今回の空爆について、ロシアのニュースメディア、
スプートニク紙に掲載されたアンドレイ・イワノフ氏のオピニオン記事を紹介したい。
現在の主流左翼(反共左翼)に決定的に欠けている視点を打ち出していると思うからだ。
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菅官房長官は、シリアの穏健派在野勢力の陣地への空爆が、
シリア情勢の今後の更なる悪化をもたらす恐れがあるとの懸念を表明した。
菅長官が、なぜ、ロシア軍による空爆が開始された
「IS(イスラム国)」との戦いに、かくも不安を感じるのか」、
この問いを、モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ主任研究員にぶつけてみた。
「菅官房長官の慎重な発言は、次のような意味だ。
もしロシア軍機が、ロシア政府が主張しているようなIS戦闘員でなく、
穏健な在野勢力の陣地を攻撃するのであれば、それは困る、という事だ。
そう考えると、子供でも多くの疑問がすぐ浮かぶ。
それでは、武器を手にとって政府に反旗を翻し戦っている
穏健な在野勢力とは、どんなグループか、その名を挙げることができるのか、という疑問だ。
世界中に脅威を与えるテログループ№1とされている『IS』と、
そうした『穏健な』在野勢力とどこが違うのだろうか?
もし『穏健な』在野勢力に、武器を使用する権利がある事を認めるのであれば、
なぜアサド大統領は、自分の権力を守るために自分の軍隊を使用してはいけないのであろうか?
そうであれば、他の国の大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領には、
ウクライナ東部の反対派を殲滅するために軍隊や民族主義者を派遣する許可を、
なぜ、西側は与えているのだろうか。
ドンバス(南・東ウクライナ)の義勇兵は皆、元炭鉱夫でありエンジニアであり、企業家だ。
彼らの妻や子供達、両親も殺されている。
西側は、政府軍部隊が平和的に暮らす一般市民を殺しているとして、
アサド大統領を血塗られた独裁者と呼び、彼の退陣を求め
『IS』を含む公然たる暴徒集団をアサド大統領にけしかけたのではなかったのか?
おまけにウクライナ軍部隊と民族主義者によるドンバスでの一般住民殺害は文書化され、
遅かれ早かれ、国際法廷に提訴され、ポロシェンコ大統領やそのほかの
ウクライナの指導者が人道に反する罪を犯したとして裁かれる可能性もある。
一方シリアにおける一般市民や在野勢力支持派殺害については、
化学兵器使用同様、在野勢力戦闘員らの仕業である事が証明されている。
アサド大統領は、西側が一つになって敵対した唯一のリーダーであり、
彼は、自国の豊かな石油資源開発に西側の会社の参入を許さず、
一方でロシアには許可したことで、民主主義と自由の戦士達を怒らせてしまったと考えられる。
これはもちろん、厳しい罰に値する深刻な犯罪だというわけだ。
しかしアサド氏以外にも、スロボダン・ミロシェヴィチ、サダム・フセイン、
ムアマル・カダフィ、ホスニ・ムバラクといった指導者がいた。
彼らの国、セルビア、イラク、リビア、エジプトは、
民主主義擁護を口実に西側による直接的な軍事侵略を受けるか、カラー革命の犠牲となった。
ここで何のために彼らは罰せられたのか、という問いをいったん脇に起きたい。
重要なのは別の点だからだ。
西側の所謂『民主化請負人』がやってきた国々の大部分は、今やカオスが支配している。
『IS』も含めたテロリストらが、跳梁跋扈し、彼らは、ユーラシアに、
蛮行と中世のような処刑、イスラムの規範に関する彼らの理解と一致しない、
受け入れないすべての物事、あらゆる人々を殲滅するような行為が支配する、
自分達の国家を創設するという己の計画を隠していない。
おまけに、こうした考えは本来のイスラムの教えとは何の共通点もない。
『IS』のリーダー達は、一度ならず、
自分達の国家は、ロシアの今の領土内にも広がると述べてきた。
ではロシアはどうすべきか?
こうした脅威が現実のものになり始めるのを黙って待つべきなのか?
米国と彼らが作った有志連合に属する欧州各国が『IS』の脅威に
終止符を打ってくれるのを期待するのか?
『IS』と彼らは数年、戦ってきたが、現実的には何もしなかった。
サウジアラビアやカタールから『IS』に資金が流れ込むのを止めたり、
トルコ領内から戦闘員が入ってくるのを阻止したり、
テロリストらが占拠した油田から得られる原油を
国際市場で安く売るビジネスを破壊するとか、いろいろなことができたにもかかわらずである。
この間、実際『IS』と戦っていたのは、
アサド政府軍とクルド人、そしてイラン人だけだった。
このことについて、アサド大統領は、西側から感謝されていない、
そればかりか独裁政治を敷いているとか非難され、退陣せよと求められている。
もし彼がそんなことをして、在野勢力が権力を手にしたら、
シリアのみならず、続いて中央アジア全域に、『IS』であれ『穏健派』であれ関係なく、
テロリストが地獄を持ってくるだろう。
そうした事からロシアは『IS』と西側が実際に戦うのを待たずに、
そうしたことは起こらないだろうと考えて、一歩踏み出したのだ。
今肝心なのは、西側がロシアを、少なくとも邪魔しないことだ。
そうでないと、洪水のように欧州に押し寄せる難民は、数万人から数百万人に増えるだろう。
そうなったら、その責任は、アサド大統領でもプーチン大統領でもなく、
西側自身が再び負わなければならない。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20151002/983054.html#ixzz3nQWM6w2c
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あとで読みやすくフォントを変えたり色をつけるつもりだが、
とりあえず一言、ロシアを無条件で毛嫌いする日本の左翼は、
皮肉なことに彼らの敵である菅官房長官と全く同じ意見を述べている。
ロシアの脅威というヤツだ。
この反共が主軸にあるために、簡単に極右とつるんでしまう現象を、
あるいはつるむ連中を私は反共左翼と呼び、非道く嫌っているが、
今回のロシア空爆に対する反応は、まさにそれではないだろうか?
こういうロシアがやったから悪だという考えはレイシズムに他ならない。
この戦前から存在する「反共」という病を克服しない限り、
いつまで経っても左翼は右翼の操り人形のままであり続けるのではないだろうか?
スプートニク紙に掲載されたアンドレイ・イワノフ氏のオピニオン記事を紹介したい。
現在の主流左翼(反共左翼)に決定的に欠けている視点を打ち出していると思うからだ。
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菅官房長官は、シリアの穏健派在野勢力の陣地への空爆が、
シリア情勢の今後の更なる悪化をもたらす恐れがあるとの懸念を表明した。
菅長官が、なぜ、ロシア軍による空爆が開始された
「IS(イスラム国)」との戦いに、かくも不安を感じるのか」、
この問いを、モスクワ国際関係大学のアンドレイ・イワノフ主任研究員にぶつけてみた。
「菅官房長官の慎重な発言は、次のような意味だ。
もしロシア軍機が、ロシア政府が主張しているようなIS戦闘員でなく、
穏健な在野勢力の陣地を攻撃するのであれば、それは困る、という事だ。
そう考えると、子供でも多くの疑問がすぐ浮かぶ。
それでは、武器を手にとって政府に反旗を翻し戦っている
穏健な在野勢力とは、どんなグループか、その名を挙げることができるのか、という疑問だ。
世界中に脅威を与えるテログループ№1とされている『IS』と、
そうした『穏健な』在野勢力とどこが違うのだろうか?
もし『穏健な』在野勢力に、武器を使用する権利がある事を認めるのであれば、
なぜアサド大統領は、自分の権力を守るために自分の軍隊を使用してはいけないのであろうか?
そうであれば、他の国の大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領には、
ウクライナ東部の反対派を殲滅するために軍隊や民族主義者を派遣する許可を、
なぜ、西側は与えているのだろうか。
ドンバス(南・東ウクライナ)の義勇兵は皆、元炭鉱夫でありエンジニアであり、企業家だ。
彼らの妻や子供達、両親も殺されている。
西側は、政府軍部隊が平和的に暮らす一般市民を殺しているとして、
アサド大統領を血塗られた独裁者と呼び、彼の退陣を求め
『IS』を含む公然たる暴徒集団をアサド大統領にけしかけたのではなかったのか?
おまけにウクライナ軍部隊と民族主義者によるドンバスでの一般住民殺害は文書化され、
遅かれ早かれ、国際法廷に提訴され、ポロシェンコ大統領やそのほかの
ウクライナの指導者が人道に反する罪を犯したとして裁かれる可能性もある。
一方シリアにおける一般市民や在野勢力支持派殺害については、
化学兵器使用同様、在野勢力戦闘員らの仕業である事が証明されている。
アサド大統領は、西側が一つになって敵対した唯一のリーダーであり、
彼は、自国の豊かな石油資源開発に西側の会社の参入を許さず、
一方でロシアには許可したことで、民主主義と自由の戦士達を怒らせてしまったと考えられる。
これはもちろん、厳しい罰に値する深刻な犯罪だというわけだ。
しかしアサド氏以外にも、スロボダン・ミロシェヴィチ、サダム・フセイン、
ムアマル・カダフィ、ホスニ・ムバラクといった指導者がいた。
彼らの国、セルビア、イラク、リビア、エジプトは、
民主主義擁護を口実に西側による直接的な軍事侵略を受けるか、カラー革命の犠牲となった。
ここで何のために彼らは罰せられたのか、という問いをいったん脇に起きたい。
重要なのは別の点だからだ。
西側の所謂『民主化請負人』がやってきた国々の大部分は、今やカオスが支配している。
『IS』も含めたテロリストらが、跳梁跋扈し、彼らは、ユーラシアに、
蛮行と中世のような処刑、イスラムの規範に関する彼らの理解と一致しない、
受け入れないすべての物事、あらゆる人々を殲滅するような行為が支配する、
自分達の国家を創設するという己の計画を隠していない。
おまけに、こうした考えは本来のイスラムの教えとは何の共通点もない。
『IS』のリーダー達は、一度ならず、
自分達の国家は、ロシアの今の領土内にも広がると述べてきた。
ではロシアはどうすべきか?
こうした脅威が現実のものになり始めるのを黙って待つべきなのか?
米国と彼らが作った有志連合に属する欧州各国が『IS』の脅威に
終止符を打ってくれるのを期待するのか?
『IS』と彼らは数年、戦ってきたが、現実的には何もしなかった。
サウジアラビアやカタールから『IS』に資金が流れ込むのを止めたり、
トルコ領内から戦闘員が入ってくるのを阻止したり、
テロリストらが占拠した油田から得られる原油を
国際市場で安く売るビジネスを破壊するとか、いろいろなことができたにもかかわらずである。
この間、実際『IS』と戦っていたのは、
アサド政府軍とクルド人、そしてイラン人だけだった。
このことについて、アサド大統領は、西側から感謝されていない、
そればかりか独裁政治を敷いているとか非難され、退陣せよと求められている。
もし彼がそんなことをして、在野勢力が権力を手にしたら、
シリアのみならず、続いて中央アジア全域に、『IS』であれ『穏健派』であれ関係なく、
テロリストが地獄を持ってくるだろう。
そうした事からロシアは『IS』と西側が実際に戦うのを待たずに、
そうしたことは起こらないだろうと考えて、一歩踏み出したのだ。
今肝心なのは、西側がロシアを、少なくとも邪魔しないことだ。
そうでないと、洪水のように欧州に押し寄せる難民は、数万人から数百万人に増えるだろう。
そうなったら、その責任は、アサド大統領でもプーチン大統領でもなく、
西側自身が再び負わなければならない。」
続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20151002/983054.html#ixzz3nQWM6w2c
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あとで読みやすくフォントを変えたり色をつけるつもりだが、
とりあえず一言、ロシアを無条件で毛嫌いする日本の左翼は、
皮肉なことに彼らの敵である菅官房長官と全く同じ意見を述べている。
ロシアの脅威というヤツだ。
この反共が主軸にあるために、簡単に極右とつるんでしまう現象を、
あるいはつるむ連中を私は反共左翼と呼び、非道く嫌っているが、
今回のロシア空爆に対する反応は、まさにそれではないだろうか?
こういうロシアがやったから悪だという考えはレイシズムに他ならない。
この戦前から存在する「反共」という病を克服しない限り、
いつまで経っても左翼は右翼の操り人形のままであり続けるのではないだろうか?