今日、友人Kさんから届いたメールを見て驚きました。
Kさんは今マスコミでも話題になっている日比谷公園の「年越し派遣村」で、12月31日からボランティアとして働いていたのです。
Kさんの了解を得て、その一部をご紹介します。
私は31日から日比谷公園の年越し派遣村でボランティアさせていただいています。
正直いうと畳の上で年を越せない人がいるのかとショックを受けています。
テレビ報道の影響で入村者が雪だるま式に増えています。
食事の時は行列が1時間以上続きます。
食品庫として使っていたテントを急遽宿泊用にしたり、近くの学校の教室を借りたり、宿泊場所を確保するのに苦労しているようです。
先ほど見たニュースでは近くにある厚生労働省が講堂を貸してくれるとの情報がありました。
全国から、米、芋、大根、りんご、みかんなどが届いています。
ボランティアの数も日に日に増えています。
足りないのは、火と炊事場です。
日比谷公園はもともとそういうことをするように作られていないため、洗い物だけでも大変時間がかかります。自衛隊の災害派遣を頼みたいくらいです。
そんな中、毎日、毎日、リュックに食材をつめてやってきてくれる人と話をすることで本当に心が暖まります。
私は入村者のためというより、これだけ異常事態だということを広めて、社会を変える力になればという想いで明日も働きます。
私は何かお手伝いできないか、送るとしたら何をどこに送ったらいいかなど尋ねました。
Kさんはこのように答えてきました。
正直いうと食材は足りています。
足りないのは調理器具、水道、照明、暖房器具、燃料などが足りないです。
お願いしたいのは、この事実を多くの人に広めるということです。
派遣という働き方が間違っていること、
大企業は派遣を切るほど困っていないこと、
想像以上に困っている人が多いことなど今の社会がおかしいことを広めてほしいです。
正直なところ、私はKさんのいう言葉が正しいかどうかはわかりません。
大企業の経営状態も、派遣制度についても、私自身は不勉強なためよく理解しているわけではないからです。
けれど、こんなに生活に困っている人々がいる今の社会はおかしいと、やはり私も思います。
そして、国や行政の無責任を感じます。
「年越し派遣村」実行委員会がやっていることは、本来、行政がやるべきことではないでしょうか?
企業の論理ばかりを優先した政策を取り続けた結果が今の状況をもたらしているのは明らかだと思います。
ヨーロッパのように、非正規雇用も認める代わりに、正社員と同等の労働者の権利を企業に認めさせていたら、このような異常事態は起こり得なかったでしょう。
その責任を感じて、国はとにかく今すぐ支援に立ちあがってほしい。
そう思います。
再度友人にメールを入れ、私に協力できることを尋ねました。
一番いいのは、カンパだそうです。
毎日新聞にそのことが書かれていました。
「年越し派遣村」へのカンパは800万円を超えたが、今後もさらに募る。問い合わせは臨時電話(090・3499・5244)、振込先はみずほ銀行銀座支店 普通2692964派遣村寄付金口座 弁護士棗(なつめ)一郎
湯浅誠さんは、現在の貧困状態の背景として「5重の排除」を挙げています。「教育課程から」「企業福祉から」「家族福祉から」「公的福祉から」そして「自分自身から」の排除です。そしてその全ての「排除」を「自己責任論」で片づける風潮が日本にはあります。決して個々人の責任ではなく、国が作り出した状況なんですよね。国民に、「死ねないから生きているにすぎない」(湯浅誠著「反貧困」)と思わせるような政治は変えなくてはいけない。そのために、私に出来ることは小さいことかも知れないけれど、探し続けたいと思います。
そして、それを放置してきた政治。
日本は経済以上に政治の貧困が大問題なのかもしれません。