時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

国連総会での反植民地主義闘争

2015-09-29 00:31:48 | 浅学なる道(コラム)
国連総会70年 印象深い演説を振り返って
(続きを読む http://jp.sputniknews.com/photo/20150926/953188.html#ixzz3n2oolsa8)


戦後70年と言う言葉があまりにも便利に使われ、戦争特集が各メディアで展開される一方で、
第二次世界大戦終結後、イギリスやアメリカ、フランスが途上国に対して
一体何をしてきたのか
ということについての反省や批判が積極的にされることはない。



このあたりを踏まえると、結局、自虐史観(by右翼)も自尊史観も
日本のことしか考えていないということをよく表しているような気がする。


左翼も右翼も日本の戦争のことしか考えない。

第二次世界大戦が終結してからも米英仏侵略トリオの植民地主義、
アフリカ・中東・南米に対する抑圧が変わらなかったという指摘が少ない。


そういう状況を思えば、上のスプートニクの記事は大変優れた記事であると言えよう。
以下、何箇所かピックアップしてみようと思う。


「国連総会で最も長い演説をしたのは、キューバの指導者フィデル・カストロ議長だ。
 それは4時間29分に及んだ。1960年9月26日の事だった。
 カストロ議長は、キューバ革命の真の意味、彼が率いる政府が始めた改革の本質を説明し、
 さらに米国に対し、一人前になろうとしている国を攻撃しないよう警告し
 米国とキューバの関係が悪化した真の原因を明らかにした。」


攻撃するなと演説した翌年、アメリカはCIAの主導の下、
反体制派のキューバ人を訓練、彼らと共にキューバに侵攻し、
返り討ちにあった。
(ピッグス湾事件)

恐らく米国史上、もっともみっともない事件だと思うが、
当時のケネディもCIAになぜ失敗したのだと激怒したと言う。


なぜ侵攻したのだではなく、なぜ失敗したのだと激怒する。
さすがはケネディである(※皮肉)



「1974年11月13日、パレスチナのリーダー、ヤセル・アラファト議長は、
 非同盟諸国の要請により国連総会に初めて招かれ演説した。
 その中で、議長は「シオニズムは人種差別の一形態だ」と明言した。
 そして1年後、国連総会は決議を採択し、
 シオニズムを人種差別と認める決議を採択したのだった。

 しかし、1991年、東欧で相次いで共産主義政権が崩壊した後、
 米国とイスラエルの要求により、この決議は取り消されてしまった。



冷戦終結時、右も左も浮かれ顔で共産主義を攻撃していたが、その暇があったなら、
 少しでも眼前の悪行を監視するべきだったのではないだろうか?



戦後70年とは、戦争が終わってから私たちが何をしてきたのかを
反省するためのものにしなければならなかった
のに、それが出来なかった。

それが残念で仕方が無い。



「国連総会の演説の中で最も印象が鮮烈だったものの一つに、
 ベネズエラのウゴ・チャベス大統領の2006年の演説がある。
 大統領は登壇し「ここには悪魔がやってきた」と述べた。
 その後彼は、その悪魔とは米国大統領のジョージ・ブッシュ・ジュニアであると説明した。

 米国大統領は、チャベス大統領が登場する前日演説し、
 檀上から自国の政策を正当化したばかりだった。
 発言時間は15分だが、チャベス大統領は約1時間、演説を続け、
 自分に靴を投げないよう頼みながら、最後まで話をさせてくれるよう求めた。」


国連総会では、時折、途上国の元首が先進国に対して
その植民地主義、横暴な干渉政策に対して怒りをダイレクトに伝える場面がある。



「2009年9月23日、リビア革命の指導者ムアマル・カダフィ大佐は「政治的封建制」に反対し、
 国連安全保障理事会の常任理事国だけでなく、すべての理事国に拒否権を付与するよう求めた。


 彼は又「リビアは、国連決議に従う義務はない」と述べ、
 国連憲章の冊子を投げ捨てるパフォーマンスをした。

 カダフィ大佐は、カストロ議長には劣るものの、2時間以上も演説を続けた。
 そのためリビア人通訳は耐え切れずに、1時間ほどで意識を失い昏倒する騒ぎとなり
 国連本部のアラブ語通訳グループのチーフが、急遽通訳を受け継ぐというハプニングが起きた。」


常任理事国(米英仏露中)に強力な権限が与えられている現状への批判。
先日紹介した移民問題への見解といい、
カダフィは途上国の立場から国際政治の現況を結構的確に批判しているのだけれども、
悲しいかな、日本では二時間もアメリカ批判をしたという大雑把な報道で済まされてしまった。


繰り返すが、国連総会という場は、アフリカや中東、南米の指導者が
自分たちがいかに西側陣営に非道い目にあっているのかを訴える場としても機能してきた。


ところが、そのせっかくの貴重な訴えに対して日本のメディアや著名なジャーナリストは
演説の内容よりも時間の長さを強調する素晴らしいリアクションを返してきた。

例えば、池上彰氏とか。


安保法案が強行採決された途端、メディアが全く議事堂前のデモを
取り上げなくなったとリテラが怒りを露にしているが、
池上氏に至っては強行採決後の初のニュース解説番組の内容が
苗字と姓はどう違う?だった。
どうでもええがな


こういう意図的に特定の情報を伝えまい、伝えまいとしているのが
見え見えな合法詐欺報道が闊歩している現状、
『世界』や『週刊金曜日』などの一応左翼の雑誌が応えるべきだろう。

『金曜日』はたまにお手柄を挙げることがあるが『世界』に関してはさっぱりだ。
 毒にも薬にもならない論評しか掲載されない。『リテラ』のほうが読む価値がある。


訴えている人がいるのに、その人に目もくれない。
左翼の論壇がそういう状態(一種のサークルと化している)である限り、
いつまで経っても、右翼に決定打を与えられないのではないかと思う今日この頃である。

辺野古テント襲撃事件に沈黙する愛国者たち

2015-09-21 22:18:53 | 日本政治
自分の気に入らない意見や異論を暴力で封じるような風潮が、広がっている。
今回のケースは、政治が「対話による意思決定」に失敗したために生じた事件ではないのか。
危険な兆候だ。

19日夜から20日未明にかけ、政治団体の街宣車で乗り付けた約20人の男女が、
名護市辺野古の新基地建設に反対する市民が常駐している
キャンプ・シュワブゲート前のテントに乱入した。

居合わせた市民や県警の話によると、押しかけた男女は「テントをどかせ」などと罵声を浴びせ、
横断幕やのぼりを引きちぎったり、カッターナイフで切ったりして乱暴を働いた。

制止する反対派市民ともみ合いになり、殴ってけがを負わせたとして
襲撃した土木作業員の男性が傷害の疑いで、ほかに男性2人が器物損壊の疑いで逮捕された。

テントで暴れ回った男たちは「基地がないと中国に攻められる」とも語っていたという。

襲いかかった男女は、ツイッターを使って参加を呼びかけ、
夕方から街宣車で威嚇(いかく)、嫌がらせを繰り返していたようだ。


昨年6月には、ヘリ基地反対協議会のテントが何者かに荒らされ、
看板や掲示物などが壊される被害が出ているが、反対派の市民がいるときに
公然と襲いかかってきたのは初めてである。

辺野古反対の主張や行動が気に食わないからといって、
暴力で異論を封じ込めようとするのは認めがたい。暴挙というしかない。

(沖縄タイムスの社説より)
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=133803
-----------------------------------------------------------

この事件、保守速報をはじめとする
ネトウヨブログではなぜかあまり紹介してくれない。

中国の脅威(笑)を果敢に知らせてくれた
彼らの勇敢な行為を世に知らしめる絶好のチャンスだっただろうに。

「よくやった!」とか「感動した!」と騒いでもいいはずである。

【これは酷い】辺野古基地抗議のテントが襲撃される!
右翼系の集団が乱入、市民らともみ合いに!横断幕をカッターで破壊も

↑逆に右翼視点では左翼に認定されるであろうこちらのサイトではバッチリ紹介されている。
 同様の事件は反原発運動にもあったそうだ。

最近では経済産業省前の脱原発テントも同じように襲撃されていましたが、
 過激な右翼団体の行動がエスカレートしている感じがあります。


 襲撃した連中は約20人ほど居ると見られ、
 警察はその内の3名を器物破損の容疑で逮捕しました。
 住民の中には巻き込まれて怪我をした方も居るようで、
 残りの襲撃犯も逮捕する必要があると言えます。

 (同URLより)」


さて、私は前々回の記事にネトウヨの特徴を列挙してみた。
改めて整理すると、

①根拠を崩されても結論に固執する
②専門知識がない
③にも関わらず自分が正しいと思うため
④向こうが屁理屈をいっているorウソをついていると考える


これに加えて、
⑤非常に思い込みが激しいというのも挙げられる。

というのも
⑥専門知識が乏しいために自分に都合の良い風に解釈する傾向が有り、
⑦提示された資料をウソ・でっち上げと決め付ける
⑧自分の妄想を根拠に反論するかのどちらかの反応を示すからだ。

実のところ、ウソや屁理屈で無茶苦茶を言っているのは連中自身なので、
よく見ると⑨矛盾した発言をしているのだが全く気にしない。

果敢にもこの事件を取り上げてくださった右翼系まとめブログを見ると、
次のようなリアクションが散見される。



「自作自演。政治結社の右翼は反日組織である、
 愛国心を最悪なイメージに変えて国民にすり込むためのプロパガンダ組織だ。」

「自作自演だと思ったら既に同じような書き込みがあって安心した」

「ソース朝日だし自演で間違いないなw 」

↑根拠の無い決め付け。⑤番と⑧番に該当。
 ⑦番、自分の都合の悪い事実を指摘されるとウソだと決め付けるにも該当する。
 自作自演であることと自作自演であると思うことは違う。

 自演と言うのであれば、暴徒が市民団体のメンバーである証拠を提示すべきだ。
 他方でこのようなコメントもある。

「県内の人間が県外の基地外を襲ったって事だな」

↑ドヤ顔で語っているが座り込み運動は沖縄県民が主体となって活動している。
 
ヘリ基地反対協議会のホームページを見れば誰でも気づくことである。

運動団体のホームページには次のような文章がある。

「仲井真県知事は県民の新基地建設反対の意思を尊重し、県内移設を拒否すべきである。
 普天間基地の危険性を北部住民に押し付けてはならない。
 1997年、名護市民住民投票によって新基地建設反対の意思を表明し、
 また世論調査において県民の約80%が反対している。」



http://img04.ti-da.net/usr/h/e/n/henoko/0428%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.jpg
↑のチラシを見るだけでも、移設反対は県外の人間の仕業と判断するのは難しい。 

シュワブ・ゲート前座り込みは超満員。那覇から、南風原から、中城から、「島ぐるみ」バスが到着

高江・座り込み8周年集会に600名が結集---7月からの工事強行を許さない!


こうした人たちの動きをガン無視して県外の左翼の仕業と決め付けているのだが、
沖縄県民にも賛成派と反対派がいるという考えてみれば当然のことを知らないのだろうか?


----------------------------------------------------------------
米軍普天間飛行場の返還合意から12日で19年。

合意翌年に結成した「命を守る会」から続く市民団体が、
4月でいったん18年の活動に終止符を打ち、新たなスタートに立つ。

会員の高齢化や、区を挙げて移設反対を訴える行動を目指すためだ。

辺野古移設に反対の区民らでつくる「ヘリ基地建設に反対する辺野古区民の会」代表の
西川征夫さん(70)は「これからは辺野古区として反対を訴える方向で活動したい」
と思いを新たにしている。

普天間飛行場の辺野古への移設が取り沙汰された1996年11月。
「移設阻止に向けてやるしかない」と15人の仲間と共に動き出した。
97年1月27日、区民など30人で「命を守る会」を結成。
移設反対の署名を皮切りに活動を展開した。

活動拠点として、辺野古漁港前にテントを1張り設置した。
辺野古の海を守ろうと詰め掛けた区民であふれ返ったため、プレハブの事務所に拡張した。

事務所は時にお年寄りの憩いの場になり、
時には区外から来た学生たちの学習の場になりながら運動を支えた。

一方で、区内は条件付き容認と反対で二分された。
市が条件付きで移設を受け入れて以降は表立って会の活動に参加する区民が減った。

「会のメンバーはいつの間にかいなくなっていった。
 役員になったら周りから何か言われるからと誰も役員をやりたがらず、
『逃げ勝負』になった時期もあったよ」と西川さんは振り返る。

自身も病で会を退いた時期もあった。
それでも「この地域に基地を造らせたくない」との思いから再び会に戻り、活動を存続した。
14年には名称を「ヘリ基地建設に反対する辺野古区民の会」に変更し、
座り込みではなく区内の調整を中心に活動を続けてきた。

18年の歳月は長い。
西川さんは事務所に保管されていた「命を守る会」からの写真をめくりながら、
「涙が出てくるよ」と目を潤ませた。一緒に写るのは一時期会長を務めた故・金城祐治さん。
思い半ばで亡くなった人も多かった。

辺野古を取り巻く環境も変わった。11年前は阻止した掘削調査が現在は進められる一方で、
市長選、知事選と辺野古移設反対の候補者が当選した。

「知事も反対、市も反対。次は辺野古区が動く番だ」と西川さんは指摘する。
「区民同士の争いはもうやめたい。今度は区長を中心に区民一丸となって、
 移設反対を訴えるために動きたい」。共に闘った仲間の思いを胸に、
 移設阻止に向けた活動は続く。(田吹遥子)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241697-storytopic-3.html
----------------------------------------------------------------

なぜか連中の頭の中では地元→賛成、県外→反対と勝手に決め付けているが、
実態は以上のようなものである。ちなみに、右翼の中には、上の辺野古区の事情を
利用して、地元賛成派の意見だけをピックアップし「これが民意や!」と息巻いているが、
何度も書いているように、沖縄全体の意見は反対であるし、人口1400余の小さな区ですら
賛成派と反対派が混在しているという有様である。

少なくとも地元は賛成派しかいないというのは大嘘である。


基地に限らず、ダムや原発など環境破壊などのリスクがあるハコモノにおいて、
受け入れ先の人間が賛成派と反対派に別れることはありがちな現象である。

この場合、得てして、資金に苦しむ地方自治体の懐具合に目をつけて、
中央政府が補助金やインフラ拡充、就労斡旋などの懐柔策を働き、
だんだんと受け入れを容認するようになりがちだ。
双葉町がその好例だが、その結果、何が起きたのかはあえてここに書くまい。


以上、長々と書いたが、せっかくの宣伝の機会なのに、無視するor
「右翼の仕業ではない」と言い張るあたり、さすがというか何と言うか……


彼らは次の事実を知らないのだろう。

----------------------------------------------
米軍普天間飛行場の移設問題で、
政府内で浮上している名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ陸上案に対し、
同区(大城康昌区長)は22日、普天間代替施設等対策特別委員会
(古波蔵廣委員長、委員10人)を開き、同案に反対し、
同案に決定しないよう政府に要請することを全会一致で決めた。

同案には市の稲嶺進市長も反対を表明しているが、
日米が合意した移設先の辺野古区が反対意思を示すのは初めて。

特別委員会は区の最高意思決定機関である行政委員会内の組織だが、
今回の決定が区の総意となる。近隣の豊原と久志も同調し、
久辺3区の連名で25日に沖縄防衛局に要請文を手渡す。

要請には3区の区長や行政委員会の代表も同行する。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-158028-storytopic-3.html
----------------------------------------------

大城康昌氏は右翼が地元の「民意」を語るさいに
移設賛成派としてよく紹介される人物だが、その彼でさえご覧の有様だ。

上の記事は民主党が与党の時代の話。今、辺野古区では賛否両論との話だが、
なぜ民主党時代は全会一致で反対されたのに、自民党時代では賛否両論になるのか?

その答えは言うまでもあるまい。

EU難民問題を予言していたカダフィ

2015-09-21 00:05:51 | ベルリンの壁2.1
リビアという国家をNATOが消滅させた結果、現地人の生活維持が困難になり、
結果的に難民をEUに送り出すビジネスが横行するようになった。

実のところ、これは予測不能の事態ではなく、
現に生前のリビア元首カダフィはインタビューにおいてこの事態を予言していた。


-------------------------------------------------------
欧州における第二次世界大戦以来最大の難民危機は2011年3月、
リビアの指導者だった故ムアマル・カダフィ氏によって予言されていた。

死の直前に行なわれたインタビューで、氏は、リビア情勢が不安定化したとき、
アフリカ全土から数百万の移民が欧州に殺到するだろう、と述べていた。


「数百万のアフリカ人がフランス、イタリアに入るべく地中海越えを試みるだろう。
 リビアは地域の安全に重要な貢献を行なっているのだ」。

フランスのFrance 24によるインタビューでの発言。

カダフィ大佐の息子サイフ・アル・イスラム氏も、
やはりFrance 24によるインタビューで、同様の見解を述べていた。

「リビアはソマリアのようになるかもしれない。
 シチリアやランペドゥーザに海賊が出没するようになる。
 数百万の不法移民が押し寄せる」と同氏。

予言は的中した。今年に入ってから、EUには50万人もの移民が押し寄せ、
一日あたり数千人が新たに流入している。欧州委員会によれば、
今度の移民危機は第二次世界大戦以来最大のものである。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/life/20150918/915113.html#ixzz3mI9o9kUz


リビアで20件の救助活動が行われ、
ゴムボートで地中海を渡ろうとした移民約4700人が救助された。
ロイターがイタリア沿岸警備の発表として伝えた。女性1人が遺体で見つかっているという。
死因は不明。

移民の大半、4300人は、イタリア海軍と沿岸警備、「国境なき医師団」、
EUの地中海海軍作戦EUNAVFOR Medに参加中だったドイツおよび英国の船による
合同救助活動で救出された。この演習は7月22日から行われており、
移民の不法輸送をせきとめることを目的としている。


残りの300人はギリシャ沿岸警備により救助された。
救助された移民たちは間もなくイタリアの港に届けられる。

今年に入ってからEUには50万人以上の移民が入り込み、
毎日その数は数千人単位で増加している。欧州委員会によれば、
今度の移民危機は戦後最大のものである。

来週、23日には、移民危機を話し合うEUサミットが緊急開催される。

移民の流入を危惧する欧州諸国は国境管理を強め、障壁を設けている。
それでも移民の流れは止まりそうにない。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150920/925405.html#ixzz3mIALfsSc
-------------------------------------------------------

ベルリンの壁に対してはあれほど人権侵害を訴えたNATO諸国が今、
自らの愚策、一つの主権国家を破壊・消滅させた責任を取れずに四苦八苦している。


地中海はまさに現代のベルリンの壁である。

ネトウヨの特徴を挙げてみる (議論ができない人々)

2015-09-20 00:06:55 | 浅学なる道(コラム)
別に右翼に限らず、左翼にもクレーマー気質の面倒くさい奴がいるので、
あくまで討論という行為ができない連中の特徴だと思って欲しい。

予備知識として、次の文章を引用する。

-------------------------------------------
首相は、「集団的自衛権は日本人の命を守るためにどうしても必要」として、
日本人母子のイラストまで掲げて「邦人輸送の米艦防護」を繰り返しました。

しかし、最近になって「日本人が乗っていなくても集団的自衛権の発動はありうる」と言い出しました。

首相があれほど繰り返した「ホルムズ海峡の機雷掃海」についても、
イラン政府が「機雷敷設などありえない」と表明するなかで、
最近になって「現実の問題として発生することを具体的に想定しているものではない」と言い出しました。

「日本人の命を守る」としてあれだけ繰り返した二つの事例がどちらも破たんした。
立法事実が示せない。結局、集団的自衛権行使の目的は「日本人の命を守る」ことではなく、
世界のどこであれ米軍とともに戦争をすることにあることが、はっきりしたではありませんか。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-19/2015091903_01_1.html
-------------------------------------------

こういう文章を仮に私が書いたとして、
その場合、ネトウヨが寄せてくるコメントの特徴は大体次のようなものだと思われる。



①自分の主張が正しいことを前提にして話す。


普通の人間は、仮に安保法案に賛成していたとしても、
ホルムズ海峡の機雷敷設は起こりえないと知れば、素直に自分の見解を修正する。


ところが、ネトウヨは自分の主張を訂正することが出来ないため、

②すでに破綻した理論に固執する


例えば、次のようなコメントを送ってくる、

「ホルムズ海峡付近は日本にとって重要な地点ですが、
 仮にここに機雷が敷設されても今の日本では何も出来ません。
 安保法案は通すべきです(ドヤァ)」


これに対して「その機雷敷設が現実的に起こらない、それは首相も認めていると
書いているでしょう、あなたは首相の見解にも反対するのですか」と私がコメントしたとする。

その場合、ネトウヨは

③こちらの反論をウソ、歪曲とレッテルを貼り、無視をする。

「あなたはそのような些細な部分にケチをつけ、事実をねじまげていますね(ドヤァ)
 もう一度説明します。ホルムズ海峡は日本にとって生命線です。
 これは現状の日本では守ることができません。だから必要なのです。

 あなたが何を言おうとこの事実は変わりません(ドヤァ)」


もしくは
④反論に対してコメントせず、別の理由を持ち出す

「ホルムズ海峡がどうだろうと、中国や北朝鮮の脅威に対して
 今の日本は対策を練ることが出来ません。だから安保法案は可決されるべきです(ドヤァ)」


こんな風に、こちらの反論を取るに足らない意見として片付けるか、
あるいは別の理由をいきなり持ち出して自分の結論は正しいのだと言い張る。



ホルムズ海峡に機雷が敷設されているという前提が絶対に正しいと思い込んでいるので、
それが違うと指摘されても「こいつはウソをついている」と解釈する。

あるいは安保法案は可決されるべきだという自分の意見が正しいと思い込んでいるので、
機雷敷設のウソを指摘されても「どうでもいい話を持ち出してケチをつけている」と考える。


ここで
「安保法案の是非を語るさいに、その前提条件が正しいかどうかを検討することは
 とても重要なことだと思いませんか?機雷が敷設される可能性が高いというならば、
 その根拠を示してください」と私が書いたとする。


この場合、

⑤ネットの知識で武装しているので専門的な話をすることができない


ので、

⑥個人攻撃を始める


「何度も説明させないでください」とか
「小学生レベルでも理解できることです」と言ったふうに

⑦反論されるのは向こうの頭が悪いからだと決め付ける


これに比例して

⑧自分は論理的な思考が出来るのだと思い込む

その結果、
⑨自画自賛を始める

「あなたの意見は論理的に破綻しています」とか
「こちらは言い逃れできない証拠を提示しています」と言ったふうに

⑩都合の良い解釈をし始める。「お前が言うな」を言い始める


しかし、上の具体例を見ればわかるように
⑪表現があいまいで具体性がない


仮にこちらが「どのへんが論理的でないのか論じてみろ」と語ってみても、
もう後は罵詈雑言と初めの主張と根拠を狂ったレコードのごとく繰り返すだけだ。


このように、専門的な知識もなくイメージで物事を語るため、
屁理屈でこちらの意見に対応せざるを得なくなるので、自然と
⑫矛盾した発言を平然としてくる。

それを指摘しても自分は正しいと思っているので
⑬反論されてもまったく気にしない


大体、これぐらいの特徴があるように思う。

重要なのは、
①根拠を崩されても結論に固執する
②専門知識がない
③にも関わらず自分が正しいと思うため
④向こうが屁理屈をいっているorウソをついていると考える

点だ。

議論ができないヤツはこの①~④に確実に当てはまると思う。
もちろん、これも印象論&経験論なので、絶対の法則ではないが、
少なくとも、自分が相手をした人間に限っては、大体このパターンだった。



最後に言っておくと、別にこれはネトウヨに限った話ではない。
安倍首相の答弁などは、まさに「反論せずに別の理由を持ち出す」の行為に該当する。
(そもそも、ネトウヨとリアウヨに本質的な違いなどない)


左翼にも「核は絶対に許せないマン」がいて、
こういう人たちに「北朝鮮の非核化にはまず米韓軍事演習の中止が必要だ」と話しても
「あなたは北朝鮮の核は持っても良いんですか!」と返されてしまう。


「いや、なくすための具体的な手段を話していますよね?」と答えても
「北朝鮮の核保有を支持する。それは平和主義に反します!」とまるで話を聞かない。


なんというか
⑭非常に思い込みが激しい
ために、こちらの言うことを全く聞こうとしない。

こういう人たちに限って議論をしたがるのだから本当に困った話である。

Amazonのコメント機能は不要

2015-09-19 21:37:53 | 浅学なる道(コラム)
Amazonにはレビュー記事が投稿できるようになっているが、
このレビューにさらにコメントがつけられるようになっている。


これ、下手すればAmazonが2ちゃんのスレ化するので絶対にやめたほうがいいと思う。
というか、実際にそうなった。

さる学術書へのレビューに対し、ネトウヨからお決まりの攻撃を受け返事をしたところ、
数度のやり取りの末、なぜかこちらのコメントだけがAmazonに消された。なぜ?


他人に不快感や嫌悪感を与える投稿が削除の対象らしいのだが、
詳しくは載せないが、向こうはこちらのことを「小学生並みの低脳」だとか
「ウソばかりついて逃げている」とか書いていたのだが…わけがわからん。

向こうがAmazonに苦情でも入れたのだろうか?
それとも自主的にAmazonが削除したのだろうか?


削除された理由を知らされていないし、
そもそも削除したとのメールももらっていない。


これでは、仮にこちらに落ち度があったとしても、
今後、どう改めていけば良いのかわからないではないか?

いずれにせよ、ネトウヨに甘い会社であることはよくわかった。
冷静に考えれば、Amazonランキングの上位には結構右翼本が並んでいるわけで、
お得意様を怒らせたくないのかもしれない。考えすぎ?

しかしまぁ、冷静に考えてみれば、あのまま延々と口論しあっていても
しょうがないので、結果オーライと言えば結果オーライかもしれない。

無視が一番ですからね。


そのネトウヨ、コメントの通知を自動受信していたので、
ずっと粘着してきたのかも?そーいう馬鹿の味方、Amazonドットコム。

実際、上位レビュアーにはかなりネトウヨがいるのだが、
そーいう合法詐欺師のコメントは問題がないのだろうか?

さすが本家アメリカでは従業員を奴隷労働させているだけある。

「若い頃はウェイトレス・清掃作業員・引っ越し作業員として
 働いた経験があったマクリーランド氏でしたが、31歳になった彼女にとって
 Amazon倉庫内で過酷な10時間半の労働を毎日続けるのは人生をすり減らすようなもので、
 継続困難なことだと感じたとのこと。」
http://gigazine.net/news/20140415-amazon-quitting-program/

洋書や古書を簡単に買える場を提供してくれるのは有難いが、
管理人としてまともに働けない以上、レビュー機能など全廃しろという話。

反対デモで語られなかったこと (安保法案、強行採決について)

2015-09-19 00:02:25 | 反共左翼
安保法案が衆院の時と同様に参院でも強行採決された。
議事録なし、事実上の野党議員締め出しで行われたもので会議の体をなしていない。
憲法57条および59条に違反しているような気がする。


一昨日のデモでは警察が参加者を数人逮捕していたらしい。


まるで「天安門」、阿鼻叫喚の国会前
―安保法制反対デモを警察側が過剰警備で弾圧、一部参加者の逮捕も


「国会前が埋め尽くされている絵を撮らせるな!」
…警察によるデモ隊過剰警備の背景に官邸の圧力が!



これに対する右翼の回答がこちら。

---------------------------------------------------
9月14日、産経新聞がウェブ版でこんな見出しの記事を公開した。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が12日・13日に実施した合同世論調査で
「安保法案に反対する集会やデモ」に関してアンケートをとったところ、
〈最近注目を集める反対集会だが、今回の調査からは、
「一般市民による」というよりも「特定政党の支持層による」集会という
 実像が浮かび上がった〉というのだ。

この記事に、ネトウヨたちは大喜び。
「やっぱりあいつらは共産党だった」「反日政党支持者がデモを起こしている」
などというコメントを拡散させている。

しかし、それがいったいどういう調査結果にもとづくものなのか、
改めてチェックしてみたら、これがびっくり仰天。

国会周辺など各地で行われている安全保障関連法案に反対する集会に
 参加した経験がある人は3.4%にとどまった。
 共産、社民、民主、生活各党など廃案を訴える政党の支持者が7割を超えた
〉から。

それだけが根拠らしいのだ。

マスコミの世論調査で普通に野党の名を答えただけで「一般市民」じゃなくなるのか?
という疑問もさることながら、それ以前に、安保法案反対デモの参加者が、
安保法案に反対している政党を支持するのは当たり前の話ではないか。

http://lite-ra.com/2015/09/post-1496.html
---------------------------------------------------

この法案を支持する連中の頭の悪さがよくわかる良記事。


とはいえ、反対者が秀才ぞろいかと言えば、そんなことはない。
上で紹介した志葉玲氏の記事だって中国と全く関係が無いのに、
「まるで天安門」と表現するあたり、おいおい……と思ってしまう。

まるで天安門ではなく、天安門事件が日本的だったに過ぎない。

というより、今回のデモおよびEUのデモを見て思ったのだが、
よその国でも行われていることが中国に限っては「弾圧」と表現されるのは何故だろう?

天安門事件はその規模や大きさが通常のそれではないからまだ理解できるが、
通常のデモに対する中国のそれはヨーロッパやアメリカのそれと変わりないのに、
なぜ前者のみ「弾圧」と日本では表現されるのだろうか?

それでいて、何故か「反日」デモに関しては中国の「官製デモ」であり、
中国国民の総意ではないという解釈が当たり前のようにされている。

そのわりには、日本大使館や日本企業の店に投石するシーンを映して、
いかにも中国人は野蛮なのだというイメージを植え付けるのにご執心だ。

中国は悪だという結論を前提にし、一定の方向へと誘導するテクニックが、
ごく普通の「中立」的な新聞やニュース番組、知識人が行う現状を見るに、

何と言うか、今回のデモは「戦争反対」の4文字が先行して
「中国とどのように接していくか」という
 肝心な部分が議論されていなかったような気がする。




今、手元に『中国をどう見るか』という本があるが、
この本は中国に関する保守派の態度を次のように批判している。


--------------------------------------------------------------
「ためにする議論」型の非難

この型は、「自分のことは棚に上げ」の立場の保守政治家とかさなる部分が多い。
ただし、分けて考える意味がないわけではない。

中国が社会主義であるかどうかに関係なく、
中国を日本の脅威・ライバルと決めてかかる日本人は、昔から少なくない。

中国を常にそういった目でしか見られない人は、
中国の立場が弱くなることに資するなら、なんでもしたがる。

中国は天安門事件で先進諸国の集団制裁にあった。
となれば、それに乗らない手はない。これが「ためにする議論」型の人々の反応だ。

「ためにする議論」型の多くは、
台湾が中国と統一することを必死になって邪魔しようとする人たちとかさなっているし、
中国包囲網をつくることにことのほか熱心なのもこの型の人に多い。

中国が何をしても、すぐ「中国脅威」と騒ぎ立てるのも、この型の特徴だ。

軍事費増大、兵器近代化、核実験、台湾沖ミサイル発射・軍事演習、
尖閣、東沙、西沙、南沙群島領有問題などなど。

しかし「ためにする議論」型の多くの人々は、軍事知識が一般国民よりはるかに豊富で、
自分たちがとなえる「中国脅威」の実態が脅威からかけ離れていることを、
じつは誰よりもよく知っている。中国の軍事費増大、兵器近代化、核実験は、
圧倒的なアメリカの軍事力からわが身を守るための必死の努力だということだ。

(同書、34‐35頁より)
--------------------------------------------------------------



実は、この文章は2000年、
つまり15年も前に書かれたものである。



自民党や右翼の言い分が今と全く変わっていない。


なんてことはない、南シナ海で中国が云々というのは最近になって騒がれた話ではなかった。
それをさも、ここ数年、中国が台頭してきてヤバいのだという風に吹聴した
自民党やその支持者、特に学者やメディア、ジャーナリストの責任はとてつもなく重いだろう。

この15年の間で中国が日本を攻撃したことが只の一度たりともあっただろうか?
集団的自衛権が認められていなかったために日本の安全が脅かされたことがあっただろうか?


結局、安保法案は、ここ数年の国際情勢の変化に対応したものではなかった。
15年経っても未だに治らない病気に引きずられたものだった。



このような中国アレルギーの産物が現状に対応できるとは思えないが、
他方で、このアレルギーは日本の主流左翼にもしぶとく存在するような気がする


「まるで天安門」などというフレーズは、まさにそれを示す好例である。

 他にも、「北朝鮮なみの独裁」という表現も見かけたが、
 これも隣国を敵視するという点では自民党と大差ない。むしろ本質的には同類だ。

 ペンで脅すか銃で脅すかの違いでしかない。

 そもそも、ここまで北朝鮮のイメージが悪化したのも、
 彼ら平和主義者たちの絶え間ない北朝鮮バッシングのせいでもある。

 
 要するに、私が言いたいのは
脅威など存在しない。軍備を維持するために、ソ連の脅威に代わって
 冷戦終結直後から使われ始めた古臭いイデオロギーだ
」ということである。

北朝鮮は2002年の頃から日本との協議には積極的に応じているし、
応じているからこそ拉致問題に関する自国の関与を認めたわけだが、
その都度、日本からの強硬な姿勢によって会議は中断された。

その結果、2006年にテポドンが発射されると、
「それみたことか」と右翼も左翼も北朝鮮悪漢論に熱中した。

今では金欲しさに核ミサイルを発射する危ない国だというのが共通見解になっている。
米韓軍事演習の中止と引き換えに核開発はやめると何度も繰り返し発表されているにも関わらず。


こういう隣国への敵視が右も左も大差なかったことが、
結果的には「戦争反対」という言葉が独裁政権に敗れた原因だったのではないだろうか?



「戦争反対」ではなく「中国・北朝鮮との関係改善を」と言うべきだったのではないだろうか?
そして、それが戦略的に「言えなかった」(それを語れば民衆に支持されなくなる)のが
左翼が右翼に勝てない理論的弱さではないのだろうか?

NHKは本当に中立報道をしているのか?

2015-09-17 00:16:15 | リビア・ウクライナ・南米・中東
16日の全国規模の安保法案反対デモ運動は海外にも注目されたようだ。


16日、日本全国で自衛隊の全権を拡大する安保関連法案に反対する抗議市民運動が行なわれた。

抗議行動の組織者らによれば、霞ヶ関の国会議事堂前には1万人を越す市民が集まり、
「戦争反対」、「憲法9条を触るな」などと書かれたプラカードを手に抗議の声を上げた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150916/906784.html#ixzz3lundn86N



NHKのニュース7で議事堂前の様子が中継されていたが、
その間、何度も繰り返し説明されていたのが安倍首相の言い分。


いわく、日米同盟の強化が抑止になる、
いわく、法案が可決された何年か後には評価されるようになる、
いわく、南シナ海で中国の脅威が云々等、政府の言い分を何度も語るキャスター。


頼んでもいないのに安倍首相の言い分は
スーパーマーケットの店内BGMのごとくリピートされる一方で、
反対者の言い分は一切紹介されなかった



ただ、議事堂前の様子を映していただけ。

「絶対反対」とか「戦争反対」とかそういう声は聞こえるが、
 彼らが法案のどこに問題があると考えているのかについて全く伝わってこない報道だ。

ニュースステーションでは、議事堂前で行われた憲法学者のスピーチや
元自衛官のデモ参加者へのインタビューなど、彼らの考えがわかるような内容にしていた。
NHKとは対極的な報道内容である。


池上氏の基準にあてはめれば、
反対派の様子もきちんと映してくれるNHKの報道は中立的なものだとみなせよう。

しかし、この前の記事に書いたが、中立だからといってそれが正しい報道になるとは限らず、
また、得てして賛成のために反対意見を載せてしまうものだ。

ニュースステーションは間違いなく偏向報道だったが、
これは質的にNHKの中立報道の何倍も出来が良かった。


後者は権力層の監視というジャーナリストの責務を放棄しているからだ。
ニュースステーションも万能の番組ではないが(特に国際ニュースに関しては)、
少なくとも安保法案のニュースに関しては十分内容のあるものを提供していると思う。

リビアの破壊が難民ビジネスを生み出した(ISISの人身売買)

2015-09-16 00:23:33 | ベルリンの壁2.1
移動の自由は誰にでもあると豪語していた
西ヨーロッパがドイツ等の一部を除き、難民を前に門を閉じつつある一方で、
ISIS(イスラム国)による人身輸送が人気のビジネスになっている。


-------------------------------------------------------
移民輸送と課税で「イスラム国」は年内に10億ドルの利益をあげる

「イスラム国」は違法な移民の輸送によって
 利益をあげ、かつ、欧州の難民危機を助長している。

ノルウェー国際分析センターのクリスチャン・ネルマン所長によれば、
人身売買や各種の関税は、今や石油にかわる「イスラム国」の主要な収入源となっている



以下、ネルマン氏の語ったことの概要をご紹介する。

「イスラム国」は国家を立ち上げるために、
 少なくとも年間5億ドルという、莫大な資金を必要としている。

しかし昨年、資金源が断たれた。
それまで彼らは石油を主な財源としていたが、石油による収入は6~8割も減ってしまった。

しかし、収入源のシフトチェンジの手並みは極めて鮮やかで、
今は関税と人身輸送が主な財源となっている。

人身輸送は今や北アフリカ・中東で最ももうかるビジネスだ。

地域には様々な犯罪組織が乱立しており、暴力による恐喝で金銭を徴収している
こうした徴税制度と人身輸送が、「イスラム国」の収入源として素早く取り入れられた

年内に密航ビジネスの規模は20億ドルを超える見通しで、
「イスラム国」はこの分野でゆるやかにシェアを拡大していくと予想される。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150915/897353.html
-------------------------------------------------------


上の「徴税」は、リビアおよびシナイ地方の交通の要所で行われており、
レバノン・ヨルダン国境にも拡大しつつある。


ISISには国境を開閉する権限があり、移民を任意の箇所へ誘導することが可能になっている。
つまり、現地の人間に暴行を働くことで特定の場所へ追い出し、金をせしめるというわけだ。

これだけを読めば「ISISけしからん」という感想が出るだけで終わってしまうが、
一連の犯罪の背景には中東研究者を含め
多くの人間が民主主義の勝利と絶賛した「アラブの春」が存在する。


次のスプートニクの論評は
そのへんのゴミのようなイスラム国解説本よりも反芻するに値する。


-------------------------------------------------------
いま人身輸送を生業にしている人の多くはリビア政変前には別の仕事で生計を立てていた。
カダフィ氏は多額の農業投資を行い、国境地帯の諸都市にも色々な投資を行っていた。


そのカダフィ氏がいなくなると、仕事にあぶれた多くの人が
生計を立てる唯一の道として人身輸送にシフトした。


シリアとイラクにおける紛争に直接向けられた、もっとずっと幅広いメッセージが必要なのだ。
ただ単に難民問題を単独の問題として処理するのでは、
「イスラム国」の増強、そして脅威という問題を解決できない。


極限すれば、欧米は、単に「イスラム国」を爆撃することに加えて、
資金の流れ、リクルート戦術、宣伝工作、テロ組織の温床となっている腐敗した政権、
リビアをはじめとする一部の国の社会的混乱といった、全ての問題を総合的に考慮する必要がある。

テロという問題に長期的展望のもとで対処するにはこうしたことが必要なのだ。

(同記事より)
-------------------------------------------------------

John RosenthalのThe Jihadist Plotでは、
NATOがアルカイダと結託してリビアを軍事侵攻したことが書かれている。

彼に限らず、西側諸国が現地の過激派と組み、
リビアという国家を文字通り地上から消滅させたことは周知の事実だろう。


少なくともロシアや中国のような非欧米圏の国家では、
アフガン→イラク→リビア→シリアの順に
NATOの軍事干渉が行われていると認識する政治家・学者は少なくない。


イスラム国というと、サイコな連中がクレイジーなことばかりしていると思われがちだが、
一見、狂信者の集団に群れに見えるこの組織にも生存のために加入する人間が多く存在する。

米英仏侵略トリオは、ISISの支配地域に爆撃を行っているわけだが、
どこぞの国のせいで生きる術を失った人間もテロとして殺すのだろうか?


上の論評でも指摘されているが、
ISIS対策は単にテロ組織を空爆するだけでは解決されない問題であり、
NATO参加国は、自分たちが今まで破壊してきたものに対するツケを払わなければならない。


より大きな包括的な対策(ISISに代わる生存システムの構築)が必要である。
トカゲの尻尾を切るだけでは、根本的な解決には至らない。

池上彰を斬る!「読売、産経より池上が問題」

2015-09-14 00:18:39 | マスコミ批判
元朝日新聞記者である本多勝一氏はマスコミの中立病を以下のように批判している。




どちらも「ファッショ」

東京都知事選の最中に書かれたある大新聞の次のコラムを見ていただきたい。


 ▼東京都知事選の投票を前に、
  みのべ、石原両陣営の「ファッショ論争」がエスカレートしてきた。
  双方、相手がファッショだと言い張っている。

  ファッショはよくない、とだれでも思っている。
  だから、ファッショ、ファッショとやり合うわけだろうが、その中身は分からない。
  言葉だけが宇宙遊泳のように、跳んだりはねたりしている。

 ▼たとえば石原さんは「権力を持ったことのない私が、ファッショであるはずがない」
  という。これは史実に反する。日本のファシズム運動は、権力を持たなかっただけでなく、
  権力に弾圧された。軍や官僚は急進ファシズムを押さえながら、これを利用したり、
  これと結託して、ファシズム国家を作り上げるのである。

 ▼一方のみのべさんは「東京をファッショの手に渡すな」と叫んでいる。
  その荒っぽさは、かつて「都庁に赤旗を立てさせるな」といった自民党と変わりがない。
  
  古典的に言えば、ファシズムとは人権や議会制の否定、対外侵略、戦争賛美などを
  要素にしている。つまり石原さんがそういう人だ、と主張しているのだろうか。
  それとも、現代のファッショに、他のどういう意味を持たせようとしているのだろうか
 
 ▼こうしたレッテル張りの競争より、
  石原さんには、核についての意見を正直にのべてほしい。
  みのべさんからは、赤字都政についての素直な見解を伺いたい。

  そのほうが有権者の参考になる。「ファシズム」のむずかしい定義は知らないが、
  ふん囲気がファッショ的だと思うときには、特徴がある


 ▼第一に、世の中、大変だ、大変だ、と絶えず緊張感をあおること。
  第二に、内容のとぼしくあいまいな言葉を何度も、何度も、人の耳にふきこむこと。
  
  人間の理性より、情緒に訴えたほうが都合がよく、
  手っ取り早いというファシズムの手口がある。そういう選挙戦だとすれば、
  これはファッショ的だ。


この筆者は決して悪意を持って書いているのではない。
個人的にも知っている善良な人だ。

しかしこれはいったい、どうしろと言っているのだろう。
美濃部氏と石原氏を完全無欠に同列に論じ、ケンカ両成敗にし、
たして二で割り、まさに「公平」に書いている。


私から見ると、石原氏は申し分なくファッショ的体質だ。
美濃部氏について、もちろん私も不満を抱いている。

この人にはイデオロギーとは別次元で問題があるようだ。
しかし、石原氏と「ファッショ度」を比較するような馬鹿げた考えは持たない。

都民は選択をせまられているのだ。
理想ピッタリの人が立候補していないのであれば、少なくとも「より良い」方を選ぶよりほかはない。

ところがこのコラムは、どっちもどっちとして「公平」に論じてしまう。
無知だったり白紙だったりして見当もつかぬ人が読めば、
二人とも同列の困り者でしかないではないか。


実はこの手口は、この筆者にむろんその気はないのだろうが、
大新聞が政権の反動化に奉仕するとき最も普通に使ってきた方法である

よく私はいうのだが、日中戦争は日本の中国侵略だ、と今書いても
ちっとも「偏向」していないけれども、30年前の8月15日までは、
こんな記事を書いても決して日の目を見ることなくボツにされた。

なんとか日の目を見させるためには、反対の記事も同列に出して、
せめて「公平」に扱うほかはなかった。こういうことをしていれば、反動政権も安心している。

殺す側と殺される側を「公平」に扱い、
強姦者と強姦される側、加害者と被害者を「公平」に扱う。


良いこと(プラス)と悪いこと(マイナス)をたして二で割り、ゼロにする。
この作業を新聞や放送がつづけているかぎり、反動側は喜んでいるだろう。

(むろんそれは、多様な事実や意見を反映させるべきこととは別次元の問題だ。)

もし反動が5のことを実行しようと思えば、10といえばいい。反・反動の側はゼロという。
そうすると新聞は双方を「公平」にたして二で割り、5と書いてくれるのだ。


青嵐会というファシスト集団の幹事として血判を押すコワイ人・石原氏は、
知事選で敗退したとはいえ、230万というかなりの票をとった。

自民党反動政権は、このタマを今後も必ず利用するであろう。
そして、これだけの票を集めるために大いに力を貸したのが、
右のようなコラムに象徴される大新聞や雑誌の「公平」なキャンペーンである。

こんなことなら、せめて何も書かない方がいい。
となれば、まさにこのような新聞こそが
「これはファッショを助けるものだ」と結論せざるを得なくなる。

~本多勝一「事実の料理法と報道の関係」『事実とは何か』(朝日文庫、1984年)より抜粋~」





ガキの下ネタで例えれば、
中立な報道とは、カレーと大便、どちらを食べるか選ばざるを得ない状況で、
カレー味の大便と大便味のカレー、どちらを食べるかと尋ねるようなものだ

しかも、この場合、実際にはカレーはカレーの味、大便は大便の味がするのだ


上の本多氏の文章は1975年に書かれたものだが、40年経ち、
中立病患者が聖人扱いされるファッショな現代でこそ読まれるべきものであろう。



------------------------------------------------------
安保法制に関する報道では毎日のように
“安倍首相の代弁”を垂れ流し、国民からすっかり呆れられているNHK。

肝心なときに国会中継をせず、安倍首相のヤジを「自席発言」と言い換える……。

これはあからさまな安倍政権へのすり寄りだが、
そうしたNHKへの反発と同様に起こっているのが、読売新聞、産経新聞への批判だ。
読売・産経が保守的なのは以前からだが、最近の報道はいくらなんでも異常過ぎる、と──。


しかも、そうした批判の声は購読者のみならず、識者からも相次いでいる。
その急先鋒が、ご存じ、池上彰氏だ。


http://lite-ra.com/2015/09/post-1480.html
------------------------------------------------------








いい加減にしろと言わざるを得ない。


まず、問題の池上氏の評論を読むと、まさに本多氏が非難する
プラスとマイナスをたして二で割りゼロにする論法を絶賛している。


「朝日の論調に真っ向から反対する人にも話を聞くようになりましたね。
 安保法制論議でも賛成・反対両方の意見を載せている。
 朝日の報道に物申すというような、有識者による検討会議もできました。
 朝日自身でだいぶ自浄作用を働かせたんじゃないかと思いますね。」


安保法案が日米同盟を強化し、アメリカの戦争に参戦するためのものであることは
幾万の抗議者によって何度も何度も繰り返し繰り返し主張されていることだ。


------------------------------------------------------------
安倍政権が「72年見解」の「結論」部分だけを変えて
集団的自衛権の行使を「合憲」とした最大の口実は、「安全保障環境の根本的変容」でした。

しかし、衆院で6月10日、宮本徹議員が
「他国に対する武力攻撃で安保法案のような『存立危機事態』に陥った国が一つでもあるか」
と追及したのに対し、岸田文雄外相は答弁不能になり、
1週間後「実例をあげるのは難しい」と答えました

参院では、政府があげた集団的自衛権行使の事例が総崩れしました。

まず、イランを想定した「ホルムズ海峡の機雷掃海」です。
7月14日にイランと欧米6カ国との核合意が結ばれ、
イランによる同海峡の機雷封鎖の非現実性がいっそう明らかになったからです。

首相自身、7月27日の参院本会議で
「そもそも特定の国(による封鎖)がホルムズ海峡に
 機雷を敷設することを想定しているわけではない」と述べ、
 以降「ホルムズ海峡」という地名を挙げられなくなりました。

「日本人の命を守る」ためとして、
 集団的自衛権行使容認の最大の口実としてきた「邦人輸送中の米艦防護」の事例も、
 中谷元・防衛相が「日本人が乗っていることは絶対条件ではない」と答弁し、
 立法事実(法案の必要性)を覆しました。(8月26日、参院安保特)


~中略~

8月11日の安保特で小池氏が暴露した自衛隊統幕文書により、
南スーダンPKOに派兵される部隊が、来年3月から法案に基づき、
「宿営地の共同防衛」や「駆けつけ警護」などを行うことが明らかになりました。

これは、同じPKOに参加する他国部隊の戦闘に「加勢」するもの。
自衛隊が海外で戦闘を行う最も現実的な危険となります。


~中略~

法案審議の中で危険性がクローズアップされているのが、「武器等防護」です。

自衛隊が自分たちの武器・弾薬などを防護するために
武器使用できるとの現在の規定(自衛隊法95条2項)を、
米軍など他国軍を「防護」できるように改定しようというものです。

改定により、地理的な制約はなくなり、
南シナ海を含む地球上のどこでも「防護」が可能となります。

~中略~

さらに、参院で日本共産党の小池晃議員が暴露した自衛隊統幕内部文書では、
「アセット(武器等)防護」に関連して「ROE(交戦規則)の策定」が明記されています。

中谷防衛相は8月21日の参院安保特で、ROE策定を否定しませんでした。
ROEとは、自衛隊がどのような場面でどのように「迎撃」するかという手順を定めたもの。
当然、米軍の基準に合わせることになります。

米軍と自衛隊が「平時」から共同部隊化し、
しかも事実上、米軍の指示で「撃つ」危険があります。


~中略~

「戦争を起こさないための法案だ」。政府は戦争法案についてこう説明します。

しかし、審議すればするほど、米国が起こす戦争に
いつでも、世界中どこでも「切れ目なく」支援する、
究極の対米従属法案としての本質が顕著になってきました。


それをはっきりと示したのが、日本共産党が参院安保特で暴露した二つの内部文書です。

小池晃議員が8月11日に暴露した自衛隊内部文書は、
国会審議開始前の5月下旬に作成されたにもかかわらず、
法案の「8月成立」を前提に統合幕僚監部が部隊の運用計画を策定していた
ことを明らかにしました。

しかも同文書は、4月27日に合意された新ガイドライン(日米軍事協力の指針)には、
戦争法案が成立しないと実行できない項目が多数含まれているとしています。

さらに、ガイドラインに明記された「同盟調整メカニズム」には
「軍軍間の調整所」を設置することが検討されていることも判明しました。

新ガイドラインは、従来の「日本周辺」といった地理的な制約を外し、
「日米同盟のグローバル(地球規模)な性質」を強調。文字通り、
自衛隊を地球規模の米軍の戦争に組み込むための“戦争マニュアル”です。

法案は、新ガイドラインの全面的な実行法にほかなりません。


さらに、9月2日に仁比聡平議員が明らかにした内部文書は、
自衛隊トップの河野(かわの)克俊統合幕僚長が昨年12月の訪米時に、
米軍幹部に対して戦争法案の今年夏までの成立を表明していたことや、
昨年11月の沖縄県知事選の結果を無視して
「安倍政権は辺野古新基地を強力に推進する」などと対米公約していたことを暴露。

「制服組の大暴走」だとして、大問題になっています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-06/2015090603_01_0.html
------------------------------------------------------------

以上のように、ウソの説明と秘密裏の軍拡が同時進行していたのだが、
これらの言説と反対意見をあたかも同価値であるかのように語るのは詐欺である。


大便を食えと言われているその時に、大便を食うメリットを説く事に何の意味があるのか?
朝日が「中立」に近づいたのは、権力側に妥協したにすぎないのである。

ところが、池上はこれを「反対者の声にも耳を傾けるようになった」と大はしゃぎする。


カレーはカレー、大便は大便だ。
カレーと大便、どちらかを食えというその時に、
勝手に質問文を書き直すことは許されない。




ところが、池上はそれをやる。

先日、彼はニュース解説番組で
集団的自衛権のメリットとデメリットを説明していたが、
その場合のメリットが上のホルムズ海峡と米艦防護だったのである。


つまり、政府の言い分を無批判にそのまま紹介したわけだ。
普通、ジャーナリストというのは権力者の言い分をチェックし、批判する役目を負うが、
彼の場合、その作業を行わずにポンと承認の印を押してしまう。


「カレーを食うな、大便を食え」という凄まじい選択を強いられているその時に、
「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ、どちらを食べますか」と言いなおす。

後者を自発的に選ぶ人間が増えるように誘導する。
これがジャーナリズムだろうか?


そもそも、紹介された記事にしても池上は末文で次のように応えている。

--------------------------------------------
──現場は取材したにせよ、最終的にほとんど報じなかったというのは、
放送法で課された公正中立どころか、偏向してはいませんか?


いや、偏向っていうか、明らかにおかしいでしょ。おかしいですよ、そりゃ(笑)。
それがテレビに課された「事実を曲げない」の範囲内かどうかといえば、
事実は一応報じてるわけだし、いい悪いではなく、事実を曲げてるという批判は難しいですよね。

--------------------------------------------

池上によれば、国会議事堂前のデモを一瞬しか映さない一方で、
政府側の見解を重点的に知らせるNHKの報道は偏向報道ではないらしい。



しかし、一般人の感覚からすれば、これほど偏った報道はない。
では、なぜ池上はNHKの報道をフォローしているのだろうか?


言うまでもない。元社員だからだろう。


冒頭の本多勝一氏は、朝日新聞社に勤めているちょうどその時に、
同紙のコラム「天声人語」を批判する記事を載せた。

翻って池上はNHKを退社してもなお、古巣をかばっている。
これがメディアが「真の愛国者」「100%リベラリズム」と評価する人間なのである。
(前者は佐藤優、後者はリテラによるもの)


リテラがなぜこのような人物を崇拝するのかは知らないが、
結果的にそれは、集団的自衛権にもメリットがあるという神話を権威化することに他ならない。


池上は政府の見解を無批判にそのままファミリーに向けて
ゴールデンタイムの時間帯に反対論と同価値の意見であるかのように報じる男だ。

こういう人間の言葉が正しいように演出することは自分の首を絞めることに他ならないだろう。

徴兵されるというけれど・・・

2015-09-10 23:43:00 | 軍拡
安保法案の反対者の中には、安保法案が可決されれば、
日本が軍拡し、徴兵制が再開されるということを語る人もいる。

それに対抗するように「再開されることなどない」という言葉を右翼が強調しているが、
こういった論争は本質的な部分に触れていないような気がする。


------------------------------------------------
米オバマ政権の無人機の利用がブッシュ前政権の10倍


アメリカのオバマ政権が、世界各地の爆撃のために
無人機を利用した割合は前ブッシュ政権の10倍となっています。


プレスTVによりますと、調査報道ジャーナリスト協会の調査では、
アメリカの前ブッシュ政権は、50回にわたり、無人機による攻撃を指示しましたが、
この数字は、オバマ政権時代に500回となっていることが明らかになりました。



この報告によりますと、オバマ大統領は、パキスタン、イエメン、
ソマリア、アフガニスタンへの無人機による攻撃の命令を発しているということです。


アメリカは、これらの攻撃で、武装勢力を標的にしていると主張していますが、
これらの攻撃の犠牲者の大半は民間人だとされています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/
57966-%E7%B1%B3%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%9E%E6%94%
BF%E6%A8%A9%E3%81%AE%E7%84%A1%E4%BA%BA%E6%A9%9F%
E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%8C%E3%83%96%E3%83
%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%89%8D%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3
%81%AE%EF%BC%91%EF%BC%90%E5%80%8D

------------------------------------------------


戦地へ赴く自衛隊の側に立って考えろという意見もよくあるが、
実際に軍拡を望んでいるのは自衛隊や防衛省のお偉いさんであるし、
国際貢献(笑)をしたい自衛官だって山ほどいるだろう。あまり意味は無いように感じる。


むしろ、もっと単純かつ素直に、
殺される側の気持ちを考えろとなぜ言えないのか。
と思う。


近代の戦争は、無人機をはじめ、ハイテク化が進み、
兵士が直接、人間を殺害しづらくなっている一方で、
誤爆や誤射など、ますます一般の市民が被害にあうようになっている。



アフガンの地雷、ベトナムの枯葉剤、イラクの劣化ウラン弾など、
戦争は多くの民間人を巻き添えにする
(それも長期的に……だ。未だに枯葉剤で苦しむベトナム人が存在する)


それを正義と言うのであれば、むしろ悪を貫いたほうがよほど世界平和に貢献する。
私は、何の罪も無い人々の命のほうが軍人の命よりも気になる。
(敵兵に罪があるのかと問われれば、それもまた違うとも思う)


なお、心理学的の見地からは、人間にとって一番耐え難い殺害方法は撲殺、
それも自分の手で殺すことらしく、なるべく殺す感触を得られない方法、
つまり、はるか上空からの空爆が最もストレスなく人間を殺せるらしい。



つまり、兵士の側で考えれば空爆が最も人道的な攻撃手段になるわけだが、
被害者の側に立てば、東京大空襲やゲルニカを思い起こせば容易に理解できるように
空爆こそが人類史上最低最悪の攻撃手段である。
(細菌兵器・枯葉剤・劣化ウラン弾なども戦闘機により投下されたものだ。)


ということを考えれば、いくら「兵士の気持ちを考えろ」といったことを論じても、
それは、根本的な部分を考えれば、あまり意味の無い、むしろ有害な平和論ではないだろうか?