時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

八重山事件について

2012-09-22 19:08:45 | 歴史全般
最近読んだ沖縄問題の本から。

八重山事件の詳細は、他のサイトに譲るとして、
個人的に思うのは、作る会が作った教科書を使わないなら
教科書は無償で支払わないぞとあからさまに脅迫し、かつ
その通りに実行したことである。

保守系の政治家と政治団体に後押しされた
保守系自称教育者が教育長となり教育に圧力をかけ、
逆らう市区町村には経済制裁を下す。

しかもそれがさしてニュースにもならない。
圧政や独裁といえば、共産主義国を連想するよう
我々は洗脳されているが、実際は自国内で平然と
なされているようだ。

にしても、沖縄戦という多大な犠牲と
琉球処分という侵略行為、米軍による占領、
おまけに米軍基地という犠牲を強いられてなお、
大日本帝国は素晴らしいんだ!と言い張る教科書を
乗せたがる石垣市教育長たちは何者なのだろうか。

ズブズブという擬音語が聞こえてくるようだ。

追記
八重島事件といい、大阪市といい、
教育委員会を悪者に仕立て上げ、教育に政治を介入
させる最近の行為は目に余るものがある。

大津市のいじめ事件にしても、単に教育委員会を
攻撃したいという保守系に押されてなされたものでは
ないだろうかと邪推してならない。

朝日の記事がひどい

2012-09-22 19:07:17 | マスコミ批判
http://www.asahi.com/international/intro/TKY201209210672.html?id1=2&id2=cabcajcc

世間一般では、朝日新聞は左翼ということで通っているのだが、
実際の朝日は政財界の言い分をそのまま伝えるだけのゴミくずで、
それは、ここ最近の反日デモにも大きく表れている。

上の記事を要約すると、反日デモに便乗して賃上げやストが多発しているが、
キヤノン中国工場の担当者は、「トップクラスの給料なのに」と戸惑っているらしい。

この記者は、キャノン側の意見は載せる一方で、では具体的に中国人労働者の
平均収入はどれくらいかも、実際にキヤノン工場労働者がどれほど取得しているか
も全く載せていない。

雇用側が自分たちに都合の悪い情報を流さないのは良くあることだ。
「トップクラスの給料」というのは発言者自身の感想であり、事実ではない。

発言者にとっては「トップクラス」であっても、そもそも平均賃金が
とても家族一世帯が安心して暮らせる金額ではないとしたら?

何を基準にトップとしているのか?

このような点について何一つ調べもせず、人事の言葉を
そのままコピー&ペーストして記事として載せてしまっているのである。

このような状態だから、経産省が「原発は安全」と言ったら
そのまま広告を載せて宣伝係を演じ、福島で事故が起きたとたんに
「プロメテウスの罠」などという、あたかも自分は関与していないかの
ような企画が載せられるのだろう。

消費税に関しても大飯原発にしても、すべて権力側の言い分を
そっくりそのまま繰り返して喧伝している。

そもそも、労働運動というのは、少なくとも日本においては
働くすべての人に認められた権利だ。それを行使することに
苦言を呈する記事を載せるとは言語道断である。

今回の騒動は、日常的な外資企業に対する不満が根底にあり、
国内における日本人雇用者と中国人労働者の経済格差が背景として
あるのではと私は述べてきた。

そのような点にスポットも当てず、賃上げや職場環境の向上を
目指す人々に対して、「便乗」などという言葉を用いて
こき下ろす。どうしてこうまで堕ちてしまったのかと不思議でならない。

近現代史教育に力を?

2012-09-16 18:44:54 | 歴史全般
「近現代史教育に力を」 橋下氏、竹島領有問題めぐり(朝日新聞) - goo ニュース


どうも橋下氏という方は言葉と行動が矛盾した人間らしい。

上の記事では、同氏は

「韓国が何に怒っているか。かつての日本の植民地政策と絡み、
 竹島は韓国のプライドそのもの。多くの日本人はその認識を持っていない。
 相手と論戦するには相手の立場を知らなければ。
 近現代史教育に力を入れる必要がある」

と語ったらしいのだが、当の本人は慰安婦について
強制の証拠がないと無知さをさらけ出しているのである。

強制の証拠は本格的に慰安婦が問題化した1993年以前から存在し、
しかも、吉見義明教授の調査から軍の関与と強制が明記された
公文書が発見され、それをもとに河野談話が行われたのである。


その後の研究も進み、さらに2000年に開かれた国際裁判を皮切りに
アメリカ、オランダ、EU等々の裁判や議会でも慰安婦の違法性に
ついて可決された。つまり、ナチスのホロコースト同様の戦争犯罪
として国際的には認知されているのだ。

これは歴史のみならず、国際常識も伴う知識であるはずだが、
橋下氏は歴史研究者の研究所を1冊も読んでいないらしい。


竹島に関しても、どうも江戸幕府や明治政府が同島を韓国領と認めた
文書や地図が多数存在することを知らないようで、わざわざ
維新の会のロゴマークに竹島と尖閣を含めた地図を載せている。


橋下氏は大飯原発の際も、わざわざ箇条書きで
安全性を確かめろと吠えたてたわけだが、
その安全性がはっきり立証されないうちに、
発電側が今夏は原発なしには乗り切れないと試算した途端に
態度を180度回転したどころか、
「再稼働なしならエアコンなしで夏を過ごしてもらうが
 覚悟があるのか」と市民を脅しにかかってしまった。


以上を通してみてわかるように、
どうも同氏は表向きは正論を掲げておきながら、
実行の際には、脅迫に近い形で正反対の行動をとるらしい。


維新の会では反原発をマニフェストとして掲載しているのだが、
これも、何だかんだと屁理屈をこねて反故にする可能性大である。


歴史教育にしても、井沢元彦程度の小悪党をリスペクトしているし、
被差別を研究テーマにしている大阪人権博物館に
「内容が暗い!」と圧力をかけてきたし、
やっていることは
どう考えても歴史を知らない人間がすることだ。

彼の語る歴史とやらは、日本にとって都合の悪い事実は
すべて揉み消し、代わりに存在しない美談で飾り立てた神話なのだろう。

それは近現代史教育ではなく、ただの洗脳だ。


自虐史観と得意げに語る輩に対して
毎回思うのだが、彼らが激怒する北朝鮮のキム家崇拝と
彼らがお説きになる出鱈目話のどこが違うのだろう?

他方で日本で都合の悪い事実に対する批判は全て反日とみなし、
その他方で韓国や中国の歴史を罵倒し嘲笑する。

同じ穴の狢という言葉を知らないのだろうか
と、彼らの足りない人間性と知性について頭を抱えてしまうのだ。

中国の「反日」デモについて

2012-09-16 16:42:15 | 国際政治
反日デモ、16日も中国各地で 成都では学生ら5千人(朝日新聞) - goo ニュース

中国での日本企業を主としたデモが問題視されているが、
私は、新聞やメディアには、むしろ手を叩いて絶賛してほしいと思う。

というのも、今まで日本のメディアやブロガーは
中国共産党を大悪党として位置づけ、チベットの暴動を
はじめとして各地の民衆の運動を讃えてきた経緯があるからである。

メディアやブロガーは今まで反日も中国共産党によるものだと散々吹聴してきた。
しかし、きちんと現地で取材・研究してきた学者やジャーナリストによれば、
反日運動は民衆の本意から起きているものであり、
共産党は逆に彼らの感情を封じ込めることに躍起になっているのである。
(今回の暴動も共産党は警察を動かして暴動を止める側になっている。)


今回の反日運動は今に始まったことではない。
これまで、日本企業は中国に工場を建て労働者を酷使してきた。

そのことに対する不満というものは相当にあり、
過去のデモでも度々日本製品に対するボイコットが行われてきた。

そのような積もり積もった感情が
今回の尖閣列島購入で爆発したわけである。

そういうことなので、これまでの日本メディアの理屈からすれば
現地の中国人を家畜同然に扱う日本企業に対する怒りの声でも
あるこの暴動に対しては、絶賛こそすれ非難するいわれはない。


もちろん、筆者は怪我人や死人が生じるようなデモは
自粛しようという立場だ。だが、チベットのそれは称賛しておきながら
いざ怒りの矛先が日本に向けられると、鼻の息を荒くして
「けしからん!異常だ!ジャパンバッシング!」と
がなりたてる新聞やTV、ブログの面々に対しては
「はぁ?」という疑問を感じずにはいられないのだ。


ブロガーたちにとっては反日・左翼ということになっているらしい
朝日新聞も、あれやこれやと中国を非難し、日本には
一片の落ち度もないと胸を張っているのだが、それは違うだろう。


去年の漁船の事件の際の中国の反応を考えれば、
尖閣を購入すれば、暴動や経済制裁が降りるであろうと
筆者は予見していた。

その予想通りに今回の暴動が起きたわけで、筆者としては
「やっぱりな」と思いこそすれ、「けしからん」とは思わない。

世論とメディアは、前中国大使である丹羽宇一郎氏が
東京都の尖閣購入を批判した際にも、
「けしからん!売国奴!反日め!」
と悪口雑言を並べ立てた。

今でも、「尖閣諸島 丹羽宇一郎」とGoogle検索を
かければ、いかに「購入決定以外の道は断固として許さない」
という我々日本国民の強硬な姿勢が伺えるだろう。

別にそういう態度を否定はしない。
だが、こちらが強硬な姿勢をとれば、向こうも同様の姿勢を
とるのであり、それが向こうで生活をしている日本人の安全を
脅かすのは、必至だろう。

暴動が起こることは確実なのに、わざわざ購入を、それも
中国や台湾に通知すらせずに決定してしまった日本外交のミスと、
購入に対して全くの無批判を貫いた世論こそ問われるべきだ。


なぜ、こうなることが予想できたはずなのに、
いざ暴動が起きると、全ての責任を向こう側になすりつけて
自らを被害者ぶるのか?私にはさっぱりわからない。

相手の頬を思いっきりぶっ叩いておきながら、
叩き返されたとたんに
「異常な行為だ!自粛せよ!」
と相手を諭すのは何というか、かなり意味不明だ。

もしかして、こういう事態になるとは思わずに
その場の感情で動いているのだろうか?

何度も言うように、私は購入決定自体に異論はあえて言わない。
しかしながら、何の準備も対策もなくして行ったとすれば
それは大問題だ。

朝日新聞に至っては、今まで一度も尖閣購入の自重を
問わなかったし、今も国有化が正しい選択なのだと御高説を
唱えているが、同様のことを原発問題で「環境保護に必要」
「設備は安全」などとほざいていたわけで、あちら側にとって
みれば、侵略を認める発言にしか見えないだろう。

結局のところ、朝日新聞は外務省の言い分を
そのまま活字化しているだけだ。まるで考えていない。


考えなしに行動すれば、相応のしっぺ返しを
受けることになる。その意味を今回の暴動で知るべきである。


追記

朝日新聞は、原発は安全・原発はクリーンといった
2面丸々を使った経産省の記事広告を掲載しておきながら、
いざ放射能が漏れた途端に、「プロメテウスの罠」という
反原発ルポを掲載し始めた。

罠も何も、仕掛け人の中にはお前たちも
いただろうと口を尖らして抗議したい。

その割にいざ大飯原発が再稼働されそうになる際には
「今夏は電力不足になる可能性大」といった論調で稼働に賛成し
不足どころか余ったかもしれないという調査報告が出されるや否や
即座に反原発のポーズをとった。

今や朝日新聞は只のスピーカー以下の存在だ。
権力側の言い分をただそのままコピー&ペーストするだけで
その発言について検討しようとしない。

そればかりか、自分たちが責任の一端を担っているという
事実について無感覚でいるのは恐ろしさすら感じる。

ほかの新聞も似たり寄ったりで、このままでは

「中国が尖閣を狙ってくるから防衛力を上げて改憲し
戦争ができる状態にしなければならない」

とかいって、9条を放棄して軍備拡張を行い、

「中国の軍艦が尖閣周辺の領海に侵入したから攻撃を
開始した」

とかいって、再び日中戦争を開始するかもしれない。

一億総突撃の事態になりかねない。
それも、国家権力など介さない民意による民主主義的な
自発的特攻を行ってしまうのでは?