道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

04/08 「こだわり釜めし」と「地釜炊釜めし」

2013年04月08日 | インポート

【こだわり釜めし】

掛紙はオレンジ色の地に版画のようなデザインの「こだわり釜めし」は、山陰本線・和田山駅の駅弁。
掛紙の下には釜飯でお馴染みの焼き物の器。
中身は釜飯なのでご飯の上に具がたっぷりのっている。まず目を引くのは3枚並んだ松茸のスライス。噛み締めると松茸のあの香りが口の中に広がって美味い。真ん中の黒いものは黒豆。手前の肉は牛肉。
そのほかに栗、海老、キヌサヤ、錦糸玉子、生姜がのっている。このおかずのラインナップはちょっと変わっている。
松茸、黒豆、栗は丹波地方の、牛肉は但馬地方の名産品。和田山駅周辺の名産品を釜めしにのっけているという感じ。とはいえ、ここに使われているものはおそらく丹波の栗でも、丹波の松茸でも、但馬牛ではないと思う。
これらを全部使っていたらとても1000円のえきへ゛んにはならないはずだ。駅弁はあまり高くないないことも大事なポイントだ。
それでもこの駅弁は十分に美味しく雰囲気も伝わっている。

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【地釜炊き釜めし】

2003年1月の阪神百貨店駅弁大会でデビュ-した「地釜炊き釜めし」は、山陰本線・和田山駅の駅弁。
釜にご飯を詰めるのではなく釜でご飯を炊く駅弁。(信越本線・横川駅の峠の釜めしと同じ)。本体も蓋も陶製の釜飯容器を、掛紙代わりの厚手のボ-ル紙を巻いて留める。
中身は醤油味のご飯の上に牛肉や松茸や海老や栗や錦糸玉子を整然と詰め、中心に丹波野黒豆を添える。これは同じ駅の駅弁「こだわり駅弁」のコビ-なのではないか。
ご飯のおこげに牛肉や黒豆の風味は、出来たてはもちろん冷めてからもいける。評判もよく、毎年の阪神百貨店の駅弁大会では一番人気で大行列をつくっている。

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04/06 「とりの釜めし」と「秩父釜めし」

2013年04月06日 | インポート

【とりの釜めし】

フタも陶製の釜飯駅弁用陶器に茶色い掛紙をかけて、割り箸ごと赤い紐でしばる「とりの釜めし」は、中央本線・小淵沢駅の駅弁。
中身は茶飯の上に柔らかく鮮度の良い甲州味鳥(かいみどり)を使用したこだわりの鶏肉を使用し、牛蒡や白州の森で原木から採り出した椎茸や山菜や栗や舞茸、野沢菜などがところ狭しと敷き詰められている。
鶏は炭火で焼いて香ばしく美味い。椎茸、栗もほどよく甘味が付いており、冷めてから食べても大丈夫な味に仕立てている。

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【秩父釜めし】

埼玉県唯一の私鉄駅弁「秩父釜めし」は、西武鉄道・西武秩父駅の駅弁。
駅弁販売駅が少ない埼玉県を代表する私鉄駅弁は、昔ながらの釜めし。
赤と黒を基調にした掛紙を取りフタを開けると、醤油風味の懐かしい臭気が鼻腔をくすぐる。
内容は、ご飯の上に秩父産のコンニャク、ゴボウ、クリ、山菜、タケノコなどをのせたクラッシックスタイル。
ご飯にも素材にもダシ汁の味がよく染み込んでおり、素朴な味だがしっかりうまい。フタまで陶製の容器は再利用できる。

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04/05 「峠の釜めし」と「松茸の釜飯」

2013年04月05日 | インポート

【峠の釜めし】

駅弁ランキングで常に上位にある「峠の釜めし」は、信越本線・横川駅の駅弁。
安中市松井田町にある店が製造・販売している駅弁である。薄い醤油味の出汁で炊いた炊き込みご飯が、益子焼きの釜に入っている弁当。この釜めしは、よくある釜飯風の駅弁のように、釜型の容器にご飯や具を盛り付けただけの駅弁でなく、益子町の窯元「つかもと」で製造される、専用の容器に、生の米から炊きだすため、お米、出汁、具を盛り付け、実際にこの釜で炊飯したものを暖かいうちに提供する本物の釜飯である。
釜の上半分の上薬が塗ってある茶色の部分には「横川駅」と釜飯が売られる駅名が刻まれており、釜の上には厚さ5ミリほどの素焼きの蓋が付いており、さらにその上に包装紙が被せられ、紐で割り箸とともにくくりつけてある本格的な釜飯なのである。
そのため、この釜を持ち帰った後は、実際に家庭でも1合のご飯を炊くことができるので、旅のよい思い出にもなる。
この釜飯の具材は、鶏肉、ささがき牛蒡、椎茸、筍、ウズラの卵、グリ-ンピ-ス、紅生姜、栗、杏といった、素焼きの蓋を開けると、温かい湯気とともに、山の幸と里の幸の大ぶりな具材が香り立つ。これらの具材の下には、薄い醤油味の出汁で炊いた炊き込みご飯が隠れている。
また、別容器のプラスチック容器には、香の物としとキュウリ漬け、牛蒡漬け、小茄子漬け、小梅漬け。わさび漬けが付いているのも嬉しい配慮である。

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【松茸の釜飯】

中部エリアで最後の駅弁立売の「松茸の釜飯」は、高山本線・美濃太田駅の駅弁。
松茸の季節によらず、一年中販売されている。釜飯の駅弁でよく使われる、一人前サイズの陶製型容器に、茶飯を詰めて、おかずで覆い、やはり陶製のフタをして、漬物を別添し、掛紙をかけて、割り箸を置き、紐でしばる。
松茸は小振りのスライスであるが、飯の三分の一はこれで覆う。千円に達しない駅弁である割には、量が確保されている。
歯応えを感じるには厳しいかもしれないが、出汁をしっかり吸い、奥ゆかしい香りを感じられる。
煮物として添えられるタケノコとワラビとフキは薄味に仕立てられ、松茸の味にもマッチしている。少量の鶏肉も煮られて脂が抜け、とてもさっぱりしているから、やはり松茸を邪魔しない。
おかずの下にしっかり詰まる茶飯が、どの具に当てても引き立て役となる。これをグリ-ンピ-スとサクランボで彩る手法は、釜飯駅弁の定番である。

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04/04 「モー太郎弁当」と「竹取物語」

2013年04月04日 | インポート

●「駅弁」シリ-ズは今日で終了。明日からは「釜飯駅弁」シリ-ズです。
【モー太郎弁当】

松坂牛にも負けない演出も出色の「モー太郎弁当「は、紀勢本線・松坂駅の駅弁。
牛顔型の真っ黒なプラスティック製容器は、弁当箱として機能できる平面を確保できる範囲で、黒毛和牛の頭部を見事に再現している。
顔のフタを開けると、童謡「ふるさと」のメロディーが流れる。フタの裏に電子部品が貼り付けられており、これを暗がりに置くか子供が泣く疲れるまで、単音の電子音が響き続ける(最大60秒)。音が鳴る駅弁容器は20世紀にも存在したが、メロディー付き駅弁としては全国初。
ユニ-クな容器や電子音から一転して、弁当の中身はいたってシンプル。白ご飯の上に牛肉を敷き、紅生姜で色を取り、千切大根や柴漬けなどを添えるだけ。
一面の白ご飯を覆い尽くす牛すき焼き肉は、列車の車内照明の光を当てても輝いている。
霜降りとは言わないが、薄めで幅のある肉の赤身と脂身が混じり合う。赤身はとにかく柔らかく、この柔らかさは他の駅弁にはない。一方、脂身は香りも立ち、柔らかく、口の中で温まると溶けていく。常温の駅弁でこの視覚と味覚を味わえるのが松坂である。少々重たい脂身の豊かさは、白ご飯に合わせることで絶品の牛丼となる。
賑やかに感じた電子音、妙にリアルに感じた容器も、松坂らしい内容だとか、懐かしいメロディーだとか、ユニ-クで面白い容器だとか、非常に好印象な駅弁として旅の記憶に固定される。

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【竹取物語】

竹の中から美しい中身が顔を出す「竹取物語」は、東海道本線・新富士駅の駅弁。
1987年11月に誕生したかわいらしさでは今でも全国で屈指の駅弁。
不死の薬が入っているかもしれないような竹製の籠を、割竹の中でちょっと俯き加減な、小さくかわいらしい女の子を描いた掛紙で包む。
フタを取ればタケノコ、ホタテ、クリ、サクラエビ、キンメダイなどの、これまた小さくかわいらしいおかずが現れる。その下には、ゆで落花生が入ったおこわが敷き詰められている。
一言で表現すれば、釜飯風駅弁となる。多くの駅弁に入るタケノコ煮も、ここでは物語に欠かせないアイテムだと感じる。
サクラエビは基本的に駿河湾沿いの駅弁にしか見られない。食感と香りがたまらない小さな海の味。その横に添えられる黄色いクリは、釜飯風駅弁に欠かせない具材であり、ここでは駿河湾に浮かぶお月様にも見える。
富士市の名物であるゆで落花生を混ぜ込んだご飯の独特の風味がまた、おかずの味を引き立てる。

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04/03 「鮭の焼漬弁当」と「鰊みがき弁当」

2013年04月03日 | インポート

【 鮭の焼漬弁当】

鉄道の街で半世紀、非凡な「鮭の焼漬弁当」は、信越本線・新津駅の駅弁。
新津駅で1950年頃に登場し、半世紀以上の時を刻む名物駅弁。鮭をメインに据えた幕の内弁当「鮭の焼漬弁当」。
この駅弁、失礼ながら見栄えしない。肌色の包装紙を外してフタを開ければ、長方形の区画が整えられた白いプラ製トレーが目に付く。個々の区画には、ご飯やおかずや付け合わせが整然とため込まれている。
その中で長方形の区画にしっかり納まる焼き鮭が、駅弁の名前となるメインデイッシュ「鮭の焼漬」である。駅弁に焼鮭は珍しくないけれど、この焼鮭は尋常ではない。まず、でかい。塊と呼べる大きさで、区画に鎮座する。そして、食べると旨い。脂が乗っていて歯応えがある。それでいて柔らかい。塩辛さがむしろ心地良い。駅弁に入る鮭の最高峰がここにある。
これは鮭を焼いた後にタレに漬け込んだ、越後の国の郷土料理だそうだ。さらに、米どころである新潟県の駅弁であるから、ク-ルに香るコシヒカリの日の丸ご飯が素で旨い。鮭の焼漬に負けない大きさの玉子焼きとカニクリ-ムコロッケが、川の字を描いてトレーにぴったり納まる姿も、この駅弁の特徴であると感じる。

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【鰊みがき弁当】

見た目は地味だが実力派の「鰊みがき弁当」は、函館本線・函館駅の駅弁。
函館駅の名物駅弁「鰊みがき弁当」は、身欠き鰊の甘露煮とカズノコの味付けをご飯の上にたっぷり載せた、シンプルな内容の弁当である。
発売当初から製法が変わらないという甘辛な鰊は、口の中で身を崩しながら濃厚な旨味を広げる。
醤油風味のカズノコは、サクッとした歯応えを残してプチプチとはじける。これらが白ご飯の食を進めて、そしていて腹が満ちてくる。大根の味噌漬けと茎ワカメの箸休めもまた、中身を引き立てるいい役割を演じている。
面積が小さく底の深い木製の折箱に、漢字の「鰊」を大きく書いた包装紙を載せる。これが駅弁売店に置かれていなければ、何かが足りない気がするような存在感。見た目が地味であろうが、これが函館の駅に根付き、旅客に親しまれ続ける。半世紀の時を経た、名選手である。

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04/02 「湖北のおはなし」と「びっくりみそかつ」

2013年04月02日 | インポート

【湖北のおはなし】

おばあちゃんの味「湖北のおはなし」は、東海道新幹線・米原駅の駅弁。
竹すだれの容器が唐草模様の風呂敷に包まれ、見るからに雰囲気が良さそうな駅弁である。
中身は半分がおこわ、残る半分が滋賀県の湖北地方の名産物を詰め込んだおかずとなっている。
鴨ロ-ストには粒コショウが貼り付き、クセを消して香味を添える。玉子焼きは出汁がたっぷりで柔らかく、金色の色彩をおかずに与える。鶏肉のくわ焼きも小粒ながら味と香りと締まりがしっかりしている。小芋やコンニャクなどの煮物が心地良く、赤かぶやネギと唐揚げのぬたが田舎の味を出す。おかずの各種が仕切もなく折り重なる姿が賑やかな、滋賀県の湖北地方の名産物を詰め込んだ幕の内弁当だ。
普通のご飯のようにあっさりしたおこわは、夏の時期は枝豆、これが秋になると栗おこわ、冬には黒豆おこわ、春になれば山菜おこわに変わり、視覚と味覚で季節を演じる。
使い古されたフレ-ズであるが、湖北は琵琶湖の周りでは、日本の原風景がより多く残っている地域である。そんな琵琶湖北部の村に住むおばあちゃんが、囲炉裏で子供たちにお話を聞かせているようなほのぼのとした光景が、この駅弁のコンセプトだという。

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【びっくりみそかつ】

どえらい尾張の元気が詰まる「びっくりみそかつ」は、東海道新幹線・名古屋駅の駅弁。
1999年、新幹線700系のぞみ号の運行開始を記念して登場した駅弁である。
フタを開けると、ご飯とカツと付け合わせ。シンプルで分かりやすい駅弁もまた、人を集めやすい。
初めて食べる人はとにかく驚く。トンカツがびっくりするほど大きく、衣が完全にひたるほどタレにまみれて、その色がびっくりするほど黒い。
恐る恐る箸わ付けてみた。味噌カツには切れ目が入っておらず、プラスチック製のナイフとフォ-クが付属する。
一口サイズに切り分けて口に運ぶと、八丁味噌の濃厚な甘さと控え目な辛さが口元にまとわり付く。
ロ-スカツはそこそこ柔らかくも肉質が締まっており、これはタレにも白ご飯にも合う。見た目は怖いが味は旨い。そして分量以上の満足感が、味の重量感から生まれる。980円という価格も、満足を妨げない絶妙な設定だと感じる。
この駅弁が名古屋駅弁の味噌カツブ-ムの火付け役を果たしたという。

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04/01 「かつおたたき弁当」と「瀬戸の押寿司」

2013年04月01日 | インポート

【かつおたたき弁当】

駅弁には御法度とされる生ものを詰めている個性派の「かつおたたき弁当」は、土讃線・高知駅の駅弁。
ボ-ル紙のパッケ-ジには、中身にちなんで海やカツオなどのイラストが描かれている。中身は日の丸ご飯、カツオのたたき、その他おかずや付け合わせである。
メインディシュのカツオのたたきは、太めの冊が4切は入る。表面を炙られてスライスされたカツオは、刺身の味と皮の香りが口の中で混ざり消えていく。
ポン酢が2本と、ネギやニンニクやミョウガなどたっぷりの薬味も添えられるから、これで味に変化を付けてもよい。
白ご飯は分量があるので、組み合わせれば良いカツオ丼にもなる。煮物や漬物も添えられているから、弁当として申し分ない。
つまり、市中で食べられる土佐名物を、駅弁として列車の中で食べられるようにしたのである。
カツオのたたきは生ものである。駅弁は百数十年前から食品の安全に大変気を配っている。この駅弁は、売店でカツオのたたきを駅弁本体とは別に冷蔵してストックしておき、購入時に保冷剤と共に詰めることで、その販売が実現したのである。

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【瀬戸の押寿司】

見栄えの輝きに負けない味わいの「瀬戸の押寿司」は、予讃線・今治駅の駅弁。
今治駅の駅弁のうち、最も高価であり、全国駅弁十傑をランキングすればたいていランクインする駅弁が「瀬戸の押寿司」である。
方形の木箱のフタを上げると、一面、白いその真ん中に、大葉がただ一枚貼られる。葉の緑色が少々ぼやけている。容器に笹の葉を一枚敷き、白い酢飯を満杯に詰め、大葉を置いてから、鯛の身で一面を覆う。大葉は鯛の身を通して見えていたのである。それだけ鯛の身が透き通っている。各地にある押寿司の中で、見た目では今治駅のものが最も美しい。
押寿司であるから身もご飯も固く押されている中で、身はご飯より柔らかい。割り箸や添付のプラスチック製ナイフを当てても、抵抗は表面でなく内層で加わる。
それでいて、鯛の身は崩れない。来島海峡の鯛は潮の速さで身が締まるという。酢飯の合わせ酢は酸味というより甘味があり、鯛の塩気とほどよく調和する。
笹の葉の香りと大葉の味が、白身や酢飯の単調さに変化を付ける。味は見栄の輝きに負けてはいなかった。

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03/30 「鱒の姿ずし」と「百年の旅物語かれい川」

2013年03月30日 | インポート

【鱒の姿ずし】

富士山の雪解け水を活用した「鱒の姿ずし」は、御殿場線・御殿場駅の駅弁。
小さくかわいらしい、紅鱒の姿寿司である。細長い容器で酢飯に魚を合わせ、板昆布を貼り、魚の絵画もまたかわしらしい包装紙で包まれている。
鱒の姿寿司は昭和の頃まで全国各地で人気の駅弁となっていた。御殿場線でも戦前には山北駅の鮎寿司が全国的に知られていた。

天が魚に与えた流線型と、寸分違わず見事に形状を揃えた酢飯は白く輝くる食べやすいようにスライスされた鱒を見ればねその断面は白色に光る。何色と例えず昆布色と表現したい昆布の厚さと固さは、他に思い当たらない。歯応えを得るため嚙んでもよし、香りを付けて残してもよし。分量は控え目なので、景色を眺めながらの短い鈍行旅行にも丁度良い。

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【百年の旅物語かれい川】

九州新幹線の開業日に1日限りに作られた「百年の旅物語かれい川」は、肥薩線・嘉例川駅の駅弁。
南九州の無人駅で駅弁が売られ続けているという噂が、関東の駅弁ファンに広まった。果たして古く黒ずんだ木造駅舎の中で、その駅舎の写真を描いた掛け紙を巻く竹皮編みの弁当容器がテ-ブルの上で客を待っているる
フタを開けると、中身は茶色く明るかった。炊き込みご飯の上にはシイタケのタケノコの煮物が乗る。「ガネ」と地元で呼ばれるサツマイモ入りの天ぷらが、けっこうな大きさで2分割されて鎮座。コロッケの中にもシイタケとタケノコが入る。切り干し大根は春巻きの皮の中に収まり、容器の隅でナスとカボチャが味噌田楽になっている。
どこを見て茶色く、どこを食べても温かみがある。そしてニンジンの細切りが弁当の中のいたるところで顔を出して陽光を放つから、見栄はくすむどころか鮮やかである。
すべてが冬の南国の温かさを感じさせ、素晴らしい旨味を出している。

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03/28 「牛肉たけのこおこわ」と「品川名物貝ずくし」

2013年03月28日 | インポート

【牛肉たけのこおこわ】

みちのくふる里の味という掛け紙の「牛肉たけこおこわ」は、東北本線・米沢駅の駅弁。
竹の弁当箱風の容器を開けると、炊き込みご飯、牛肉煮、竹の子煮、茄子煮、里芋煮、人参煮、昆布巻き、椎茸煮、牛蒡煮、ふきみそ、大根味噌煮が入った弁当。
おこわの炊き込みご飯は、味が薄く、しかも中の具の味はしっかりしていて旨い。たた゛、牛肉煮の味がしっかりしていて、竹の子煮の味など、全ての味が消えてしまっているのが残念。もう少し牛肉煮の味が薄味なら、色々な味を楽しめたのでは?煮物も相対的に味が濃い目でした。やはり東北の弁当のせいか。
しかし、東北だけに茄子煮、大根味噌煮の漬物は旨かった。ふきみそも味を変えるのに最適でした。ちょっとした苦味が最高。

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【品川名物貝づくし】

新幹線品川駅開業時に生まれた「品川名物貝づくし」は、東海道新幹線・品川駅の駅弁。
フタを開けると、茶飯の上を、貝のサイズの大きい順に、ハマグリに似たアサジ貝の煮物、アサリの浅炊き、シジミの山椒煮、イタヤガイの小柱で覆い尽くしている。弁当なので玉子焼きや漬物類や青菜といった付け合わせも添えているが、駅弁の名前どおりメインは間違いなく貝であり、その名に恥じない貝づくしの駅弁である。
様々な貝やその煮汁の味が混ざり合う駅弁など、他にはない。臭いも味も刺激の強い紅生姜が貝と一緒に詰められている点だけは残念だが、甘みや辛味が強くない淡い味付けにより、貝づくしの風味と食感を食べ始めから終わるまで存分に味わうことができる。
貝の駅弁は、作るのが難しいらしい。冷めた状態で味を出す必要がある。貝は下ごしらえを上手くしないと生臭くなり、工夫して煮たり焼いたりしないと堅くなる。この駅弁に入る各種の貝は、普通に香り、普通に柔らかい。購入者の多くは、想像に及ばない工夫に、玄人筋からは感嘆の声が聴かれるという。

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03/27 「鮎屋の極薦」と「桜弁当」

2013年03月27日 | インポート

【鮎屋の極薦】

駅弁福袋ににも入っている「鮎屋の極薦」は、肥後おれんじ鉄道・八代駅の駅弁。
早速開けてみると、色とりどりの具材が入っていて見た目も華やか!様々な味を楽しめそうだ。
この弁当は有名な「鮎屋三代」のミニ版。絶妙のタレを使って丁寧に煮込まれているという鮎は、骨まで食べられるほど柔らかい。少し濃いめの味付けが、ご飯との相性はバッチリ。箸がどんどん進みます。
鶏肉は熊本地鶏・天草大王。一時は絶滅したが、10年以上かけて復元させたという幻の鶏である。食べてみると肉自体にしっかり味があり、香りも楽しめる。パサパサ感もなく美味しい鶏肉です。
蒸した塩ダレの胸肉と、焼きたてのモモ肉の2種類入って、それぞれ違った味を楽しめる。どちらもサッパリしていて飽きのこない味。胡椒の風味が味を引き立てる。
柔らかい鮎の甘露煮と幻の鶏・天草大王の2つの味を一度に楽しめる贅沢な駅弁。ニンジン、玉子焼き、シイタケなどの付け合わせも豊富で、食事バランスが気になる方にもお勧めです。

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【桜弁当】

馬肉好きにはたまらない「桜弁当」は、東北新幹線・七戸十和田駅の駅弁。
馬肉といえば桜色を想像してフタを開けてみると、そこには全く違う光景が!
馬肉とゴボウを味噌煮込みにしているため、馬刺しとは全くことなる様子の弁当が待っていた。
食べてみるとこれが旨い。ゴボウとの相性も抜群で、馬刺しとはまた一味違った味が楽しめる。
ご飯にも味が良く染み込んでいて、冷めても美味しい駅弁の本領発揮といったところ。
真ん中にのったマイルドニンニクはスタミナ満点食材でしたが、食後の口臭もあまり気にならないので、会社員の方々の昼食にも大丈夫だと思います。
付け合わせの味噌南蛮は濃厚、長芋はあっさり、赤かぶは口直しに最適。

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●京王百貨店の駅弁シリ-ズはこれで終了します。


03/26 「前沢牛肉巻きにぎり寿司」と「城崎のかにずし」

2013年03月26日 | インポート

【前沢牛ロ-ストビ-フ肉巻にぎり寿司】

肉好きにはたまらない「前沢牛ロ-ストビ-フ肉巻にぎり寿司」は、東北本線・前沢駅の駅弁。
ロ-ストビ-フでご飯を巻いているところは新しいスタイル。フタを開けると2種類のにぎり寿司が全部で5個。
海苔で巻いてある方の肉はトロッとしていて、ワサビがのっている方の肉はサッパリとした印象。肉の種類が違うのだろう。
小ぶりな印象だったが、食べてみると思ったよりも肉の中にしっかりご飯が詰まっている。肉もご飯も満足のボリュ-ムだ。
肉は厚すぎず、柔らかくて嚙みきれる位の厚さなので、肉の旨味がしっかり味わえて旨い。
そのまま食べても十分美味しいが、付属の甘辛味のタレをつけると肉の味が一層引き立つ。
付け合わせのコンニャク玉もまた美味しい。さっぱりしていて、肉の味を存分に味わった後の箸休めにぴったりだ。歯応えも楽しめる。
チョット高価に思える価格であるが、れだけロ-ストビ-フがふんだんに使われているので納得の値段です。
肉がしっかり入っているので、がっつりいきたい男性はもとより、肉は好きだけど脂が気になるという女性にもお勧めの弁当だ。

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【城崎のかにずし】

地域の味が詰まっている「城崎のかにずし」は、山陰本線・城崎駅の駅弁。
中身はちらし寿司、巻き寿司、押し寿司と3種類の寿司で、まさにかにづくし。
ちらしはご飯の上にたっぷりかにが散らしてある。さらに大振りのカニ足が2本。これだけ見てもずいぶん豪華である。
ご飯は少し甘めの味付け。味がしっかりついているので美味しい、こだわりが感じらる。
巻き寿司、押し寿司と3種類すべてを食べ終えると結構な満腹感。見た目よりもボリュ-ムたっぷりである。
地元で穫れたかにを使っているので、心ゆくまで旨いかにを味わえ、かに好きの方はもちろん、ボリュ-ムがあるので、お腹一杯お寿司を食べたいひとにはお勧めの駅弁です。

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03/25 「瀬戸内鯛寿司」と「さくらどんこ弁当」

2013年03月25日 | インポート

【瀬戸内鯛寿司】

ネットの「美味しかったランキング」で一位になった「瀬戸内鯛寿司」は、山陽新幹線・姫路駅の駅弁。
中には寿司が6個入っています。刻んだ柚子と昆布が彩りを添え、食欲をそそる。柚子がアクセントになり爽やか、昆布の風味も感じられる。
寿司の間には海苔が入り、これもまた絶妙。さらに厚みのある鯛自体にも満足!主役の鯛を引き立てる細やかなこだりになんほど~という感じ。歯応えのある酢漬けの蓮根も美味しく、箸休めにぴったり。
醤油がついているがたのまま食べ方が素材本来の味が楽しめ、サッパリしているので飽きずにあっという間に完食。
小ぶりなのでお腹が空いているとちょっと物足りないかも・・・・小腹が減ったときには丁度よい量てす。
年齢を問わず女性にお勧め、男性にはかっつりした弁当の方が。ランキング一位になるのも納得の絶品駅弁でした。

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【さくらどんこ弁当】

見た目が豪華で、おかずもたくさん入っている「さくらどんこ弁当」は、天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅の駅弁。
駅弁を食べる時は栄養の偏りが気になるが、この弁当なら満足てきそうである。
ご飯の上に半分はウナギ、半分はどんこが乗っている。付け合わせはアサリの時雨煮、わさび漬け、デザ-トの求肥、料亭が作ったというだけあり、とても上品に印象の駅弁です。
メインはどんこは肉厚で、程よく甘辛い味が染み込んでいて旨い。椎茸をメインにした弁当はあまりないと思うがねこれなら納得の大きさと味!しかもご飯との相性も抜群。炊き込みご飯もとかく旨い。ご飯だけでもかなりいける。
もう半分乗っているウナギの蒲焼きも上品な味付けで、こちらもご飯との相性が絶妙。
名前のとおりどんこがメインの弁当であるが、鯛も美味しいのでどっちがメインなのか分からなくなります。
付け合わせも豊富。アサリの佃煮はパンチの効いた懐かしい味。人参は出汁の味が染み込んだ薄味。大根の桜漬けはさっぱりが絶妙で、箸休めにちょうどよい。静岡の名物わさび漬けまで入っている。
デザ-トにはブドウ、みかん味の求肥があってこれもまた美味。最後の最後まで食事を楽しめるよう、料亭ならではの細やかな心遣いが感じられる。

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03/23 「祭りずし 極み」と「たいらぎ弁当」

2013年03月23日 | インポート

【祭りずし極み】

祭りずしシリ-ズの「祭りずし極み」は、山陽本線・岡山駅の駅弁。
使っている米が「岡山県木村式自然栽培実行委員会むによる「朝日米」とのこと。
パッケ-ジも赤と黒のスッキリしたデザイン。持った感じは大きさの割に重みがあり、ギッシリ詰まっている印象。
フタを開けると、見た目も海の幸、山の幸が綺麗に配置され、色とりどりの具が中々豪華である。
「ままかりの酢漬けなどさっぱりしたものと、煮付けや玉子焼きなどの甘みが絶妙のハ-モニ-を醸し出している。こういうところがちらし寿司の良いところだ。
朝日米を使ったご飯は、適度な粘り気とご飯の粒立ち感がちょうど良いバランスで、上に載っている具と共に主役を競っている感じである。また、味付けも酸っぱすぎることなくほんのり甘みも感じられる。
「海の幸と山の幸」「さっぱり味と甘み」「ご飯の粘り気と粒立ち感」といった幅広い味を楽しめるのも、この駅弁の特徴。

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【たいらぎ弁当】

珍しい具材の「たいらぎ弁当」は、予讃線・高松駅の駅弁。
たいらぎ貝は、長
さ40センチほどにも成長する瀬戸内海特産の貝。塩焼き、照り焼き、煮付けにしたたいらぎ貝の貝柱の3種類の味わいと食感が楽しめる弁当。また、貝ヒモの佃煮もほんのり生姜の風味が広がり美味しい。お酒にも合いそうです。
上品な旨味と甘みのある味わいと歯応えが特徴の、たいらぎ貝が満喫できる駅弁です。
讃岐米「ひのひかり」を使用した、たいらぎ貝の炊き込みご飯も、貝の旨味が凝縮されている。ほんのり甘く、ご飯だけでも箸が進む。
添えられている香川県特産のさぬき菜の漬物はシャキシャキしていて、醤油豆は香ばしい風味が口に広がる。瀬戸内産の小エビが練り込んであるえび天は不思議な食感をわ与えてくれる。
メインから副菜まで地元の味が詰まった美味しい駅弁です。

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03/22 「伊勢えび弁当」と「どて&大えびフライ丼」

2013年03月22日 | インポート

【伊勢えび弁当】

黒い掛け紙に金文字で豪快に弁当名の「伊勢えび弁当」は、いずみ鉄道・大原駅の駅弁。
フタを開けると重箱を斜めに仕切った片側に半身の伊勢海老が!もう片方は錦糸玉子、桜でんぶ、菜の花の3色が色鮮やかなちらし寿司。
早速伊勢海老を・・・重い!仕方なく両手で掴んで・・・・身が取れない!びっちり詰まったプリプリの身にかぶりつく。「ワイルドだろ~」と思いながらこの食べ方は正解。
鬼殻焼きされた伊勢海老の香りが鼻腔を刺激、甘辛い醤油味のプリプリ身の感触も最高である。ちらし寿司を忘れて伊勢海老を完食。
おかずは伊勢海老だけでなくカジキマグロやサツマイモなども添えられている。
ちらし寿司。キレイだけでなく酢が効いていてしっかり美味しい。房総の早春を連想される菜の花や、華やかな色合いで春らしいちらし寿司はそれだけでも食べたくなる美味しさで、あっという間に完食してしまう。
食べる前のイメ-ジと違ってとっても華やかで春を感じられるような弁当です。

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【どて&大えびフライ丼】

高級感あふれる金ピカのパッケ-ジの「どて&大えびフライ丼」は、東海道新幹線・三河安城駅の駅弁。
パッケ-ジを開けると、ど-んと大えびフライが1本。その周りを尾張牛の牛すじどて煮としぐれ煮が取り囲んでおり、ご飯の白い色が見えるのはほんのわずかのスペ-ス。
大えびフライは3分割されており、ガブッといきたい気持ちも分かるが、これならとても食べやすい。
最初に大エビを。プリッとした食感がたまらない。そして尾張牛の牛すじどて煮としぐれ煮はしっかり味がついていてご飯を食べる箸が進む。
その他味噌煮玉子や山菜醤油漬けのつけ合わせもあり、空腹の時にびったりの弁当です。

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03/21 「ぎんが食堂各駅停食弁当」と「品川弁当」

2013年03月21日 | インポート

【ぎんが食堂各駅停食弁当】
絵本の様な可愛い箱の「ぎんが食堂各駅停食弁当」は、いわて銀河鉄道線・盛岡駅の駅弁。
絵本を開くようにフタをあけると、そこには電車の形の弁当が3つ。
電車型弁当のフタを開けると、色とりどりの食材とご飯が1両につきご飯も1種類。3種類のご飯とは米好きにはたまらない。
1つめの盛岡駅は、ご飯は茶飯、刻み胡椒のコリコリした食感と味噌漬け大根の味が素敵なハ-モニ-♪ 他にもダシが効いた出汁巻き玉子、鮭と枝豆蒸しなどが入って、この車両は「前菜」的な要素が詰まった弁当。
2つめの滝沢駅は、鮎の甘露煮が入っている。またいい甘さで、口の中でほろほろと崩れていく柔らかさがたまらない。シンプルな紫蘇の実付きの白飯がぴったり。里芋のじゅね味噌や煮物など山里の「おかず」車両。
3つめの岩手沼宮内駅は、フタを開けると茶色のインパクトがある車両。岩手短角牛の煮飯にミニハンバ-グ、やまと豚ソ-セ-ジに野菜を巻いたもの、ホタテの甘露煮など、「メインデイシュ」にふさわしい面子が勢揃い。ブランド牛はもちろんであるが、このホタテが肉厚でしっかり味がしみていて本当に旨い。
ここまでですっかり満足したが、「あんチ-ズ」味のおやきがデザ-トについている。さすがコ-ス仕立てということである。お腹も旅気分も存分に満足できる一折でした

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【品川弁当】

掛け紙が江戸時代の浮世絵のような「品川弁当」は、東海道本線・品川駅の駅弁。
江戸情緒あふれる弁当かなと安易に想像しつつ、フタを開けるとお品書きが。その下には4つに仕切られたそれぞれにご飯とおかずが各2カ所に綺麗に盛り付けられた弁当が。味も色彩も楽しめそうである。
お品書きの1品目には「鯨カツ」とある。口に入れるとクセはあるが野趣あふれる旨さである。
2種類のご飯ものは白米に煮穴子とあさり時雨煮が乗ったものと桜エビの炊き込みご飯。穴子好きにはたまらない1品。
あえて「品川飯」にしないところが「品川」としてのプライドなのか。桜エビの炊き込みご飯は薄味で他のおかずを邪魔しない良い味付けでした。
おかずは種類が豊富でざっと鶏西京焼き、えび天、蒲鉾、玉子焼き、釜揚げしらす、野菜煮物、つぼ漬けと、海のもの山の物盛り沢山。

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