイシズム)

2015-06-27 22:55:53 | 国際政治
イギリスのユダヤ人地区でヘイトデモがあったらしい。

ホロコーストの生存者がドア先で「帰れジュー」(ユダヤ人の蔑称)
のメッセージが貼られたユダヤの星を渡されたんだそうな。



日本のそれもアグレッシブだが、こちらもなかなかレベルが高い。

人類学者のスチュアート・ヘンリによると、
Raceという単語にはいくつもの意味があり、
①人種②民族③エスニック集団④国民⑤種類等、10以上の意味がある。


つまり、人種と民族という言葉は一つの単語で表現でき、
実際、日本の被差別民族の中には自己への攻撃を
レイシズム(人種主義)と表現する人間が少なくないが、
我々日本人は自分たちが「人種」差別をしているという意識は特に持っていないだろう。


これが「民族」差別をしているかと問われれば話は違ってきて、
まぁアイヌや琉球の人々には社会的にしているかもしれないなぁと
思う人も出てきそうだ。否と言い張る絶対差別していないマンも多そうだが。


ナショナリズムの動きが激しくなっているという声は聞くが、
レイシズムの動きが激しくなっているという人はいない。

両者とも意識する対象は同じはずではあるが。


Nation(国民)という概念は近代国家(国民国家=Nation State)が出来て生まれた。
「その土地で生まれた」とか「現地の」といったニュアンスがあり、
アメリカ先住民はネイティブ・アメリカンと言うが、
このネイティブはNative、すなわちNationの派生語だ。

(「Na」に生まれるという意味がある)


「その土地の政治は、その土地の人間が行う」という考えで、
歴史的に言えば、封建国家に対して自治権を要求する中で生まれたものなのである。


ただ、冷静に考えれば、同じ土地に言語や習俗でカテゴライズできる人間が
複数住んでいることなどは、よくあることで、誰がNationになるかが論議されるようになる。


いわゆる「国民とは誰か」ということが近代化と共に発生してくるのである。
その辺から、ナショナリズムにマイナスのイメージが付き始めた。


とあれこれ書いたが、そのナショナリズムと今、
ナショナリズムと呼ばれている動きや思想は、違うように見える。

今やっているのは、どちらかと言えばレイシズムだ。
というのも、こちらの場合、
「先天的な要素を理由に差別を正当化しようとする考え」という意味あいが強いからだ。


そのへんの右翼の暴れっぷりをみれば、ピタリと当てはまる。

何だかんだで日本人は人種差別はしちゃダメだという意識はあると思う。
今、日本で吹き荒れているのは人種主義なんだよと意識することから
それらに対する自戒の念が生まれるのではないだろうか。

補足

2015-06-27 00:10:00 | マスコミ批判
ある記事の間違いを指摘されたので、問題の箇所を移動、
加筆・修正し再アップロードしたが、やはり自粛すべきだと考え、削除した。


執拗な攻撃を受けたため、止むをえずの処置である。
まさしく・・・言論テロ

英米特務機関、カスペルスキー社にハッキング

2015-06-26 00:08:01 | 国際政治
現在、ロシアに亡命中のエドワード・スノーデン氏が明かした文書によって、
アメリカ・イギリスの特務機関がカスペルスキー社(ロシアのセキュリティソフト会社)
にハッキング行為を行っていたことが明らかになった。

(問題の公開文書はこちら)

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「カスペルスキー」はモスクワに本部を置くロシアの企業。

全世界に4億人のユーザーを有し、
同社開発のアンチウイルスソフトは27万社の企業クライアントが使用している。

こうした企業の多くは米国家安全保障局のリストに挙げられているものの、
アンチウイルスソフトが邪魔をし、諜報活動を行なうことは事実上不可能。

また会社の本部が西側からのアクセスの閉ざされたロシアにあることも機密性を高くしている。


暴露された報告によれば、
米国家安全保障局は「カスペルスキー」の
セキュリティーにある穴を見つけ、クライアントについてのプライベート情報をキャッチした。


機密資料のメモには、同局は「カスペルスキー」のアンチウイルスによって
2008年、企業の北部でクライアントのプライベート情報が
元に戻されたことをつかんだと記されている。


それ以降、同局は情報をキャッチし、
スパイ行為に利用しはじめた。


これにより、米特務機関がいかなる成果を挙げたかについては言及されていない。

「カスペルスキー」社の代表らは、各コンピューターからヘッドセンターへと
送られたデーターは非人格化されているため、具体的な機械の算出には使えないと断言している。


特務機関の行為はこのケースでは違法行為となる。
だが全てがうまく運ぶため、英米は新たな作戦の合意を結んでいた。

「インターセプト」の報道によれば、英国政府通信本部は
すでに2008年の段階でオーダーの刷新要請を送り、
これによってスパイ行為の妨害要因となるアンチウイルスのコードを読み取ろうとした



英国の特務機関が2008年に作成した文書によれば、
英国諜報機関は「カスペルスキー」社をミッション遂行の
阻害要因と位置づけ
、「カスペルスキー」社は主たる脅威に等しく

「ロシアのカスペルスキーのアンチウイルスのような
 パーソナル・セキュリティーシステムは
 システムにネット破壊の挑戦を投げかけている」


としている。



3月半ば、ブルームバーグ(ニュースサイト)は、
「カスペルスキー」社はロシアの特務機関と結びついている疑いが有ると報じていた。


ブルームバーグの情報提供者は、2012年、
カスペルスキー社がトップマネージャー数人を解雇した後、
ロシア特務機関と緊密な関係を持つ人物らが後任を務めたと語っている。

「カスペルスキー」社のエヴゲーニー・カスペルスキー社長はこれに対して、
ブルームバーグの報道のかなりの部分を「完全な虚偽」と非難している。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150623/489870.html#ixzz3e5V1k91I

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カスペルスキーといえば、この手の専門家というかマニアの間でも
最高水準のセキュリティ技術を誇るとしてベタ褒めされているソフトを販売している会社だ。



英米の国家機関が個人や法人も利用しているセキュリティソフトの
穴を見つけようと画策していた(あるいは現在も行っている)。


これは凄まじいことで、場合によっては、
デジタルの情報は全て米英によって把握される恐れがあるということだ。


テレビドラマ『相棒』で似たような話があったと思うが、
国家によるハッキング行為は現実になっている。


ネットの悪意ある行為から身を守るために存在するセキュリティソフトを
「ミッション遂行の阻害要因」、「主たる脅威」と表現するイギリスの凄まじさよ。


世界にとっては、こいつらのほうがよっぽどろくでもない脅威だ。


安倍首相の沖縄訪問

2015-06-25 00:43:32 | 軍拡
安倍首相の沖縄訪問への抗議



ホセイニー解説員

沖縄慰霊の日にあわせた安倍総理大臣に対する人々の抗議が拡大しています。


沖縄は太平洋戦争の末期、アメリカと日本が地上戦を繰り広げた日本で唯一の土地であり、
アメリカはこの地域の住民20万人以上を殺害することで、この島を占領しました。


安倍首相は23日火曜、沖縄全戦没者追悼式に出席するため、沖縄を訪れました。


こうした中、安倍首相は沖縄の住民のやじを浴びました。

彼らは沖縄のアメリカ軍の駐留に同意している
安倍首相に対して、「帰れ」などとやじを飛ばしました。



沖縄県の翁長知事もまた、追悼式に出席し、
沖縄からのアメリカ軍の撤退に向けた人々の要請について触れ、
政府に対して、人々の意見を尊重し、国民の負担を取り除くよう求めました。



長年、アメリカ軍とその基地の存在に苦しんでいる沖縄の人々は、
他の日本の市民以上に安倍政権の軍事的な政策に反対しています。

彼らは、安倍首相の現在の政策は
再度日本を軍国主義や戦争に向かわせるものだと考えています。



とくに今回も沖縄の人々は
政府の新たな軍事政策の負担を強いられ、その結果に身を委ねることになります。



なぜならアメリカは中国をけん制するため、とくに自国の海軍を強化することで、
依然として沖縄の軍事駐留の継続を強調しているからです。


そして日本政府との合意により、辺野古に基地を移設しようとしています。
人々の反対により、この基地の建設はこれまで延期されていますが、
地元の行政や名護市辺野古の人々は今も
アメリカの要求を受け入れさせようとする安倍政権の圧力を受けています。




アメリカは宜野湾市の普天間基地の閉鎖は、
辺野古住民がこの基地の移設を受け入れるかどうかにかかっているとしています。



琉球新報と沖縄のテレビ局が共同で5月末に行った世論調査によれば、
沖縄の住民の80%以上が普天間基地の移設に向けた
安倍首相とその政府の計画に反対しています。





アメリカの新基地の建設に反対する66歳の日本人男性は、
軍事基地は戦争の象徴であり、閉鎖されるべきだと考えています。


彼は、沖縄には多くの軍事基地があり、それらは住民の要請に反して、
アメリカや日本の政府から強要されたものだと述べています。



沖縄の住民はこの島にアメリカ軍とその基地の3分の2以上が存在することから、
「沖縄は今もアメリカに占領されており、そこで行われる
アメリカの軍事作戦により、居住することのできない軍事地区に変わっている
」としています。



アメリカによる原爆投下と日本の降伏により、
実際、日本全体はアメリカ軍の支配下に置かれましたが、
後にこの占領は終結しましたが、沖縄の住民はこの島におけるアメリカ軍の駐留継続により、こ
れまで自分たちはアメリカの支配下にあると考え、この状況に不満を抱いています。



沖縄の人々はこれまで、折に触れて、この地域からのアメリカ軍の撤退を求めてきましたが、
アメリカの政府だけでなく、アメリカの圧力を受けている日本の政府も、
住民の合法的な要求を拒否しています。このことから沖縄の人々は
安倍首相の追悼式典への参加をこの地域の人々の気持ちを汲んだものとみなすどころか、


アメリカに同調し、沖縄の人々の問題に注目を寄せることなく、
ただ自らの政策を推進しようとしているものと見ているのです。

http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6
%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82
%AF/item/55830-%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E
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81%AE%E6%8A%97%E8%AD%B0



重要なのは、結局のところ、日本に米軍を置くと言うのは
日本の防衛のためではなく、アメリカの戦争のためであるということ。

冷戦史観(西側中心史観)の克服を

2015-06-24 00:12:40 | 文学
ロシア・中国文学(ノンフィクションも含む)が顕著だが、
外国文学の翻訳書は、基本的に西側の価値観に沿う作品が選ばれる。


また、文学の評価もまた、冷戦史観、すなわち、
アメリカも非道いことをした、ソ連も非道いことをしたという
二項対立を基軸とする単純化された歴史観に基づいてなされている。



社会主義国では自由が抑圧され、芸術は開花されない。決まり文句である。
では、実際にはどうなのか?「独裁国家」イランを例に見てみよう。


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それではここで、
セイエド・モルテザー・アーヴィニーについてご紹介することにいたしましょう。



彼は、1947年に生まれ、幼少時代から芸術に親しみ、
詩を吟じたり物語や論説を執筆したり、絵画に没頭したりしていました。



大学では建築学を専攻しましたが、
彼は次第に文学や神秘主義哲学にも関心を持つようになります。


アーヴィニーは、イスラム革命後の数年間に人生の転機を迎え、
人生観や価値観が根本的に変化したことから、評論家、作家、革命芸術家に転身しました。
彼は、この時期について次のように述べています。





「私は、知識があるふりをすることが決して、
 聡明であることの代わりにはならず、しかも聡明さは
 哲学を学んでも得られないことを熟知している。

 我々は、真理を探究すべきである。これは全ての人々が本当に求めており、
 また見出すであろうものであり、しかも、身近に見つけられる」




アーヴィニーは、この真理を探究しようという動機をもって、
テレビ用のドキュメンタリーの制作を手がけるようになりました。



彼は、イラン北東部のトルクメンサラー地方、南西部フーゼスターン州、
そして郡部に住む貧しい人々の生活を題材としたテレビの番組を制作しており、
それらはいずれももドキュメンタリー制作の分野において注目に値する作品とされています。




また、イラン・イラク戦争の勃発とイラクの旧バース党政権軍のイラン攻撃は、
彼の人生の中で重要な時期とされています。



彼は、撮影班の一団と共に前線に赴き、
「勝利の伝承」という連続テレビドラマの制作の基盤を作りました。



このドキュメンタリーは、戦争中の数年間から戦後も継続され、
イランにおける聖なる防衛に関する芸術作品の中で最も成功を収めた作品の1つとなりました。


(中略)

彼は1993年4月10日、イラン南西部のある地域で、
ドキュメンタリー映画「空の中の町」のロケーションを監督していた際、
イラン・イラク戦争時代から残存していた地雷の爆発により死亡しました。



この栄えある芸術家の殉教後、イスラム宣伝機関の芸術家や作家、
詩人による、イランイスラム革命最高指導者への提案により、
この日はイスラム革命芸術の日に制定されています。

http://japanese.irib.ir/2011-02-19-09-
52-07/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%9B%E
6%96%B9%E5%B1%B1%E8%A9%B1/item/53924-%E8%8A%B8%E8%A1%
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しばしば東側の国では、『抵抗の文学』という言葉が使われる。


これは、大きな意味では西側諸国に対する抵抗であるが、
より小さな意味では、戦争を描く文学として通用している。



アメリカの支援によってイラクがイランを侵攻したように、
いわゆる「独裁国家」の戦争は、「平和国家」によって仕掛けられたものが多い。



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現代のイランの物語文学には、イランイラク戦争を題材にした作品が存在しますが、
作家の多くは、実際に戦争を間近に目撃し、その舞台に居合わせた人々です。


イラン人の作家が、サッダーム・フセイン率いるイラク軍の侵略に対抗する、
イラン人の聖なる防衛を書き綴ることに努めた結果、数十もの長編小説や
数百もの短編小説が生まれました。


また、小説に加えて、近年では戦争体験の回想記も数多く出版されています。


戦いの最前線や、戦争の巻き込まれた町、兵隊らのキャンプや
捕虜収容所での出来事が書き綴られたことから、イラン・イラク戦争を
題材とした「聖なる防衛」という独立した文学のジャンルが生まれました。


これらの作品の一部では、戦争という出来事が非常に詳細、
かつ正確に述べられており、その中から大傑作が生まれることとなりました。

http://japanese.irib.ir/2011-02-19-09-52-07/%E3%82%A4
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ソ連のスターリン政権期にも、
当時、彼らが体験した内戦や大戦、国内問題を強く意識した文学が登場した。


特に、戦後の冷戦下での諸外国の商業主義や封じ込め政策を批判する作品は、
当時の西側諸国が本国、植民地で展開された共産党狩り(と言う名の民衆弾圧)を思えば、
なかなか考えさせられるものがある。文字通り、抵抗の文学になっているのである。


もちろん、これらの文学は基本的に自国の政府批判はあまり書かれないが、
だからといって、植民地主義を続行させる欧米列強への批判が無価値になるわけではない。



非常に思い切った発言だが、どうも東側(共産か否かを問わず、
アフリカ・南米・東ヨーロッパ、アジアなどの非西欧型社会)の文学を
評価しない連中は、彼らが批判している西側の独善を無視している嫌いがある。



政府よりだから、政治的だからというそれだけで、
彼らが一体何に対して批判をしているのかについて目を向けようとしない。



冒頭で私は冷戦史観を「どっちもどっち」の見方だと書いたが、
よりつぶさに見ていけば、「どっちもどっち」と言いながら、
その実、西側の犯罪は極力軽減して叙述していることに気がつく。


例えば、ロシアや中国、東欧の国家犯罪は指摘されても、
イギリスやフランス、スペイン、ベルギーが同時代に起こした
戦争犯罪、国内・海外への弾圧に関しては、同等のページが割かれてはいない。



文学もまたしかりで、例えば、アガサ・クリスティの推理小説では、
アフガニスタン侵略戦争に従事した軍人が好漢として描かれており、しかも、
この戦争がイギリスがアフガンを侵攻したという肝心な点が書かれていないのだが、
この点について、批判的な意見を大物の歴史家や文学者が寄せたという話を
私は聞いたことが無い(彼らの基準では間違いなくプロパガンダ文学になるのだが)。


アメリカも悪い、ソ連も悪い、どっちも悪いと言いながら、
実は、自分たちが行っている植民地主義への反省はほぼない。


これらに対して、本格的に異議を唱えたのが
亡命パレスチナ人のエドワード・サイード、ケニア作家のジオンゴ、
フランス領東インド諸島出身のフランツ・ファノンなどであった。


彼らの批判が本当に受け入れられているのかを考えると非常に怪しく思える。

この西側中心史観を抜けて(昔流に言えば脱構築)、
新たに作品を読み直していかなければならない……と思う。
(もちろん、すでに多くの文学者が着手しているはずだとは思うが)

磔のロシアその3

2015-06-22 00:32:10 | 文学
その2では、亀山が自分の結論を正当化させるために、
原文を無視したり、改ざんに近い誤訳をすることを挙げた。


これが一つの著作に限定した話ならともかく、
少なくとも『悪霊』・『カラマーゾフの兄弟』、『罪と罰』、
『罪と罰ノート』、『謎とき悪霊』などなど、ほとんどの著作に通じる。



亀山の誤読や誤訳は、単なるニュアンスの違いではなく、
内容そのものを歪めてしまう。


『作り上げた利害』というスペイン人作家、ベナベンテの喜劇で、法律家が
「要するに皆無、罪となるべきものなり」のコンマの位置を移動させて、
「要するに皆、無罪となるべきものなり」と改竄する場面がある。


このシーンは、法律や裁判の偽善を暴く物語の肝とも言えるものだが、
これと同じことを亀山がしているというのは、かなり無気味なものである。


ドストエフスキー研究会の面々が抗議するのも想像に難くない。


しかしながら、単に学問上のアプローチを飛び越えて、
亀山現象の恐ろしい点は、このいい加減な作品を同業の文学者が絶賛し、
新聞社を主としたメディアと結託してセールスに励んだということである




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ところで、驚いたことに本書は昨年度の「読売文学賞」なるものを授与されている。


その選評を書いたのは、ロシア文学者の沼野充義氏である。


沼野氏によれば、
本書は「ロシアの文豪にも張り合えるようなヴィジョンの力を持つ著作」
になっているそうだ。


同氏は毎日新聞の書評でも、本書を「原作そのものに張り合えるくらい」と持ち上げていた。
本気だろうか。振り返ってみれば、大量誤訳を指摘されている亀山訳
『カラマーゾフの兄弟』を賞賛し、光文社後援の関連イベントを催す
などして旗振り役を演じたのも同氏だった。


(この時も毎日新聞の書評で「ドストエフスキー本人にも
対抗できるような個性を持った稀有のカリスマ的ロシア文学者」
とまで亀山氏を称揚していた。)



両氏は旧知の仲らしいが、こうした事象は、
一介の文学好きの私からすれば、メディアも含めた一種の業界談合に見える。


「談合」とは、即ち、責任ある立場の人々が、公益よりも、
あるいはそれを損なっても、私益(また内輪の関係)を優先すべく裏で
(また暗黙裡に)示し合わせる行為をいう。


この場合、「公益」に当たるのは、真実、あるいは、読者の利益ということになろう。



沼野氏は本書を「偶像破壊的」とも呼んでいるが、
同氏こそ一連の行為を通じて、逆に別の「偶像」
(あるいは裸の王様)を作り上げているのではないか。そして、それは何のためなのか。



これは、沼野氏だけではない。世過ぎのためか、加担する専門家は他にもいるようだ。
同じ理由で、傍観し口を閉ざしている研究者はもっと多いだろう。


こうした事態が続けば、ロシア文学界全体の信用も低下するのではないか。

他の外国文学研究、たとえば、英米文学やドイツ文学、フランス文学で、
今どき、似たような手法の、作品の中と外の論理とをごっちゃにした、
しかも詐術すら見え隠れする研究書が出て、
それを専門家が激賞するようなことがあるだろうか。


ロシア文学の世界が談合渦巻く狭隘な村社会にならないことを
僭越ながら切に願いたい。部外者とはいえ、一読者として、
また原作者のためにも、良質の翻訳や著作に恵まれたいからである。


http://www.ne.jp/asahi/dost/jds/dost137.htm
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これに加えると、亀山は、あの文科省と結託して、
自己の研究を正当化し、批判者を糾弾していたりする。





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実例:新訳『カラマーゾフの兄弟』その他の著作に対するアカデミズムの反応


わたしが提示した新しいドストエフスキー像におけるスターリン学の成果

「二枚舌」の発見→過去のすべての言説への根本的な疑い

歴史研究における文学的想像力の不可欠性→歴史との対話的視点の欠落

アカデミズムの反応→恐るべき閉鎖性

読者を持たないアカデミズムの悲惨 

悪意をむきだしにした批判と倫理的視点からの人格攻撃


結局、文学の精神からの批判を提示できない

文学が、人格形成に役立つという希望をくじかれる

新領域創生の可能性
 →ジャンルおよび研究領域の異種交配


http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/015/siryo/attach/1343274.htm
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上の発表では
教養教育のモデルを提示することが目的になっている。



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文学科目の設定と音楽教育の普及

『ファウスト』や『オテロ』さらに新作オペラ『カラマーゾフの兄弟』の例

共感力の育成が急務

新たな国家モデルの模索

科学大国と教養大国の二本柱を構築する


人文学とくに文学研究の再生のためのプロジェクトを展開
 翻訳文化の充実化
 →古典新訳文庫も3万部どまりの現実のなかで何が可能か?
 →国際交流基金と光文社のジョイントプロジェクトの可能性
 (専門研究者たちの貧困と編集者たちの驚くべき知性との亀裂


プロジェクト型の大規模な翻訳出版助成
 →文学の国民への還元に無力
 国家は文学と文学者の育成のために積極的な方策をとるべきである
 例:その貢献度をはかり、出版社に対する助成も考える。

(Ibid)
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つまり、亀山は出版社や新聞社だけでなく、政府とも結託し、
キャンペーンを文化政策に転化させようとしている。



ここまで来ると、亀山は学者と言うよりは官僚である。
産官学の癒着が、一連の亀山現象に見受けられる。


資料の所々に自分への批判者に対する低劣なコメントがある。

確かに専門家と言いながら、実にレベルの低い業界は存在するが、
少なくともドストエフスキー研究においては、亀山のほうが
明らかに恣意的な改竄をしているのだから、文句を言ういわれはない。


「研究領域の異種交配」とあるが、仮に本気で他ジャンルの研究者、
 例えば、ロシア史のそれと協力しようとしても、上手くはいかないだろう。

(その4へ続く)

アメリカと台湾

2015-06-20 00:02:18 | 軍拡
元々、台湾は蒋介石を戦後まもなくから支援していたこともあり、
中国に対する手ごまとして飼い馴らしてきた歴史がある。


もっとも、その関係はニクソン政権以降、微妙に変わったものだと
思っていたが、案外、両者の関係はそれなりに続いてきたのだろうと
ここ最近の台湾のニュースを見ると思う。


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台湾の野党、民主進歩党の蔡 英文(さい えいぶん)主席が
米国で手厚い歓迎を受けたことは、米国は台湾問題を利用して
中国へ作用を及ぼす「てこ」をキープしようとしていることを示している。




ここ最近、米国と台湾の間では
こうした軍事面での積極的なコンタクトが図られているが、
これは米国には台湾の安全の保証人としての役割を捨てる気はないことを示している。




蔡 英文氏は、台湾の大統領候補としては史上初めて、
米国務省の建物内で直接に米外交官らと会談を行った。

しかも、この会談を直々に執り行ったのは、
ジョン・ケリー国務長官に次ぐナンバー2の人物であるトニー・ブリンケン国務副長官だった。

中国が、来年1月に予定されている台湾大統領選挙で
中国国民党への支持に傾いていることを考慮すると、
野党、民主進歩党の蔡 英文氏の受け入れがこれ見よがしに
高いレベルで実施されたのは、米国側からの政治的歩みだと捉えることができる。



というのも、蔡 英文氏が主席を務める民主進歩党は
中国との余計な急接近には反対する立場をとっていることから、
米国は台湾と中国の国益が固く一致することにはあまり関心を抱いていない。


米国は、台湾問題を長期にわたって未解決に維持する現状維持をよしとしている。

米国側にとってはこれは、近い将来、
米国は台湾の安全の保証人の立場を演じ続けることを意味する。


中国抑止の可能性が低まったことに関連し、
米国は台湾の軍事的要求を満たしている自らの役割を強調しようとしている。


まさにこの要因から米台湾の軍人らの間の
軍事コンタクトの拡大が図られているのだ。



2014年末に米国のペリー級フリゲート艦4隻、
3億7千ドルの米国への供給が承認された。


2015年は米台湾の合同演習、合同トレーニングがいくつか予定されており、
この中には台湾で「心理作戦および情報戦争」に取り組む
米軍部隊のラインでも同様の演習、トレーニングが行われる。


双方の関係にとってはかなり稀有なアプローチとなったのは、
ハリー・ハリス海軍大将が米軍太平洋司令官に就任するセレモニーの席に、
台湾の 厳徳友(ヤン・ゼフ)参謀本部長が参列していたことだ。


それまでは米国マスコミ報道にもあったように、台湾の軍人の代表は
ハワイでの海軍パラシュート作戦を記念したシンポジウムに参加したことはあった。

シンポジウムは太平洋司令部によって行われていたが、
今までは台湾の代表がこうした類の行事に参加したことは吹聴されてはこなかった。

仮に台湾向けの米国の軍事供給量が
以前より少なくなるとしても、やはり重要な象徴的な意味は持ち続ける。


こうした努力を受け取るのは中国や台湾のみならず、
この地域における米国の連合国も同じだ。

南シナ海の状況が緊張化することを背景に、
米国は台湾関係においては路線維持にますます大きなアクセントを置いており、
まさにこれによってアジア太平洋地域における
米国の連合国らに重要なシグナルが送られている。


米国の地域安全保障を維持する能力に対して疑問が高まるなかで、
連合国らには米国が「自分たちを捨てることはない」との確信を抱かせねばならない。

こうした場面で台湾は長年にわたる米国との軍事関係もあって、
目立った例として使うには好都合なのである。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150618/467327.html#ixzz3dWKxr1eP
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日本、韓国、台湾、フィリピン。
これらを手ごまとして中国に先んじて東シナ海、南シナ海の制海権を掌握する。
そんなところだろう(巻き込まれる民衆はたまったものではない)。


冷静に考えれば、日本もアメリカのシナリオに沿って
外側から体をいじくられているのであって、当然、これに対して
何かしら文句の一言でも抗議すべきことなのだが、メディアは何も言わない。



誇り高き代表的日本人も同じく、いわゆる右翼は逆に
アメリカの手下になる計画を喜んで薦めている(誇りはどこに行った?)


軍拡に関して言えば、右翼より左翼のほうがよほど愛国的だ。
(とはいえ、反戦団体は反戦団体で問題があるわけだが……)