時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

どっちが非人道的なのやら

2013-05-28 23:41:24 | 北朝鮮
朝鮮新報からの引用。


長野朝鮮初中級学校で22日、恒例の田植えが行われた。
児童・生徒、教員、日本市民ら約70人が参加した。

この活動は17年前、日朝県民会議が
朝鮮に送る「支援米」を作ろうと呼びかけて始まった。

しかし、日本政府の対朝鮮経済制裁により
「万景峰-92号」の入港が禁止されると、朝鮮に米を送れなくなった。
その後は、児童・生徒たちに「食べ物の大切さ」を知ってもらおうと、活動が続けられた。


総連の人たちの言う「食べ物の大切さ」とは、
私たちが思う以上に重い言葉に違いない。

先日、ブログで現共産党員と元共産党員との間の馬鹿馬鹿しい
ぼやきについて言及したが、その中に北朝鮮を嘲笑する文句として
「腹へってるんでしょーね。あの国の人々は」というのがあった。

そりゃ減ってるだろーよ。どこぞの国が意地悪をして米を送らないからな。

現在の北朝鮮の農業は、やはり全員を満足に食わせるのには
不十分で、不足した分を国連や中国から支援してもらっているのが現状だ。

もし本気で向こうの国の人に同情しているのなら、食糧支援を民間レベルで
やれよと私は言いたい。言いたくはないが、人権がどうのとほざいている
連中のなかで、米を一俵でも送ったことがある輩が一人でもいるだろうか?

現実は、少しでも農業を発展させようと気象衛星を飛ばそうものなら
鼻息を荒くして「事実上のミサイル」発射と罵倒しているじゃないか。

その種の悦にいった正義感がどれだけ残酷なのか重々知ってほしいものである。

私は核や軍事など、莫大な金が回る一方で少数の人間だけが
恩恵を賜るありとあらゆる事業に対して反対の姿勢を取っている。

だから、当然、北朝鮮が非核化をすることにやぶさかではないし、
なるべくならそうしてほしいと思っている。だがしかし、核を
保有していることを口実に、兵糧攻めにするなどとは、あまりにも
非人道的ではないか?

何も北朝鮮のすべてに賛同しなくても、米は送れるのだ。
人道や人権を本気で考えているならば、送るべきだと私は思う。

経済「制裁」について

2013-05-28 23:38:45 | 北朝鮮
インターネット辞書のコトバンクによると、制裁とは

法律や規則、また慣習・伝統などの
社会的規範に背いた者に対して加えられるこらしめや罰

であるらしい。

平壌で毎年行われている平壌春季国際商品展覧会が今年も開かれた。
同展覧会には、北朝鮮をはじめドイツ、マレーシア、モンゴル、
スイス、シンガポール、オーストラリア、イタリア、インドネシア、
ポーランド、中国、台湾の140余りの企業と駐朝大使館が参加した。

朝鮮新報によると、展示ブースを出した企業は、
朝鮮との積極的な経済貿易交流を希望していたらしい。

朝鮮新報が総連の傘下である以上、本当に希望していたかどうかは
微妙なところだが、それは別として、少しでも経済を向上させるために
北朝鮮もあの手この手と奮闘していることがわかった。

記事にはヤシの実を原料とした合成洗剤を目玉商品とする
北朝鮮のメーカーが紹介されていた。

手に優しくて臭みがなく低価格で人気が高いらしい。
とはいえ、ライオンなどの日本企業の製品と比べれば
その質はグンと下がるだろう。

当たり前の話だが、商品を生産するには原料が必要であり、
利潤を得るには他国との貿易が必要である。

日本では孤立した軍事国家として紹介されているが、北朝鮮もまた
他国と交流し、モノのレベルで交流することなしに存続することはできない。

経済制裁と称して、国際経済の環から北朝鮮を追い出せば
一番困るのは、北朝鮮の各企業であり、そこで働く民衆なのだ。

国際経済に参加できないよう圧力をかけ、いざ経済が悪化し
結果的に貧窮が進むと、「やはり独裁国家だ!」と囃し立てる日本こそ
よっぽど独裁的でスターリン的(※1)だと私は思えてならない。

※1
私は「悪」とか「けしからん」とか「横暴だ」と言う罵りの
代名詞として、やたらめったら「スターリン」という単語を
振りかざす連中が嫌いである。言葉を乱暴に扱いすぎる。
これは、戦時中の何か気に食わない連中にたいして
「非国民だ」と叫び迫害したケースと酷似していると私は思う。

ちょっと笑ってしまった本

2013-05-26 00:57:44 | 反共左翼
社会批評社という出版社は、イラク戦争や国歌斉唱問題、
トヨタの外国人労働者に対する奴隷労働などなど、なかなか
骨太な本を出版しているのだが、なぜか共産関連になると全然ダメになる。

社長が全共闘世代であるという所から容易に想像がつくが、
この世代の連中は日本共産党をバッシングすれば
それで万事うまくいくという宗教に凝ってるようで、
定期的にその手の本を出している。

で、今回紹介する本は『検証 学生運動』というのだが、
著者の名前が「れんだいこ」である。

れんだいこ?
筆名にしてももう少しマシなのはなかったのだろうか。
思いっきり2ちゃんのハンドルネームじゃないか。

この著者は全共闘世代らしくホームページもあるのだが
中身は基本的に共産主義のバッシングであり、
本気でマルクス主義を評価しているのか
さらさら怪しい御仁である。

なにもこいつに限った話じゃなく、おなじみ加藤哲郎などの自称マルクス主義者は、
現存の共産主義勢力に対して自国の歴史を改ざんしたりマイノリティを日々弾圧、
あるいは差別をしている極右とつるんでネガティブ・キャンペーンを行っている。

現在、アメリカを中心とした帝国主義に対して猛然と抗議を行っているのは
むしろ、このラテン・アメリカやアフリカで活動している共産主義者なのだが、
反共左翼が彼らと一緒になって行動できるとは思えない。

さて、この歴史学の素人(加藤たちには絶賛されている)が執筆した本書、
ぜんぜん売れなかったらしい。以下、書籍紹介のページから抜粋する。

僅か2千冊の売れ行きが気になるほど
学生運動に対する関心の低さにも気づかされた。

早大4万学生の一割が手にすれば容易に完売になるというのに、
全国中に広げてもそうはならないという現実になっている。

学生運動ガイダンスとしての必読書であると自負しているが、
今のところそういう評価まではいただいていない。

書店における左派物図書の取り扱いの不遇も知った。

筆者の学生時代の記憶では所狭しと並べられ
一段や二段は占拠していたはずだが、大手書店でさえ
コーナーそのものがなく今や見る影もない。

左派運動の凋落ぶりを改めて知らされた。
この現実を如何せんか。我らが青春の意地を賭けて棚段復活に尽力したい。

れんだいこ本で段を埋める
快哉日を早く迎えたい。


いやいや、ねーだろ。
私は東ドイツのマルクス主義哲学の本をいくつか持っているけれど、
シュティーラーとかダヴィドフとか、それなりに拍のある名前の人間が多い。

外国でいえば、パブロ=ネルーダ、ユリウス・フチーク、パブロ・ピカソ
日本の共産党でいえば蔵原惟人とか鯵坂真とか結構立派な名前である。

こんなおちゃらけたペンネームの奴が書いた本がリスペクトされる時こそ
日本が本気でヤバい状態になった時だと私は思う。

まー、そういう人間をよりによって「すげー!」と褒めちぎる
加藤やその取り巻きがどれだけ低レベルかがよくわかる話だが。

話を戻すと、全共闘世代の連中は自らを「新左翼」と称し、
共産党を「旧左翼」と貶めた上で勝手に行動し、勝手に仲間割れを
起こして勝手に自滅していった。これが事実である。

であるからして、当時から共産党はその動きがヤバいと散々警告しており、
いくつかリアルタイムで批判の書を書いている。

本来なら、「検証」とか「反省」とかを考えているのなら、
「共産党の言い分はこの件に関しては正しかった」と書くべきだ。

何も共産党を崇拝する必要はないのだから、「この件に関しては」
反省し、他の点では堂々と戦っていけばよい。

だが、それを反共左翼はできない。

本書や同じく社会批評社から出された『検証 内ゲバ』、
『新左翼運動その再生への道』では、なぜか(本当に理解不能だ)
共産党と新左翼がごっちゃにされて批判されている。

それも共産党の批判のほうが多い。

いやいや、お前ら「共産党とは違うんだ!」と当時は大口叩いておきながら
いざ失敗したら「俺たちと共産党、どちらにも深刻な問題がある」と神妙な
顔で説教しやがるんですか?ふーん、あっそう。

もう亡くなったからあまりきつい言葉を言いたくないけれど、
『内ゲバ』の共著者の「いいだもも」(こいつもDQNネームだな)の
内ゲバ論は本当にひどい。自分たちの失敗は共産党の組織体制にあり
ということにしてしまっている。そんな奴を共著者に入れるほうもアレだ。

歴史的には、こいつらの行動があまりにも反社会的だったので、
当時の共産党は票数を逆に多く獲得し、一気に議席数を増やした。

逆に社会主義を掲げながら国家主義でもある何をしたいのか
よくわからん社会党は、連中を支持していたので不評を買い議席数を減らした。

はっきり言って、味方の足を引っ張った連中であり、こいつらのせいで
マルクス主義そのものに邪教のイメージ(中国の文革やカンボジア虐殺
も当時あったし)がつきまとい、日本でマルクス主義が凋落していった
と私は思う。彼らに残されたのは、政府に対して月並みな批判をしながら
現存の共産主義者をバッシングし、弾圧の手伝いをする道しかなかった。

とはいえ、社会党なんて憲法制定の当初から国家が主権だよと書いたり
はっきり言って本気で社会の変革を考えていないのが見え見えの連中
だったから、本質は変わっていないのだ。

今の権力者が求めているのは、こういった左翼だと思う。
右翼が右翼的な行動を取れば批判を受けるが、左翼がそれに
ゴーサインを送れば、世間はへーそうなのかーと納得するものだ。

大企業の労働組合がいつのまにか企業側のエージェントに
なっていったのと同じくらい、こいつらもまた体よく利用されている気がする

最近の北朝鮮報道について

2013-05-25 23:44:36 | 北朝鮮
ここ最近、多忙だったので書き込みをサボっていた。

ここ最近の北朝鮮報道で目を引いたのが朝日新聞の一面記事。
「強硬」姿勢をとっていた北朝鮮が中距離ミサイルを撤去したぞ、うわーい
という、例によって例の如くのアメリカ側視点の記事だったのだが、
まさにその日、短距離ミサイルが発射されたのだ

本来ならここで特集記事なり緊急報道なりがされるはずなのだが、
訪朝中の出来事だったので大げさに騒ぎ立てることもできず、
あっという間に収束してしまった。

中・長距離ミサイルは騒いで短距離はスルーという
この適当な姿勢こそ日本が本気で非武装化を考えて
いない何よりの証拠だろう(敵がいないと軍事化する口実ができない)

また、今回の報道で、日本の情報力がズタズタなのが
改めて明らかになったと思う。

なんだかんだで日本のメディアは韓国の情報を
お下がりしてもらえないといけない体たらくである。

その程度の情報力で中傷を日々行っているわけで、
やはり一歩引いた地点から観察する必要があると思った。