時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

米国、アメリカ人のリビアからの撤退を要請

2014-05-30 22:19:37 | リビア・ウクライナ・南米・中東
北京週報からの記事。

----------------------------------------------------------
米国務省は27日に旅行警告を発表し、米国公民にリビアへ赴かないよう注意を促し、
リビアにいる米国公民に直ちに撤退するように提言した。

米国務省はこのように伝えた。
現在リビアの安全情勢は依然として「予測できずしかも不安定」だといえる。

リビアにいる米国公民は恐らく米国政府あるいは
米国の非政府組織と関係があると思われているため、
したがって米国人観光客は自分が拉致、暴力攻撃、
甚だしきに至っては死刑に処される目標となる恐れがあることを意識すべきで、
「現在リビアにいる米国公民は極度な慎重さを保ちまた直ちに離れるべきです。」


報道によると、米軍は緊急撤退行動に対応するため、
すでにリビア沿海に配置されているという。

2011年にリビア戦争が終結して以来、リビアの政局は不安定なままだ。

最近リビア国内の宗教勢力と世俗勢力が
国民議会の解散などの議題をめぐって衝突しどちらも譲らず、
対立する武装グループにより今月ベンガジなどの都市で
ひどい衝突の発生が引き起こされており、リビアの退役少将・ヒフタル氏を
支持する民兵武装グループもまた18日に国民議会に対して攻撃を発動しているという。

http://japanese.beijingreview.com.cn/jj/txt/2014-05/30/content_621848.htm
------------------------------------------------------

天晴れ、NATOと言ったところか。


連中の言葉によれば、カダフィを倒せば、
民衆に自由が訪れ民主主義社会が開けるのではなかったのか。


散々、自分たちの都合で振り回しておきながら、
手に負えなくなったら自分たちだけ撤退か。さすがは自由の国だ。



今思うと、これだけ衝突の激しい社会を一つにまとめ、
長年に渡り治安を維持させたカダフィがいかに優れていたかがよくわかる。


フランシス・ボイルの著書、「Destroying Libya and World Order」。
英語文献だが、この件に関心がある人はぜひ読んで頂きたい。

30年に渡るアメリカのリビア壊滅作戦を俯瞰することが可能だ。


さて、赤旗で実にくだらない記事があった。


------------------------------------------------
米大統領 “軍事一辺倒見直す”
対テロ新戦略の考え示す



オバマ米大統領は28日、
ニューヨーク州にある陸軍士官学校の卒業式で訓示を行いました。

「米国が内外で直面する最大の脅威はテロリズムだ」としながらも
「テロリストをかくまう全ての国に侵略するなどの戦略は、幼稚で維持できない」と指摘。

イラク、アフガニスタンでの戦争をふまえ、
対テロ戦略などで軍事一辺倒の対応を見直す考えを示しました。


~中略~


さらに北大西洋条約機構(NATO)や国連など
国際機関が地域紛争の解決に果たしている役割を評価。


紛争を国際法にしたがって解決することを支持すると強調し、
南シナ海の領有権問題で東南アジア諸国が
中国と「行動規範」を交渉していることを支持すると述べました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-30/2014053007_02_1.html
---------------------------------------------------------------------

NATOや国連などの国際機関は
地域紛争の解決どころか勃発を招いたのではないか?

リビアがその好例だ。



その後の中国とアジア諸国の話も、現在、中国政府が批判している
アメリカの干渉政策(中国をけん制するために東南アジアと関係を
密にする)のことを指している。

そもそも、オバマは大統領になる前から、結果が出ない軍事作戦には
反対の姿勢をとっており、そうだからこそイラクから兵を撤退させたのだ。

仮に今年中にアフガンからアメリカ兵が消えたとしても、
それは戦場を他の地域に変えただけにすぎない。


安易にオバマ大統領を信頼すべきではない。


拉致問題と在日問題

2014-05-30 18:58:03 | 北朝鮮
ミヤネ屋によると、今回の拉致問題の進展は
中国と北朝鮮の不和が背景にあるようです。

何でもかんでも中国ですね。
こういうゴミ解説を見ると、私にも解説員ができそうな気がします。


このミヤネ屋、北朝鮮の専門家として
拓殖大学(!)の教員にインタビューをしていました。



・・・どうして聞いちゃうかなぁ


よく知らない人のために説明すると、
拓殖大学というのは有名なプロパガンダ期間で、
ここだけには聞いちゃいけないはずなんですがね・・・


まぁ、ミヤネ屋だから、それぐらいしでかしてくれないと
逆に、どうしたんだろうと心配になりますけど。


赤旗では、消費税増税や秘密保護法、集団的自衛権など、
ここぞという肝心な時に安倍首相とメディア幹部が会食を
していることを指摘していました。いわゆる癒着ですね。


-------------------------------------------------------
メディア戦略を重視する安倍晋三首相が、
靖国神社参拝や消費税増税実施、集団的自衛権容認への検討指示など、
重要な政治行動の節目ごとに、マスメディア幹部と会食している実態がわかりました。

これらの問題で、首相がメディア対策に躍起になっていることを示すもの。
同時に、権力を監視する役割をもつメディアとしてのあり方が問われています。


昨年12月26日、
首相になって初の靖国神社参拝で世界中から批判を浴びた安倍首相。
その日夜に会食したのが報道各社の政治部長らでした。

首相の参拝には、米政府さえ「失望した」と非難したように、
日本による侵略戦争を美化・肯定する歴史逆流だとの批判が国内外から寄せられました。

消費税8%への増税を強行した4月1日夜には、
報道各社の記者と懇談、翌日には再び政治部長らと会食。


さらに、首相が執念を燃やす集団的自衛権行使の容認にむけて
検討を指示した15日夜には、各社の解説委員、論説委員ら幹部記者と食事しています。

このうち1人は、16日未明放映されたNHK「時論公論」で、
集団的自衛権問題について解説しています。


国のあり方が大きく問われ、世論も多数が反対している問題が発生しているなかで、
権力中枢と安易に接触する姿勢がきびしく問われます。


メディア・トップとの会食も相変わらずで、
なかでもフジテレビ・日枝久会長は3回、「読売」渡辺恒雄会長や
白石興二社長、「産経」清原武彦会長とは2回など、
安倍政権の改憲・増税路線を後押ししているメディアを特別扱いしている
実態も浮かび上がります。
また、4月からメディア幹部との接触が急増していることも目立ちます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-30/2014053001_01_1.html
--------------------------------------------------------------------

こういう有様だから、今回の日朝会談でも
肝心な部分に言及されていないような気がしてなりません。


つまり、在日問題についてのコメントです。



拉致問題ばかりに注目されていますが、
調査と引き換えに在日コリアンの差別解消が要請されているのですが、
はたして、無償化教育の除外や総連へ対する嫌がらせ、
国内のヘイト・スピーチへ対する対策などが今後、
真剣に検討されるだろうか?私はされないと思います。



また、拉致問題にしても、実態が明らかになるにつれて、
北朝鮮に対して憎悪を掻き立てるような報道が増えはしないか?

日本は冷静な態度で同国と付き合っていけるだろうか?


2000年代の右と左の境界を越えた北朝鮮バッシングを
知る限り、これもまた難しいような気がします。



本来は、拉致問題の解決と在日コリアンの地位向上は、
同時並行して行われるべきものなのですが、
そのような意識を持っているメディアや知識人がどれほどいるのでしょうか?


ドネツクの学生、平和の歌を歌う。ドンバスの炭鉱労働者、ウクライナ軍撤退のデモを行う

2014-05-30 00:55:36 | リビア・ウクライナ・南米・中東

http://rt.com/news/162092-ukraine-miners-protest-peace/

27日の水曜に、ドンバスの炭鉱労働者たちが
ウクライナ軍の撤退を求めてデモ行進をしたそうです。
(上記のサイトでは、デモの映像もアップされています)

今まで彼らは、集団で政治的活動を行うことは控えていたのですが、
ここ数日のウクライナ軍の空爆と銃撃に耐えかねたようですね。





反テロ作戦と称して、民家が襲撃されていることは前にも書きましたが、
軍に包囲されているスラビャンスクやクラマトルスクでは、
上空を戦闘機が飛びかい、いつ自宅が砲撃されるかわからない状況です。


ポロシェンコ氏は、依然、軍の撤退を認めませんが、
最低でも休戦状態に持っていかないと、どのみち作戦が成功したとしても、
同地域の民衆が抱く中央政権への反感を抑えることはできないでしょう。




http://rt.com/news/162008-ukraine-shelling-slavyansk-school/
空爆の被害にあうウクライナ市民。

彼らの意見を代弁するかのごとく、ドネツクの高校生は
平和の歌を合唱しました。Youtubeで閲覧が可能です。

http://youtu.be/USPItWqZThY

高校生たちは、次のような言葉を残しています。


「私たちの中心的なメッセージは、暴力に責任がある人々に向けたもので、
 彼らに一刻も早く、混乱を止めるよう訴えています。
 不戦の歌であり平和の歌です。戦争は伝染病のようなものです。
 どこにでもあり、撲滅が求められるのです」

「軍事作戦が、どこでも行われています。爆発音がいつも聞こえます。
 それは子供たちにとってひどく恐ろしいものなのです。
 私たちは、お互いに愛し合うこと、理解しあうことが必要なのだ
 と気がつくまで、いくつもの死体を見なければならないのでしょうか?」

  http://rt.com/news/162148-tv-anchor-tears-donetsk/
 (あくまで、直訳と意訳をごっちゃにした試訳ですので、
  興味がある方は本記事を閲覧することを勧めます。)



こういう訴えこそ、NHKや朝日新聞は報道すべきでしょう。

日中戦争やベトナム戦争の際に、従軍記者の中には兵士の虐殺を見ても
なお、不思議に思わず当然視する者もいたという話を聞いたことが
ありますが、特派員の方々は、何を見て何を感じているのでしょうか。



http://rt.com/news/162008-ukraine-shelling-slavyansk-school/
ツィッターやフェイスブックで抗議運動が行われています。
こんな小さな子供たちにも出来ることを
大人の日本人が出来ないのは恥ずかしいことです。



一般人に求めはしませんが、せめて、最低でも、
平和や人権を売りにしている言論の人間、知識人、
研究者、人権運動家の人たちには実行してほしいものです。

絶対にやらないとはわかっているけれど。