時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

なぜ北朝鮮は自壊しないのか

2016-12-30 23:46:26 | 北朝鮮
年末になり、改めて次の記事を読み直した。


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韓国 北朝鮮が核実験やミサイル発射実験を行う可能性がある

韓国軍は、北朝鮮が新たな核実験を行うことを懸念し、北朝鮮への監視を強化した。
聯合ニュースが、軍事筋の情報として報じた。



聯合ニュースによると、韓国国防省のブリーフィングで、ある代表者が、
「我々の軍は、強化された準備態勢を維持し、東倉里や豊渓里の核実験場で、
 北朝鮮による戦略的および戦術的な挑発が行われる可能性を注意深く監視している」と述べた。


東倉里には、弾道ミサイルの発射台が設置されている。
韓国は、東倉里で北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射を
いつでも実施できる可能性があると考えている。 消息筋は
「豊渓里やその他の場所で、移動式車両などの動きがとらえられている」と述べた。聯合ニュースが伝えた。


9月9日、北朝鮮は、国連安全保障理事会によって禁止されているにもかかわらず、
2006年以降5回目の核実験を行った。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/politics/201611072983860/
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11月7日のニュースだが、1か月経った現在、核実験をする気配は一切ないし、そういうニュースも存在しない。

その代わり、この間にあったことと言えば、また新たな制裁・制裁・制裁である。



今年の大洪水で被害を被った北朝鮮市民に対して正義の民主主義国家がくれてやったのは、
人道支援ではなく「経済制裁」だった。
この事実を私は一生、忘れることがないだろう。



韓国軍あるいは「情報筋」という名の未確認情報が氾濫し、悪の帝国北朝鮮のイメージが作られてゆく。
ありもしない脅威に対して、軍備拡張が叫ばれ、福祉費が削られ軍事費が拡張される。これが民主主義国家だ。



いい加減、韓国政府・韓国軍を経由しない情報が読みたい。

次のレポートはWeb版朝鮮新報、12月22日付の記事から引用したものである。
当たり前だが、基本的には、この新聞は北朝鮮を褒める記事しか載らない。

しかしながら、それらの情報を上手く活用すれば、
なぜ「滅ぶ・滅ぶ」と言われているはずの北朝鮮が一向に滅ばないのかも理解できるのではないだろうか。




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〈月間平壌レポート 12月〉5カ年戦略遂行、最初の大きな一歩 “みんなでやり遂げた達成感”


【平壌発=金志永】

2016年、朝鮮では「70日戦闘」、「200日戦闘」が行われた。
企業の業績は上昇軌道に乗り、人民生活の向上も着実に進んだ。
「戦闘」に参加した人々の肉声は力強く、その表情は自信に満ちていた。


~中略~

人々の働く職場は「戦闘場」と呼ばれた。
金正淑平壌製糸工場で作業班長を務めるチョン・クムシルさん(45歳)は、
昨年よりも多くの時間を「戦闘場」で過ごした。



同工場は、8月末の時点で年間生産計画を完遂した。
チョンさんの作業班には、1年で6年分の生産ノルマを遂行した女性労働者もいる。
誰もが通常より早く出勤し、遅く帰宅した。ノルマを達成するまで自分の持ち場を離れなかった。



朝鮮に敵対する国のマスコミなどは、総動員運動を「強制」という言葉と結びつけて解説しようとするが、
「戦闘」に参加した当事者たちは、生産計画の超過達成は「人民生活向上のため」であり、
「私たち自身のため」であると語る


チョンさんは、黎明通りの建設を実例に上げながら「戦闘」の意義について述べた。


「建設資材を生産する工場や企業所が増産すれば、それだけ建設が急ピッチで進み、
 人民の住宅事情が改善される。『強制』によって、あのようなスピードは生まれない」



4月に着工した平壌市内東部の大規模マンション団地・黎明通りの建設は、
2016年を代表する大規模事業だが、チョンさんの生活とは直接関連がない。

彼女は新たに建設されるマンションに住むわけではない。

国営企業である金正淑平壌製糸工場は、労働者のための住宅を建設し、無償で提供している。
「戦闘」が行われた今年も14階建ての高層住宅を新築した。


チョンさんも家族と共に工場から提供された家に住んでいる。


社会主義の恩恵を受けて暮らす人々は、集団主義をごく当たり前に実践している。
総動員運動への積極的参加も、その根底にあるのは「国が豊かになれば、自分も豊かになる」という考え方だ。
チョンさんも、黎明通り建設に象徴される国家経済の発展と自分の未来の暮らしを重ね合わせていた。

集団主義を実践する人々の一体感は「戦闘」期間中に一層強まる。チョンさんは、こんなエピソードを紹介してくれた。

「毎晩、工場の正門前にタクシーの列が出来ていた。女性労働者たちが帰宅するのを待っていた。
 運転手たちは、生産労働に対するねぎらいの言葉をかけてくれて、労働者たちを無償で送ってくれた」



「自強力」の発揮

「70日戦闘」「200日戦闘」は、
米国とその追随勢力が制裁圧力を強める中で行われた。



それは、企業の経営者、生産者たちの自立経済に対する意識をさらに高めた。

黎明通り建設も、単なる都市整備ではなく「制裁と圧力の中でも
人民の理想実現に向けて前進する朝鮮の姿を示す政治的契機」と位置付けられた。


金正恩委員長が2016年の新年の辞で言及した「自強力第一主義」が、すべての「戦闘場」で実行された。
「自強力第一主義」は、自らの力と技術、資源にもとづき、自らを強めることで前途を切り拓くことをいう。


祥原セメント連合企業所(黄海北道)でも、
以前は輸入していた耐火レンガなどの資材を企業内で生産し
重油が使われた設備を国内の石炭によって稼動させる技術を導入した。


「自強力」によって増産を果たし、4月から黎明通りの建設現場にセメントを集中的に供給した。
9月以降は、大規模な被害にあった咸鏡北道・北部地域の復旧に充てた。


「200日戦闘」の生産目標よりも、さらに多くのセメントが求められた。


総合操縦室のチョン・ミョンイル室長(48歳)によると
「通常は、設備稼働率が80%だが、9月、10月は、ほとんど100%で推移した」という。
ここでも昼夜を徹した「戦闘」が行われた。

その結果、今年は最高生産年度を突破した昨年を上回る業績を残した。


~中略~



「70日戦闘」「200日戦闘」の現場に共通するのは、指導者のリーダーシップに対する強い信頼感だ。

金正恩委員長は今年1月、平壌市内の紡績工場を現地指導した際、
千里馬に乗って奇跡を起こした前世代の精神を受け継ぎ、今の世代が万里馬に乗って飛躍することを訴えた。

その後、万里馬のスピードを実現しようというスローガンが、全国の「戦闘場」に掲げられた。



金正恩委員長は今年6月、金正淑平壌製糸工場を訪れた。
自分たちの職場に指導者を迎えた女性労働者たちは、年間生産計画の早期達成を誓い、それを実現した。



咸鏡北道・北部地域が水害被害にあった直後、金正恩委員長は、
冬が来る前に被災者のための住宅を建設しなければならないとしながら、
自らが祥原の労働者たちに水害復旧に必要なセメント生産を頼んだことを党中央委員会の幹部を通じて伝えた。

チョン室長は「『頼む』という言葉が心に響いた。指導者の大きな信任が労働者たちを奮起させた」と語った。



「記憶に残る一年だった」という。
11月中旬、被災地に約1万1,900世帯の住宅が完成した。



「70日戦闘」「200日戦闘」は所期の目標を達成して終了し、
国家経済発展5カ年戦略遂行の初年度に大きな成果が生まれた。


総動員運動を通じて人々は固く結束し、さらに強くなった。


その間、製糸工場のチョンさんは、他の職場に勤める夫と家事を分担しながら、絹糸生産に励んだ。
その結果、工場の業績が上がり、賃金も大幅に増えた。

今年を振り返り、チョンさんは
「全国すべての職場で奮起した。みんなで一緒にやり遂げたという達成感がわく」という。

「幸先のよいスタートを切れた。5カ年戦略が遂行されれば、経済の持続的発展の土台が出来る。
 これからも製糸工場で自分の務めをしっかりと果たしていきたい」

http://chosonsinbo.com/jp/2016/12/22riyo-jjj01-2/
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最近のナショナリズム研究の動向の1つとして下からの愛国心というものがある。


つまり、これまでの愛国心研究でよく指摘されたのは、
君が代斉唱よろしく、上からの押し付けによるものが中心だったが、
ここ数年は、逆に日常のアクションを通じて自発的に培われる愛国心への関心が高まっている。

オリンピックに対する我々の反応は自発的な愛国心の典型例だろう。
誰に頼まれたわけでもなく、なぜだか誰もが日本の選手を応援している。


北朝鮮の場合は、それよりも複雑であり、制裁の直接的な被害者となった北朝鮮市民は
動員であれ戦闘であれ、自分たちの働きが国の根底を支えているという実感と自負を持っている。


上の記事で紹介された水害復旧のためのセメント生産の事例が顕著だが、
日米韓が一切の復興支援をせずに、軍事演習と制裁を病的に強化していたちょうどその時、
北朝鮮国内では、他国の援助に頼らず(頼れず)自力で問題を解決しなければならない状況に陥っていた。

北朝鮮への経済制裁により北朝鮮市民の暮らしは良くなるどころかむしろ悪化した。
この危機的状況を切り抜けるために、国家と市民が連携して事態に対処してきたのである。

そのため、金正恩政権と現場の労働者は敵対関係にあるどころか、逆に同志的な間柄にあり、
労働者は自分たちの頑張りが災害復興に貢献しているのだという実感を得ている。


つまり、いわゆる「お国のために尽くす」というよりはむしろ、
「自分たちこそが国を支えており、同胞を救っているのだ」という自信がそこにあり、
それゆえに国を裏切る・金正恩政権の崩壊などもっての外だという考えが自動的に芽生えているのだ。


もちろん、総動員されている以上、そこにはイレギュラーが必ずあるだろうし、
中には脱北して、自分がいかに金正恩政権によって苦しめられたかを吐露する人間もいるだろう。


だが、北朝鮮の民意は概ね政府に協力的(それは自分たちの生活向上に直結するので)だし、
脱北者も祖国の消滅を願っている人間ばかりではない。


重要なのは私たちが脱北者の中の極めて過激な意見ばかりを拾い、
それを北朝鮮市民の総意だということにして、自国の軍拡と他国の発展への妨害を正当化していることだろう。


我々が締め付ければ締め付けるほど、
むしろ北朝鮮の政府と市民は状況を乗り越えるために結束を固め、一丸となって邁進する。


つまり、日本や韓国、アメリカが軍事演習、経済制裁などで北朝鮮を圧迫すればするほど、
逆に北朝鮮の市民と政府の利害関係は一致し、結果として国民の政府に対する忠誠心は高まっていくのである。


これは「個人崇拝」という四文字熟語では説明しきれない現象だ。


北朝鮮が一向に自壊しない最大の理由は、
東ドイツと違って北朝鮮は現在進行形で外国から自国の発展の妨害を受けているという点にある。


これこそが国民が自発的に愛国心を持つ、あるいは持たざるを得ない状況にさせている最大の原因であり、
また、このような下からの愛国心に目を向けない以上、悪の独裁者金正恩に虐げられている哀れな民衆という
ゆがんだイメージから脱することができないだろう。それは北朝鮮市民の生活圧迫にはつながるが、
いわゆる彼らが望んでいるはず(と私は信じたい)の民主化からは逆に遠ざけてしまっているだろう。

北朝鮮はソウルを攻撃するのか?

2016-12-13 22:13:23 | 北朝鮮
朴槿恵大統領の政治生命が虫の息になっているが、
日本の一部のマスメディア様は「朴槿恵が辞任すれば北朝鮮の思うつぼだ!!!」と騒いでいる。


朴槿恵が非難されたのは、彼女の身内贔屓が露見されたからであり、
さらに言えば、歴史教科書の検閲制度の復活、新自由主義的な経済政策の強行、
対北朝鮮を口実にした更なる軍拡、米軍の駐留維持、慰安婦問題の形式的解決(実際は忘却)、
統合進歩党の強制解散(証拠は偽造されたことが判明したにも関わらず)、労働組合への文字通りの弾圧など、
父親とそっくりの政治を行ってきたことに対するここ数年の抗議が今回の事件を契機に全国化したに過ぎない。



「北朝鮮の思うつぼだ!」と語る人間は、国民を顧みない寡頭政治がどれだけ行われようと
 北朝鮮を倒すために韓国市民は支持を続けよと言いたいようだ。



さて、先日、労働新聞では次のような論説記事が掲載された。



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【平壌12月12日発朝鮮中央通信】12日付の「労働新聞」は署名入りの論説で、


先日行われた朝鮮人民軍前線砲兵部隊の砲兵隊集中火力打撃演習と
「朝鮮人民軍航空・対空軍飛行指揮メンバーの戦闘飛行術競技大会―2016」は、
米国と南朝鮮のかいらい逆賊一味に送った峻(しゅん)厳な警告であると明らかにした。




論説は、われわれの正々堂々たる自衛的権利である核抑止力強化措置に
かこつけて強行する敵対勢力の暴悪非道な政治的・経済的制裁と
封鎖、軍事的圧迫騒動は極に達していると糾弾した。


かいらい逆賊一味は、
米国上司のヒステリックな反共和国圧殺策動に無分別に便乗していると糾弾した。

論説は、しかしそれはとても及ばないことであるとし、次のように強調した。


白頭山の天が賜った名将を最高司令官として高くいただいた朝鮮人民軍は、
百勝のチュチェ戦法を身につけて空と地、海上と水中などすべての作戦空間で
侵略と挑発の本拠地を生存不可能に破壊し、
壊滅させられる強力かつ威力ある打撃手段を完璧(ぺき)に備えた天下無敵の最精鋭強兵である。



われわれの尊厳と自主権、生存権を少しでも害しようとするいかなる挑発者も、
無慈悲な懲罰を免れられない。白頭山の銃剣は、いささかの慈悲も施さない。


今、最大の臨戦状態を維持している
わが軍隊と威力ある打撃手段は、最後の攻撃の信号弾を待っている。





かいらい逆賊一味の滅亡は時間の問題であり、
わが民族は遠からず祖国統一の燦(さん)然たる明日を迎えるであろう。---

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例によって、大仰な文体であるが、少なくとも、この文章からは

1・核の脅威を口実に行われている米韓の政治的・経済的・軍事的圧迫は許しがたい
2・一連の軍事訓練は、米韓にむけた警告である
3・米韓が攻撃の姿勢を見せれば、容赦なく反撃し、撃滅する

の3点を北朝鮮が主張していることが伺える(ある意味、いつも言われていることでもある)


これが韓国メディア(正確には韓国メディアの情報を軸にした記事)が語るとこうなる。





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北朝鮮は、韓国の朴大統領の弾劾訴追案が先週可決されたのを背景に、
近いうちにもソウルを攻撃する準備を整えておくよう発表した。


北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」の記事の中で述べられている。


朝鮮労働党中央委員会は、
「我々の軍と強力な戦略的手段は、最終攻撃のための狼煙を待っている」と強調している。


記事の中では、北朝鮮の忍耐は、
北朝鮮の核・ミサイルプログラムの中止を目的とする
米国と韓国側からの軍事・政治的圧力によって限界に達したと述べられている。


韓国のテレビ局KBSによると、北朝鮮メディアは11日、
朝鮮人民軍の第525特殊部隊がソウルの大統領官邸を占拠する訓練を実施し、
演習場には大統領官邸の模型が設置されたと報じた。


続きを読む: https://jp.sputniknews.com/politics/201612123117494/
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スプートニク紙は、時々、北朝鮮に関して間抜けな記事を掲載することがあるが、
これは、久々のスマッシュヒットである。

なにせ、どこにも書かれていない内容が書き足されているのだから。


NHKでもやはり韓国経由の情報をもとに
北朝鮮 韓国大統領府襲撃の想定で訓練」と報道したが、
日本の場合、過去に偽の文書や映像を本物として扱った挙句、
とうとう最後の最後まで誤報だったと訂正しない事例が数多くある。

決めつけは良くないが、問題の映像が確かにKCTVのものであるかどうか、確認したかどうか・・・



加えて、NHKには次のような前科がある。




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当日、ウクライナ軍がいくつかの投票所を占拠し、投票を妨害する事件が発生しました。
特に、クラスノアルメイスクでは、占拠した兵士が抗議する市民に発砲、2名が死亡しました。


映像をクリックしてご覧ください。撃たれた市民は無防備の状態でした。
無抵抗の市民に対して軍が発砲し、投票を妨害した。

これは、非常に重大な事実で、投票が物理的な妨害を受けつつ、
軍隊が国民を殺している中で敢行されたことを物語っています。


このような事件こそ、ウクライナ騒乱の本質を知るのに欠かせない情報であるはずです。
にもかかわらず、NHKは、これを隠匿して報道しました。


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しかし、一部のメディアは、1人の有権者が2人分の投票を行ったと不正を伝えるなど、
投票率が実態を反映しているかどうか疑問視されています。

また、地元のメディアによりますとドネツク州西部のクラスノアルメイスクでは、
投票所の近くで発砲事件が起き1人が死亡したということで、
一部で混乱がみられるなかでの住民投票となりました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140512/k10014371381000.html

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なぜ主語を書かないのでしょうか?


私は以前からNHKを批判していますが、今回ばかりは本当に失望しました。
私が見たNHKのニュースでも、誰が撃ったのか、そもそも軍隊がそこにいたのかも
わからない映像が流され、「投票の最中に混乱があった」とだけ説明されていました。

先に挙げたYouTubeの映像のうち、
兵士が発砲しているシーンだけ削除して報道していたのです。


なぜ、ウクライナ暫定政権が派遣した兵隊に
無抵抗の市民が撃たれたことを知らせないのでしょうか?

なぜ、NHK(をはじめとした日本のメディア)は代わりに、
不正があった可能性があると、住民投票の信ぴょう性に注目するのでしょうか?


不正が気になるならば、暫定政権が軍を使って
物理的に投票を妨害した事実に着目するはずです。
(まさか、結果が気に入らなくて難癖をつけているわけではなかろう)


これを解くカギは、安倍政権の住民投票に対するコメントです。
菅官房長官は、住民投票の結果について、次のように述べています。


「ウクライナ住民投票、民主的な正当性欠く」
「ウクライナ住民投票、事態の悪化につながりかねず懸念」



つまり、安倍政権の意向に合わせた形で報道したのではないか
と私はにらんでいます。TPPしかり、アベノミクスしかり、
万事が安倍政権を礼賛する内容なのですから。

http://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853/e/8c91907e0d19c62d65ea1a9a434edb2d
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このような編集による偏向・・・というよりねつ造をさりげなく行っているので、
問題の映像も確かにKCTVのものであるかどうか、非常に疑わしい。


いずれにせよ、労働新聞にはソウルを攻撃する準備を始めたなどとはどこにも書いていない。
彼らが主張しているのは次のようなものだ。



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【平壌12月13日発朝鮮中央通信】


国防部の長官、合同参謀本部の議長をはじめとする南朝鮮のかいらい軍部上層は
毎日のように軍事境界線一帯の前方部隊に現れて「奇襲的挑発恣行」だの、
何のと言ってわれわれにとんでもない言い掛かりをつけながら、
「強力かつ断固とよう懲」しろという戦争暴言を吐いている。


一方、西海のホットスポット水域で大規模な砲実弾射撃訓練を強行したかいらい好戦狂らは、
先日には誰それの「大規模の奇襲攻撃状況」に備えるとけん伝しながら、
米帝侵略軍の空軍武力と共に「ビジロント・エース」合同軍事演習をヒステリックに強行した。

13日付の「労働新聞」は署名入りの論評で、

これは「安保危機」「安保不安」づくりで民心の耳目をよそにそらし、
活路を開いてみようとする哀れな身もだえである
と嘲(ちょう)笑した。



論評は、「挑発への備え」の看板を掲げて北侵戦争策動を強めながら、
任意の時刻に新たな戦争の導火線に火をつけようとするのが
米国とかいらい一味の腹黒い下心であると暴露した。



また、日を追ってひどくなる危機免れを狙ったかいらい好戦狂らの無分別な空威張りが
どの瞬間に北侵戦争につながるか知れないとし、次のように強調した。


今、白頭山革命強兵は外部勢力のそそのかしの下で
北侵戦争策動に血眼になって狂奔するかいらい逆賊一味を
敵撃滅の照準鏡内に入れて敵の蠢(しゅん)動を鋭く注視している。



いささかの慈悲も施さないわが軍隊の断固たる焦土化によって懲罰を受けるのはほかならぬかいらい自身である。

かいらいは、「安保危機」騒動で世論をまどわし、
外部勢力と共に北侵戦争策動にヒステリックに執着するのが、
むしろ自分らの終局的滅亡を招く愚行であるということを銘じて、むやみにのさばってはいけない。---


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「安保危機」「安保不安」づくりで民心の耳目をよそにそらし、
活路を開いてみようとする哀れな身もだえ



まさに「北朝鮮(中国)の脅威」を口実に歴史を顧みず
軍拡と米軍追従に固執する日本政府そのものではないか。


そもそも、安倍内閣の重要な役職に日本会議という極右グループの人間が就いていることは
少なからずの日本人が気づいていることだし、平成天皇の生前退位にせよ集団的自衛権の是非にせよ、
公聴会に呼ばれるのは安倍政権とベッタリの極右評論家ばかりではないか。

(彼らは新聞やテレビでは「専門家」として紹介されている)


朴槿恵も朴槿恵だが、「おともだち内閣」と揶揄されたほど、
自分の思想に同調する人間のみを抜擢する安倍晋三と不愉快な仲間たちも大概である。


誇り高き家畜人たちは「頭の上のハエを追え」という日本の美しいことわざを思いだすべきではないだろうか。

北朝鮮の医療事情

2016-12-09 00:29:48 | 北朝鮮
リテラの記事に気になる文章があった。

つるの剛士が「保育園落ちた日本死ね」の流行語選定を批判!
親たちの困難を理解せず国家への批判を許さない危険な思考



「つるのの批判の仕方を見ていると、もはやネット右翼と変わらないが、
 今回、つるのが「日本死ね」という表現に対して「汚い言葉」と反応したのは、
 ネット右翼と同様に「日本を誇れ」という思いが強いからなのだろう。

 しかし、そうして日本を誇ることを強要し、「自国に対して汚い言葉を使うな」と言っていると、
 それこそ北朝鮮のような国家と何も変わらなくなってしまう
 そのことに、彼ははたして気づいているのだろうか。
(編集部)」


つるのが極右の家畜人であることは前から知っているし、彼の発言を批判すること自体に異議はない。
しかし、極右を批判する際に「北朝鮮のような」というフレーズを入れることは果たして必要なのだろうか?

上のリテラ編集部の発言からは暗に「日本は北朝鮮よりはマシ」と言っているようなものである。



右翼や日本政府を非難する人間の中には
「北朝鮮(中国)のようになるな」とがなり立てる人間が少なからずいる。


彼らの頭の中には共産主義国家は自由と人権がない地獄のような国で
自国を批判すれば死あるのみの恐ろしい場所だというイメージがあるのだろう。


(こういう妄想を基軸にして過去、どれだけ多くの北朝鮮市民の「処刑」ニュースが報じられ、
 誤報だと判明した後にも反省さえされなかったことか)


では、本当に北朝鮮は日本よりも程度の低い野蛮なアジア的国家なのだろうか?
そのことを考えるために北朝鮮の医療事情について軽く紹介したいと思う。


先日、日本では年金カット法案が強行採決された。今後、高齢者の医療負担が増すことが予想される。
当然、悪の帝国北朝鮮はこれよりもっと凄まじい生存権の破壊を行っているはずである。

日本の良心的なリベラルの言い分に則れば。



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〈月間平壌レポート 10月〉拡大する紋繍地区の病院街“最先端医療を無償で”


【平壌発=金志永】


近年、東平壌の紋繍地区は大型プールなど様々な施設が建設され変貌を遂げている。
特にその一角に医療施設が相次いで新設され、病院街と呼ばれるようになっている。



ここに平壌産院が建てられたのが1980年。2001年には高麗医学総合病院が開院した。

金正恩時代になり、平壌産院乳腺腫瘍研究所(2012年)、
柳京歯科病院(13年)、玉流児童病院(13年)が建てられた。

今月1日には柳京眼科総合病院が運営を始めた。すべて大型の医療施設だ。


朝鮮人民は社会主義保健制度の恩恵を等しく受けている。
その最大の特徴は、無償医療が全面的に実施されていることだ。



金日成主席は1960年代に発表した労作で、社会主義医学は予防医学であるとのテーゼを示した。
それに沿って国内には、すべての人々が定期的に検診を受けるシステムが整っている


平壌市の場合、洞(東京の「町」に該当)ごとに診療所があり、
洞診療所の医師たちが、担当地区を定期的に戸別訪問し、住民たちの健康状態をチェックしている。


治療を受けなければならない住民は、洞診療所を訪ねることになる。
病気や怪我の程度によっては、区域病院や市病院にカルテが移される。

高度な医療が必要だと判断されれば、中央の総合病院で改めて診察を受ける。

このようなシステムが運営されているため、
紋繍地区の病院では平壌市民だけでなく、地方都市や農村地域の住民が診察、治療を受けている。


幼稚園児と小・中学生用の教室を備え、入院患者のための授業も行う
玉流児童病院では、今年10月現在、全国各地の約20万人の子どもたちが診察と治療を受けた。

同じ時期に開院した柳京歯科病院で治療を受けた患者数も約12万人に達する。


開院したばかりの柳京眼科総合病院は4階建ての外来病棟と8階建ての入院病棟から成り、
視力測定を行いメガネを製作、提供する専門店も備えている。


リュ・ウンヒ副院長(55)によると、
同院では年間約5万人の外来患者と5千人の入院患者を受け付ける計画だという。


病院側の試算によると1年に約5千人の白内障患者を治療し、
網膜剥離のような難治性疾患を持つ患者への高難度手術も随時行う。


病院の運営費は、すべて国家負担だ。



リュ副院長は「患者たちは費用のことは考えず、治療にだけ専念すればよい」と説明する。


同院の外来病棟の前面にある大きな窓ガラスは人の目をモチーフにし、入院病棟の外壁には視力表を施した。
外見だけでも眼科専門病院であることがわかる。検査室や手術室には最先端の医療機器が備えられた。

眼科医療の先進国で製作された最高級の設備だという。これらの購入も国家予算で賄われた。




諸外国では医療費の高騰によって、国の財政が圧迫し、医療保健制度の見直しがなされるケースもある。
朝鮮では、無償医療制度が変わることなく続いてきた。


国全体が経済的試練に見舞われた90年代後半の「苦難の行軍」といわれた時代も例外ではない。

当時、一部では国家の財政負担を軽減するために医療費の一部を自己負担とすることも検討されたというが、
金正日総書記は金日成主席が築いた社会主義保健制度は必ず維持されなければならないとの立場を貫き、
無償医療の継続に必要な対策を講じた。


当時、平壌の楽浪区域病院に勤めていたリュ副院長によると
「一部の輸入薬品が不足することはあっても、それ以外の薬品は正常に供給され、
 住民たちの診察と治療は滞りなく行われていた」という。

経済的苦境の中でも、国内の製薬工場は操業を停止することなく生産を続けていたということだ。


開院直後、柳京眼科総合病院には定員数をはるかに超える患者たちが詰めかけた。

10月中旬に金正恩委員長が同院を現地指導し、それが新聞、テレビのニュースで伝えられたことで、
最先端の眼科専門病院への関心と期待が一気に高まった。

外傷整形科のパク・ヨンリョン科長(46)は、連日150人以上診察した。
「患者が列をなして待っているので休む暇などなかった」

パク科長によると同院には、眼科の各分野ごとに専門医が揃っているが、
常に患者の声を尊重し、謙虚に接することを心掛けているという。


「外国の大病院には、尊大に振る舞う医師もいると聞くが、
 ここでは患者が医師に対して気軽に声をかけ、いろいろと要求をする。
 無償医療制度のもう一つの側面だと思う。
 社会主義朝鮮では医師も誠意と使命感を持って人民に奉仕する職業だ」


開院直後、柳京眼科総合病院に入院したヨン・ミョンウォルさん(75)は、
息子と共に平安南道价川市から訪れた。

2012年、歩行中の衝突事故で左目を打撲し、白内障になった。

事故の直後に診察を受けたが、
ヨンさんは「年寄りなのだから、いまさら治療などしなくてもよい」と考え、通院を続けなかったという。

目の疾患を放置している間に物の輪郭がつかめなくなり、明暗しか感じなくなってしまった。

金正恩委員長の現地指導のテレビニュースを息子が見たことが転機となった。
息子は「いくつになっても視力は取り戻せる」と母親を説得した。


ヨンさんは「息子の言う通り、手術を受けてよかった」と語る。
「自分の目でまた明るい世界を見ることができる。
 無償医療は本当に有難い制度。退院したら、息子と一緒に平壌観光をしてみたい」


平壌市力浦区域に住むリュ・チンギョンちゃん(2)は、
遊んでいる最中に突起物が目の周辺に刺さり、緊急入院した。

母親のキム・キョンファさん(30)は、泣き叫ぶ息子を見た時、
「失明するかもしれない」という思いにうちひしがれ、うろたえるばかりだったが、
日頃、検診を行ってくれている医師が
新たに開院した平壌の眼科総合病院で治療を受けることを勧めてくれたという。


「あまりにも立派な病院なので驚いた。
 そして医師の先生たちといろいろ話す内に安堵の胸をなでおろしていた」

チンギョンちゃんは、入院後すぐに手術を受けた。術後の経過は順調だ。
キムさんも社会主義保健制度の良さを体験を通じて実感したという。


「普通の労働者の息子がきちんと治療を受けて手厚い看病を受ける。
 チンギョンも、この素晴らしい社会にしっかりと貢献する人間に育てていきたい」


朝鮮では、人民のいのちと健康を守る社会主義施策が徹底的に実行されている。
無償医療制度も、その適用に例外がない。

朝鮮公民が海外の病院に行くと診察費や治療費が高いことに驚くが、
そこで支払われた費用は、国家によって補てんされるようになっている。

眼科病院の患者にも、そのような体験者がいるという。

リュ副院長は「朝鮮公民は、外国に行くと自国の制度の良さをより深く実感するようになる」と語る。

柳京眼科総合病院を現地指導した際、金正恩委員長は、
近年、最先端医療施設を相次いで新設しているのは、
国が豊かだからではなく、それが社会主義を守る重要な事業であるから
だと述べたという。


拡大する紋繍地区の病院街は、人々に自国への誇りと愛着を抱かせながら、心のこもった医療を続けている。


http://chosonsinbo.com/jp/2016/11/24riyo-jjj02-3/
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ご覧の通りである。

「ミサイルを作るお金があるなら、その分を国民のために~」と
 したり顔で語っている人間が如何に無知であるか、よくわかるのではないだろうか?

(あるいは知っている上で、あえてそのような発言をしているか・・・である)


脱北者であることを全面的にアピールし民主化を叫んでいる人間をはじめとして
どれだけ北朝鮮の悪魔化に奔走しようと、経済制裁という名の経済発展妨害を行おうとも
一向に北朝鮮が自壊しないのは、生存権を保障するシステムが存在し、国民が恩恵を受けているからである。

(メディアに張り切って登場する脱北者と違い、
 実際には多くの脱北者は政治的事情ではなく、経済的事情により
 やむを得ず国を離れており、いずれは本国に戻りたいと願う者も少なくない。)


もちろん、完全に機能しているかどうかは精査の必要があるし、
以前より回復しているとはいえ、まだ食糧事情が完全に克服されたとは言い難い。
(某国家のようにTPPに固執し、食糧自給率を自ら下げようとはしていないが)



だが、少なくとも、どこぞの国のように
毎年、軍事費を増額する一方で福祉費は抑えようとするという真似はしていないことだけは確かだ。



何度も言っているが、日本政府は北朝鮮の「脅威」を口実に軍拡や諸々の改革(というより改悪)に走っている。

「北朝鮮は地獄のような国で、人々は独裁者に苦しめられている!」というのが連中の主張だ。
 そのような国を「民主主義国家」にするためにアメリカと協力して・・・という理屈である。


そういう主張に対して主流左翼は「それは違う」とは言わずに同意してしまう。
「戦争」というプロセスに反対しているだけで「民主化」という目的自体には同意しているのである。


しかしながら、仮に北朝鮮が「民主化」すれば、
他の民主主義国家と同様に、国民は治療のために私費を投じなければならなくなる。



某国家のように、資産の多寡に応じて受けられる医療サービスに差が出来るのが当たり前の社会になる。

(不思議なことに年金カットには非難するリテラも自国が抱える根本的な問題には踏み込もうとしない。
 これは実に不思議なことだ。日本は北朝鮮のような国ではない()のだから、
 もっと積極的に自国の医療制度を批判するべきである)


民主主義・民主化という言葉について、
あまりにも無警戒な主流左翼は、果たしてそこまで考えた上で民主化を叫んでいるのだろうか?


否である。そればかりか自国の政府を批判するために、あえて悪例として北朝鮮を取り上げ、
遠回しに自国の政府が拡散させている悪の帝国北朝鮮のイメージの補強に努めている。


そういう連中が果たして、オルタナティブとして機能するのだろうか?

日本人のほとんどが政治に無関心だったり、ズルズルと与党に従ってしまう原因の一つには
注意深く観察すると主流の左翼が右翼と大差ない意見しか言えなくなっていることがあるのではないだろうか?


よくよく考えてほしいのだが・・・恐らく考えられることはないのだろうと思う。

オバマは独裁者ではないのだろうか?

2016-12-08 22:45:31 | 欧米
スプートニクの記事より。

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オバマ大統領 大統領任期中に休暇のために8500万ドル以上を費やす


オバマ米大統領は、8年間の任期中に、自身の家族の休暇や旅行に8500万ドル以上を費やした。
団体Judicial Watchが伝えた。

Judicial Watchは、米大統領の警護を行う
米国シークレットサービスの大統領の家族の出費に関する文書へのアクセスを得た。

オバマ大統領の家族は、年間平均およそ1000万ドルを休暇や旅行に費やした。

ここにはセキュリティー、飛行や移動、また米国シークレットサービスの職員や
スタッフのホテルの宿泊や自動車のレンタル費用も含まれている。


なおこれが最終金額ではない。
オバマ大統領の家族は毎年クリスマスをハワイで過ごしており、今年も例外ではない。

Judicial Watchによると、オバマ大統領の家族の昨年2015年のハワイでの休暇にかかった費用は、
480万ドルだったという。 なお先にメディアがオバマ大統領の新しい新居の写真を公開した。


続きを読む: https://jp.sputniknews.com/us/201612083096616/
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ちなみにオバマの新居は毎月の家賃が2万ドルらしい。
1ドル=110円とすると、単純計算で220万である。

これでオバマ・ケアなどと言われても、何をケアするのかさっぱりわからない。


仮に習近平や金正恩が家族サービスのために血税1000万ドル(11億円)を使ったら、
これはもう間違いなく、「独裁者が私欲のために国の金を無駄遣いした!」と騒ぐことだろう。

実際、ウクライナのヤコヌヴィッチ前大統領が亡命した際には「豪邸」で暮らしていたことを
目ざとく発見し、「国民が苦しんでいるのにこの大統領は!」と言わんばかりのバッシング記事を書いていた。


こうした良心的なジャーナリスト諸氏は、聖者オバマが同じことをすると記事に書こうとすらしない。

それで国際情勢を確かに見定めることが出来るのだろうか?