時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

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北朝鮮の「ほほえみ外交」(メディアの造語批判)

2020-06-25 22:44:15 | 北朝鮮

緊急事態宣言が解除され、非日常から日常へと生活が戻りつつある。
・・・わけでは決してなく、未だに東京では感染者が後を絶たないのだが、
都知事選を前にしてあえて日常を演出したいマスメディアは
いつものように外国に対するバッシング報道を展開し始めた。

本日、6月25日のクローズアップ現代では
金与正氏の発言を取り上げ、仮にも他国の大統領を罵倒するなど
言語道断と見栄を切った。吹き替えを担当した女性は、与正氏の声明を
あえて重く、暗いトーンで、いかにも危険人物の発言であるかのように
強調して翻訳文を読み上げた。

 

挑発する金与正氏 北朝鮮の強硬姿勢の行く末は…衝突か、新たな交渉のテーブルか

 

日本メディアのシナリオとしては
北朝鮮が韓国や米国に対して乱暴な「挑発」を行った
というものを狙っているらしい。

しかし、実際には韓国の保守派が脱北者と結託して
軍事境界線付近で挑発行為を行ったのが発端となっている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

他の誰かなら知らないが、「脱北者」というくずの連中、
人間の出来損ないを押し立ててそんなにもよく知っている
その合意を違反するビラ散布妄動をそのまま黙認し、放置しておいた当事者らが
われわれに「違反」という言葉をそれも白昼に公然と言えるのか疑わしいだけだ。

顔が熱くならないかということだ。

板門店宣言と平壌宣言、北南合意に対しては、
北侵戦争演習を含むあらゆる敵対行為を公然と働きながら、
それを今まで系統的に違反して破棄してきた南側が
口が十あっても合意違反について問題視する資格さえないようになっている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf#this)

上の文章は朝鮮中央通信の2020年6月17日付の記事
(「破廉恥の極み」というタイトル)から引用したものだが、
ここにも触れているように板門店宣言にはビラ配りの扇動も含む
一切の敵対行為の中止が明記されている。

また、大々的なものこそ自粛したものの
北朝鮮への先制攻撃を想定した韓国の軍事演習はこれまで継続されてきた。

そして北朝鮮は約束に従い、これまで一切の核開発を行っていない。
(日本のマスメディアは核「保有」を理由にこの事実を無視したがるが)

双方の歩み寄りが望まれた2018年から約2年が経過してもなお、
このように進展が望まれない状況下、強硬派の軍部をなだめるために
行ったのが今回の一連の言動ではないかと筆者はにらんでいるが、
それはともかく、いわゆる「挑発」をしたのは韓国の保守派であり、
北朝鮮の言動はそれらに対するリアクションだということを忘れてはならない。

 

対北朝鮮 日米、韓国へ結束求め 「ほほ笑み外交」警戒

 

ところで、北朝鮮と他国との間の雪解けをメディアは「ほほえみ外交」と呼んでいる。
この言葉は当初、ある種の侮蔑の意図を込めて使われていたのをご存知だろうか。

北朝鮮の「ほほ笑み外交」 日本の懸念

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ほほ笑み外交」

安倍氏もほぼ確実に同意するだろう。
五輪開始前のインタビューで河野太郎外相は筆者に対して、
韓国が北朝鮮の「ほほ笑み外交」に取り込まれてしまう懸念について話した。

そしてなんと盛大なほほ笑み外交が行われたことか。

最大の見せ場は疑いもなく、金正恩氏の実妹、
金与正(キム・ヨジョン)氏が3日間訪韓したことだ。

与正氏は魅力的な笑みを浮かべ、
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を平壌に招待した

これらは全て安倍晋三首相にとっては悪い知らせだ。
日本政府による、北朝鮮の核の脅威を阻止するための政策を根幹から覆す恐れがある。

米国にとって、北朝鮮が核兵器の備蓄を増やすことは
間もなく現実の脅威となるだろう。日本にとってはすでにそうだ。

昨年に北朝鮮が発射した2発の長距離ミサイルは日本の上空を飛んでいった。
ここで大きく懸念されることは、どんな種類の軍事衝突であっても、
北朝鮮が核を使うのはソウルではなく東京へ向けてではないかということだ。

「我々は広島や長崎が再び起きるのを絶対許してはいけない」
と最近、日本の退役将校は筆者に話した。

よって安倍晋三首相は非常に強硬な立場を確立した。
週末にソウルで見られた「愛の祭典」以来、全ての声明で、
文大統領に訪朝してほしくないという立場を明確にしている。

ソウルにある国民大学校のアンドレイ・ランコフ教授は、
北朝鮮の思惑に対する日本の懸念をうまく説明している。

北朝鮮情報に特化したウェブサイト「NKニュース」の記事中で、
「北朝鮮の外交手腕は卓越している。
敵の弱点と分断を利用することに精通している」とランコフ教授は書いている。

「12月中旬以来、北朝鮮の外交は大きく分けて2つの目標に向かっている。
まず北朝鮮は、米国が先に軍事攻撃に出る可能性を低くしようと懸命に取り組んでいる。
第2に、米韓の間にくさびを打ち込むことに精力を傾けている」

日本の河野外相は北朝鮮に対する経済制裁が「効き始めている」
との認識を筆者に示した。

昨年の晩夏に課された制裁措置により、
いよいよ北朝鮮経済に影響が出始めている、と。

だからこそ北朝鮮は五輪大会という
ほほ笑み外交の手段を講じ時間稼ぎをして、
息が止まりそうな状態を緩和している、と。

(英語記事 Japan's worries about North Korea's 'charm offensive'

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

原語では「charm offensive」とあるように「ほほえみ外交」とはOffensive(攻撃態勢)、
すなわち、米韓の分断を目論んだ作戦なのだという意味をこめて使われていたのである。

 

韓国五輪外交、北朝鮮を利するだけに終わった「大失策」の裏側

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「南北友好対話ムード」を演出しての
ピョンチャン・オリンピックの“主役”は、
金正恩の妹で、朝鮮労働党副部長の金与正(キム・ヨジョン)だった。

その「微笑み外交」の陰で、
韓国・文政権の「5人組」と米国との間では
ぎくしゃくした関係が目立った格好になった。
それには理由がある。(朝日新聞ソウル支局長 牧野愛博)

五輪外交の主役は金与正
ソフトなイメージ戦略実践

~中略~

北は「最高のカード」出した
「南北蜜月」は北の本音ではない

~中略~

ここまで検証してみると、北朝鮮が金与正を派遣した狙いが浮かび上がる。

「最高のカード」で韓国に恩を売り、
同時に南北関係の蜜月ぶりを日米など国際社会に印象づける思惑だが、
ただ、南北関係を蜜月にしたいというのは北朝鮮の本音ではない。

それを裏づけるように、会談でも、文大統領の訪朝を求めたものの、
南北首脳会談の具体的な日時に触れることはなかった。

会談後の昼食会で「早く平壌でお目にかかれたらうれしい」と、話した程度だ。

また北朝鮮は韓国が提案してきた
南北離散家族の再会事業や南北軍事当局者会談の開催などには依然、応じていない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このように、メディアは平昌五輪における南北間の歩み寄りを冷笑しつつ、
北朝鮮の行動には裏があるに違いないと決めつけていたのである。

彼らの読みが的外れだったことはわずか1か月後に証明されることになる。
その際、メディアは日本政府にだけ米朝韓の対話路線への転向を知らされていなかったことに対して
「蚊帳の外」と揶揄したが、実の所、本当に蚊帳の外だったのは彼らマスメディアだったと言える。

以下の文章は2018年2月11日に掲載された毎日新聞の社説を抜粋したものである。

 

北朝鮮が文氏に会談提案 平和攻勢に惑わされるな

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

筋の悪いくせ球だ。
独裁者のエゴを貫くために計算され尽くした甘い言葉に、惑わされてはいけない。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が
特使として派遣した妹の与正(ヨジョン)氏を通じて、
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領に平壌での近日中の会談を提案した。

文氏は、会談実現へ向けた条件を整えていこうと応じたという。

核・ミサイル開発に対する経済制裁で陥った苦境を打開しようという北朝鮮の狙いは明白だ。

北朝鮮への国際的圧力は強まっている。
後ろ盾だった中国が制裁に同調するようになり、
石油精製品の輸入にはこれまでの9割減という上限が設定された。
洋上での密輸に対する監視も強化された。

金政権は貿易に頼らない経済作りを国民に呼びかけ、
厳しい制裁にも耐えられると主張する。

しかし当面はしのげたとしても、長期的な将来展望など描きようがない。

米国による軍事的圧迫も負担になっているはずだ。

朝鮮半島周辺で米軍が大規模に展開すれば、北朝鮮軍も警戒態勢を強化せざるをえない。
貴重な燃料を消費し、動員される将兵は疲弊する。
軍に不満がたまれば権力基盤にも悪影響が出かねない。

こうした閉塞(へいそく)状況を打破する突破口として、
対話に前向きな文政権に狙いをつけたのだろう。

北朝鮮は
いま平昌(ピョンチャン)冬季五輪を舞台にした平和攻勢を韓国に仕掛けている。

北朝鮮は一方で五輪開幕の前日に大規模な軍事パレードを行い、
大陸間弾道ミサイル(ICBM)も登場させた。核放棄に応じないという姿勢は明確だ。

文氏は核問題をめぐる米朝の対話を仲介しようとしている。
しかし朝鮮半島の非核化につながらない限り意味はない。
成果を急ごうとする文氏の態度には危うさを感じる。

五輪開会式前のレセプションでは
北朝鮮の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長と
米国のペンス副大統領を同席させようとしたが、ペンス氏が席に着かなかった。
米国との調整が不足したまま準備を進めたようだ。

南北の首脳会談を必要としているのは北朝鮮である。
そこを見誤ると、核を温存したまま国際包囲網を突破しようとする
北朝鮮に手を貸すことになってしまう。

(https://mainichi.jp/articles/20180211/ddm/005/070/042000c)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここでも「平和攻勢」という言葉で北朝鮮の軟化を非難している。
いずれの言葉にしても北朝鮮の姿勢を、
「表面的には友好的に接しているが、
その実、裏側では相手を出し抜くことを考えている」
という、したたかで嘘のあるものとして強調づけている。

強硬姿勢をとればそれはそれで口やかましく非難するのに、
協調へと舵を切ると、それはそれで気に入らない、どうせ嘘に決まっている、
裏があるのだ、話を聞くな、北朝鮮の思うつぼだ・・・などなど、
こういう態度を一貫して取ってきたわけだ。

ところが、最近になって、この「チャーム・オフェンシブ」とか
「平和攻勢」、「ほほえみ外交」という単語が意図的に別の意味に組み替えられる
現象が起きているのである。次の牧野愛博氏の記事を読んでみよう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ケソン南北連絡事務所爆破の“主役”、金与正氏の「本当の役割」
牧野愛博 2020/06/18 06:00

激しい言葉で韓国批判  「ほほえみ外交」のイメージ一掃

~中略~

とりわけ金与正氏の韓国批判の激しい言葉は、これまでの人物像を一新するものだ。

与正氏は利発で礼儀正しい人物として知られる。
初めて外交舞台に登場したといえる18年2月、
平昌冬季五輪開会式に参加するために訪韓した際は、
文大統領とにこやかに談笑する姿が「ほほえみ外交」として注目された。

形式的には団長は、金永南最高人民会議常任委員長(当時)だったが、
与正氏は金氏を立てることも忘れなかった。

会談では金氏を上座に着席させようとし、慎重な金氏をドギマギさせた。

当時、金与正氏の受け入れに当たった韓国政府当局者は
「与正氏は公式日程以外の時間も、絶えず周囲に気を配っていた。
話題も豊富で、相手をしらけさせない。頭の良さを感じた」と語っていた。

父親の金正日総書記が金与正氏に愛情を注いでいたのは有名な話だ。
そして金総書記は、粗暴で反抗的な兄の正恩氏にむしろ手を焼いていたという。

2010年9月の労働党代表者会で正恩氏が公式に登場してからしばらく後、
歌唱力を認められた女性が、金正日総書記の私的な席で歌を披露したことがあった。

この席には、金総書記と事実上の婚姻関係にあった金玉氏や
正恩氏らが参加したが、金総書記は与正氏とばかり談笑し、
正恩氏は端の方でつまらなそうにしていたという。

正恩氏を巡っては、女性をめぐる醜聞や酒席などでの
「自分勝手な酒で、周囲に気を配らない」といった
悪評がたびたび漏れてきたが、金与正氏にはそうした話もない。

(https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%B1%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%8D%97%E
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このように「オフェンシブ(敵対行為)」と呼ばれていたものが
いつの間にか文字通りの平和的協調的姿勢として定義が書き換えられているのである。

これはかつて自分たちが仕組んだバッシング、それも見当違いだった主張を
隠ぺいするものだと解釈ても差し支えなかろう。

記事では金与正の変節を印象付けるために、
この「ほほえみ外交」の言葉を使っているが正直、呆れたのは言うまでもない。

与正の人物像を良くするために兄の金正恩を暗愚な人物と対比的に説明するのも
いささか強引だし、記事の末部ではいつもの通り、北朝鮮は金正恩のせいで貧窮な生活を
強いられていて、民衆の不満がたまっているというお約束の定型文が載せられている。

牧野氏の合法詐欺師ぶりはいつもの通りだが、
他も似たり寄ったりであり、2018年6月の米朝、南北対話を経てもなお、
日本メディアの北朝鮮に対する分析力や敵意は変わらなかったと言うことであろう。

それにしても、自分たちがかつて北朝鮮の融和路線に対して
悪意あるもの、真意は別にあると主張してきたことを棚に上げ、
ここ最近の北朝鮮の言動に対して強硬姿勢はやめよと説教するのは本当に痛ましい。

ちまたでは安倍晋三の退陣がほのめかされているが、
仮に安倍政権が崩壊したとしても、メディアがこの在り様では事態は何も変わらないだろう。


アメリカ、日本をホワイト国に認定せず

2020-01-26 00:13:55 | 欧米

この度、米財務省が発表した
対米外国投資委員会への届け出を免除する「ホワイト国」のリストが発表された。

簡単に言えば、安全保障上、信頼のおける国家に対しては煩雑な手続きを免除し、
より円滑な投資活動を約束するというもの。

今回は、ファイブ・アイズ該当国がリストに選ばれた。

 

 

ここで自然、気になるのはアメリカとの親密な関係を強調し、
日本外交の成功を吹聴していた日本政府や極右論者の反応である。

まさかとは思うが「ファイブ・アイズ該当国でないから」という理由で
リスト入りを果たせなかったことを正当化はするまい。

「100%一致」と銘打つほどの友好国であるならば、
 該当国でないからこそ、特別扱いを受けてしかるべきだからだ。

 

とはいうものの、正直、自信は無い。

 

極右論者の傾向として

①アメリカを絶対的に支持する

②アメリカを絶対的に支持する日本政府を絶対的に支持する

③アメリカの判断は正しいという断定を前提に発言する

というものがあるので、今回の除外に対しても
「問題ない」「それなのに騒ぐとは」「何と愚かな」
と冷笑するような気が何となくする。

 

慰安婦問題に対する韓国政府への報復処置として
ホワイト国除外を日本が行い、日韓外交に亀裂を生ませたこと、

転じて言えば、①政治的な理由で日韓経済を混乱させたこと、

そして、②対米従属を徹底したにも関わらず、ホワイト国に選定されなかったこと。

この2点に対して、いわゆる左翼と呼ばれる人々は問題提起しているが、
そもそも、アメリカに徹底的にコケにされていることを問題とは思わない連中を
茶化してもどうしようもない気がする。

逆に、日米関係の在り方を見直そうとする姿勢を嘲笑されて終わってしまうだろう。

 

最近、とみに思うのだが、日本の左翼はもう
極右論者を相手にしなくても良い気がする。

レイシストがどれだけ声高に叫んでも
国際社会の場では彼らは否定される存在なので無視しても良いと思う。

むしろ、注意を要するのは、彼らの排外主義を利用するようにして
権力を拡大している極右の政治家や実業家、知識人だろう。


政治と経済と情報。
この3つを握られると問題が生じた際にも修正が効かなくなるからだ。

そういう意味では、彼らが非難するべきは
政財界の差別主義者、彼らを支持するマスメディアであって、

Twitterやブログに跋扈する有象無象の極右論者は
端から対話相手としてみなさないほうが良いと思う。

火事が起きた際には、火元を消火するのが肝心であって、
玄関先を浮遊している火の粉を消したところでどうしようもない。それと同じことである。


大阪の高校は本当に無償化しているのか?

2019-08-13 22:21:36 | 日本政治


先日、国家公務員の月給およびボーナス支給額が
民間のそれより下回っていることが判明した。

これに対応するべく、政府は賃上げを要求。

公務員の賃上げは6年連続となったが、
上げ幅は去年よりも小さく、かつ若年層に限っての引き上げになる。






このニュースに対して
大阪維新の会に所属する佐々木りえ大阪市議会議員が
消費税増税の中、公務員の給料を上げるとはけしからんといったコメントをした。


どうも佐々木議員の頭の中では
公務員は消費税を支払わなくても良いことになっているらしい。


①公務員の報酬が民間のそれよりも低い

②格差を埋めるために賃上げを要求

③公務員の給料は高い!

意味が分からない。







全ての公務員は高給取りであり、ぜいたくをしている
という決めつけを前提に論を進めるから

実際は民間より安いという実態を認められないのではないだろうか。







そもそも、維新の会は消費税増税に反対の立場ではない。

あくまで凍結であり
その時期が来たと維新が判断した際にはゴーサインを送る立場だ。










維新の会の政策は
端的に言えば民営化だと言える。



水道民営化や私立高校への積極的支援が典型的だが、
公的機関は出資者に留まり、運営は民間に委託する。

その財源は人件費削減でねん出する。こういう理屈である。


しかし、この政策は果たして成功しているのだろうか?


本記事は大阪の高校無償化を対象に
この点を検証するものである。



大阪府の公立高校と私立高校の費用を比べてみた

上記記事は、今年(2019年)大阪で高校受験をした学生の保護者が書いたもので
同記事によると、大阪でも学費がかかることが書かれている。


例えば、入学金と振興費、学年諸費の合計は
公立高校が3万2710円であるのに対して私立は29万である。

受験料も私立が2万円であるのに対して公立は2200円。桁が違う。

教科書にかかる費用は効率が2万円であるのに対して
私立は4万円である。


ここで重要なのは、あくまで支援するのは授業料に関してのみであって、
上に述べたような別途費用は保護者が負担するという点である。

そのため、格差を埋めるという名目でありながら、
実際に恩恵を受けるのは中産層であることが指摘される。



平成28年度以降に入学した皆さんへの授業料支援制度について



肝心の授業料だが、実はこれも
免除されるのはごく一部の世帯でしかない。


上にあるように親権者(父母)の合計年収が590万、
平均で49万であった場合に限り免除となる。

総務省の調べによれば、
大阪府の35~39歳の平均年収が509万、40~44歳のそれが562万なので、
例えば父親が正社員、母親がパートタイム労働者だった場合には
無償化の対象外になるケースが少なくない
と言える。


次に20万の負担となる世帯についてだが、
この20万はあくまで授業料が58万だった場合に限っての話であり、
仮に授業料が65万だった場合には、さらに7万円の負担を強いられる。


以上から、「無償化」と表現するには
あまりにも実体と乖離しているのではないかというのが私が導き出した見解である。



府立高等学校の授業料と就学支援金について

この話題に関して見逃せないのが
府立高校の授業料は国の支援により、すでに免除されているという点である。

府立の授業料は11万8800円だが、この額は国の支援策によって
家庭がその分を支払わなくても良いようになっている。


つまり、世帯によっては私立の授業料が免除になると言っても、
依然、公立高校の学費のほうが安いのである。




生徒減で府立2高を削減 大阪府教委が生徒募集停止 30年度までに計7校閉鎖


仮に「全ての児童に教育を」と考えているのであれば、
私立高校より公立高校を支援したほうが経済的にも効率が良い。


現行の制度に加えて、教科書や制服、修学旅行や卒業アルバム等の雑費を
府が援助するだけで完全無償化は実現できる。

さらに指導力のある教員を育て、質の高い授業を提供すれば
安価で進学率の高い教育を行う都市として箔がつくだろう。


・・・と思うのだが、大阪府は上の記事で書かれているように、
公立高校に対して支援どころか切り捨てる政策を一貫して行っている。


「学生に選択の自由を与える」という名目ではあるが、
 実際には公立から私立へと児童を誘導するのが目的と言っても過言ではない。

まさに教育の民営化である。



https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/exam/27/feature/1276092_5206.html

ベネッセ・コーポレーションのページを読んでみても、
大阪の授業料免除制度は、受験産業にとって都合の良い政策であるように感じる。

本来、公立高校の教育の質を高め、教科書代や入学金を援助、埋め合わせたほうが
府にとっても、家庭にとっても、比較的わずかな財源で済ませられる
はずなのに、
それを一切やろうとせずに、私立高校にむけて中途半端な援助を行う。

時には府立高校の廃校までしてしまう。

これは、私立大学や学習塾・通信教育を生業とする民間企業に
利益を誘導するものではないか
というのが私の見解である。


なお、補足として以下のページも紹介しておく。

維新の授業料無償化はネオリベ施策。私学値上げ→固定化の構図




維新の会 「身を切る改革」で教育「無償化」は事実か?


身を切る改革によって私立高校の無償化が実現したと主張する
維新の会のメンバー、その支持者の言葉も現実を反映したものではない。

私立高校の「教育無償化」(実際は授業料免除)制度の予算は
2018年度では192億円だが、議員報酬の切り下げで生まれた財源は7億円に満たない。


この約190億円がコストカットで得たものかどうかは議論の余地が大いにある。



大阪府、平成28年度以降も私学無償化継続へ 多子世帯を優遇 年収上限は引き下げ


なお、
過去の記事を読めば、大阪の授業料免除制度は
年を経るごとに劣化していることがわかる。

身を切る改革によって実現と銘打っても
実際には、徐々に首が回らなくなっているのである。



この状況を打破するには、
先に述べたように民間に教育を輸出するのではなく、
公教育の充実へと舵を切ることが求められるだろう。



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この問題を「参院選FactCheck」として最初に指摘した際には、
所得制限や多子家庭への補助を無償化と呼ぶのは適切ではないとの指摘も多く寄せられた。

例えば、大阪市を完全無償化と呼んでよいかも議論が分かれる。

ファクトチェックの記事では松井代表の発言は「不正確」と指摘したが、
「詐欺ではないか」との意見も寄せられている。

日本維新の会には、そうして点も踏まえて丁寧な説明を求めたい。

一連の記事で日本維新の会に質問を送って回答を求めたが回答は得られていない。

https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20190720-00134902/

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以上、大阪の高校無償化制度について検討を加えてきたが

結論としては

①公立高校無償化は国の支援によるもの。
②私立高校無償化は一部の世帯に限定され、かつ国の支援を補う形になっている。

③依然、公立高校のほうがはるかに学費が安い。
④にも関わらず、府は公立高校の支援を怠ってきた。

④財源は議員報酬の削減によってねん出したとも言い難く
⑤年々、サービスの内容が劣化している。

⑥この状況を打破するには公教育への支援を増やすことが求められる。

の6点が挙げられるだろう。

上に引用したように、一部の世帯に限定して実施するものを
「無償化」と呼んでよいかどうかは大いに疑問である。


キューバなどの社会主義国では授業だけでなく、
教材も含めて全世帯に対して無償で提供されていることを踏まえれば、
これは「無償」ではなく「免除」と呼ぶべきものであろう。


海外にも奨学金制度や授業料免除制度があるが、
これを差して「無償化」とは呼ばない。


ましてや、あたかも全世帯が無償で教育を受けられるかのように
吹聴されているのだから、このような表現は大いに訂正されるべきだ。





公立高校の無償化制度(あくまで授業料に関してのみだが)は
国によるものなので、維新の会の手柄ではないのだが、
なぜか、この団扇では維新の功績として数えられている。


維新の会の最大の問題点は
教育や外交に対する姿勢以前に、
この平然と嘘をつく態度にあるのではないだろうか。



【ニュース・10/13追記】
「大阪は教育費が実質無償になっている(松井大阪府知事)」って本当???




維新代表が「幼稚園、保育園の無償化が実施されている」とした大阪で、
実際は全市町村の20%未満



「安倍礼賛者」にされた左派(⁉)リベラルは共闘が苦手(?)

2019-07-09 22:54:54 | アベノミクス批判
教養のある人間が政府の言い分を支持した時、民衆がそれを否定するのは非常に困難である
(ノーム・チョムスキー)



2015年6月10日、当サイトは
立命館大学の松尾匡教授のインタビュー記事について


①正社員の雇用者数が減少する一方で、非正規の雇用者数が増加している
②共産党は何も高齢者の支持を狙ってアベノミクスに反対しているわけではない
③金融緩和は雇用を言うほど増やさなかった

以上の3点の批判を行った。

これに対して松尾氏は自身のサイトで


①私が専門用語を誤用している
②だからこの記事を信用するな

というレスポンスを返してきた。




私が述べた3点の主張を反証せず、
一点のミスを根拠に全否定するという論法は

写真の誤用を理由に
南京事件を否定する歴史修正主義者のそれと通じるものがある。


雑考1(雇用の量)



その後、彼のコメントを読んだ人間が殺到、
いわゆる炎上状態になった。これは意図的に狙ったものだと私は思う。


少なくとも松尾の信奉者がどういう人間性を持っているかははっきりした気がする。

(なお、松尾はコメントが書けるサイトでは自分で直接、噛みついている)



雑考2(労働の質


すぐに反論することも出来たが
基本的に、炎上をしかける人間は対話が出来ないので
その場では、用語の理解不足を認め、一旦、謝罪、その数日後、反証記事をアップロードした。





海外メディア、アベノミクスの破綻を報じる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「マスコミなどでは、「景気回復の実感はない」
と決まり文句のように言っていますけど、

そんなふうにおっしゃる人はたいてい、
もともと安定して、比較的まともな賃金の職の人なんですよね。

過去20年の「改革」不況で最も苦しんできた層の人たちの間では、
明らかに事態が動いています。
 

実感はない派の人たちは景気回復がコケて
安倍さんに失脚してほしいあまり、現実から
目をそむけているのかもしれませんが、

今後、景気回復を否定するようなことを言えば言うほど、
私たちが最も依拠すべきこうした層の人たちを、
かえって安倍さんの側に追いやる結果になるでしょう。」
 (http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__140503.html)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

松尾を語る上で見逃せないのは
彼がアベノミクスの熱烈な信者であったことだ。

彼の主張を簡潔にまとめると

①アベノミクスのおかげで正規雇用が増えた
②仮に非正規だとしても失業よりはマシだ
③景気の回復を実感する
④量的緩和を否定することは低所得者の反発を生む

の4点になる。


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そもそも、雇用が増えているのが非正社員だったとしても、
今まで職がなかった人が職にありついたならば、
「ありがたい、この職をまた逃したくない」という
気持ちが真っ先にくるのは当然ですから、

言葉の使い方を慎重にしないと、
「非正規が増えているのはいけません」的な
言い方だけしていたのでは
こうした層の人たちから反発を買う恐れがあります。


気がついたら、こうした層の人々がこぞって
自民党の支持者になって日の丸を振っていることになりかねません。

それに、「総雇用者所得」で見ると増えているとする
安倍さんの言い訳もあながち無視はできません。

消費需要につながるのは、
一人当たり賃金ではなくて、総雇用者所得だからです。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141215.html

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最悪の状況を引き出してそれよりもマシと語る論法は

悪夢のようだった民主党政権よりはマシだと語る

安倍晋三のそれと同じものである。



松尾本人は規制緩和には反対と話すが、

規制緩和の結果、非正規労働者が増え、
低所得者が増えて生活水準が低下することが問題なのであり、

端的に言えば矛盾している。





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「アベノミクス」は日本を損なう

~中略~

「アベノミクス」は何も新しいものではなく、金融緩和とその関連政策の総称に過ぎない。

経済の遅れた国では、紙幣の無闇な発行は、
壊滅的な悪性のインフレを引き起こす可能性が高い。


経済の発達した国では、政府が紙幣を増刷しても
財産を作り出したことにはならなず、
資源の間違った配置をもたらし、内部の危機を引き起こす。


日本は貨幣の潤沢な先進国であり、貨幣増刷によって引き起こされる
物価上昇の効果は明らかでなく、やはり厳しい問題が生まれている。

「アベノミクス」は物価の下落を恐れ、消費を奨励しており、
 民間の貯蓄は減り、政府の負債率は世界一に達している。


インフレで利益を得ているのは大企業である。

大企業は市場に障壁を形成し、小さい企業のチャンスを減らしている。

日本企業には年功序列の習慣があり、年齢の高い社員が高い地位を占め、
若い社員はなかなか昇進できず、会社の人材コストは高い。

これは労働法の保護によるものであると同時に、
インフレ政策の擁護とも関係がある。

日本人は極度に勤勉な労働なしには、
生活水準の低下を防ぐことができないのである。


だが日本の物価上昇は明らかでなく、
政府のデフレへの恐れを呼び、量的緩和の推進を促している。

生活水準がなかなか上がらないのもインフレによる悪影響である。


政府による刺激を過度に信じ、紙幣増刷によって
成長を促進できると考えたことは、日本の過去20年の最大の間違いだった。

市場化改革が大々的に進められた小泉時代にあっても、この考えは転換されなかった。

2001年に小泉純一郎が首相に就任すると、民営化と自由化の改革が始められ、
中でも難題となっていた郵政改革の実現が旗印とされた。

この改革において、
小泉首相は自らの政治生命を賭けることも厭わず、郵政系統の民営化を推進した。


通貨政策の分野では、
小泉首相とそのブレインは掛け値なしの「インフレ派」であり、
日銀に通貨政策の緩和を繰り返し求め、「デフレ」と対決しようとした。


でたらめな通貨政策は小泉改革の寿命を縮め、
いくつかの民営化改革を行ったほかは、日本に持続的な活力を与えることはできなかった。


~中略~

経済発展に対するインフレのマイナス影響は、
短期的に大きく現れるものがあるだけでなく、長期的にゆっくりと出てくるものもある。

その道理は多くの経済学者の古くからの関心となってきた。
ハイエクはかつて、インフレは、政府が紙幣を増刷し過ぎた時だけに起こるもので、
それ以外にはあり得ないと指摘している。

インフレの危害は、オーストリア学派の経済学者によって
とうの昔に研究されていたのである。

それにもかかわらず今日の日本政府が(そのほかの多くの国の政府も)
デフレへの対決姿勢を崩さず、インフレを頑強に追求しているのには、ため息を禁じ得ない。

http://j.people.com.cn/n/2015/0915/c94476-8950183-2.html
(中国のニュースサイト『人民網』から引用)

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2015年9月の時点で、他国から見れば
経済政策の失敗は明確なものだったことが伺える。


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日本政府がよりどころとする「アベノミクス」が登場してから3年以上が経ったが、
徐々に効果が薄れているだけでなく、企業界から上がる不評の声はますます大きくなり、
世論の肯定感は低下こそすれ上昇することはない。


復興の不振ぶりをみても、
たびたび先送りされるインフレ目標の達成時期をみても、
政策上の矛盾に満ちたアベノミクスが日本経済の「病状」に対して
ほとんど治療効果をもたないだけでなく、効果が予想と
大きく隔たっていることがありありとうかがえる。新華社が伝えた。



▽矛盾1:企業の分化とアンバランスが加速


アベノミクスの核心の1つは、金融緩和政策によって円高を引き起こし、
ひいては輸出を促進し株式市場を振興させ、最終的には企業業績を改善し、
経済全体を引き上げて成長させるという目的を達成することにある。


だが現実はそうはいかず、
こうした考え方は理想に過ぎ、幻想だとさえ言える。

年初以来の円高の加速、東京証券取引所の暴落といった
「思いがけない出来事」の衝撃は言うまでもない。


2012年から15年の期間でみたとしても、
アベノミクスの恩恵は日本の多くの企業には行き渡っておらず、
かえって中小企業に大きな苦しみを与えている。

円安や株価上昇で大きな恩恵を受けた大手輸出企業に比べ、
日本経済の根幹を支える中小企業は円安により
輸入する原材料コストが高騰し、苦しみにあえいでいる。



日本の帝国データバンクがまとめたデータによれば、
昨年12月末現在、卸売産業の原材料コストが前年同期比52.9%増加し、
衣類・繊維製造業のコストはさらに増加して同71.4%の増加となった。

このような非常に苦しい経営環境の中にあって、
中小企業の倒産件数が産業全体に占める割合が上昇を続けている。

15年は全倒産件数8517件のうち、
円安による倒産が352件に上り、2年続けて増加したという。


16年3月に日本の企業界がアベノミクスに与えた評価は、
ギリギリ合格の60.3点で、前年同期より3.9点低かった。


▽矛盾2:企業の投資の伸びに力無し

アベノミクスでは、金融緩和政策を通じて企業の利益を増加させ、
企業の投資拡大を喚起し、ひいては経済の好循環を実現するという構想を描く。


だが構想は現実によって
「砂上の楼閣」に過ぎないことが証明された。


13年にアベノミクスが登場すると、
日本銀行(中央銀行)は市場から驚きの声をもって
迎えられた金融政策とマネタリーベース拡大措置を次々に打ち出した。

これを土台として、今年はマイナス金利政策をうち出し、
預金金利をマイナス0.1%に引き下げた。

こうした措置を打ち出した主な狙いは、
企業向けに良好な金融政策環境を創出し、貸出の規模を拡大し、
生産設備や向上などの固定資産への投資を増やし、
企業の経営範囲を一層拡大し、より多くの利益を達成することにあった。


だが実際には、15年第4四半期(10-12月)に
日本の大手企業の投資は限りなくゼロ成長に近づいた。

それだけでなく、同期の大企業の短期貸出は同2.5%減少し、
長期貸出はわずか同3.6%増加にとどまった。

これと対照的に、同期の大手企業の手元にある現金は
同3.7%増加し、有価証券も同4%増加した。


次のようなデータもある。
10年前に比べ、15年度(15年4月~16年3月)に
日本の大手企業の手元の現金は前年度比32.4%増加したが、
固定資産投資額は同16.3%増加で、
アベノミクス実施前の12年度に比べて4.3%の増加にとどまった。

これはつまり、日本の大手企業の利益は
アベノミクスという護送船団に守られて増加したが、
企業は現金を使いたがらず、投資にうかつに手を出さなくなった、
ということを意味する。



▽矛盾3:経済復興の実感が低下

日本の街頭で取材したところ、
中産階級の女性が日本経済に対する悲観的な見方を語ってくれた。

その女性によると、日本社会は少子高齢化がますます深刻になり、
年金を納める人が減り、将来、年金がもらえるかどうかわからなくなっている。

退職後の老後の暮らしが心配で、
できるだけ貯金してお金を使わないようにしているという。


ニッセイ基礎研究所社会研究部の土堤内昭雄主任研究員は、
「現在の日本社会の構造をみると、アベノミクスは中産階級にとって脅威になる。
こうした状態を炭坑地域にたとえてみると、
前方には常にリスクが横たわり、思いがけない出来事が発生すれば、
あっという間に無一物になるような状態だといえる」と話す。

日本社会の構造的な問題だけではない。

アベノミクスの企業業績の向上をよりどころとして、
賃金を増やし、国内消費を拡大させるという夢は
徐々に泡と消えようとしている。

今年の春季労使交渉(春闘)で、
日本企業はさかんに賃金上昇を口にする日本政府に一撃を食らわせた。

自動車メーカーのトヨタは
基本給を月額1500円(約90元)引き上げることに同意しただけだった。

自動車産業だけでなく、電子メーカーも誠意ある回答を行わず、
パナソニックも基本給の1500円引き上げに同意するにとどまった。

業績不振のシャープなどは定期的な賃金引き上げを行うと決定しただけだった。

共同通信社が3月に行った調査では、回答者の81.4%が
「アベノミクスが経済復興を促進しているという実感がない」と答え、
64.6%が「日本政府が17年4月に消費税率を再び10%に引き上げるのに明確に反対する」とした。


それだけではない。

日本国民はさきにヤフージャパンのニュースサイトが
行った世論調査で、「アベノミクスは有名無実」との評価を下している。

中小企業と中産階級の犠牲を代償として
支払うアベノミクスには数々の破綻がある。
重要なエンジンは期待したような効果を上げず、
マイナス影響ばかりが次々現れる。


今年の金融環境と外部環境の不振の中、
日本の大手企業は業績予想を次々に引き下げ、
日本経済の前途をさらに暗澹とさせている。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年5月31日
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大体、2016年の時点で
アベノミクスの総括は完了したと言えよう。



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アベノミクスを否定すると
野党の支持率が減るかのように語る人間もいるが、
現実では、アベノミクスに効果があるのではないかという期待が支持率を支えている。

(特に株高はそれを如実に示したものだろう)


とするならば、「アベノミクスは正しいのだ、効果があるのだ」と喧伝した
一部のメディアや経済学者の言葉こそ、
安倍政権を下から支えてきたとは言えないだろうか?


少なくとも、私からすれば
自分の暮らしを良くしてくれるのであれば、
自民党だろうと民主党だろうと投票するし、

実際、2009年の衆院選で民主党が自民党に大勝したのは、
景気回復への期待が込められていたからだ。


経済政策が正しいのであれば、
好き好んで共産党や社民党に投票する人間がどこにいるだろう?


あれほど露骨な軍拡を目論みながら支持率は4割を下回ろうとしない。

それは、少なくともアベノミクスが効いているという
信仰があるからではないだろうか?

(ほとんどの人間は、これ以上の経済が悪化しないことを望んでいるのである)


松尾教授が今年の6月に開いた講演会のパンフレットには
「「アベノミクス破綻」に最後の希望をつなぐ人を見るたびに、暗澹たる気持ちがいたします。
 2016/7衆参同時選挙、自民単独2/3確保し、改憲に王手をかけるために
 安倍は緻密な計画と信念を持ってやっており、2016/7頃に
 景気が良くなるように着実に手を打っています。
」と予言している。

https://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853/e/cbad3fa50f777b271af360287af35a0f
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2015年6月の時点で松尾は
「安倍は緻密な計画と信念を持ってやっており、2016/7頃に
 景気が良くなるように着実に手を打っています」と主張していた。





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一方、新自由主義政策の“ご本尊”だった自民党は、
第2次安倍政権発足後から「アベノミクス」などという言葉の目くらましを使って
かたちだけの方針転換を演出し、景気刺激を展開した。これが功を奏して民衆の支持を集めた。


しかも、自民党の場合は本来、批判勢力となるはずの“極右”を取り込んでしまっているため、
「右」からの異議申し立てが起きない構造になっている。

さらに、欧米と違って「左」からの批判の声もほとんど聞かれない。



だが、アベノミクスは見かけだけの「反緊縮」だから、化けの皮が剥がれるのも早かった。
政権側は「アベノミクスは道半ば」などと詭弁を弄して失政を取り繕った。


一方、有権者の側もアベノミクスの有効性に疑問を覚えつつも他に有効な選択肢がないから、
ダラダラと支持を続けている。これが、現在の「1強」の正体なのだ。

https://lite-ra.com/2017/01/post-2830.html
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これはニュースサイト『リテラ』の
松尾絶賛記事から引用したものだが、

どういうわけだか松尾が
他の誰よりもアベノミクスの成功を確信していたことには一切、触れていない。




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教養のある人間が政府の言い分を支持した時、
民衆がそれを否定するのは非常に困難である



アベノミクスは正しいのだ、効果があるのだと喧伝した
一部のメディアや経済学者の言葉こそ、
安倍政権を下から支えてきたとは言えないだろうか?


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①アベノミクスを神聖視し
②アベノミクスを批判する市民のサイトに攻撃を仕掛け
③失敗とわかりきや、それまでの行為を忘却する

こういう態度を取る人物が跋扈することは
社会にとって害悪だとしか言いようがない



少なくとも彼と意見が違うと言うだけで
被害を受けた人間としては松尾は弱者の味方には見えない。


自身の過去の言動の反省をせず、
リテラや岩波のようなメディアを抱き込み、
ただひたすらに左派を攻撃する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

首脳会談の最中において、
北朝鮮は経済、国民の生活に支障をきたす項目に限り
制裁を解除することを引き換えに核物質生産施設の破壊を提案した。


今回、アメリカは北朝鮮の提案をける形で交渉を切ったが、
どのみち、条件に従わざるを得ないだろう。


北朝鮮にとっては、また開発を再開すればいいだけの話であり、
それを行う頃には今よりも国力を上げている。


シリアやベネズエラに対する圧迫的な政策を思えば、
皮肉な話だが、北朝鮮の核開発は結果的には功を奏したと言える。


メディアは相変わらず北朝鮮を悪魔化した報道を流してきたが
その間に北朝鮮は着実に露中米韓と関係を修復させてきた。

他方で去年から北朝鮮は日本を糾弾する主張を
以前より多く行うようになっている。


北朝鮮の孤立化を目指した結果、日本の方が孤立していた
などという事態はありえなくもないし、現に去年は蚊帳の外にされたし、今もそうである。

アメリカに歩調をあわせているつもりで
見当はずれの行動を取る前に、もう少し冷静に状況を分析するべきではないだろうか?


北朝鮮に経済制裁は効くのか

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主流左翼に異見を唱えている点では私も同類だが、
それは左派が北朝鮮を悪魔化し、あたかも理解不能の国家であるかのように
喧伝するのが、結果的に判断を誤り、国益を損なうことにつながっているからである。


上の記事で私は、朝鮮半島の問題で

①北朝鮮に対して経済制裁は通用しないこと、

②主導権が握っているのはアメリカではなく北朝鮮であること、

②アメリカが反発するなら核開発の再開を匂わせれば良いだけのこと、

③どのみち、北朝鮮の望むように対話をせざるを得ないこと、

④そのことに気づかない日本政府や日本メディアは
 アメリカに歩調を合わせているつもりで見当はずれの行動を取る恐れがあること、

を指摘したが、大阪サミットで日本政府が北朝鮮への
けん制を世界に呼びかけた直後に米朝会談が行われたのは
周知の事実である。


この間、日本のメディアは
やれ「交渉が決裂した」、「関係が悪化した」と騒いでいたが
実際には水面下で更なる雪解けに向けてのシナリオが書かれていたのである。


なぜ私の予測が的中して、松尾の主張は外れたのか?




それは私が朝鮮中央通信のような
左派にプロパガンダと評価される資料も軽視せず、
可能な限り拾い上げて結論を導いたのに対して


松尾は「反緊縮で景気は回復する」という結論を導くために
先述した人民網の記事のような
自分にとって都合の悪い意見を無視して話を作り上げたからではないだろうか?


順序が逆転しているのである。

だから、こんな被害者面をすることも出来る(上の画像を参照)。

松尾が批判を受けているのは彼が私のような一市民が書いている
小さなブログにまで目を光らせて意見を修正するよう攻撃していたからである。


その他にも、過去の言動に責任を取らないこと、
そのくせ、メディアを手懐けて自分を正当化すること、

何よりも彼の発言が右翼と大差ないこと、

要するに彼の人間性が信じられなくて
非難されていることが原因であることに気づいてもらいたいものである。



本来なら、こんな小物を相手にあーだこーだ言いたくなかったのだが
お友達の朝日新聞に弁護させる記事を書かせたのを見て心底呆れてしまい、

彼の被害を受けた人間として
私は絶対に忘れないし許さないぞという気持ちを込めて本記事を書いたつもりである。


自分たちの態度が悪い癖に被害者側に責任をなすりつける点も
慰安婦問題における日本政府を思いだして本当に嫌になる。

はっきり言うが、左派が連帯できないのは
左派を自称しながらその実、右派と大差ない意見を述べる連中が
攻撃を執拗に仕掛けてくるからである。

この男がアベノミクスを礼賛する一方で
批判派を執拗に攻撃していた事実は変わらない。

安倍を礼賛していると誤解されていると主張しているが、
少なくとも私はそんな解釈をしたことはない。

私は、アベノミクスを支持するために
自分と意を異にする人間を攻撃し、しかもそれを無かったことにする
一連の行為はネトウヨ以上に性質が悪いと怒っているのである。


本当に彼が連帯を目指したいなら
まず、自分の過去の言動に対する猛省から始めるべきだろう。

北朝鮮に経済制裁は効くのか

2019-03-05 00:12:03 | 北朝鮮
先日、ベトナムにて開かれた米朝首脳会談について
マスメディアは交渉が「決裂した」と報じている。

この点についての反論は後日述べるとして、
今回は北朝鮮が対話路線に変更したのは経済制裁が効いたからだという説を
論ばくしようと思う。


①北朝鮮は何を主張していたのか

まず、
北朝鮮は一貫して
米韓合同軍事演習の中止と引き換えの核実験停止
を主張してきた

ということを確認したい。


日米韓の北朝鮮ミサイル実験に対する茶番

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米国と韓国が軍事演習を停止すれば北朝鮮は核実験を停止する。
北朝鮮外相イ・スヨン氏が述べた。AP通信が土曜報じた。


「朝鮮半島での核軍事演習を停止してほしい。
 そうすれば私たちも核実験を停止する」という。

国には抑止手段としての核兵器を持つ権利があり、それが制裁に左右されることはない、
と大臣は強調。核兵器の開発は米国に促されたことだ、と改めて述べた。

これは西側メディアが北朝鮮の閣僚に行った最初のインタビューであるという。


http://jp.sputniknews.com/world/20160424/2017820.html


何のことはない。米韓合同軍事演習を中止してくれれば、
核実験を停止すると北朝鮮のほうから提案されていたのである。一週間も前から。

---------------------------------------------------------------

この記事で私は
「北朝鮮の条件自体は10年以上前から何度も提示されているものだ。
 その都度、韓国とアメリカは北朝鮮の無条件の非核化を要求し、拒絶している。


 要するに、非核化に向けての協議は今すぐ始められるのに、
 それを毎回、「信用ならない」と言って、話すら聞こうとせず、
 軍事威嚇と経済制裁を続けているのはどこの国だということだ。」

と述べている。


なお、米韓合同軍事演習については
私が過去に書いた以下の記事を紹介したい。

米韓合同軍事演習とは何か1

北朝鮮はなぜ核を持とうとするのか



②2018年~2019年初頭に何が起きたのか?


以上の予備知識を得た上で、去年からの動向を追ってみよう。
ParsTodayの記事を列挙する。

朝鮮半島で米韓合同軍事演習

アメリカが北朝鮮に譲歩

アメリカが、韓国との合同軍事演習を当面中止

米韓合同軍事演習「フリーダム・ガーディアン」が中止


簡潔に述べれば

①北朝鮮からの苦言に応える形で

②米韓合同軍事演習が停止され

③同時に北朝鮮も核開発を中断している


のだが、これが北朝鮮の要求をほぼ丸呑みしたものとなっている
ことは、これまでに紹介した記事をもとに読めば明白だろう。


ここで考えてほしいのが

経済制裁が真に有効ならば
なぜアメリカ側の要求である核の完全撤廃がなされず、
代わりに北朝鮮の条件に従う形で軍事演習が停止されるのだろう


という問いである。


加えて、今回の対談直後に以下のニュースが流れたことも見逃せない。


米韓、大規模合同軍事演習を中止の意向

仮に米韓の関係が悪化したのであれば、北朝鮮の長年の悲願である
「キー・リゾルブ」、「フォール・イーグル」合同軍事演習の中止を
なぜ敢行しようとするのかについて解が得られない。


ましてや経済制裁が効いているのであれば、
わざわざ軍事的な威圧を解除する意味もない。


北朝鮮の筋書き通りに動く必要は全くない。



③今後の動きについて

本記事では、要するにアメリカが北朝鮮の要求を
ほぼ受け入れる形で交渉を行って「いる」こと

それこそが経済制裁が効かない何よりの証左だと主張してきた。


ちなみに、制裁下で北朝鮮がどのように経済を発展させてきたかについては
以下の過去記事が参考になるはずだ。


北朝鮮問題で池上彰氏が伝えないこと



結局のところ、アメリカが譲歩しない限り、北朝鮮の核が撤廃されることはない。

逆に軍事演習を停止し、平和条約を結び、
かつ北朝鮮をアメリカと同格の相手だとみなして交渉を続ければ
簡単に問題は解決される。


以上のことを私は2018年以前から何度も主張してきたつもりだが、
実際にそのように事態が動いているので、若干、後悔もしている。

つまり、もっと出版社やジャーナリストに売り込めば
2018年以降の雪解けを的中させた人物として本の一冊でも書けた

・・・はずがない。この1年のメディアの不変ぶりを観察する限りにおいては。

首脳会談の最中において、
北朝鮮は経済、国民の生活に支障をきたす項目に限り
制裁を解除することを引き換えに核物質生産施設の破壊を提案した。



北朝鮮、核・ミサイル実験中止に関する合意に署名する用意がある


今回、アメリカは北朝鮮の提案をける形で交渉を切ったが、
どのみち、条件に従わざるを得ないだろう。


北朝鮮にとっては、また開発を再開すればいいだけの話であり、
それを行う頃には今よりも国力を上げている。


シリアやベネズエラに対する圧迫的な政策を思えば、
皮肉な話だが、北朝鮮の核開発は結果的には功を奏したと言える。


メディアは相変わらず北朝鮮を悪魔化した報道を流してきたが
その間に北朝鮮は着実に露中米韓と関係を修復させてきた。

他方で去年から北朝鮮は日本を糾弾する主張を
以前より多く行うようになっている。


北朝鮮の孤立化を目指した結果、日本の方が孤立していた
などという事態はありえなくもないし、現に去年は蚊帳の外にされたし、今もそうである。

アメリカに歩調をあわせているつもりで
見当はずれの行動を取る前に、もう少し冷静に状況を分析するべきではないだろうか?


池上彰氏のぶっとび解説に仰天

2019-02-23 23:09:57 | マスコミ批判

前々から筆者は、池上彰氏のニュース解説番組は

①肝心な事実を伏せて大雑把に説明をするため、

②中立を謳いながら、結果的には政府にとって
 まこと都合の良い理解のされかたを誘導しており

③この番組のメインの視聴者であるだろう
 時事問題に関心のある親子から判断力を奪っている


ということを断続的に指摘してきたと思う。


今日(2月23日土曜)の番組では
統計不正問題が起きた原因は「統計に携わる職員数が激減したから」だという
ぶっとび解説がされていて、池上もとうとうここまで来たかと仰天してしまった。


統計不正で新たに「官邸関係者」明記の圧力メールが発覚!

「いったん戻れ」の理由はこれだったのか


(https://lite-ra.com/2019/02/post-4563.html)

おそらく、同番組は録画のものだと思われるが政府の関与が明白になった今、これを視聴すると
本当に、つくづく、骨の髄まで政権べったりのトークをするものだと驚き呆れてしまう。



これに限らず、番組では月100時間未満の残業を認めた
(過労死と認定されるラインは80~100時間が一般的)働き方改革を

「時間外労働に規制をかけた」法案として紹介していたし、


派遣業規制緩和についても
人件費を削減するためといった大雑把な解説がされており、

当時緩和を誘導していた竹中平蔵氏が
その後、人材派遣企業の会長に就任したのが典型的な例だが、

この改革が一部の人間や企業が利益を貪るために
成り立たせたものだという肝心な点については触れようともしていなかった。


このような政府(歴代政権)の責任を問わない時事解説は
結果的には「自民党にまかせれば安心」という神話を信じさせる
遠因になってはいないだろうか
・・・と私には思えてならない。


池上氏は働き方改革が可決される直前にも
裁量労働制を取り上げ、一部、すでに実施済みの企業を取材し、
前よりも自由に帰宅できるようになったというレポートを流していた

捏造の次はデータ隠し!
厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽


(https://lite-ra.com/2018/02/post-3819_2.html)

これに関しても、後々、
実は裁量労働制のデータも恣意的に作られたものであり、
実際には逆に社員の負担が増していたことが発覚した。


要するに、池上氏の言い分の逆が正解になっている。

普通、ジャーナリストというものは
政府の言い分が正しいか否かをチェックして、
間違っていた場合はそれを正すものだが、どうも氏の場合、

政府の言い分を追認するような映像を流すのが
ジャーナリズムのあるべき姿だと勘違いしているらしい。

正直、半年以上放置していたブログの
久々の記事をこの御仁に関する内容にするのは嫌であったが、

あからさまなヘイト番組よりも
このような良心的であるように虚飾した番組のほうが
はるかに恐ろしいと感じたので、ここであえてその間違いを指摘するに至った。


去年、5月に雪解けが本格的に開始され、
緊張を含みながらも、お互いどこまで譲歩できるかを
朝・米・韓が話し合うようになったが、いまだに日本の北朝鮮報道は
どこまでも爆撃する側からの視点で語られており、正確なものだとは思えない。

そういう視点は、本来、そのような意見に対抗するべき
共産党をはじめとした左翼も共有しており、

そのような視点からシリアやベネズエラ、イエメンの惨状まで語られている。

こうした似非平和主義こそが
結果的に国際情勢を多角的に見る姿勢を放棄させる原因であり、

その独善的な態度は極右論者のそれと大差ない。


・・・ということは常々感じていたのだが、
それを指摘することから半年以上、放棄していた。

理由は多々あるが、まずは
トラックバックを送信する機能をGooブログが外してしまったこと、
次にスマホに対応したレイアウトを作成するのが困難であること、
最後に個人的に仕事で多忙だったということが挙げられる。

池上氏のように仕事=ジャーナリストだったら
毎日でも記事をアップするのだが、それもままならなかった。


とはいえ、ベネズエラならいざ知らず、
北朝鮮の情勢について、当サイトのような意見を吐くところは
本当に稀有(というか見たことがない。あるいはすでに閉鎖している)なので
多分に読みづらいだろうが、これからも少しずつ記事を更新していこうと思う。


米朝首脳会談中止の背景

2018-05-27 00:55:12 | 北朝鮮
Pars Todayの記事より。


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アメリカ大統領が再び北朝鮮指導者との約束を反故に


北朝鮮が核実験場を閉鎖したにもかかわらず、
アメリカのトランプ大統領は来月に予定されていた北朝鮮との首脳会談を中止しました。

CNNによりますと、トランプ大統領は、24日木曜、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長に宛てた書簡の中で、
6月12日に予定されていた両国の首脳会談を断念するとしました。


また、この書簡の中で、中止の理由は、
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長の
最近のメッセージによる「明らかな敵意と大きな怒り」だとしました。

さらに、この書簡で、自国の核能力を北朝鮮に対して誇示しました。


北朝鮮は公約どおり
外国人記者が参加する中で数回の爆発により、
プンゲリの核実験場を破壊しました。


一部の西側メディアは、
誠意ある行動として、この北朝鮮の行動を歓迎しました。

プンゲリの核実験場の破壊は、
南北朝鮮の首脳会談による成果の一つです。



双方は共同宣言により、朝鮮半島地域の核兵器廃絶、
朝鮮戦争の休戦の平和協定への返還、敵対的行動の中止
といった事柄に合意しました。


http://parstoday.com/ja/news/world-i44340
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会談中止の背景として以下の理由が挙げられると

ロシアアジア戦略センター所長ゲオルギー・トロラヤ氏
および吉林大学東北アジア研究院所長、巴殿君氏は語る。


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トランプ米大統領が会談を中止したのは
「熟慮されない突発的な反応」だとしてトロラヤ氏は次のように述べた。



「米国の内政要因が働いた可能性もある。
 譲歩しないようトランプ氏に圧力がかかり、
 そのため彼は金正恩氏が悪意ある発言を行ったと非難した。

 実際には正恩氏からの敵対的な発言は一切ないのだが。



シンガポールでの会談の準備をすすめるはずだった
米国側のメンバーが発表されたあと、
トロラヤ氏は会談実施の可能性を10%だと見積もっていた。


巴氏はまた、トランプ氏のチームが会談中止の一因だと述べた。


「双方は非常に短時間で両者を満足させる合意に
 こぎつけることを期待していたが、これは難しい。

 会談実施のために急いで作られた代表団が
 完全に『タカ派』からなっていた
米政権にとってはとりわけそうだ。


 この代表団は米国に存在する政治の方向性を全く1つにせず、
 会談への関心を示さなかったため、代表団には非常に多くの議論の余地があった。


 さらに、近ごろではトランプ氏が
 金正恩氏との会談中止を検討しているとの情報が漏れていた。

 彼は、北朝鮮による核実験場の施設爆破を待ち、そのあとに決定を発表した。」 



決定発表には「かなり意外な」タイミングが選ばれたとトロラヤ氏は述べる。


これは、北朝鮮が海外からの記者団を引き入れて
豊渓里(プンゲリ)の核実験場を盛大に閉鎖した日だった。


つまり、みなが北朝鮮に
核・ミサイル実験の凍結を呼びかけていた1年前に
楽観主義者が期待できた状態より一歩進んだことが行われたのだ。


しかも北朝鮮は
核実験を単に凍結したのではなく、
実質的に完全な中止を発表した。



つまり事実上、核実験禁止条約に加盟したのだ。
なお、米国は今に至るまでこの条約に加盟しておらず、するつもりもない。



同日、韓国の文在寅大統領は米国に訪問中だった。
トランプ氏の発表は「同盟国への平手打ち」であり、
米国は韓国の国益を考慮していないことを示した。

なぜなら、文大統領こそが
多くの点でこの会談の開催を促進してきたのだから。


巴氏は一方、双方は予定されていた会談の妨げとなった
障害を乗り越える必要があるとして、その障害について分析した。



「核兵器放棄の問題で
 北朝鮮と米国のアプローチを合わせることは非常に難しい。

 北朝鮮にとって重要なことは、段階的で均衡であることだ。
 米国は一方、北朝鮮に不可逆的で完全な放棄を求めている。

 トランプ氏の正恩氏に対する冒険的な行為が原因で、
 双方の深刻な政治的不信感が最近形成された。


 彼らの相互的な戦略的かつ外交的な動きは政治的不信感から、
 お互いにダメージを与える戦略形成に進化した。

 この政治への不信感は新たな危機の拡大につながりかねない。」

https://jp.sputniknews.com/opinion/201805254917442/
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ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センター
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員も次のように語る。



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北朝鮮が望んでいるのは正真正銘の対話であり、
自らに対する一方的な圧力ではないと、

ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターの
コンスタンチン・アスモロフ主任研究員は考えている。


「トランプ大統領は一度ならず、もし何かが自分の気に入らなければ、
 拳でテーブルを叩いて立ち去ると述べてきた。北朝鮮にも同じような権利がある。

 北朝鮮はこれまで、善意のジェスチャーを文字通り次々に示していた。

 その一方で米国側からは、
 制裁がさらに長期間続いていくとの声明が出されている。

 恐らく、北朝鮮指導部の忍耐力にとって最後の打撃となったのは、
 開始された米韓軍事訓練だった。

 ここでは、奇妙なことだが、
 平壌への爆撃の訓練が再び行われている
」。

トランプ大統領との6月の会談が北朝鮮の指導者によって中止されれば、
最近の南北首脳会談で最も顕著に表れることになった、
南北関係の前向きな傾向も最小限に抑えられてしまう可能性がある。


しかし、トランプ大統領は依然として、
金正恩朝鮮労働党委員長と「偉大な取引」を結ぶことを期待している。

だが、これが米国にとって外交的大失敗で終わることにはならないだろうか。


https://jp.sputniknews.com/opinion/201805184892083/
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ここ数日、北朝鮮はアメリカに対して
強い語気で批判を行っていた。



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朝鮮中央通信は16日、
南朝鮮が米国と連合空中戦闘訓練「マックスサンダー」
を行っていることを「板門店宣言に対する露骨な挑戦であり、
良好に発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事挑発だ」
と非難する報道を発表。

同日に予定されていた北南高位級会談について
「中止する措置を講じざるを得なくなった」と明らかにした。



11日に始まった連合空中戦闘訓練には、
ステルス戦闘機F22ラプターなど、100余機の各種戦闘機が動員され、
25日まで行われる。当初、戦略爆撃機B52も動員される予定であったが、
北南高位級会談中止に関する報道が発表されるや、急きょ取りやめになった。



板門店宣言第2項では
「北と南は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、
戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力する」と合意されており、
米国もまた、これを支持した。




通信は、
「南朝鮮当局と米国は、歴史的な4.27宣言のインクが乾く前に
 わが国に反対する大規模の連合空中訓練を行うことで、
 これまでわれわれが示した平和愛好的な全ての努力と善意に無礼、
 非道な挑発で応え、宣言の履行を望む全同胞と国際社会に大きな懸念と失望を与えている」と非難。


「善意を施すにも程があり、機会を与えることにも限界がある」としながら、

「歴史的な板門店宣言は、どちらか一方の努力では履行することができず、
 双方が履行のための有利な条件と環境を、力を合わせてつくっていってこそ、
 はじめて良い結実につながる」と板門店宣言履行のための双方の努力について強調した。



通信は、今回の北南高位級会談の中断と、
北南関係に難関と障害がもたらされたすべての責任は、
無分別に振る舞う南朝鮮当局にあると非難した。また、米国に対しては、

「南朝鮮当局と行っている挑発的な軍事的騒動の局面をもって、
 日程に上がっている朝米首脳対面の運命について熟考すべきだ」と警告。

「われわれは、米国と南朝鮮当局の今後の態度を鋭意注視している」と強調した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr201804517-1/
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一方的核放棄強要なら、朝米首脳会談考慮/
朝鮮外務省 金桂官第1次官の談話


米の敵視政策と核威嚇の終結が先決条件



朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省の金桂官第1次官は16日、
談話を発表し、ボルトン米ホワイトハウス補佐官らが
来月の朝米首脳会談を前に、朝鮮に対して「先核放棄、後補償」
「リビア式核放棄」を主張していることを批判。


「トランプ政権が一方的な核放棄を強要するなら、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」
と表明した。


談話は、金正恩委員長の崇高な志に応えて、
トランプ大統領が歴史的根源の深い敵対関係を清算し、
朝米関係を改善しようとする立場を表明したことについて肯定的に評価し、
朝米首脳会談が朝鮮半島の情勢緩和を促し、素晴らしい未来を
建設するための大きな歩みになるだろうと期待していたと前置きしながら、
米国において対話相手を甚だしく刺激する妄言が吐かれていることに失望感をあらわにした。



談話は、米国の「リビア式核放棄」
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」
「核、ミサイル、化学兵器の完全廃棄」などの主張について

「対話を通じて問題を解決するのでなく、
大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアやイラクの運命を
わが国に強要する不遜な企図の現れだ」と非難。


「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
米国が果たして健全な対話と協議を通じて
朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」と指摘した。



談話は、朝鮮が既に朝鮮半島非核化の用意を表明し、
このためには、米国の対朝鮮敵視政策と核の威嚇を終結させることが
先決条件になると何度も宣明したことを想起させながら、

「米国は、われわれが核を放棄すれば経済的補償と恩恵を与えると言うが、
われわれは1度も米国に期待を掛けて経済建設を行ったことがなく、
今後もそのような取引を絶対にしない」と強調した。


談話は、
「トランプ政権が朝米関係改善のために誠意を持って
朝米首脳会談に出てくる場合、われわれの相応の呼応を受けることになるが、
われわれを隅に追いやって一方的な核放棄だけを強要するなら、
われわれはそのような対話に興味を持たないし、
朝米首脳会談に応じるかどうかをあらためて考慮せざるを得ない」と表明した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180517-2/
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先ほど放送されていた『新情報News7Days』では

明治大学の講師が大声で
首脳会談が中止になったのは
北朝鮮が揺さぶりをかけすぎたからだと説明していた。

①平壌攻撃を想定した
 マックスサンダー作戦への非難 

(ステルス戦闘機F22ラプターは
 斬首作戦に最も適した機体との見解もある)

②リビア式の一方的な核放棄に対する非難

「対話を通じて問題を解決するのでなく、
 大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアや
 イラクの運命をわが国に強要する不遜な企図の現れだ」

「米国のこのような行為に怒りを禁じ得ず、
 米国が果たして健全な対話と協議を通じて
 朝米関係改善を望んでいるのかを疑う」

これらの発言が「揺さぶり」に該当するのだそうだ。

核施設の爆破についても
海外メディアが注視するなか、大々的に行われたものだったが、
これについても「専門家を呼ぶ約束を破った」と非難、
暗に破壊したのかどうか疑わしいという見解を示した。

(専門家を招く約束が本当にあったかは不明。
 少なくともこの講師以外にそのような取り決めが
 あったとはニュースサイトを調べた限り、見受けられなかった。
 全くの嘘だとは言わないが、出所を示して欲しいとも思う)


客観的にみれば、

北朝鮮は、韓国と協調しつつ対話路線を呼びかけ、
核実験施設を爆破し、軍事的示威行動を行わない方向へ転身したのに対して、

アメリカは、軍事演習を続行し、経済制裁を解く気配もなく、
一方的な核放棄を求め、先制攻撃、爆撃も辞さないという態度。


これに対して非難することが「ゆさぶり」になるらしい。


こうした見解は、おおよそ
北朝鮮のやることは信用ならないという
先入観に基づいたものだと言えるだろう。


すでに日本では、
実験施設の爆破は政治ショーだと評価する専門家も少なくない。

だが、考えてほしい。

仮に北朝鮮が爆破を中止したならば、
それはそれで約束を反故にしたと激怒するのではないだろうか?


アメリカの北朝鮮に対する不実な姿勢に対して
全く非難しないのも奇妙である。


少なくとも番組内に登場した明治大講師は
マックス・サンダー作戦やペンス氏の発言については
一切、取り上げなかったし、番組自体も
なぜかこの箇所をカットして朝鮮中央通信の記事を紹介していた。



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朝鮮中央通信によると、朝鮮の崔善姫外務次官は24日、
米国のペンス副大統領がFOXニュースとのインタビュー(21日)で
朝鮮の核問題で軍事的対応の排除を否定し、「リビアのように終わるだろう」
などと発言し、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を
主張したことを非難する談話を発表した。



崔次官は、ボルトン国家安全保障担当補佐官に続き、
ペンス副大統領までもが朝鮮に対し、
リビアの轍を踏むだろうと力説したことについて、


「われわれは、リビアの轍を踏まないために高い代価を払って自分自身を守り、
 朝鮮半島と地域の平和と安全を守ることのできる強力で頼もしい力を育てた」と指摘。

「この現実をいまだに分からず、
 われわれを悲劇的な末路を歩んだリビアと比べるのは、
 米国の高位政治家が朝鮮をあまりにも知らない」と非難した。


崔次官は
「米国が先に対話を請託したにもかかわらず、
 われわれが要請したかのように世論をミスリードする底意が何なのか、
 果たして米国がここから何を得ようと打算しているのか分からない」としながら、


「われわれは米国に対話を哀願しないし、
 米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めない」と強調した。


そして、
「米国がわれわれと会談場で会うのか、
 核対核の対決場で会うのかは全的に米国の決心と行動に懸かっている」としながら、

「米国がわれわれの善意を冒涜し、非道に振る舞う場合、
 朝米首脳会談を再考する問題を最高指導部に提起する」と表明した。

http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180524-1/
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上の記事から
最後の「われわれは米国に対話を~引き止めない」だけが
抜き出され、その前の北朝鮮への攻撃を示唆するアメリカの発言はカットしていたのである。


つまり、アメリカは北朝鮮の行き過ぎた揺さぶりについて対処したにすぎない
というのが日本メディアの見解だった。


このアメリカ完全無罪論を前提とした解説に私は唖然としてしまった。


軍事演習の継続にリビア式の解決方法の示唆。
これは揺さぶりや挑発というものにならないのだろうか。


アメリカはどれだけ挑発的な発言をしても許され、
北朝鮮は実験施設を爆破しても疑われる。


これが日本のメディアやエキスパートの姿勢なら
確かに日本がこの問題で蚊帳の外にされたのも納得がいく。


現在、森友問題や加計問題で顕著なのが、
証拠や証言が出てきても「これはこういう意味なのだ、あれはそういう意味なのだ」
と都合の良い解釈をして、現実を直視しようとしない政治家の態度だが、

実のところ、これは専門家やジャーナリストを含む
日本の北朝鮮に対する姿勢にも通じるものではないだろうか?


確かに池上彰はウクライナ問題で嘘をついている

2018-05-24 00:16:31 | ロシア・ウクライナ
池上彰さんを脅迫容疑、無職男を逮捕 
「抹殺しなければならない」とメール



合法詐欺師の池上彰氏に殺害予告のメールを
送った男性が逮捕されたようである。


殺害予告という行為自体は噴飯物だが、
池上氏が嘘をついていることは間違いではない。


映像でチラリ(1~2秒くらい?)と見えたのだが
どうもウクライナ情勢についての同氏の説明が不服だったらしい。





https://www.mainichi.jp/feature/maisho/etc/about/pdf/ikegami.pdf

2014年3月27日付の毎日小学生新聞に掲載された
池上氏の記事を見ながら検討してみよう。


この記事の冒頭では

住民がロシアへの帰属を宣言、
これをロシアが承認「してしまった」と説明されているが






記事の最後では
「ロシアが派兵して併合した」と別のことが語られている。



この時点ですでに
同氏の説明が矛盾していることがわかるが、
気になる点を以下、3点挙げてみたい。




①クリミア半島→× クリミア自治共和国→〇


まず気になるのが記事では一貫して
「クリミア半島」と説明されており、


冷戦終結後から存在する
クリミア自治共和国という小国家について一切、触れていないことだ。


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ロシアもこれを支援する構えを見せたが、
当時ロシアはチェチェンの独立を阻止するために 軍事弾圧をしていたのに、
ウクライナからのクリミア独立をそそのかすのでは立場が矛盾すると非難され、
結局この時もクリミア共和国を正式に承認することはせず、
95年3月にウクライナはクリミアへの武力介入を構えを見せつつ、
大統領と独自憲法を廃止させ、クリミアはウクライナの統治下に戻った。


クリミアはウクライナ国内の自治共和国となり、
98年12月にウクライナ政府の承認で新たな憲法が制定された。



ロシアがクリミアに関心を示すのは、
なにも「ロシア人が多いから」ではない。


クリミアには
地中海に睨みを利かせる黒海艦隊の母港が存在するからだ。


ソ連解体で黒海艦隊は
ウクライナ海軍とロシア海軍で分割することになったが、
その具体的な条件についてはなかなかまとまらず、交渉が続いていた。


結局、クリミア半島の海軍基地はロシアが20年間使用できることになり、
基地使用料や艦隊分割にあたってウクライナから艦船を購入する費用は、
ロシア がウクライナへ供給した天然ガスの債務で帳消しとなった。

つまりロシアは現金を払わずに
クリミアの基地と艦隊を手にすることができたわけだが、
クリミア独立にロシアが支援をちらつかせることは、
交渉を有利に進めるためのカードになった。


~中略~

94年の大統領選に敗れたバハロフは、
政界を引退して本業の地理学教授として大学の学長などを務めている。

一方で大統領を失職させられたメシコフは、
その後ロシアへ渡りモスクワで大学教授をしていたが、
2011年にクリミアへ戻り、
独立憲法復活のための住民投票の実施を呼び掛けたところ、
ウクライナ政府から強制退去を命じられている。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/syometsu/crimea.html

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出来れば全文を読んでもらいたいが、

要所だけ抜き出して説明すると
冷戦終結直後から同地域では独立運動が続いており、
14年のウクライナからの離脱もこの流れに沿ったものであった。



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2013年11月、首都キエフで、所謂「マイダン」が始まり、
クリミアは、これに抗議の反応を示した。



セヴァストーポリでは実際すぐに、EUへの統合に反対し、
関税同盟に賛成する「69番書簡」が現れ、町を代表する人々がこれに署名した。
その後、組織されたのが社会運動体「レスプーブリカ(共和国)」である。


2014年2月、キエフで国家クーデターが起こった。
セヴァストーポリとクリミアは、
そうしたできた自称ウクライナ当局の合法性を認めなかった。


セヴァストーポリの中心広場、
ナヒーモフ提督広場では2月23日(ロシアにおける祖国防衛者の日)、
集会が開かれ、自分達の市長としてアレクセイ・チャルィ氏を選出した。

同じく23日の夕方、義勇軍の組織が開始され、
クリミア北部境界線防衛のために、セヴァストーポリの特務部隊「ベルクート」が前面に出た。
彼らは前日「民族主義のウイルス」が蔓延したキエフから戻ったばかりだった。

こうして、まさに「祖国防衛者の日」、クリミアではロシアの春が始まったのだ。


ウクライナ軍は、サバイバルを図り,
軍人達は、参謀本部やセヴァストーポリ郊外のベリベク軍事飛行場に立てこもった。
キエフからは、武装したナショナリストで満員の「友情列車」を送るとの脅迫があった。


集会に参加していた一般の人々は日一日と増えて行ったが、
ロシアが今後どういった措置をとるのか、
知らなかったし確信を持って知ることはできなかった。しかし彼らは信じていた。

セヴァストーポリに続き、シンフェローポリでも26日、集会が開かれた。
そして27日、クリミア最高会議の建物に、ロシアの三色旗が翻ったのだった。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2015_03_17/283374969/


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以上のようにクリミア自治共和国の離反は
EUへの統合の動きを巡る数か月間の対立を背景に
引き起こされたもので、通常なら「内戦」と表現されるものである。


ウクライナ本国が推し進める
公共料金の値上げ、社会福祉の縮小、
国内炭鉱の閉山および外国産石炭の輸入といった
新自由主義的な中央政府の政策を否とはねつけるものだった。


池上氏の記述ではこの点に関する説明が一切ない。



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ウクライナ南東諸地域党の党大会がハリコフで行われ、
議員たちは、キエフに憲法秩序が回復されない間は、
クリミア自治共和国およびセヴァストーポリが全権力を握る、
との提案を支持した。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_22/129049289/

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カナダからのケベック独立。

スペインにおけるカタルーニャ独立運動。

イギリスのウェールズ分離運動。

中国と台湾との相克。


ウクライナとクリミアも
このような本国と国家内国家との対立として
描かれるはずのものだが、なぜか同氏はこの点は無視する。


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ウクライナのクリミア自治共和国議会は、
同自治共和国の今後を決める全クリミア住民投票を実施することを決めた。



クリミア議会議長団の住民向けメッセージには次のように記されている。

「ウクライナは完全なるカオス、専制、経済的崩壊に落ち込もうとしている。
 こうした状況を受け、クリミア最高議会は、クリミアの命運について全責任を引き受ける」


「全クリミア国民投票の実施によって自治共和国のステータスを向上させ、
 その権力を増大させることによってのみ、自治共和国は外部からの圧力や指導なしに、
 自らの力によって、自治共和国の命運を定めることが出来ると確信している」

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_27/129237633/

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このようにクリミア自治共和国の独立は
地方政府による公式の宣言だった。

池上氏が説明するような形のない世論ではない。


よって、通常ならば

クリミア自治共和国議会が独立を宣言したが、
これをロシア連邦が承認した

と書くべきところである。


池上氏は、あたかも自治共和国など
存在しないかのように説明をするので、


この問題が
元々はロシア帝国の領土であり、
スラブ系民族が多く暮らすクリミア自治共和国が
ウクライナとロシア、どちらの国家に属するかを巡って
起きた争いだとは気づかないのではないだろうか?






②国民の反対運動→× 武装組織の蜂起→〇


池上氏は「国民の反対運動」の結果、
反ロシア政権が誕生したと説明しているが、


実際には、上のような国粋主義者を先頭にした
武相組織の蜂起によって政権は崩壊した。

この時点では大統領職は空位であり、
「新政権」であるポロシェンコ政権は5月に誕生することになる。


この暫定政権は選挙によるものでもなかったし、
住民投票によって承認もされていない。


つまり、武力革命あるいはクーデターと呼ばれるものだったのだが、
池上氏はなぜか国民の総意による民主的な運動であったかのように
ぼかして表現している。


そのため、この時点で国内が
政治的に分裂状態だったことが読者には伝わってこない。





ウクライナの一般的国民のファッション(池上視点)


③そもそもロシアは軍を派遣していない


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2月26日、ロシア大統領および最高指揮官である
ウラジーミル・プーチンの命令により、
西部軍管区および中央軍管区では黒海地域での大規模軍事演習が始まった。


ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、
「大規模な抜き打ち演習である。」としており、
約15万人の将兵、90機の航空機、120機以上のヘリコプター、
約880台の戦車、80隻の艦艇が参加している。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_02_27/129219105/

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ロシア上院におけるロシア大統領公式代表である
グリゴリイ・カラスィン外務次官は、マスコミ取材に対し

「ウクライナでロシア連邦軍を利用する事に上院は同意したが、
これは、大統領によってすぐにその権利が行使されるであろうことを
意味するものではない」と伝えた。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129306849/

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時系列順に並べると


クリミア自治共和国、ウクライナからの独立を決意
住民投票の実施を宣言



ロシア政府、自軍の派遣を決定


となっており、
池上の「軍を送って占領した」という説は時間的に成り立たない。


このロシア軍の占領という妄想はどこから来たのだろうか。


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クリミアは、黒海に突き出た半島部に位置する
ウクライナの余り大きくない一地域で、現在、革命的な暴力の波の渦中にある。

現地の秩序を維持しているのは住民達自身で、
警察が、住民らによる自衛団を援助している。


最高会議の建物の前には、再び何千もの人々が集まり、
男性達は、自衛団への入団署名を行っている。


一方議会では、議員達が、新たな政府を準備中だ。
こうしたすべての事は、ウクライナの首都キエフで
権力を奪取した勢力の側からの強力な圧力という条件下で生じており、
クリミア議会のほぼすべての議員達、そして彼らの子供達にまで、脅迫電話がかけられた。


暴力によるシナリオを許さないため、自衛団は、
クリミア最高会議を自らのコントロール下に置き、内部に立てこもった。

現在中に入れるのは、議員達のみである。


シンフェローポリ空港も昨夜、
どこの所属か明らかでない軍服を着た人々によりコントロール下に置かれた。

おそらく彼らも、クリミア自衛団のメンバーであると思われる。

彼らは、自分達の目的は、
外部からの戦闘員のクリミア入りを防ぐ事にあるとしている。
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129286472/

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シンフェローポリ、セヴァストーポリ、ケリチ、
エフパトリヤの住民たちは、ロシア国旗やロシアのアンドレイ海軍旗を掲げ、
クリミア半島のステータスをめぐる住民投票の実施を要求している。


多くの人々が、クリミアのロシアへの編入、
ないしは独立への願いを、公言している。


「マイダン」のシンパを公言する人の姿は、クリミアには見つけることが出来ない。
一方、マイダンによって退位させられたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領も、
人気を得ているとはいえない。


クリミアでは公然と、彼は裏切り者であると非難されている。

民衆はすでに新たな指導者の擁立に動いている。
中でも特に著名な人物は、セヴァストーポリ新市長アレクセイ・チャールィイ氏だ。


同時並行で、新たな自治機構の創設も進められている。
自衛部隊、「ロシア・ブロック」というグループ、
その他の組織がミーティングに参加し、治安の維持にあたりつつ、
重要拠点への通路を閉鎖している。そうした勢力のひとつに、
上に述べた「礼儀正しい人々」も含まれる。


クリミア自衛部隊および地元「ベルクート」は、
<「マイダン」政府>内務省のアヴァコフ大臣の解散命令に従わず、
右翼セクター武闘派その他ウルトラナショナリストらの攻撃に備え、
クリミアの防備に当たっている。

続きを読む: https://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_03_01/129292066/

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恐らく、2月末にクリミアに出現した武装集団のことを指しているらしい。

この武装集団がロシア軍だという証拠はないし、
ベルクート部隊という特務部隊と共にキエフから来たらしいから
軍あるいは警察から流れてきた過激派ではないかと私は考えている。

繰り返すが、この時点でロシアは軍を派遣していないし、
半島内に前から駐屯していたロシア軍も軍事演習こそしているが、
直接、ウクライナ軍に対して何らかの攻撃をしていない。


池上氏の説は、武装集団はロシアの覆面兵に違いない、
ロシア軍が各地を占領したに違いないという思い込みを
前提にしたもので、妄想の範疇を越えないと言えるだろう。




以上、検討を行ってみたが、

端的に言えば、彼の記事は、通常なら内戦として書くべきものを
占領として描いているので矛盾や間違い、妄想が非常に多い。


例えば、記事ではプーチン大統領が
軍事的懸念から占領したのだと説明されているが、
そのような思惑をいったい、どうやって知りえたのだろうか?

公式の場では独立を支援する形を取っているし、
ロシア軍の派遣を決定した際にも地元住民の安全確保のため
と語っている。


どこぞの評論家や新聞記事の「意見」を
「事実」として歪めて書いている印象を受ける。 


軍事的思惑から干渉した「に違いない」が
軍事的思惑から干渉したとすり替えて説明がされている。

武装集団も同様で

ロシア軍「と思わしき」武装集団が「各施設」を「占拠」ではなくて
ロシア軍が各地を「占領」したのだと説明をする。


このように自己の主張を通すために事実をねつ造する人物が
これから時事問題を勉強しようとする純真無垢な児童に
ニュースを解説して聞かせるのは甚だ恐怖ではないだろうか?


今回紹介した記事がその辺の新聞記事あるいは
Wikipediaの内容をパッチワークして書いたのかどうか私は知らない。


だが、少なくとも彼が以前からクリミアでは激しい独立運動が展開されていた
という歴史に対して無知であることは確かだろう。



このようなジャーナリストの風上にもおけない人間に
義憤を覚えたのであれば、殺害予告などせずに
徹底的に言論を通じて、彼の間違いを暴露すべきだった。


問題の男性は2ちゃんねるにも書き込みをしていて
それらを読む限りではふざけているようにしか見えなかった。



なぜキエフの武装蜂起は「国民の反対運動」と表現され、
クリミアの独立運動は「ロシア軍の占領」と書かれるのか。

この疑問を叩きつけるだけでも意義はあるはずだ。



(私は池上がこのような的外れで
 結果的に出鱈目な内容を書いてしまうのは

 ①ウクライナ中央政府・日本政府の見解をなぞっただけだから

 ②ロシアの侵略戦争だという認識を前提に論を展開しているから

 ③国家内の対立を国家間の争いとして
  無理やり解釈する悪癖があるから

 ではないかと考えている。

 そういう意味では、
 沖縄の基地反対運動を中国や北朝鮮の工作員による
 日本政府転覆運動と解釈するネトウヨと大差ないレベルである。

 つまり、陰謀論以上の何物でもない)



蚊帳の外なのは左翼も同じ①―南北朝鮮の歴史的な対談について―

2018-05-03 23:32:30 | 北朝鮮

南北朝鮮の歴史的な和解のセレモニーが開かれ、数日が経つ。

この間、何かコメントを書こうとしてきたが、
またしても多忙を理由に記事に上げるのを躊躇してきた。


手前みそだが、
当サイトの過去に挙げた記事を読めば
北朝鮮を巡る政治情勢が如何に日本のメディア(と大多数の知識人)
の言い分と食い違うか自ずと知れるはずである。

わざわざ書かなくても
もう一度読めば、伝わるはずだと甘えていたのかもしれない。



話を元に戻そう。



左翼・自称リベラルは、この対談を呑気に歓迎しているが、
私はどうも楽観視することができない。



それは、この対談(雪解けの動き)が
日本の平和主義者が参加しない形で進められたからだ。




①北朝鮮の脅威など存在しない
②平和条約の締結と合わせた核廃棄を北朝鮮は当初から提案し続けている
③一方的な武装解除を求めて経済的軍事的圧迫をかけても効果はない


以上、3点を4~5年前から繰り返し具体的に説明してきたのだが、
この考えが日本の政治家や知識人の間に浸透するよりも先に
米韓の政治家のほうが動いた。


これは換言すれば、日本の左派が継続的に
アメリカや日本、韓国の軍事的経済的包囲網に
異議を唱えてきた苦労が報われたというよりは、

平和の旗を振りながらも、いざ北朝鮮が相手となると
途端に政府と一緒に北朝鮮を悪魔化してきた過程で
ふと湧いてきたにすぎないと言えよう。


実際、大半の平和主義者は核のことには言及しても
さらに踏み込んで経済制裁の完全撤廃、ならびに
朝鮮半島からの米軍撤退を主張してはいない。


北朝鮮が核を捨てるか否か。

ただ、それだけが彼らの関心事であり、
肝心の北朝鮮の民衆の生活や安全の確保には
さして興味がないのではないだろうか?

そう思えてならないのである。


・・・とこれだけ書いても、
言葉不足でやや説得力がないだろう。


生憎、時間が足りないので
詳しいコメントは明日の夜に改めて書くつもりだ。


繰り返すが、私が気にしているのは

一連の和解は、政府のみならず、
日本の平和運動の北朝鮮に対する敵意を骨抜きにして
進められたものであり、安倍だけでなく左翼も蚊帳の外にされていた


という事実について、当事者があまりにも無自覚ではないかということである。


今後の交渉・行動自体では、
北朝鮮はまた核開発に着手するかもしれないが、
その時に日本の平和主義者は北朝鮮の側に立って弁護できるだろうか?


核をなぜ手放せないのか(その理由はこれまで何度も説明してきた)
について、特に考えず、核開発を行うという理由をもって、
また政府と並んで北朝鮮バッシングに奔走しないだろうか。


そのような不安が拭えないのである。

(2へと続く)



トラックバック機能が廃止された

2018-02-14 00:01:49 | 日記
他サイトにトラックバックを送ろうとしたところ
アドレスを貼り付ける欄がないことに気づいた。


去年の11月末に送受信が出来ないようにしたらしい。
つまり、これでRSSにでも貼り付けられていない限りは
記事を書きあげても誰も気づかないということになったわけだ。


TwitterやFacebookの機能は失われていないので
そちらを利用して宣伝しなければならないようだ。


非常に煩雑な作業を強いてくれたGoo社には感謝の意を表したい。