聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

″偏り″のない社会へ…

2012-03-14 11:54:31 | 洋画クライムサスペンス・ミステリー
考えれば考えるほど
色んな受け取り方ができる法廷サスペンス。


日本で3年前に裁判員制度が導入され、
1人の人生に国民の意見が反映されるのにも
慣れてきた今日この頃。


改めて、それはとても怖い事でもあるよなぁと思いました





評決のとき


原作は「ペリカン文書」や「依頼人」などでもお馴染み
アメリカを代表するベストセラー作家
ジョン・グリシャムの″A TIME TO KILL″


出演陣は今なら主役級ばかりで
24-TWENTY FOUR-で返り咲いた
キーファー・サザーランドは親子共演していますよ




舞台はミシシッピ州架空の街クラントン。
黒人が多く暮らすその地区で
10歳の少女がレイプされ、殺されかけます。

犯人は2人の白人男性だと判っているのに
無罪放免


許せないのは少女の父親
カール・リー・ヘイリー(サミュエル・L・ジャクソン)
報復の為、2人を殺します



彼を弁護するのは
同じ様に1人の娘を持つ白人
ジェイク・タイラー・ブリガンス(マシュー・マコノヒー)



通常なら状況から
精神病で無罪という判決もあり得るのですが
陪審員も全員白人。


まだまだ差別が激しく
"白人が黒人を弁護する"というだけでも
嫌がらせを受けてしまいます


そんな逆境の中、
ブリガンスは、死刑反対を貫く法学生
エレン・ロアークサンドラ・ブロック)と共に
"正義"を信じて戦います


さて、圧倒的に不利な状況で下された判決とは


頑なに映画化を拒み続けてきた原作者が
自らもプロデューサーとして参加した
ジュエル・シュマッカー監督の96年の作品です
















個人的にこの映画のテーマは
"偏り"だと感じました。



この映画を語る上で、避けて通れないのが
"人種差別"ですよね。


お恥ずかしながら、知らなかったのですが
現在もまだ存在し、某元大統領までがそうだったという
KKK(クー・クックス・クラン=白人至上主義)


これは黒人より白人が優れているという
偏った見方ですよね。


ただし、このKKKの中にも
ロアークを助けたミッキー・マウスのタトゥーを入れた人がいた様に
必ずしも"偏った"人ばかりではないというのも
同時に描いています。


警官の中にもKKKがいたり、
黒人の地位を向上させるためだと言いながら
甘い汁を吸おうとする人がいたり…


世の中はそういう風に
ほとんどが両極端ではないところで
物事が進んでいるんだと匂わせているんだと思いました




ちなみに、見終えたらうちの旦那さんが
「で、ミッキーマウスは誰だったの」と尋ねていましたが
誰でもいいのではないかと。



つまりここで描きたいのは
悪い人もすべてが悪なのではない。
逆もまたしかりで
たまたまの、例としての存在だったのではないかと思うんですが
如何でしょう






ところでこの映画はリーガルものなので
当然判決が気になる訳ですが、
結局、これだけの不利な状況で無罪。


まあほとんどの人がこの結果を判って、
求めて、
見ていると言ってもいいんじゃないかな

そのハッピーエンドが
どんな風に描かれるのかが知りたくて。


個人的にはスカッとする快感と同時に
人が人を裁く危うさも覚えました。



だって


あれだけ、"有罪"有罪″と言っていた人達が
黒人のから白人に置き換えただけで
無罪

ちょっと安易すぎじゃありません



それともそれほど人種差別が根深いものなのか、
この危うさこそ社会に一石を投じたものなのか…




しかも人1人の命が失われてるのに、無罪


見る人、それこそ人種によって
受け取り方が大きく変わる作品かもしれませんね


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