今夜はクリスマス・イブ。
日本中が宗教とは無関係に、この日を祝っている。
私も子どもの頃は本当に楽しみにしていた。
願っていたプレゼントが本当に届けてもらえるか?…ワクワクしながら、
サンタさんをこの目で見たいから今年は絶対起きていよう!という思いと、
「早く寝ないとサンタさんは来てくれないよ」という母の言葉に脅されて、早く寝なきゃ!という思い、
2つの思いに悩みつつも、寝付きのいい私はすぐに夢の中。
気が付くといつも朝。そして枕元にはプレゼントが…。
小学2年生までサンタクロースの存在を信じていた。
その年にもらったプレゼント(何だったかもう忘れた)を近所の友だちに見せて喜んでいたら、
「それはお父さんかお母さんが置いたんだよ!サンタクロースなんていないんだよ!まだ信じてたの?」
とあきれられて、半ベソかいて家に戻ったっけ。
母が否定してくれるものと思っていたら、あっさり「ついにばれたか…」と言われ、
よけい大泣きしたのを覚えている。
翌年からプレゼントをもらう楽しみも半減してしまった。。
また、当時はクリスマスにしか食べられないローストチキンやデコレーションケーキを思いっきりパクつけるのも嬉しかった。
チビチビ食べる姉は、26日くらいまで取って置いて、私に見せつけながら美味しそうに食べていた。
最近は、サンタさんからクリスマスカードが届くシステムもあるようで、事前に申し込むとフィンランドのサンタさんからお手紙が届く!(もちろん有料)
ところが、サンタさんのほんとのふる里はフィンランドじゃない。
サンタさんの発祥の地は実はトルコだ。
紀元3世紀、聖ニコラ(セント・ニコラウス)という慈悲深い神父さんがいて、死んだ子供を生き返らせたとか、貧しい娘を助けるためにその家の煙突から金貨を投げ入れたら、暖炉に置いた靴下の中に入ったとか、いろんな伝説がある。
その言い伝えがヨーロッパからアメリカへも伝わり、トーマス・ナストが漫画に描いて広まったらしい。
しかし、ナストの絵に描かれたサンタの服の色は、白雪姫に出てくる小人たちのように色々だった。
ところが、1931年、コカコーラ社が宣伝に使うため赤と白を基調としたサンタクロースを画家に依頼。
その販促企画が当ったのだろう、サンタクロースと言えば赤い服が定番になってしまったというわけ。
以前、スウェーデンのメールフレンドが嘆いていた。
スウェーデンにも昔からサンタクロースの言い伝えがあって、絵本もあったが、そこではサンタクロースの服は灰色だったそうだ。いかにも聖人に相応しい厳かな雰囲気だったのに、今じゃ軽薄な赤い服を着せられてかなわない・・とボヤいていた。
彼は幼い娘のために、午後3時を過ぎると「ちょっと出かけてくる」などと言い置き外に出て、そこでサンタの服に着替えて「メリークリスマス!」と現れるのだそうな・・スウェーデンではこの時期、3時頃はもう夜だから。
今夜は世界中に偽サンタが出没するだろう。
数日前から、東北の被災地にもたくさんのサンタクロースが現れているらしい。
でも、サンタクロースは子どものところにだけしか現れないのだろうか。
3年前には年越し派遣村が注目されたけれど、今はもう路上生活者のことは話題にならない。
そんなに簡単に解決されたとは思えないが…。
電気は使わなくても温かな夜を過ごしている幸せを噛みしめつつ、窓の外をそっと見る。