時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

リビア問題からわかる日本左翼の欠陥2(再掲)

2016-03-23 23:09:10 | リビア・ウクライナ・南米・中東
貧困の撲滅をうたうデモ行進、ウォール街デモは
アメリカの著名な知識人も支持していることもあり、
現代世界の代表的な社会運動の1つとして数えられているように思われる。

同運動は、非暴力抵抗運動の世界的権威、ジーン・シャープの
『独裁体制から民主主義へ』を教科書としたものだ。同書は紹介文によると、


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史上数々の独裁体制を緻密に分析・研究した成果を踏まえ、
非暴力の反体制運動の全体像を示し、誰もが展開できる
具体的な小さな戦略を粘り強く続ける実践的な方法論を解き明かす。
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とあり、ウォール街デモは理論を実践したものだと言えよう。


結論から言うと、私はこのデモはあまり意味がないと思っている。


民主主義の原則は選挙と立法だ。
主義を同じくした人間が結党し、選挙を通じて国民から信託を得て
議会を通じて法案を成立、制定する。これが基本的なルールである。

これを無視して、デモを行っても、これはしょせんは権力者に対して
「どうか願いを聞き届けたまえー」と騒いでいるだけのこと。

言ってみれば裏技なのだ。本当にルールを変えたいのであれば、
自分たちの手に権力を集中させるよう政党活動をするべきである。

実際、野党の議席数が少数であったために去年の秋に戦争法案は強制採決されてしまった


他にも疑わしい点はある。

前述のジーン・シャープの著作は、「アラブの春」の時にも参考にされたが、
結果的に同運動は(特にシリアやリビアでは)地域の治安と秩序を破壊し、
性情をますます不安定化させ、ダーイシュ(ISIS)を誕生させ大量の難民を発生させている。

池上彰のような小賢しい合法詐欺師は、当初は民主主義運動だったのだが…と語っているが、
当初からリビアの侵攻はNATO軍と現地の過激派(アルカイダ系列)が協力して展開されていた。

エジプトの革命だって、ムバラク政権下、
過激派として弾圧されていたムスリム同胞団も運動の主体になっていた。

少なくともエジプトの革命()は、現地の過激な宗教主義者と妥協されて行われたもので、
案の定、その後の政治はムスリム同胞団が主導権を握り、結果的に更なる困難が待っていたわけである。


同運動の支持者はリビアとシリアを名指しで悪の巣窟と語っていた。
これはアメリカと全く同じ立場である。

こういう究極的にはアメリカの国益に従って
行動している正義がはたして民衆を救えるのだろうか。


アラブの春は、その答えを示した運動でもあったと言えよう。


ウォール街の占拠運動は、国際ハッカー集団、アノニマスが企画したものでもある。

この集団は北朝鮮系の在日団体、総連の広報機関である
朝鮮新報のサイトをハッキング、しばらくの停止へと追い込んだことがある。

北朝鮮では人権が侵害されていると言って、シー・シェパードも
真っ青の強引な手段をもって攻撃するこの集団に理性があるとは思えない。

そして、彼らがデモを企画したというのであれば、そのデモも
十分、一見非暴力的に見えてその実、非常に暴力的な行動ではないかと感じる。


前回紹介した翻訳記事は、以上の私が抱いた不信感に対して
見事に解を与えてくれる内容だった。その一部をここに抜粋しよう。

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この運動で私が気になっているのは、
アノニマスやアドバスターズの様な組織や、
彼らの主要ウェブサイトには、隠された部分があるという点です。

誰が背後にいるのでしょう? 誰が資金支援をしているのでしょう?

運動が立ち上がってすぐ、
数名の著名人がウォール街占拠支持を名乗り出たのを覚えています。

しかも、それはウォーレン・バフェット、ハワード・バフェット、
ベン・バーナンキやアル・ゴアのような連中でした。

現在こうした連中は、私から見れば、危機に対する解決策ではなく、その原因です。
彼等はこの危機の背後の当事者なのです

ウォーレン・バフェットは地球上三番目の金持ちなのですから、
運動に対する彼の共感は多少疑惑をもって見るべきなのです。私はそう見ています。

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もう一つ、お話しすべき組織に、OTPOR!があります。

OTPOR!は、2000年に、セルビアの出来事に関与した組織です。
民主化推進の組織ではなく、実際は、ミロシェビッチと共に
次点候補だったコシュトニツァが、どのみち勝っていたはずの
2000年の選挙を押し退けた組織なのです。
ところが、彼等は、第2回投票の実現を妨害したのです。
そうして、彼等は基本的に政権転覆の条件を確立したのです。

それがカラー革命でした。

そして後に、OTPOR!は、CANVASと呼ばれるコンサルタント会社になりました。
多数の国々で実行されている非暴力的な形の活動をしているのです。
CANVASのロゴは握り拳です。また、彼等はグルジアに関与しました。
彼等は様々な旧ソ連共和国に関与しました。彼等はイランに関与しました。
彼等はエジプトに関与しましたし、チュニジアにも。

彼等は、いわゆる革命家集団にコンサルティング・サービスを提供しています。
けれども、彼等は、一方で、フリーダム・ハウスや、国務省や、
アメリカ議会やアメリカ諜報機関と密接につながっているアメリカの財団、
全米民主主義基金に支援されています。

つまり実質的に、CANVASは実際は、
CANVASの研修プログラムを支援している
アメリカ諜報機関のコンサルティング部門として機能しているのです。

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我々は今、いわゆるアラブの春の抗議運動のエジプト人指導者達が、
ベオグラードで訓練されたことを知っています。彼等はOTPOR!に訓練されたのです。

また、握り拳の印がエジプトでも使用されたのも驚くべきことではありません。
しかも、この印は多くの国で使用されています

グルジアの抵抗運動の名前の意味が“たくさんだ”というのは興味深いことです。
そしてエジプトのキファヤ運動も、アラビア語で“たくさんだ”という意味です。

ですから実際、いくつかの国で、同じ名前、同じロゴ、
同じキャッチ・フレーズを目にすることになる
のです。


しかし、CANVASは、様々な国で運動を支援する職業的コンサルタントとして
機能しているのですから、これは決して偶然ではありません。

これが何を示唆しているかですが、この運動、
少なくともこの運動の草の根は、熱心な人々です。それは認めなければなりません。
こうした人々を我々は支援しなければなりません。路上生活者、失業者、
学費の払えない学生、社会変革に全力で取り組んでいる人々 -
我々は彼等を支えなければなりません。

けれども、彼等は、権力の座とのつながりに基づいていますから、
そもそも最初から悪質な枠組みによって、操られているのです

言い換えれば、もし全米民主主義基金、
あるいはフリーダム・ハウスやCIAとつながっていれば、
ウォール街に対して異議申立をする際に、自立した立場はとれません。

そこで、“この事業には、一体誰が資金提供しているのか?”という疑問がおきます。
ウォール街に旅費を払えと請求しながら、ウォール街に挑戦することはできません。
ところがこれは、ニューヨーク市やアメリカ合州国中の
こうしたイベントに限定される様なものではありません。


これは進歩派の運動を実に実に長い間特徴付けてきたものなのです。
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話し手のミシェル・チョスドスキーはカナダ・オタワ大学の経済学教授。
アメリカの外交政策および通商政策の分析のエキスパートだ。

各国で同一のスローガンとマークの民主化運動が展開されている。
しかも、それはアメリカの権力と繋がりのある集団に支援されたものだ。

この不気味さをどう表現すれば良いだろう。


私は以前から、
日本の左翼は戦前からの国是である
反共主義を克服することができなかった
と主張している。



共産主義の脅威がある冷戦の最中、社会党や丸山真男をはじめとする進歩派知識人は
国内の共産主義者を攻撃するために機能し、政府が統御可能な民衆運動を主導してきた。


戦後まもなくの時代、共産党は非合法化され弾圧を受けたのに対して、
社会党は、なぜかその存在を認められ、最大野党として90年代まで君臨し続けた。

学生運動も過激な運動が展開されていたにも関わらず、社会党とマスメディアは共産党と対立する
この新左翼を支持し、組織によっては右翼から活動を資金を得るところさえあった。

この意味をよく考えてほしい。
(彼ら反共左翼、特に社会党は冷戦終結後、簡単に権力者に切り捨てられ、弱体化する。)


権力者による監督下の運動。
真の抵抗勢力の芽生えを抑制するための抵抗。

この構図はウォール街デモのそれと全く同一のものである。





次の文もご覧いただきたい。

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エジプトの場合で気がついたことですが、
キファヤ、4月6日運動や、ムスリム同胞団で構成されている主要団体は、
決して、湾岸戦争の真っただ中、1991年からエジプトに押しつけられた
IMFと世界銀行のマクロ経済改革、新自由主義的な思惑には、
実際決して異議を申し立てません


私は偶然、まさにその瞬間にエジプトにいました。
財務大臣の事務所にいたのです。そして改革が押しつけられました。
そして、20年間にわたる期間、エジプトが、
こうした破壊的なマクロ経済改革にさらされ、
農業の破壊や公共部門の大量失業がおきました。


しかも、その枠組みは現在もそのままです。変わってはいません

実質的に、タハリール広場事件後、エジプト経済は、
特に海外債務のレベルが上がって、困難な状況に陥ったので実際は悪化しています。
ですから、IMFと世界銀行の握り拳は、そのままエジプトに残っているのです。

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そして、ウォール街占拠は極めてよく似た状況にあります。
そもそもエジプトとチュニジアを手本にしています。

両国は手本ではありません。両国は失敗なのです。

いずれも草の根を操るカラー革命で、こうした国々を袋小路に
現状維持に追い込むのです。ですから、抗議運動の上がりは現状維持なのです。

うわべは民主化ですが、実際に起きているのは政府の権力の地位にいる人々の
アメリカや他の国々の債権者達の為に、事実上同じ役割を演じる他の連中による置き換えです



ウォール街占拠の人々の声明の中の一つが、私には非常に気になるのです。

とりわけ、ナオミ・クライン、ノーム・チョムスキーやヴァンダナ・シヴァ等を含む
多数の名士による声明があったのを覚えています。声明の一部は良いのです。

けれども、“世界中のアル-アサド、世界中のカダフィ”に反対して
戦わなければならず、これらの独裁者はIMFと世界銀行の化身なのだと
彼等は言っている
のです。この思惑の背後にはIMFと世界銀行がいて、
そうした組織は、カダフィやアル-アサドが自国民を扱うのと同じやり方で
我々を扱っているのだと彼等は言っています。

それ自体が経済的悪魔であるIMFと世界銀行に焦点を合わせるのではなく、
政治上の人物のイメージを通して、IMFと世界銀行を悪魔化しているので、
そのような例えは全く人を惑わすものです。
[実際、この誤解を招く比較の狙いは、アサドとカダフィを悪魔化することにある]

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抵抗運動の形をとったアメリカの敵国批判。

チョスドスキー博士は
抵抗運動が権力者によって操作されていると語っているが、まさにそのとおりで、
こういう良心的な団体のお墨付きを得て現実の侵略政策は進行していくのである。



抽象的な意味での戦争や侵略には彼らはもちろん反対する。

だが、得てして侵略とは情勢の不安定な地域をターゲットにして行われるのである。


要するに、反共左翼は平和を切望するわりには、中東やアジアのような非欧米圏
(特に旧・現社会主義国家)に対する欧米の侵略やレッテル貼りには、非道く寛容で、積極的に支援する。


こういう行為が侵略者にとって最大のエールであることは言うまでもない。


そして、こういう行為をするように誘導されている連中が叫ぶ
貧困撲滅、自由、人権の浅薄さは被侵略国の惨状をみれば明白だ。


どうも私はウォール街デモのこういう点を直観的に感じ取っていたらしい。
次回では、リビアに対するチョスドスキー氏の意見を取り上げていこう。


~2016年3月23日追記~

ほぼ毎日、海外の貴重な記事を翻訳している「マスコミに載らない海外記事」様からTBが送られてきた。
それも受け、今回、内容を修正・追記したが、

ウォール街占拠運動やアラブの春運動、
そして日本国内の民主主義運動には致命的な欠陥があり、
それを無視して安易な平和主義を語ることはかえって危険だ


という私の主張自体に変わりはない。
なお、改めて読み直したら、肝心の参照URLを載せていなかった。

この場を借りて、お詫びを申し上げたい。
本記事で取り上げた記事は、いずれも次のページから引用したものである。

http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/20/soros-disruption-american-style.html


偽装難民とは何か

2015-10-19 00:54:51 | リビア・ウクライナ・南米・中東

誇り高き日本人が描いたイラストが海外で差別を肯定する内容だと非難を受けている。


難民の少女を揶揄するイラストで世界中から非難を浴びた漫画家が
今度は「在日」攻撃イラスト投稿! 根底にあるヘイトとデマ体質


リテラの記事は大変意義があるものと思うが、他方で説明不足の部分もある。

そこで、この記事では難民or偽装難民とは何かということについて話したいと思う。



まず、問題のイラストでは次のようなキャプションが書かれている。

「安全に暮らしたい 清潔な暮らしを送りたい 美味しいものが食べたい 
 自由に遊びに行きたい おしゃれがしたい 贅沢がしたい 
 何の苦労もなく生きたいように生きていきたい 他人の金で。
 そうだ、難民しよう。」



あたかも難民として認定されれば遊んで暮らせるかのようだ。実際にはどうだろうか?

結論から述べると、難民に認定されるとは、
その国で生活することを許可されただけ
にすぎない。



ここで日本を例に説明すると、
難民と認定された人間でも、生活を送るためには働かなければならない。
勘違いされがちだが、難民にも納税の義務がある



http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/business.htm

↑のページは政府公認の難民支援団体のものだが、
ここのサービスは職業訓練や日本語などの技能を身につかせるもので、
大金をポンと手渡すようなものではない。このことを知らない人間は多いと思う。


難民で問題になっているドイツでも、
申請期間中は仮設住宅に住み、食事や医療を受けるサービスがあるが、
他方で就労が許されず、施設から離れることもできない。

時給1,05ユーロ(1ユーロ=135円)で軽い手伝いぐらいは出来るが、
これを逆手にとって申請者に低賃金労働をさせる悪徳業者も存在する。

難民と認められれば日本と同様、
職業訓練を受けたり語学を学びながら仕事を覚え、労働者として働くことになる。

実のところ、ドイツに難民が殺到するのは、この仕事を探せるという点が大きい。

ドイツはなぜ大勢の難民が受け入れられるのか
シリア難民はなぜドイツを目指すのか?


ドイツでは労働者が不足しており、外国人労働者を求めている。

「清潔な暮らしを送りたい 美味しいものが食べたい 
 自由に遊びに行きたい おしゃれがしたい 贅沢がしたい
 何の苦労もなく生きたいように生きていきたい 他人の金で」とはいかないのである。




このイラストを描いた「はすみとしこ」氏は、Facebookで以下の発言をしている。

「このイラストは全ての難民を否定するものではありません。
 本当に救われるべき難民に紛れてやってくる偽装難民を揶揄したものです」


はすみ氏もリテラも「偽装難民」とは何なのかについて書いていない。
読者の中にもよくわかっていない人間は多いのではないだろうか?


簡潔に説明すると、偽装難民とは不法就労者の一種である。

外国人がその国で働くには就労ビザというものが必要になるが、
このビザは就職先が決まっていない限り取得することが出来ない。

就ける職業自体も制限されており、そのため貧困が理由で
途上国出身の出稼ぎ労働者には、なかなかハードルが高い。

そのため、観光ビザで入国して働いたり、
在留期間が経過した後も現地に留まり働き続ける不法就労者が増加している。

不法就労者は発見次第、強制送還されるので、病院で治療を受けることもできない。
また、奴隷労働を強いられても訴えることが出来ないデメリットがある。

そこで、難民として認められることで、きちんと治療が受けられる、
まっとうな職場で働けるなどのメリットを得ようとする人間が出てくる。これが偽装難民だ。

ここで私は「メリット」と書いたが、
難民は単に「そこに住むことを許された外国人」にすぎない。

どうも、はすみ氏を初めとした差別主義者は
無条件で生活費をもらえると勘違いしているようだが、それは大きな間違いだ。

また、リテラは
「細かな状況を把握しない者が「偽装」の側面を強調したイラストを描くことは、
 難民に対する偏見のばらまきでなくて何なのだろうか。」と書いているが、
当のリテラが、まるで偽装難民が不労所得を求める外国人であるかのように認識している。

「偽装」の意味を理解していない。これは問題だろう。



最後に、難民に対して左翼にも言えるだろう誤解について触れたいと思う。

ほとんどの難民は途上国が受け入れたり、国内の比較的、平和な地域に避難しているため、
十分なサービスを受けることが出来ず、そのため難民=貧しいというイメージがあると思う。


だが、先進国の難民に至っては、その限りでない
そもそも本当に貧しい難民は外国に行くだけのお金がない。

シリアの難民のほとんどが国内難民だったり、
隣国のレバノン・ヨルダン・イラクに逃れるのはそのためだ。

はすみ氏がトレースした写真にしても、レバノンの難民が被写体である。

もちろん、先進国の難民も苦労して到着したわけだし、
その詳細は例えば『難民を追いつめる国』(緑風出版、2005年)を読むとよくわかる。

しかし、そうであるからこそ、難民には先進国に対する忠誠心が求められるし、
戦禍というよりは政治犯の容疑者であるために逃れてきた反体制派もいるわけで、
その点を考えずに彼らの意見=難民の総意であるように伝えるのは浅はかだと思う。

例えば、さる難民支援のNPOは、シリア難民にインタビューし、
アサド政権に嫌疑をかけられて逃れてきたこと、アサド体制の崩壊を望むことなどを
語らせているが、他方で反体制派も捕虜や市民を虐殺していることに一切触れようとしない。

現在、アメリカとイギリスが「アサド政権がシリアで人権侵害をしている」と非難する
根拠となっているのがシリア人権監視団というイギリスの団体のレポートなのだが、
この団体は亡命シリア人のラミ・アブドル・ラーマンという人物が設立した組織で、
会員はラーマン一人しかいない。
(実際に、誤報も指摘されている)

このエピソードに顕著に表れているように、難民を利用して(或いは難民の立場を利用して)
特定の国家の消滅を主張する人権団体が散在しているのである。


もちろん、反政府軍といえど、実際は市民がなっているのだから、
シリア軍だって住民虐殺を行っていることは容易に想像できるが、
非難の矛先がシリア軍9.5、反政府軍0.5ぐらいになっている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも、
ほとんどのシリア関連のニュースは政府軍の糾弾であり、
あたかもIS(イスラム国)など存在しないかのようである。

イスラム国の犯罪自体は、いくらでもニュースで報道されているわけだから
その気になれば、いくらでも記事を書けるはずだが、なぜか書かない。

ISもその他の反政府軍(ヌスラ戦線など)もやってることは同じなのだが、
あたかもISは邪教徒の群れだがヌスラ戦線は正義の味方であるかのようだ。

本当に平和を望んでいるのなら、特定の政権の崩壊ではなく、
両者の協議による内戦の終結を希望するのではないか?


現実的に考えても、イラクもアフガンもリビアも政権が崩壊することで
無政府状態になり、かえって内戦が激化して難民が増えてしまった。


こういう点を考えても、人権団体というものが
実際には何を求めているのかが何となくわかるのではないだろうか?

もちろん、メンバーやサポーター一人ひとりは良心的な人間だとは思う。
だが、彼らの思想や行動には致命的な欠陥があることは確かであるように感じるのだ。

NHKは本当に中立報道をしているのか?

2015-09-17 00:16:15 | リビア・ウクライナ・南米・中東
16日の全国規模の安保法案反対デモ運動は海外にも注目されたようだ。


16日、日本全国で自衛隊の全権を拡大する安保関連法案に反対する抗議市民運動が行なわれた。

抗議行動の組織者らによれば、霞ヶ関の国会議事堂前には1万人を越す市民が集まり、
「戦争反対」、「憲法9条を触るな」などと書かれたプラカードを手に抗議の声を上げた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150916/906784.html#ixzz3lundn86N



NHKのニュース7で議事堂前の様子が中継されていたが、
その間、何度も繰り返し説明されていたのが安倍首相の言い分。


いわく、日米同盟の強化が抑止になる、
いわく、法案が可決された何年か後には評価されるようになる、
いわく、南シナ海で中国の脅威が云々等、政府の言い分を何度も語るキャスター。


頼んでもいないのに安倍首相の言い分は
スーパーマーケットの店内BGMのごとくリピートされる一方で、
反対者の言い分は一切紹介されなかった



ただ、議事堂前の様子を映していただけ。

「絶対反対」とか「戦争反対」とかそういう声は聞こえるが、
 彼らが法案のどこに問題があると考えているのかについて全く伝わってこない報道だ。

ニュースステーションでは、議事堂前で行われた憲法学者のスピーチや
元自衛官のデモ参加者へのインタビューなど、彼らの考えがわかるような内容にしていた。
NHKとは対極的な報道内容である。


池上氏の基準にあてはめれば、
反対派の様子もきちんと映してくれるNHKの報道は中立的なものだとみなせよう。

しかし、この前の記事に書いたが、中立だからといってそれが正しい報道になるとは限らず、
また、得てして賛成のために反対意見を載せてしまうものだ。

ニュースステーションは間違いなく偏向報道だったが、
これは質的にNHKの中立報道の何倍も出来が良かった。


後者は権力層の監視というジャーナリストの責務を放棄しているからだ。
ニュースステーションも万能の番組ではないが(特に国際ニュースに関しては)、
少なくとも安保法案のニュースに関しては十分内容のあるものを提供していると思う。

日本の軍拡と南スーダン・シリア その1

2015-08-20 00:48:18 | リビア・ウクライナ・南米・中東
防衛省は十八日、安全保障関連法案の成立を前提に、
自衛隊が新たな部隊運用について資料を作成していたことを認め、
同法案に関する参院特別委員会の理事懇談会に資料を提出した。

南シナ海での警戒監視活動への関与を検討するとしたほか、
南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たっている自衛隊の業務に、
離れた場所で襲撃された他国部隊などを
武器を使って助ける「駆け付け警護」を追加する可能性に言及している。 


資料は共産党が独自に入手し、十一日の特別委で事実確認を求めていた。
防衛省は十八日の理事懇で、陸海空自衛隊を統合運用する統合幕僚監部(統幕)が、
法案の内容を部隊に理解させるために作成したと説明。

「成立を先取りしたものではない」と強調した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015081902000132.html



問題の文書は、ここから閲覧&ダウンロードが可能
あわせて古い記事だが、スーダン・エジプト近現代史先行の栗田貞子氏の意見も載せる。


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南スーダンの主権を脅かす自衛隊の派遣


日本はこのような状況の南スーダンに自衛隊派遣を決定しましたが、
この問題はどのようにとらえるべきなのでしょうか。


政府は自衛隊が活動する地域は安全だから問題ない、といった説明を繰り返していますが、
実際には南北間の停戦が破綻し戦闘状態が再燃している状況にある中で、
日本はその一方の国に軍隊を派遣している
のです。



日本が国連平和維持活動(PKO)に参加を決定したときのいわゆる「PKO5原則」
(1. 停戦合意の成立 2. 紛争当事国によるPKO実施と日本の参加への合意 
 3. 中立的立場の厳守 4. 基本方針が満たされない場合は撤収できる 
 5. 武器の使用は命の防護のための必要最小限に限る)は完全に崩壊しています。


自衛隊の海外派遣はそもそも日本国憲法第9条に抵触するといえますが、
今回自衛隊が参加している国連南スーダン・ミッション
(UNMISS; United Nations Mission in the Republic of South Sudan)の性格自体にも、

新生国家の国づくりに「国際社会」が全面的に関与し、
また、それをPKOというすぐれて軍事的な形で、
諸外国の「軍隊」が中心になって押し進めようとしている

という問題性が指摘できると思います。



一国の道路・橋梁建設などを外国の軍隊に任せるということは、
本来、安全保障の観点からすると問題があるはずなのですが、
それを受け入れてしまっている南スーダン政府の側にも
主権意識の鈍化という問題があるのかもしれません。


われわれ日本の市民としては、「自衛隊の派遣先が安全かどうか」ということよりも、
軍隊を送ることで南スーダンの主権を脅かしている可能性があるのではないかという視点から、
自衛隊派遣の問題を捉え返す必要があります。



また、米国は米国アフリカ軍(アフリカ総合司令部)
と南スーダンとの軍事的協力関係を強化しています。


冷戦後のアメリカの世界戦略の再編の過程で生まれた米国アフリカ軍は、
2011年夏にはリビアを空爆してNATOによるリビアへの軍事干渉、
カッザーフィー(Mu 'mmar al-Qadhdhafi)政権打倒の先鞭をつけた軍隊です。


また、米国はウガンダのキリスト原理主義武装集団、
神の抵抗軍(LRA; Lord's Resistance Army)が南スーダンでも
破壊活動を行っているという理由で、ウガンダや南スーダンに特殊部隊を派遣しています。


この地域における米国アフリカ軍の軍事的プレゼンスはしだいに拡大しています。
長期的にみると、南スーダンの日本の自衛隊も米国アフリカ軍や、
ソマリア沖の「海賊対策」を口実に派遣されている自衛隊とも連動し、
東アフリカにおける先進国の軍事的プレゼンスを高める流れに寄与していくことも考えられます。


先進国の東アフリカに対する新植民地主義的な進出に日本も加わり、
一役を担うという動きが強まっているといえるのではないでしょうか。


http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/africa-now/no96/top2.html

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そもそも、南スーダン自体、アメリカの後押しで建国された国だ。

アメリカの支援で建国→内戦→PKO派遣という一連の流れは、
東ヨーロッパ、中央アジアのカラー革命のそれと何ら変わらない。


前々からバレバレではあったが、
積極的平和主義=アメリカやNATOの軍事支援・協力であることは間違いないだろう。


「ISという巨大な嘘」
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/ed621cf2826e27938d7c7d7c7e4bbcb7/a4



防衛費の増額を早速、自民党が求めているが、上の藤永茂氏の記事とあわせて読めば、
それは現地人のためではなく、アメリカの利益を保護するための手駒になることを意味する。


ロシア戦略研究所・所長顧問のエレーナ・スポニナ氏のコメントを紹介する。

「初めに指摘したいのは、
 IS対策に関する国際社会の取り組みに加わるのは正しい決定だということだ。
 しかも日本国民はすでにISのテロリストたちの手で苦しめられている。

 一方でこのような割合の増額は、IS対策費としては恐らく不十分だろう。

 加えて私は、これらの資金の全てがしかるべき形で使用されないのではないかと危惧している。
 
 残念ながら米国はずいぶん前から
 シリアにおけるテロリストとの戦いに加わるよう日本を説得している。


 それは非常に奇妙なもので、まずシリア政府ならびに
 シリアのアサド大統領と戦っているシリア反政府勢力を支援するというものだ。


 それはシリア反政府勢力の訓練というもので、そこには戦闘訓練も含まれる。
 もし日本の資金がこのために使われたとしたら残念の一言だ。

 なぜならシリア領内で戦闘員たちが
 どの勢力に所属しているのかを確認する手段は全くないからだ。

 今日は穏健派に所属しているかもしれないが、
 明日あるいは明後日には様々な理由でISを含む最も過激なグループに入るかもしれない。

 そのため日本は諜報活動のために資金を使ったほうがいいだろう。
 そこには日本国民や中東出身者との交流がある人々の間などにおける
 日本国内での諜報活動や、例えば爆発物の検出や電子戦、盗聴、
 サイバー戦争などのための日本の情報機関の技術的な装備の改善も含まれる。

 しかし繰り替えすが、日本にとっては現在米国が行っている
 シリア反政府勢力の強化に関する取り組みに加わらないほうが良いはずだ。

 なぜならシリア反政府勢力の勝利は、中東の混乱状態を強めるだけであり、
 したがってテロの脅威も高まるからだ」。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150819/770819.html#ixzz3jHOHoLlt



ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』という本があるが、
独立まもない内戦状態の国に土足で入り込んで一方の味方をするというのは、
シベリア出兵を思い出させる。


内戦状態の国に「平和のため」といいつつ、軍事的政治的経済的後ろ盾となり
自国に有利な側を支持し、友好関係を結ぶ。典型的な植民地主義だ。


この件については、後日、他の記事の紹介も兼ね、詳細に検討していきたい。

シリア、国連軍の対イスラム国作戦に抗議

2015-07-23 00:57:14 | リビア・ウクライナ・南米・中東
シリアのハルキ首相は、ラジオ・スプートニクのインタビューに応じた中で

「もし隣り合う国々が過激主義者への資金援助を止め、国境を戦闘員が通れないようにするならば、
 シリアはテログループ『IS(イスラム国)』とその同盟者に勝利する状態にある」と述べた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150722/619406.html#ixzz3gdWQq0UT
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隣り合う国々というのは、この場合、サウジアラビアとイスラエルだろう。


サウジアラビアの王室がイスラム国を支援していたのは日本の研究者も認める事実だが、
なぜか酒井啓子氏をはじめ、彼女達はそれを重要視しない。


本来なら、岩波書店なり東京大学出版会なり、高名な出版社から
サウジアラビアのテロ支援をテーマとした本が出版されてもおかしくない
のだが……


それはさておき、シリアのハルキ首相のコメントを以下に紹介しよう。




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「テロリズムとの戦いには、世界のあらゆる国々の参加が求められている。


しかし、そうした参加は、
国連安全保障理事会の決議や国際法に従ってなされるべき
であり、

また当事国の主権の尊重やその国との対話、
そうした行動へのその国の側からの合意がなければならない。


米国を筆頭にした国際有志連合がシリア領内で行っていることは、
そうした条件に全くかなっていない。国連安保理事会での合意に直接違反している。


有志連合に入っている国々が、
テログループを直接支援していることを考慮するならば、
行われていることは、テロリズムとの戦いとも言えない。



彼らが、空からテロリストを殲滅しているなどと、どうしたら信じることができるだろうか?


『ISIL(イラク・レバントのイスラム国)』との戦いで、
シリアがどんな援助を必要としているかについて言えば、
何よりもまず、テログループへの資金援助の停止、戦闘員らの移動の禁止である。



そうした援助を、トルコやイスラエル、ヨルダン、サウジアラビア
カタールなどの国々の良く知られた勢力が保障している。


テロリストらとの戦いは、空爆によりなされているが、
彼らとの戦いにおいて肝心なのは、資金援助の停止であり国境の封鎖だ

また情報支援も止めなければならない。

現在シリア政府は、こうした方向で現実的協力が行われているとは、感じていない。


しかしワシントンが、地域や地域社会の分裂、
自分達に抵抗する勢力の弾圧といった目的実行のためだけに、
テロリズムとの戦いを発展させたいと望んでいることは明白だ。


ワシントンにとって必要なのは、彼らがテロリズムとの戦いで
取っているあらゆる立場を改めて検討し、国際的な安全保障に脅威を与える
テロリズムへの支援に関係した、あれやこれやの行動をやめることである。


シリア政府は、ロシアが絶えず示してくれている支持に感謝している。
我々は、プーチン大統領とロシア指導部を信頼している。


あらゆる領域において、経済から政治的なものまで、
もしロシアの支援がなかったならば、シリアは、テロリズムに抵抗できなかったろう。

我々は、そうした支援に対し、プーチン大統領に深く感謝するものである。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150722/619406.html#ixzz3gdYOi7zo

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本来、国連が軍を派遣する場合は色々と協定を結ばなければならない。
(兵士をどのくらい派遣するのか、どのような兵器を持ち出すのか等々)


そういう手続きを全部すっ飛ばして
空から爆弾を落としているわけである。怒るのが当然だ。



イスラム国がその実、欧米と手を組んでいる情報は以前から
イランラジオ等から入手していたが、現時点では限りなく黒に近い灰色だと思う。


とはいえ、列強が本気でISを滅ぼすつもりではないのは確実だ。
(一言で言うと、やり方がぬるい。手を抜いている)


私は前々から「冷戦は終わっていない」ということを主張してきた。

実際、シリア、ロシア、中国、北朝鮮、キューバ、イラン等々の
世界の独裁国家(by列強にとっての)は、いずれも旧東側国だ。


ハルキ首相のコメントの最後でロシアに謝意を示したように、
実はシリアはロシアと仲が良い。以前、シリアが細菌兵器を再び製造している
というデマが飛び交ったときにシリアを弁護したのはロシアだった。


日本はソ連が崩壊したことをもって、
国際関係まで激変したかのように勘違いする人間が学者の中からでさえ出現したが、
実際は、ご覧の通りで、冷戦時の国際関係は以前より緩和されているもののなお存在する。

この辺を踏まえながら、アメリカの戦争・外交をみると、また違ったものとなる。

文学研究にはポスト・コロニアリズムという分野が存在するが、
いわば、新冷戦主義とも言えるだろう主義が現在、鎌首をもたげている。


それに注目して世界を再考するのが、これから必要とされるのではないだろうかと
昨今の日本の軍拡や基地問題、歴史問題、人種差別の蔓延を見て、強く思う。

パレスチナ占領60年

2015-07-12 00:14:50 | リビア・ウクライナ・南米・中東
パレスチナ人たちが故郷を失って今年で60年になる。
何らかの本が売られてしかるべきだと思うが……はたして……


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「抵抗はパレスチナ人が占領者に勝利する唯一の方法」




10日に行われたテヘラン金曜礼拝で、ハータミー師が説教を行い、
抵抗は、パレスチナ人が占領者に勝利し、聖地を解放するための唯一の方法だ
と語りました。



ハータミー師は、パレスチナ領土の占領から60年が経過したことに触れ、
「これまで、パレスチナに関して行われてきた会議の開催や条約の制定は実を結んでおらず、
 この領土の人々のためにはなっていない」と述べました。

さらに、「これまで、パレスチナ解放に向けて進展が見られたのは、ひとえに抵抗運動の賜物である。
イラン国民を36年前に勝利へと導き、この間、存続させたのもこの抵抗の文化だった
」としました。



また、サブラとシャティラ、ガザでの殺害、モスクや病院の破壊といった、
占領の間のイスラエルの政権の犯罪は、この政権にとって不名誉な記録であるとし、
「シオニスト政権は、世界の大国の支援を受けているが、滅亡に近づいている」と語りました。


ハータミー師は、イスラエルの政権のがん細胞を消滅させるためのイスラム諸国の連帯を強調し、
パレスチナ領土の問題解決のためのパレスチナでの国民投票の実施というイランの提案は有益なものだとし、
「パレスチナの人々は、自分たちの手で将来を決定すべきであり、望む人物に統治権を委ねるべきだ」
と述べました。

ハータミー師は、核協議に触れ、最近のアメリカの立場の変更と、これに関する矛盾した報道に触れ、
「アメリカは約束を破り、決して信頼できないことを証明した」と述べました。



また、イエメンでの人道的な悲劇に遺憾の意を表明し、
サウジアラビアは、シオニスト政権に最高の形で貢献したが、最終的に勝利するのはイエメンの人々だ
と語りました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/56259-
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イランは民衆の意思を無視しているという批判をする者もいるが、
実際には現地の民意を否定しているのは、奇しくも列強のほうだ。


ウクライナしかり、ギリシャしかり、スコットランドしかり、そして沖縄しかり。


大国の煽りを受けた被害地から国民投票を通じて
民意を反映させようとしても、あれやこれや理屈をつけて無視をしているのは大国だ。



ところで、上の記事にもあるように、つまるところ、パレスチナ問題にせよ、
イェメンのそれにせよ、これは西洋VS中東ではなく、侵略と抵抗の衝突だと言える。


サウジアラビアのように、欧米とつるんでまで
同じイスラム国家を侵略するような国が依然、多く存在する。


話によれば、イエメンを爆撃している連中は停戦協定が結ばれた二時間後に、
同国の都市を爆撃しだしたらしい。凄まじいことだ。


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アラブ連合軍によるイエメン領内、
特に首都サヌアと主要都市アデンに対する爆撃が再開された。


人道的休戦が宣言されてから、たった2時間後の事だった


首都サヌアで、アラブ連合軍は、中心部にある大統領宮殿を空爆した。
またイエメン第二の都市で大きな港のあるアデンも空爆された。
この町にはフーシ派(イスラム教シーア派系武装勢力)の拠点があり
多くのフーシ派支持者が住んでいる。リア-ノーヴォスチ通信が伝えた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/20150711/561868.html#ixzz3fazQ1GLv

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私の知る限り、サウジアラビアは中東の中でも
とびきり独裁的で性質が悪く、他国の侵略も平然と行う
文字通りの悪の枢軸国なのだが、なぜか日本も欧州も米国もサウジには甘い。


そして、この傾向は政治学者にも通用し、
あれほどイラクやシリア、エジプト、その他諸々の国に対して、
口を尖らせて非難轟々、バッシングの嵐を吹き起こす学者たちが
サウジアラビアに対しては、相対的におとなしいのは不思議としか言いようが無い。


いや、まぁ、理由は何となく分かるのであるが。

少なくとも彼らはサウジが良い国ではないことには気がついているし、
たまに思い出したようにそのことについて言及もしている。

ただ、それは申し訳程度の言及であり、彼らにとってより魅力的なのは
アラブの春やイラク戦争の折に見たように、アメリカや欧州がこれから
転覆させようとしている国への批判らしい。傍から見るとそう見える。


ポスト・コロニアリズム研究が唱えられて久しいが、
私たちは未だに植民地主義との対決を避けてはいないだろうかとふと、疑問に思う。

イエメンとウクライナ

2015-05-21 00:57:49 | リビア・ウクライナ・南米・中東
あまり日本では大きく取り上げていないが、今、イエメンでは
テロリスト掃討作戦という名目でサウジアラビア軍が領地に侵入し、
空爆によって現地の住民を虐殺してまわっている。

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サウジアラビア主導の連合軍が、
5日間の停戦が終了したあと、イエメンへの空爆を再開しました。


フランス通信によりますと、サウジアラビアが主導する連合軍は
18日月曜朝、アデンを爆撃することでイエメンへの空爆を再開しました。


イエメン軍は、連合軍の戦闘機は、アデンにある大統領府や
この町の一部の住宅地を攻撃したとしています。


イエメン攻撃の再開の前に、国連は、
17日日曜に終了した停戦の延長とイエメンの空爆の停止を求めていました。

イエメンの情報筋は、イエメンの停戦は、
連合軍、イエメンのハーディ前大統領を支持する武装勢力や、
アルカイダのメンバーによって269回に渡って違反されていたと伝えています。


イラン外務省のアミールアブドッラーヒヤーン・アラブ・アフリカ担当次官は、
17日日曜夜、国連のシェイク・アフメッド・イエメン担当特使との電話会談で、
イランは国連の監視下におけるイエメンの各グループの合意を支持するとしました。


サウジアラビア軍の戦闘機は、今年の3月26日から、イエメン各地を空爆しており、
これにより、女性や子供、高齢者を含むイエメンの多くの人々が死亡しています。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/54783-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B8%E8%BB%8D%E3%81%8C%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A1%E3%83%B3%E7%A9%BA%E7%88%86%E3%82%92%E5%86%8D%E9%96%8B



サウジアラビア軍によるイエメンの民間人の殺害が継続されています。


シリアの国営サナ通信によりますと、サウジアラビア軍の戦闘機は20日水曜、
イエメン北部のサアダ州の住宅地を爆撃し、
これにより、子供5名が死亡、ほか2名の子供が負傷しました


また、イエメン西部のイッブ州で、サウジアラビアの戦闘機が
バス1台を攻撃し、5名が死亡、ほか3名が負傷しました。


サウジアラビアの戦闘機はさらに、数十回に渡り、イエメンの首都サヌアを攻撃しました。

これらの攻撃で住宅地に大きな被害で出ており、民間人3名が死亡しました。


国連は19日火曜、報告の中で、
イエメンの危機で、54万5000人が難民となっているとし、

「今年3月26日から始まったサウジアラビア主導の連合軍のイエメン攻撃により、
現在まで、1850名が死亡し、739万4000名が負傷している」と表明しています。



イラン司法府の人権本部は、19日、声明の中で、
イエメン危機に対する人権問題関連の国際機関や団体の対応を批判しています。


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/54856-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B8%E8%BB%8D%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B0%91%E9%96%93%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E3%81%8C%E7%B6%99%E7%B6%9A

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対テロ作戦という割には、サウジアラビア軍は住宅地や学校、病院を空爆しており、
しかも、彼らの盟友にはアルカイダとイスラム国がいる。






イエメン西部はフーシ派が、中央部がアルカイダが、東部を政府が占領している。

フーシ派はアルカイダやイスラム国と戦っている。

これは重要な事実だ。



イエメンとウクライナは様々な点で酷似した状況にある。

①国内の危険思想集団と戦闘している。
②アメリカが政府側を支持している
③空爆によりインフラが破壊されている
④それに伴う大量の難民発生
⑤にも関わらず、これら重要な事実が日本では基本的に報道されない

等々。



柏書房から去年の12月に出版された『アメリカの卑劣な戦争(下)』を読むと
イエメンが2009年の時点でアメリカの事実上の植民地・保護国だったことがわかる。


今回の空爆はイエメン政府が要請したものだ。

これはイエメン傀儡政権・アメリカ政府・サウジ政府が協力関係にあり、
彼らの権力維持のためになら国際法で禁止されている
都市爆撃を実行することすら、いとわないことを如実に示している。



時間があれば『アメリカの卑劣な戦争』について、より詳しく紹介したいが、
とりあえず、オバマはブッシュと大して変わらないばかりか、軍事に限っては
ブッシュよりも性質が悪い侵略者だということ。これは確かだと思える。





鳩山由紀夫氏のウクライナ論

2015-04-29 00:30:41 | リビア・ウクライナ・南米・中東
日本では全く騒がれていないが、ロシアでは鳩山由紀夫氏のクリミア訪問は
ちょっとしたニュースになっていて、良心的日本人として評価されている。


これが日本では売国奴よばわりされているのだから、なんとも皮肉な話。
逆に安倍は、モスクワの戦勝記念式典の出席を断ったせいで日本の評価を下げている。


本当に何も騒がれていないので心配になるが、今、ロシアでは
日本が18億ドルもの大金でキエフを財政支援していることに対してかなり怒っている。


そういう中、鳩山氏の訪問は日露の緊張を緩和するちょっとしたイベントだったのである。
今回、取り上げるインタビュー記録は、今月中旬に鳩山氏がクリミアについて述べたものだ。


長すぎるので、クリミアについて語られている一部文章のみを抜粋する。

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鳩山元総理の冒頭発言
久しぶりにカメラが並んで、政治家に戻ったような感覚を覚えております。

今日私をお招き下さったのは、"なんでクリミアにいったんだ、お前"みたいな
話だと思っておりますので、まずはそれをメインに申し上げながら、
総理時代のこと、普天間のことなどを皆様方にお話をさせていただければと思います。



なぜクリミアに参ったのかその答えをひとつ申し上げれば、
日本という国を真の意味で独立した国家にしたい、ということからでございます。




鳩山という家においては、祖父の頃からロシアとの関係というものが
重要な位置を占めていたものですから、総理時代にも、
北方領土問題の解決に向けて少しでも役に立ちたいと考えておりました。


当時のメドベージェフ大統領との間で数回会談をいたしましたけれども、
北方領土問題の打開に向けた方向性を見出すことができないまま、総理を辞めることになりました。



私はプーチン大統領の間に、この問題を解決させなければならないと強く考えております。
そして大変良いことに、安倍首相とプーチン大統領は6回も首脳会談を行い、
両者の会見は大変良好だと伺っております。したがって、プーチン大統領と
安倍首相との間で、解決に向けた議論がスタートするんではないかと期待をしておりました。



ところが昨年の冬から春にかけて、いわゆるクリミアの問題が起きて、
日本は米国に追随するような形でロシアに対する経済制裁を加えました。


私が推察するに、安倍総理、あるいは日本政府は、
あまり経済制裁をやりたくなかったんじゃないかと思いますが、
しかしアメリカに押し切られる形で、お付き合い程度の軽微なものでしたけれど、
制裁を加えたんだと思います。




昨年の秋、モスクワを訪れた時にナルィシュキン国会院議長から、
「日本の政治の間違いによって制裁が課せられて、私達はそのことを大変遺憾に思う」
と言われました。たとえ軽微なものであっても、ロシア側とすれば
経済制裁というものを深刻に受け止め、その結果として
プーチン大統領の来日が今になっても決まらない、という状況になりました。




プーチン大統領が日本に来るということがまだ決まらない状況の中で
北方領土問題の打開に関して真摯な議論ができるはずもありません。
私もそれは大変にもったいないことと思っております。



従って私は、本当にアメリカに従うような形で日本が経済制裁を行うべきであったのか。
あるいはこれからも制裁を続けて行くべきなのか、現地に行って是非見てみたいと思ったのです。

また、数日前に、ここ外国特派員協会で古賀茂明さんが招かれて、
メディアと政治、特に政権とのあり方についてお話があったと伺っております。
今回のもう一つのテーマはそこにもあると思っています。



日本の政府、あるいは外務省は、アメリカという国の情報は基本的に正しいものであると受け入れて、
それで日本の対応の判断をしているように思いますが、今回のウクライナの問題に関して申し上げると、
必ずしもアメリカの情報が全てではないように私には思います。


ウクライナ問題に詳しい知識人の方の意見として私が理解しておりますのは、
やはりアメリカ、欧米側が、プーチン大統領がソチのオリンピックで
ある意味で手足が縛られている時に様々な画策を行って起こしたものである
と理解するべきだと思います。特に、アメリカの軍産複合体に支援を受けている
ネオコンが背後で様々な活動をしていたことが明らかになっています。


ヤヌコビッチ政権はそのような方々によって非合法に追放された、
そのように解釈するべきではないかと思います。



これは見方によって大きく異ることであるわけですが、当然アメリカ側とすれば、
市民活動・市民運動の方々が民主化を求めてヤヌコビッチ政権を倒したということになると思います。
見方によるものですから、どちらが正しいと一概に申し上げることは出来ないかもしれません。

しかし一方の側だけが正しい、すなわちオバマが正義で、プーチンが常に悪である、
という判断をすることは必ずしも適当ではない、そのように思います。



私が申し上げたいことは、このような問題を解く鍵でございまして、
例えば市民活動派と治安部隊の双方に多くの死傷者が出た事件がございますが、
その時、両者が同じ銃弾で殺されたという事実があります。

市民活動側、民主化を求める側からすれば当然ヤヌコビッチ側がやったということですけれども、
どうも事実はそうではない、ということでございます。



また、ヤヌコビッチ政権が追放されたあと、暫定政権、そしてポロシェンコの政権が
できていくわけでありますが、その彼らの政権が「ウクライナ化」ということを
強く求めていったことが騒乱を大きくしたと思います。




閣僚の中に多くのネオ・ナチの人が存在していることも含めて、
この新しい政権において、ウクライナ語が強要され、
ロシア語が公用語から外されるという状況が起きました。

クリミアは特にロシア系の方が5割を超しています。
もしロシア語が公用語から外されると、そういう人たちが
公務員として登用される道が閉ざされていく事になります。



そういった人たちの、新しい政権ができることに対する恐怖が、彼らを住民投票に導きました。
9割を超すかたが住民投票においてロシアへの編入に賛成したわけでございます。
私はその住民投票が行われたほぼ一年後にクリミアを訪れました。
そこには当然戦車もありませんし、滞在中、兵士の姿も一切見ませんでした。


当然、私がクリミアの全ての現実を見ることができたわけではありません。
しかし、クリミア連邦大学とセヴァストーポリにあります
モスクワ大学の分校で講演をさせていただきましたが、
集まった多くの若い学生の目は非常に輝いて、朗らかでございました。


私が見る限りにおいて、作られた平和というよりも、
彼らは今の状況に満足しているように思いました。


従って、私は今、彼らが満足をしているということにおいて、
状況が1年間で好転してきているという現実を理解するべきだと思っています。



住民投票の結果が9割を超えていた、という数字そのものが大きな意味を持つとは思っていません。
なぜなら、例えばクリミア・タタール人という少数民族は選挙のときには
55%の投票率だったと言われています。55%というのは、日本の国政選挙を見ると
そんなに低い数字ではないように思いますが(笑)、政権の行動によって、
1年前は投票に好意的でなかった人たちも、現在は99%の方々が
ロシアのパスポートを持っており、7割の方々が編入に賛成しているということを伺いました。



クリミアは、一言で言うと18世紀後半からロシアの領土であったということもあり、
それが再びロシアの領土になったということだと私は思っています。

従って、今、クリミアがロシアの領土になって平穏を取り戻している中、
日本も含めて欧米の国々がこれからも経済制裁を加えるべきかどうかということに関しては、
しっかりと慎重に考えるべきだと思っています。



私は2月に行われた、ミンスクでの東ウクライナを中心とするいわゆる停戦合意の報道の中に、
クリミアの文字がどこにも無かったということに注視するべきではないかと思います。


すなわち、ドイツやフランスから見ると、クリミアの問題というのは
これ以上大きな問題にしない、基本的に解決済みだと思っておられるのではないかと思います。



従って、私はクリミアの問題において、ロシアに対する経済制裁は
日本が真っ先に解くのがもっとも適切な処置ではないかと思っています。

昨日、そのことを議論した時に、元外務官僚の東郷和彦さんが
「近々安倍首相がオバマ大統領と会談をするときに、この話をするべきでないか」
とおっしゃいました。彼の主張は、これからもロシアに対する経済制裁を続けると、
ロシアは急速に中国に接近する。そのことはアメリカにとっても日本にとっても
メリットがある話ではないだろう、ということです。


私はこのようなことが日米首脳会談において議論されることを期待しています。
この会談にはもっと期待することもあるわけですが、
まずはクリミア問題についてのみお話を申し上げた次第であります。

http://blogos.com/article/110686/
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何か新しいことを述べたわけではないが、
クリミア問題についての要点をわかりやすく説明している。


こういう人物がつまはじきにされていることもまた、
日本のメディアのヤバさを如実に示しているような気がする。



念のため、言っておくが、これでも鳩山氏は保守派の人間である
本人も保守派を自称しているように、別に彼は左翼ではない。


そういう人間でさえ、まともな発言をしているように見えるのは、
それだけ日本でのウクライナ問題の語られ方が極端だということを示している。

プーチン、大統領就任時に財閥から圧力を受けていた

2015-04-28 00:26:06 | リビア・ウクライナ・南米・中東
日本ではプーチンは悪党として伝わっているが(主にロシア研究者がそうしている)、
実際の彼は国の資産を横取りした新興財閥と長年格闘してきたなかなか骨のある人物である。


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プーチン大統領は「ロシア」テレビ放映の映画「大統領」のために取られたインタビューで、
1999年、首相に初就任した際、かなり大きな圧力を受けていたことを明らかにした。
タス通信が報じた。大統領はどうやって圧力を跳ね返したかについては言及していない。


大統領在任15年を記念したインタビューでプーチン大統領は、1999年、
ロシアはオリガルヒ(新興財閥)にほぼ支配された状態にあったという記者のセリフに同調した。


「首相を務めていた私に(当時、大統領だった)エリツィン氏が大統領職を渡すというために、
 ホワイトハウスの私の執務室を訪れた際、
 そのうち(新興財閥)の何人かが私の目の前に座っていてこういいましたよ。
『あなたね、ここで大統領をやる日は決してきませんよ』とね。」

これに対してなされた返答は、
プーチン氏いわく、「まぁ、見ていなさい」だった


続きを読む http://jp.sputniknews.com/russia/20150427/251167.html#ixzz3YWYB1bW0
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エリツィンによって壊されたソ連は、新自由主義の実験場となり、
一部の人間が富を独占し、貧富の差が広がった。これは大変深刻な問題だった。


もともとはエリツィンを支えていたプーチンは、その後、民族主義的な政治家となり、
強引な手段を時には使いながらも、欧米の属国から脱皮することを目指した。


もちろん、悪い面も結構多い気がするのだが、少なくとも、日本の一部(だと思いたい)
研究者が声高に叫んでいる独裁者だの皇帝だのといったレッテル貼りには異議を唱えたい。


隣の国であるわりには、私たちはロシアについてはほとんど知らない。

幸い、今はRussia TodayやロシアNow、スプートニクなどの
ロシアメディアがインターネット上で読めるようになっている。

くだらない記事もあるが、なかなか面白い記事が多く、大変参考になる。
今後も可能な限り、取り上げていきたい。

ロシアと日本は本当に仲が良いのか?

2015-04-25 00:10:05 | リビア・ウクライナ・南米・中東
かつて、安倍首相はロシアのプーチン大統領から信頼されており、
北方領土問題の進展が期待される・・・というような記事が書かれたことがある。


http://hosyusokuhou.jp/archives/21767669.html(保守速報の記事)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/165168.html(NHKの解説)
http://www8.cao.go.jp/hoppo/shisaku/01.html(外務省のページ)

しかし、案の定、2015年の今になっても、全く事態は変化していない。
それどころか、日本政府の歴史認識やウクライナ問題に対する態度から、
逆に不信感を抱かれている。


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ロシアがクリル諸島で軍事訓練



ロシア国防省が、23日木曜、日本と領有権を巡って争っているクリル諸島で、
ロシア軍が内陸への侵入を防ぐための訓練を行ったと発表しました。


イタルタス通信が、ロシア東部軍管区の広報機関の話として伝えたところによりますと、
ロシア国防省は、「各部隊は、海や空からの攻撃に対する沿岸の防衛を中心に、
内陸への侵入を阻止するための大規模な訓練を行った」と発表しました。

日本とロシアは、北方領土の領有権を巡って対立しています。
ロシアはそれをクリル諸島と呼んでいます。
ロシアのプーチン大統領は、先週、「この問題について日本と協議する用意がある」としながら、
日本には協議を行う意向がないと非難しています。

日本の安倍総理大臣は、以前、北方領土付近でのロシアの軍事演習は、
絶対に容認できないものだと語っていました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/54101-%E3%83%AD%E3%8
2%B7%E3%82%A2%E3%81%8C%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%AB%E8%AB%B8%E5%B3%B6%E3%81%A7
%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%A8%93%E7%B7%B4


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ウクライナはドンバスを手放すのか?
↑の記事などは、日本に対する嫌味がたっぷりと書かれている。


また、5月の戦勝式典への出席を拒否したことも、
ここ最近のロシアの日本への不信感を強めたようだ。


はっきり言って、現政府の対米従属と歴史改ざんは、
ロシアの信用を落とすばかりであまり賢い選択ではない。


中国、韓国は言うまでも無く、アメリカ、ロシアと日本の周辺国は
日本の政治家たちの誇り高き歴史を尊ぶ姿を見て、警戒をしている。

日本の右翼たちの立ち居振る舞いは、
政治的にも経済的にもマイナスにしかならない。改めるべきだろう。