ローカルなニュースですが、国際的なニュースでもあります。
首都圏の新聞には掲載されましたでしょうか?
「よみがえれ!有明弁護団」が、韓国で今年新設された「水環境大賞」の国際賞を受賞することになったのだ!
「よみがえれ!有明弁護団」とは、諫早湾干拓事業によって漁場環境が悪化したとして、沿岸4県(福岡・佐賀・長崎・熊本)の漁業者が、国に対し、潮受け堤防排水門の常時開門などを求めている「よみがえれ!有明訴訟」の弁護団のことである。
かつて、「宝の海」と呼ばれ、生き物の宝庫だった有明海が「死の海」になったという。特にノリの養殖やタイラギ(二枚貝)漁の業者にとっては、死活問題なのだ。
漁師の訴えに耳を傾けた佐賀地裁が、開門を命じる判決を出したのは、今年6月下旬だった。しかし、翌7月10日、国は控訴した。歓喜の声は怒りと涙に変わった。
このような状況を把握した上で、他国からその弁護団に大きな評価が与えられたのだ。
弁護団のみならず、漁民にとってもどんなに大きな励ましとなったことだろう…と思う。
こういう賞を設けたのはどういう組織かと調べてみると・・・
水の大切さを伝える番組を8年間も放送している民法TV局のSBSと、環境運動連合というNGO、日本の環境省に相当する韓国政府の環境部の3者によって設けられたようである。
そして、水の保護活動で功績のある個人や団体を表彰するのだそうだ。
やはり、有明弁護団への授与に対して、環境部はやや消極的だったらしい。ということは、他の2つの組織が強く押してくれたのだろう。
以前、韓国の方とメール交換していた時、諫早湾の問題に詳しかったのでびっくりしたが、TVで放送していたと教えてくれた。韓国でも諫早湾と似たようなケースがあって、そのとき日本の失敗を教訓に水門を開けたら、死にかかっていた海がよみがえったとか・・・そのような内容だったらしい。
そんなことを思い出した。
それにしても、その栄えある第1回水環境大賞の「国際部門ガイア賞」に、なぜ我々なのかと、弁護団は環境運動連合に問い合わせたらしい。
その返事は、
1.佐賀地裁で原告側が勝訴した
2.長年にわたり漁民と連携し活動してきた
3.無償で弁護に取り組んでいる
の三点を挙げられたそうだ。
この弁護団だけでなく、いろんな分野で、無償で庶民を助けて下さっている弁護士さんたちが日本にはいる。
生まれつきの正義感に突き動かされてか、専門家としての使命感に燃えてか・・・とにかく頭の下がる行為である。
<弁護団事務局の岩井三樹さんは「有明海の再生に向けた闘いが国際的に評価された。(12月から福岡高裁で始まる)控訴審への弾みにしたい」と話す。>と佐賀新聞には書かれていた。
明日12日、韓国・ソウルで受賞式があるそうだ。
漁民の方々はもちろん、ムツゴロウなど有明海の干潟にすむ生き物たちもきっと喜んでいることだろう。。